2001/10/28 両神山金山沢

両神山金山沢右俣遡行記録
                  文責3年佐藤
[遡行日]
2001/10/28 前夜発出合一泊 

[面子]
L佐藤(3) 荒木 関口(2) 山崎(2) 土松(1)

[行程]
出合7:30〜8:00 8m滝 8:30〜9:10 1350の分岐〜9:30水を汲む〜10:20 1683東の鞍部(遡行終了)10:47〜10;50一般登山道〜11:00廃道入り口〜12;15落合橋

18:30 御徒町発 20号線は事故で混んでおり、渋滞。
20:00 高井戸にて山崎・荒木を拾う。
20:40 三鷹寮にて関口を拾う。ヘッテンを忘れたが部屋まで取りに戻るのが面倒くさいとぬかすが俄然取りに帰らせる。
00:40 落合橋着 幕営。車のライトに照らされる林道は相当の量の落ち葉に覆われている。来るのが遅かったかと一抹の不安。 8台ほどの駐車スペースがある。車は他に3台ほど。関口はなぜかシュラフを忘れ、膝を抱えて寝る羽目に。寒かったらしい。
1:30 就寝
朝早くから人の声や車の音がしていた。意外と人が入っている。6;30起床 天気はうす曇。のんびりと朝食撤収遡行準備。他の車の人たちの大半はもう出発したようだ。

7:30遡行開始 落合橋のすぐ上流から降りられる。
出合いはがっぱり大きく開け、高い崖に囲まれている。思ったとおり紅葉終わりかけだが、色づいた落葉いっぱいの沢床と、滑らかな岩肌を覆う上品な流れは印象的だった。

ナメが続く。二五万では小さいと思える枝沢でも現地では顕著にわかる。基本的にはすべてナメ状。

8:00〜8:30 1230あたりの8mナメ滝(逆層) 
落ちてもケツに刺さりそうな岩は出ていないし、そのうち傾斜で止まるだろう。と、思っていると、左壁に取り付いた関口が滑り、途中で荒木にタックルをかまして二人いっしょに8mほど滑り落ちた。荒木はけろっとしていたが、関口は肘などを軽く打ったようだ。続いて左壁に取り付いた佐藤も5mほど滑り落ちる。土松がザックを掴んでくれたが途中で諦めたのか佐藤一人で滑った。怪我はなし。山崎は登っていないのに、その場で滑って転んでいた。
 左壁に佐藤が再度チャレンジし、左岸から小さく巻き気味に突破した荒木がたらした6mmお助けシュリンゲで確保・突破。続く土松・山崎にはザイルを出した。 関口は、荒木のシュリンゲで右壁アタック。突破したようだ。

その後続くナメでも、適当に行ってプチはまる関口と、それに付いて行ってますますはまる土松が面白かった。スタンスはあるのだが落ち葉で隠れて見つけにくい。逆層だがフリクションは普通で、傾斜がゆるいので落ちても問題無く止まりそうなナメが大半。

9:10 1350の分岐
すぐ手前の枝沢を分岐と間違いやすい。二五万をよく見、先に更なる分岐が見えないか確認することが必要。

9:30水を汲む
1683の岩峰が見える。あれより西に詰め上がってしまったら大変らしいので見える事は心強い。

10:20〜10:47 1683東の鞍部(遡行終了)
最後の分岐で右俣に詰めた。崩壊気味で登攀要素が急に濃くなるが、少し進むとすぐ尾根に乗る。微妙な霧雨が降っており、結構寒い。雨具とフリースを着込んで休憩。左俣下降は断念して廃道を下降することにした。

10;50一般登山道〜11:00廃道入り口〜12;15落合橋
廃道は何本かの沢をトラバース気味に超え、大尾根の1450あたりに乗る。状態は良好、ハイクの登山者ともすれ違った。超えた沢はどれもナメ気味で急傾斜。関口が滑ったり、ちょっと怖いところもある。しかし、たっぷり積もった落ち葉と色づいた林で風情満点の道。雨も止んで天気は気にならない。下降がこんなに楽しかったのは初めてかもしれない。ただ、その落ち葉のせいで道が滑りやすい。カモシカを見た。いつ見てもデブい。廃道へハイどうぞ(山崎?)とばかりにのんびり下降。

[まとめ]
 ナメ部分は滑りやすいが、基本的にはフリクションは普通。岩はしっかりしている。 大きく開けた明るい雰囲気や比較的規模の大きいナメはお奨め。(ただ、上部の崩壊が激しく大ナメの半分近くは瓦礫に埋まっていた。)
 水・滝が少なく遡行距離が短いので、登攀要素や水と戯れる沢を期待して行くところではない。秋、紅葉が散り始めた頃を狙って行くと、じじくさい風情が満喫できる。
 また、2000年版東京周辺の沢に限って、金山沢の遡行図は他の沢の物に比べてまったくもって使えない。沢の読図にある程度馴れていれば二五万だけで遡行に問題はないが、ネットなどで下調べを入念にしたほうがよい。はまった記録がいくつかある。
 万が一左岸から早目に詰めあがってしまうと両神の急峻な岩尾根に突入してしまい、一般登山道まで崖をへつりーの懸垂下降し−のパブロフ状態に陥ってしまうらしい。また、間違えて右岸に詰めあがってしまうと超急傾斜でしかも逆層のナメ滝が果てしなく続き、引き返そうにも下降ならぬ滑降(でも滑落よりは格好いいかも(荒木))になってしまう恐れもある。読図が未熟な面子だけで軽軽しく入って迷ったりすると、対応できないようなエライ目に合うと思う。

[反省]
 ナメ滝でそれぞれ皆仲良く落ちたことがどれ位重要なことなのか未だに判断しかねている。あの滝の場合の傾斜や距離、地面の状態で、ザイルを出さずに落ちたことは問題ありなのだろうか?沢反省会で話したい。
 遡行計画書に捜索要請日時と、タイトルに「左俣下降」を加えるのを忘れた。(在京にはその旨連絡した。)
 テントの幕営・撤収をまったく手伝わずに一人、車の中でタバコ吸いながら地図を見ていた。すいません。
 駐車場での夜中の幕営時の態度に大きな疑問を感じた。一度注意したにもかかわらず、他の車をヘッテンで照らしたり、大声で話したり、車のドアを気遣い無く閉めたり。朝のテント周りの騒々しさで、前夜の自分たちの行動が如何に迷惑かが良くわかるはず。これは沢どうこう以前の問題で、ハイクや一般山行でも同じような状況なのならば、本人達はもちろん手本になっているはずの、2、3年の上級生にも大いに反省する余地がある。