2002/11/2-3 金峰・瑞牆山

===== 金峰瑞牆山行記録 =====

<作成> 竹村嘉洋(24期)

<日程> 2002年11月2、3日

<メンバー> CL竹村、SL渡部、中山、池内

<天候> 2日 晴れ時々曇り
    3日 晴れ

<行程>
一日目
瑞牆山荘〜富士見平小屋(残置)〜大日小屋〜大日岩〜金峰山〜大日岩〜大日小屋〜富士見平小屋(幕営)
二日目
富士見平小屋〜瑞牆山〜富士見平小屋(撤収)〜瑞牆山荘

<行動記録>
一日目
0:15 JR飯田橋駅集合。中山さんの運転でいざ出陣。
6:20 瑞牆山荘発。
   体操もせずに、いきなり中山さんトップによる飛ばし。
   テクテク系の集団が輪になって、掛け声とともに体操をしている。
   とても楽しそう。気温は低い。氷点下ではあろう。
6:50 富士見平小屋着。水を汲む。少しばかりオタオタする。
7:10 富士見平小屋発。トップは竹村で、ただ走りつづける。
   少しペースを緩めたら、後ろから罵声が飛んできそうである。
7:37 大日小屋通過。ペースは益々加速されていく。パワー全開でがんばる。
7:51 大日岩着。
   取り付きやすそうに思えた南面からの直登を試みるも、一部凍っていて危ない。
   竹村、池内さん、渡部さん、中山さんの順で登る。
   垂直に近い壁を、下から15mほど登った地点で、事故発生。
   ホールドの悪い場所で、池内さんが4mほど滑落した。
   すぐ下の岩に落ちただけだったので幸いかすり傷で済んだ。
   あと50センチ、着地点がずれていたら、大事故になっていた。
   池内さんが大事に至らなかったのを確認して、竹村は登りつづける。
   他のメンバーは池内さんが落ちた地点で断念し、岩から降りる。
   その後、竹村、はまる。進退に窮して困り果てたが、
   意を決して残置ハーケンに指を掛けたりして、無事降りられた。
   そのあいだ、中山さんは、竹村がまだ上部にいたため、
   合流すべく東面のルートからアプローチして、登頂に成功。
   しかし萎え萎えのメンバーたちはひよる。
9:04 大日岩発。青ざめて萎えている竹村を、トップから外す。
   次は、中山さんによるハイペース。道は霜で凍り付いていてまっ白になっている。
   池内さん&竹村「山に登るときは、やはりペース速くないとな!」
   わたべえ先生「お前らみたい香具師がいるから、中山さんが飛ばすんだよ!」
   ポリタンの水がいつしか凍り始めている。うわっ!!
9:40  岩嶺帯にでる。道は凍結しており滑りやすい。ところどころ、氷によって足止めを食らう。
   木はかなり少なくなった。まばらに生えている木も、樹氷になっていてまっ白。
   殺伐とした雰囲気に、池内さんが萌えている。手袋を外していることもあって酷く寒い。
   金峰小屋に向かう道との分岐を過ぎて、30メートルほど歩いたところでの会話。
   竹村「分岐はまだかねえ。」
   池内さん「いま通り過ぎたばっかじゃん!」
   自分自身びっくりした。まさか低体温症か?
   あるいは、ただのボンヤリ症?
10:13 金峰山頂着。だいぶガスっている。ガスの切れ目から富士山が見える。
   五丈岩に登ろうとするが、氷が岩から生えていて危険。風もあるのであえなく断念した。
   中山さんはカップラーメンを作ろうとするが、ヘッドの調子が悪いため断念。
   岩のはざまで風をよけつつ喫煙。ポリタンの水に浮いていた氷が成長している。
   寒い寒い!
10:53 金峰山頂発。トップは再び中山さん。
   途中すれ違った夫婦は、氷に阻まれて岩の上に進むことができないでいる。
   ザックに忍ばせていたアイゼンをとりだしていた。
   我々は若いので、あっさり通貨できたものの、結構ハイレベルな道であるようだ。
   岩嶺帯をぬけるとだいぶ暖かくなった。ほっとする。
11:47 大日岩通過。もう登りたくない。見るだけで、身のすくむ思いである。
12:03 大日小屋着。休憩。お日様がぽかぽか照ってきた。黄色の葉と青い空を見ながら煙草。
   感傷気味な、けだるい午後。ようやく休憩らしい休憩がとれた。秋山だなあ。
12:23 大日小屋発。池内さんのトップで走る。普通にマラソンをしているようで素敵。
   爽やかな青春のひととき。コースタイム45分のところを、14分で駆け抜けた。
12:37 富士見平小屋着。梅酒がうめえ。中山さんのカップ麺をいただく。
   ほろ酔い気分でテントを張って、お昼寝をする。やたら寒い。
   シュラフカバーに包まっているだけでは、よく眠れなかった。
   横でスヤスヤ眠っている池内さんがうらやましい。
   四時半に起床。夕食の準備を始める。チタンコッヘルで炊いた飯は、不味い。  
   即席カレーとドンキのベーコンで腹をみたし、噂話で盛りあがる。
   内容は秘密。中山さんは黒い。九時頃就寝。明日も飛ばすぞ!
二日目
5:00 起床。朝食は池内さんによるシンプルラーメン。雷鳥の定番である。
6:05 富士見平小屋発。
   中山さんのトップで、今日もコースタイムの短縮に挑む。
   急な登りでこそ、そのペースは維持されなければならない。
   みんな黙り込み、荒い息遣いだけが聞こえる。
   ついにわたべえ先生が遅れ始める。
   竹村「先生、ザック持ちましょうか?」
   先生「そんなことより早く休憩しる!」
   竹村「まだ40分だからだめです。」
   先生「それなら先に逝ってよし!」
   というわけで、わたべえ先生は、一人ゆっくり行くことになった。
   それにしても、この2ちゃんねらーは本物だと思う。
6:52 道が直角に曲がる地点で休憩。わたべえ先生を待つ。
   しばらくするとステッキのカツカツする音が聞こえ、先生の姿が見えた。
   先生のフリースに滴り落ちた汗が、氷の玉になっている。
   体は火照っているが、気温は相変わらず氷点下が続いているようだ。
   先生「おまえみたいなヤシはあぼーんだ!」
   もはや、よく意味がわからない。
6:56 発。もうすこしなのでがんばる。
7:00 瑞牆山頂着。
   よく晴れていて、展望は抜群である。富士山がくっきり。
   金峰山もしばらくするとガスがとれて、きれいに見えてきた。
   南アルプスはもう雪におおわれている。山の煙草は美味い。
7:40 瑞牆山頂発。トップは竹村でとばす。
   すれ違う人の数がやたら多い。急げ急げ!
8:15 富士見小屋着。撤収作業。残りの酒を干す。
   こんな早くに下山しても温泉が開いてないとのことで、ゆっくり。まったり。
8:46 富士見平小屋発。再び中山さんのトップ。
   中山さん「じゃあ最後はコースタイムどおり30分かけて行きましょう。」
   と言いざまに、なぜか再び走り出す。
   トラバースなんてしゃらくさいとでもいわんばかりに直進して走る。
   竹村は右足を挫くが、中山さんはお構いなし。マジっすかー!
   何度も右足を挫き、足をひきずって走る。先生のフォローがありがたい。
   結局コースタイムは、また半分以下でゴールイン!
9:00 瑞牆山荘着。車にのる。いよいよ日が照ってきて紅葉がきれいだ。
   中山さん「さあ今日のメインイベント被爆体験です!」
   そう、ここの増富温泉はラジウム鉱泉なのだ。
   キュリー婦人は被爆して死んだとか・・・。
10:00 増富温泉に入る。いい湯だ。大人700円也。

<コメント>
・ルートミスによって池内氏の滑落を招いてしまった。
 山では常に慎重でいなければならないことを改めて知った。
 深く反省すると同時に、この経験を今後の山行に役立てたい。
・ハーケンに指をかけるのは、最後の最後である。
 ねじ切れても仕方のない覚悟で指をかけたが、
 今後このようなことのないようにしたい。
・わたべえ先生、百名山25座目おめでとうございます。
・コースタイム短縮は、やば面白い。
・チタンコッヘルの飯は不味い。