2002/4/29 箱根屋沢

箱根屋沢遡行記録
                                 文責21期佐藤

2002/5/4 作成

■日程 2002/4/29(月) 朝発日帰り

■面子 CL 佐藤(4)、 SL安河内(M2) 、村井(4)、関口(3)

※ねぶっち藤森(

■行程
9:00〜9:35箱根橋
9:50〜10:20 3段20m(ザイル)
10:25〜10:40 2m石積み滝
10:45〜11:20 8m滝
11:50〜12:00 逆くの字滝
12:10〜13:00 2段20m
14:23〜14:45稜線(遡行終了)
15:20 道路

■前置き
  飯豊雪山をぶっちして(安中さんすいません)、GW前半はとっぷり暇になった。 という訳で足慣らしをしたいと言うトゥールさんと、最初は犬麦谷に行こうとしていたが、林道徒歩往復6時間、しかも現在工事中のため車は入れないと知り、うっかり箱根屋沢の名前が挙がった。去年西井さんに連れてってもらって悪沢に入った際、「このイカちぃ沢、いつか行けたらいいよな」と隣の箱根屋沢を見て思っていただけに、結構日和る。人口登攀?日帰りで2級上?滝はほとんどⅣ?おにーさんそりゃブヒーだよ。
   結局「もちろん人口登攀は巻き」という方針で、しかもうっかりリーダー(こうなるとただの雑用)となってしまった。MLにA.Satoで「箱根屋沢遡行計画書」が流れるのを見て「ちょっと待て」と言いたくなった人はたくさんいただろう。 あとになって在京様に“アブミやってみてもいいんじゃない?”というお言葉を頂き、様子を見てやろっかな、と思った事は計画書には書かなかった・・・。

■詳細
  当日朝。先頭に藤森さんと村井さんが来ない。二人ともねぶっちだろうが、ザイルは手元にあるので大して心配しないでいた。一応藤森さんに秦野付近でメールを送ってみる。

佐  -温泉だけでもご一緒しますか?-
藤  - します -
佐  -村井さんも一緒に?-
藤  -ふにゃ?-
佐  -はえ?-
藤  - ごめんなさい。今起きました。最悪。ごめんなさい。村井は一緒じゃないよ-
佐  -どうします?-
藤  -いこっかな。くろろ着てるし。-
藤  -いこっかな。くろろ着てるし。- (←二通来た)
佐  -くろろはいりません-
藤  -新宿で待ってるー-

他の部分には ここで敢えて突っ込まないが、とりあえず沢には来れないようだ。前日「たくさん飲まないと緊張して寝られない」とか仰られられだった事について小一時間(以下略)

  村井さんとは新松田で無事合流。違う車両に乗っていたそうだ。
扇沢方面行きのバスは長蛇の列。 とりあえず乗り込み、車掌さんに「箱根屋橋下車」と伝えて下ろしてもらう。厳密には中川温泉を過ぎて、2個目の橋。悪沢出合いを過ぎてすぐ。¥1000也。

天気は快晴。ご機嫌で入渓準備。お助け紐の結び方で佐藤悩む。入ってしばらくは伏流し、ゴーロが続く。堰堤をふたつ梯子で超えて行くと幅の狭い3段20mが出てくる。見ためには簡単そうでフリー案も出たが、一発目ということで一応ザイルを出した。リード佐藤、ビレイ関口。上部の流心はナメヌメで結構悪く、右壁をへつるようにのぼった。ハーケンは落ち口を越えたところ、支点用にしかない。左壁上部(使えないところ)にボルトアリ。たしかに結構むずかしい。
安「俺だったらリードしない。アハハ」

2m石積み
みんなワラワラ取り付き、微妙にはまる。お助け紐を乱用しつつ、超える。楽しい。

8m滝
水流沿いは滑ってで悪そう。右から巻くようにしてトゥールさんリード、村井さんビレイ。ハーケン類無し。ザイルの管理が悪いのかビレイヤーの足元でとっても絡まっていたので佐藤はとっととプルージックで右側を上がる。関口・村井は左から取り付いて水流沿い突破。ここも日当たりがよろしく、新緑が目に染みる。半そでだが暑い。

2段10m
ザイルを出す。関口リード、佐藤ビレイ。左側の水線沿いは垂壁で避け、右壁を登る。ハーケンボコボコ。ビレイをする関口がまるで漁師のようだったらしい。私は魚か?(泳げないけど)

逆くの字滝
みんな思い思いに取り付き、登る。垂直に近く難しいが、ホールドは豊富で、水もかかる。楽しい。トゥールさんに一応お助け紐を出したら彼の足元の岩が少し崩れる。イヤン。

2段20m
逆くの字滝から20歩。
見た目には簡単そう。ハーケンバコバコ。トゥールさんがふらりと取り付くと、実は落ち口に見えた部分から上部へトイ状ナメが更に10m続く。(そういえば下から見たら10m滝に見えたっけ)ザイル持ち佐藤が追っかけ、お助け紐で二人つるべ式に左側を上りつつ、途中でザイルを下ろす。村井さん、指示を無視して水流沿いを登り、ナメ落ち口で少しはまる。関口のために中間支点を一応取っていた。この待ち時間、トゥールさんは大きぢの兆候と戦っていたらしい。

15m滝
2段20mの支点からすぐ人口登攀15m滝。先行パーティがアブミで登っているのを見た。プルプルしている。ムリムリ。左岸を快適に巻く。ここはシュリンゲでなくマトモなアブミがないと無理なようだ。右壁のクラックを上がり、落ち口に向かって左にトラバースするところが怖そう。

10mスラブ状
先行パーティはシュリンゲアブミで登っていた。これも怖そうなのでとっとと左岸を巻く。下から見ると右岸も巻けそうだが、上から見るとツルツルだった。左岸で正解。本流に戻るところで2mほどクライムダウン。今思えばこの沢で頑張るとしたらあのアブミだったんだろう。しかし皆アブミ未経験、待ちの先行パーティの一人に、「(15m滝)フリーで登ったんすか?」と聞かれた。いやいや。

  あとは小粒ながら難しげな滝をいくつか超え、(途中の7mスラブ状でお助け紐。佐藤地味に1m滑落)25万で最後の三又を右に詰め上がった。少し脆い。作業道にぶつかったのでそのままたどるとすぐに稜線。鹿糞だらけ。
  そのままその尾根を下る。(悪沢と同じ下山ルート)赤テープ、踏み跡くっきりで快適。さっくり降りた。

道路を歩き出すと、なんと中根さんとその新車に出くわす。奇しくも悪沢下山後に高見さんとその愛車に遭遇したのと全く同じ地点だった。ここぞとばかりに乗せて貰い、温泉・新松田まで送っていただいた。

温泉はぶなの湯700円。中根さんに深畑さんへの下山連絡をしていただく。

中根さん「中根だけどー、下山しましたー。風呂入っちゃったあとだけど、文句、ある?いいよな?」
深畑さん「誰がモノマネしてるのかと思った」  ※中根さん御本人です。

その後なぜか茗荷谷庄やに集まり、藤森さん・小野を交えて飲んだ。藤森さんは前夜飲みすぎて記憶がイマイチ無いそうだ。

■総評
日当たりが良く、滝の上から展望も望める沢だったので、新緑と快晴の青い空・日差しが心地よかった。水は冷たかったが少なく、暑いくらい。岩は少し脆く、ぬめる所もある。前半は大小取り混ぜて本当に切れ目無く滝が続き、どれも登り応えがあり飽きない。
   人口登攀の必要な滝は巻いたので、本でのグレードは2級上でも遡行自体は2級くらいの感覚だった。ただし滝のグレードは確かにどれも4近くあるので油断は出来ない。
  沢・メンバー・天気・季節感、全てが絶妙に噛みあっており、かなり楽しかった。藤森さんも寝坊しなければ良かったのに。。。
  下降路がお手軽で温泉が近いこと、疲れすぎない適度な行程が可能な事も考えると「がっつり人口登攀で勝負!の沢」ではなく、トゥールさんくらいの沢屋の「新緑愛でつつ足慣らしの沢」として1000寝ブッチくらいあげたい。

■反省
  人口登攀中の先行パーティの後ろで少しやかましく騒いだ。
2段20mで少し手間どったのも反省点か。下からでは見極められないような滝もあるということを学習した。