2002/8/1-6 表銀座-槍-笠ヶ岳

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夏合宿。feelin'summerなB隊記録

▼作成 土松隆志(23期)

▼山域 北アルプス(表銀座〜双六〜笠)

▼日程 2002年8月1日〜6日(31日夜発)

▼メンバー
CL土松隆志(23期) SL関口豊和(22期)
今野早紀(24期)、杉山哲弘(24期)、竹村嘉洋(24期)

▼行動記録

○7/31
2230新宿駅集合→2350発

■土松が新宿へ向かう電車の中で杉山からTEL。酔っているの
か何を言っているか全くわからない。しばらくして杉山母から
再びTEL。クラスのコンパで泥酔、現時点で自宅から新宿駅
へ向かえる状態にないとのこと。一時はお母さんに共同装備を
新宿まで持ってきてもらい、お母さんのおっしゃるとおり杉山
は今回は参加を諦めてもらおうかとも思ったが、明日関口さん
に中房で待ってもらい、杉山が朝一番のあずさで追いかければ
合流も不可能でないと思い、杉山母にその旨連絡。明日の朝、
体調良好ならそのような形で参加ということに決定。
■新宿駅ではさまざまな先輩方に見送りに来ていただきました
。ありがとうございました。差し入れもいっぱい〜♪

○8/1 中房温泉〜燕の日 
快晴・暑い

450/520頃穂高駅→630/730中房温泉→830/920第一ベンチ→1025/1100'1950m
付近(関口分離)→1155/1235'2330m付近→1245今野頭痛薬服
用→1345/1410合戦沢の頭→1520/燕山荘
(1715関口杉山合流)

■早朝杉山宅に電話、どうも行けるとのこと。在京にその旨連
絡。
■杉山の合流について以下のように決めた。
「関口は11時頃まで自分の荷物の荷揚げのために土松たちと一
緒に登る。そこから関口は空荷で下山、杉山を待つ。杉山と合
流次第杉山の荷物を受け取り先発隊を追いかける。杉山が15:00
まで中房に現れないようなら、公衆電話で杉山自宅及び在京に
その旨連絡し、関口は一人で先発隊を追いかける。一方、先発
隊は基本的に後発隊が来るまで燕山荘を動かないが、次の日の14:00
までに来なければ下山開始、下山途中で後発隊に出会えないよ
うなら下山後直ちに在京に連絡、捜索要請を行う。 」
■トップ土松、ラスト関口(分隊後は竹村)
■第一ベンチは水場豊富、双六まで水場がないのでポリタンを
満タンにしていく。
■関口分隊後は関口の共装もあり、いよいよザックが重い。合
宿終了後メンバーに聞くと皆口をそろえて「合戦尾根がつらか
った。」重い荷物と照りつける夏の日差しにへろへろになった
頃、合戦沢の頭着。槍、大天井、燕が大きい。
■燕山荘は生ビール500mlで800円、テン場代一人500円、水代1
リットル200円(テン場代、水代は以後どこも一緒だった。)
テン場は広くはない。2〜30張。
■後発隊はまだ日の高い17:15に到着。よかったよかった。
■夕食は粗相杉山による中華丼?「肉を前面に押し出して」い
たつもりがもやしが前面に出ていたような。野菜炒めでした。
でも美味しかったよ。
■夜はすばらしい星空。東の空には大きな入道雲。稲光がバチ
バチ走るのが夜空に浮かび上がる。ちなみにこの日、東京では
大変な夕立だったとのこと。納得。

○8/2 燕〜西岳の日 
曇り・肌寒い(風強い)

/500燕山荘→605/625'2678mピーク先→740/800喜作レリーフの
コル→835/1020大天荘(大天井往復)→1055/1130大天井ヒュ
ッテ→1220/1255'2643先コル→1350/1420赤岩岳先→/1440西岳
ヒュッテ

■3時起床
■トップ竹村ラスト土松
■歩き出してしばらくの砂礫帯はコマクサ、赤岩岳周辺になる
とトリカブト、ハクサンフウロ、チングルマ、シモツケソウ、
ミヤマキンバイ、コバイケイソウ。。。高山植物咲き乱れる美
しい稜線。大天井を過ぎると人も少なく、表銀座といってもこ
んなものか、と思ってしまった。
■大天井へは山頂ダッシュ。1位はCL♪以下は知らん。山頂で
は竹村のメロン(1個目)を食す。
■西岳へはアップダウンは少ないがやや長い。オノケンに言わ
せれば「表銀座はコースタイム余裕」らしいが、雷鳥の一般山
行のペースだと、コースタイムは決して「余裕」ではなかった
。
■夕飯は今野によるビビンバ丼&カルビ。なんだか石油くさか
ったのもご愛嬌。おいしかったよ。
■夕だちのあとには美しい星空が広がった。明日は快晴に違い
ない。

○8/3 西岳〜槍の日  
快晴・暑い

/510西岳ヒュッテ→615/640水俣乗越前ピーク→742/810約20m
のはしごのコル先→925/1005ヒュッテ大槍→1058/槍岳山荘

■3時起床
■コースタイムは3:50と余裕の一日だが、途中は鎖とはしごの
連続する全行程の中で一番スリリングな日。トップ土松、ラス
ト関口。
■快晴、無風。槍は目前、気合が入る。
■最初の核心は西岳大下り。1年生3人とも動きは安定しており
、まあ安心してみていられた。落石がちょっと怖い。
■次の核心は東鎌尾根、コルに至る約20m3段のはしごの下り。
コルの両端は切れ落ち、吊り橋のようになっている。こわーい
♪
■ヒュッテ大槍はエアリアに水場マークはあるが、実際には買
わないといけない。1年高橋さんの差し入れをいただく。どう
もありがとう!おいしかったよ。
■11時前にその日の目的地につき、実は余裕の一日であった。
でも実はこの後一、二悶着。。。
■槍岳のテン場は狭く(約20張)、さらに一張ごとに枠で仕切
られている。山小屋で最初に割り当てられた場所は赤ダンには
狭く、チェンジしてもらう。次の場所はもっと狭く、さらに危
険な場所で、再びチェンジ。3度目の正直で、どうにか本体は
張れたものの、前室部分のポールは立てられなかった。ここの
テン場は赤ダンが限界。ライトエスパジャンボ
級のテントによる幕営は不可能。
■14時過ぎから槍往復。岩場は東鎌尾根をこなした1年生たち
には別に大したことはなく、余裕の様子。山頂付近ではツアー
のガイドが「交通整理」を行っており、その中でほかのツアー
の人とのちょっとしたトラブルも見られた。槍の往復は、人が
他にいなければ30分もかからないだろうが、結局1時間30分を
要した。
■竹村の夕飯はたらこスパゲティ。簡単に作れるうえ結構おい
しい。
■杉山はこの日、早くも禁酒を解く。「粗相でした」などとわ
けのわからないことをのたまってやたら飲みまくる。今野静か
にブチキレ。

○8/4 槍〜双六の日 
曇り・肌寒い

/640槍岳山荘→737/805千丈沢乗越→910/1000'2674m前→1105/1143
硫黄乗越→1235/1300縱沢岳→1320/双六山荘

■3時起床、外が晴れないのでしばらくまったり。下るだけの
余裕の一日なのでまあよしとする。
■トップ杉山ラスト土松
■途中何度か立ち止まって1年生に読図クイズを出題。大体よ
くできていた。
■2674mピーク前はメルヘンチックな庭園風。思わず休憩。岩
がちでスリリングな東鎌とはだいぶ雰囲気が違うなあ西鎌尾根
。
■縱沢岳の下り、中山さんが迎えに来てくださる。双六までだ
ぁっしゅ!!とりあえず加村をいじめる。竹村のメロン(2個
目)を食す。
■少し遅れてA隊着、テン図をとっている頃C隊到着。みんな元
気そうで何より♪
■夕食はオノケン・田中・土松のガチンコ対決!?
・オノケン...うな重・鯛のお吸い物
・土松...ちらし寿司・ちりめんじゃこのサラダ・ほうれん
草のスープ
・田中...マーボー春雨(具なし)・白米
飯豊で伝説となった「あの」メニューにした田中の一人負け?
(というオノケンとの結論)
■総勢18人双六にそろったにぎやかな夜。楽しかったです。

○8/5 双六〜笠の日
曇りのち晴れ

/515双六山荘→613/643鏡平分岐→805/830大ノマ岳先ピーク
→905/1000秩父平先カール→1055/1150'2753mピーク前→1243/
笠ガ岳山荘

■稜線を一列あに歩くA隊のシルエットが朝日に映えかっこい
い。思わずシャッターに収めた。
■トップ今野ラスト土松
■歩いているうちに晴れ間がのぞく。白山が見える。きょうも
余裕の行程。
■秩父平先のカールでは、あまりに美しい周りの風景にザック
をおろし、おもわず休憩。しばらくのんびりしているとここで
とんでもないことを言い出す1年生3人。
「荷物を持ちたいんです」「ボッカしたいっす」。。。とにか
く持ちたいというので、これから先危険な箇所もなく、行程的
にも余裕があることを考慮し、土松関口の持つ共同装備をすべ
て!、1年生に任せることにした。 竹村はその後石まで積ん
でいた。何も北アルプスのこんな景色の素晴らしいところでボ
ッカしなくたって。。。やたらと飛ばすトップ今野。その後ろ
で初めての重い荷物にバテまくり杉山。酒を飲みまくられた恨
みを晴らしているのか今野!?(笑)
■抜戸岳以降は笠が眼前に迫る今回の合宿一番の縦走路。抜け
ていくような夏の蒼い空、ハイマツの濃い緑色とその匂い。夏
山縦走のよさを再認識したCLであった。
■笠ガ岳山荘のテン場は豊富な水場がある。小屋まではやや遠
い。これで5度目のオツカレビール!
■山頂までは小屋から10分弱。山頂にて竹村のメロン(3個目
)を食す。3個も背負ってきた竹村の男気に乾杯。
■夕食は小屋の方(アーミーさん)のご好意で小屋の自炊スペ
−スで作らせていただく。食当関口は既にキャベツを腐らせて
おり、ちょっと寂しい焼きビーフン(でも美味しそう)、それ
と何を間違ったかもち米を持ってきている。コヘールから煙が
でてきたりと調理も大変だったがどうにか完成させて美味しく
食べているとほろ酔いのおじさんがからんできた。関口今野が
物理学科ときくと「エネルギーと力はどうちがうんですか?」
「揚水発電っていうのはですね」などとしゃべりつづけ、我々
の飯をとってもまずくしてくださった。
教訓:山小屋には酔っ払いおじさんがいっぱい。近づくのは必
ずしも得策ではない。

○8/6 笠〜新穂高の日
曇りのち晴れ

/410笠ガ岳山荘→513/529笠新道分岐→615/646拍子平先→753/822'2200
m付近→910/940'1700m付近→1025林道→1113小野さんに下山
連絡→1340新穂高発→1545/1640松本駅

■帰りのバスの時間もあるので2時に起床しヘッテン行動。ト
ップ関口ラスト土松
■笠新道の分岐はエアリア、2,5万図とも間違っている。実際
には地図より稜線を双六側に500mほど行ったところ(最近変わ
ったらしい)。さらに笠新道下部はエアリアの道が正しい。2,5
万図は間違い。
■8:15、広島原爆犠牲者に黙祷。
■一歩一歩急な道を下るごとに下界の暑さの記憶がよみがえる
。10:25、林道に到着〜あーつかれた。。。と思っていたら、
今野「新穂高まで走ります。(地図を指して)この神社まで競
争です。」ま、まじっすかぁ〜。結局走ったのは今野土松のみ
。暑い夏の日差しの下、走り出してみるとなんだかとっても気
持ちがいい。あと数キロは走れそうな気がした。
■新穂高周辺の川はとってもきれいで、コバルトブルーの美し
い釜でメンバー5人ダイブを楽しむ。全員泳げるんですね。
■上高地に向かう関口さんは1人早くバスに乗る。おつかれさ
までした。残った4人は無料温泉に入り、13:40新穂高発。松本
ではA,C隊とも合流でき、仲良く東京へ帰りましたとさ。


▼総評.反省

■杉山の後合流について
遅れたこと自体は、もはや大学生としての最低限の自己管理の
問題。今ではもう笑い話になっているみたいだが、他のメンバ
ーにかけた心配、迷惑を改めて考え、二度とこういったことが
ないようにしてください。
■表銀座・笠というコースは、新入生がみな初心者であったこ
とを考えると技術的にも体力的にもちょうどいいコースだった
と思っている。唯一危険な箇所として東鎌尾根があったが、よ
く整備されており、しっかりしたCL,SLのもと慎重に歩けば全
く問題ない。1年生3人の足取りも安定しており特に困難だとは
思わなかった。
■表銀座も人が多いのは大天井まで。その後西岳までは割と静
か。双六から笠に至る稜線を静かな山歩きが楽しめる。
■急な登り下りの1,6日目、危険箇所のある3日目以外は1年生3
人に1日ずつトップをやってもらった。ポイントごとに読図し
たり、ペースを考えたり、いい経験になったのではと思う。

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