2002/5/19 石小屋沢
石小屋沢遡行記録
文責21期佐藤
・期日 2002/5/19(日) 前夜発日帰り
・メンバー CL佐藤(4) SL石井(M2) 山崎(3) 橋元(3)
・天候 晴れ時々曇り
・行程
ユーシンロッジ7:10 〜7:22檜洞沢入渓7:32 〜 7:58石小屋沢出合〜 8:13 F210m(ザイル)8:52〜 9:55 F715m直下(休憩)10:19(ザイル)10:48 〜 11:25 F8直後(休憩)12:04 〜12:35三俣〜13:12支尾根に乗る 〜 13:24登山道(遡行終了)13:48 〜 14:55ユーシンロッジ
・詳細
ユーシンロッジの朝。雪渓のような白い巨岩、差し込む日差し。美しい。人慣れした鹿が10頭近く草を食んでいた。沢初、てゆうか雷鳥の山はハイクを入れてもまだ5回目以内の橋元は準備が遅い。クロロを持っていないので適当に化繊のシャツを貸した。
天気は狙い通り晴れたが、気温は低い。気合は入れてきた。
公衆トイレとロッジの間、「登山道じゃありません」の看板の道を進む。目的は玄倉川へ入る枝沢の檜洞沢、そのさらに枝沢の石小屋沢である。道はそのうち檜洞沢の左岸に沿い、沢が右へ大きく曲がりだし、そこへかかる橋と堰堤に着く。橋は渡らず堰堤を越えると美しい釜と滝が見える河原に出る。そこで入渓準備。初心者のする事は、たとえハーネスを着けるだけでもいちいち面白い。私は私で、前日西井さんに譲ってもらったばかりのmizoの穴あきハンマーとハーケンを腰につける。早く試してみたい。
最初の大きめの釜・へつる滝は、しょっぱなからむずかしめ。夏なら飛び込んで余裕で突破、な感じだがいかんせんまだ寒い。左岸にシュリンゲが付いていたのでツッパリ気味でそれを掴む。ここで橋元、早速釜へ落ちた。うわー萎えそー。シュリンゲからは虎柄のロープが上部のボルトからつながっており、それに沿って上がった。続くCSは巻くより石をくぐって下から上がる方がよっぽど安全。山崎、ここでビショヌレになる。いくら寒くても濡れる事を恐れないのが奴の強みだ。
綺麗な沢床をルンルン行くと、赤ペンキで「石小屋」と書かれた出合に付く。小さくしょぼい。思うに遡行図の「美しい」との売り文句は檜洞のことだろう。
CS 6m
胸がキュルルン♪写真撮影。左右どちらも可能そう。階段状の右から登った。
上部に倒木付き10m
リード佐藤、ビレイ山崎。橋元にはその場でプルージック等を石井が教授。 左壁ものぼれそうだが水がかかるので右壁から登った。簡単。中ほどに中間支点がひとつアリ。巨大な倒木の真下はガチンコシャワーで少し難しい。大岩に支点を取った。ここでアクシデント発生。倒木の手前に詰まっている砂礫を踏み抜き、水とともに多数の落石が真下の釜に降り注いだ。私はなんともなく、メンバーには当たらなかったが、結構あせった。このせいで水流が変わり、倒木の上からではなく下から水が流れる滝となってしまった。面白さが無くなったか。石井も橋元も山崎も危なげなくサクサク登る。
15mスラブ滝
西井さんなら大喜びで取り付きそう。巻きは左岸のもっとも踏み跡らしき、山崎が当初睨んだルートが正解。下部から藪を漕いでそのルートにたどりついた。ちょっと失敗。
6mは左壁をへつり気味にあがる。二人組みの後続パーティに道を譲る。落ちても釜にどぼんなだけだが、ちょい怖いのでお助けを出す。
8mトイ状
下部はなんだか面白いが、上部が難しくて突破できず。石井がチャレンジするもホールドが剥がれ、遭えなく剥がれたホールドを抱いて45度傾斜の滑り台を滑って中ほどの釜にはまった。結局左岸の急な藪を小さく巻く。
15m大滝直下で休憩。適当にリスを探してハンマーとハーケンを試してみる。最初はキまらずすぐ抜けてしまったが、二回目は打つ毎に音が変わっていくのが分かった。ガンガンから音叉にも似たホワンホワンという振動数のめちゃ高そうな音が返ってくるようになり、シュリンゲをかけて一本背負い風に思いっきり衝撃をかけても動かない。こ、これか!その後何回試してもその音は出なかったが。。。
15m大滝
佐藤リード、山崎ビレイ。左壁→中ほど→左壁。傾斜がゆるく、水を嫌わなければ簡単。中間は見当たらず、上部右側に残置支点アリ。
大岩はでかい。とてもでかい。めちゃくちゃでかい。この岩が石小屋沢と呼ばれる所以らしい。
8m滝
足場が無く微妙に難しい。佐藤・山崎は直登、橋元・石井は水を嫌って小さく巻く。
苔むした河原で大休止。米子沢記録の「態に注意」ネタなどで40分もうだうだする。
5mはつっぱり気味にのぼる。直登した中では一番難しい滝だったが、お助け紐は石井以外使わず。水は伏流したり復活したりを繰り返し、三俣で水を汲んだ。澄んでいて味もマトモ。ざっつ西丹。
最後になってぽんと大きな滝、9mが現れる。平べったい岩が外傾していくつも重なっている感じ。中間支点がふたつほど見え、簡単そうだがやはり水を嫌って左岸をルンゼ沿いに高巻く。
あとは順調に詰め、大した藪漕ぎもなく登山道に合流。橋元はやはり装備解除がとろい。やたら嬉しそうに靴下の沢汁をしぼっていた。下山は(野)もりもりの話で盛り上がりながらのんびりと。橋元はいけるクチだ。山崎、興奮してこけまくり。いつもながら足と口が同時に動かせないらしい。飽きてきた頃ユーシン着。美しいのは石小屋ではなく檜洞だったが、登攀的で面白い沢だった。
・総評
全般的に巻き道は脆く、急な藪漕ぎとなる。スラブ15m直後の6mと大岩後の5mは巻けそうにない。大滝は簡単だが、小滝がいちいち難しいので登攀能力が低い初心者は不可の沢だと思う。具体的には今の二年は微妙にムリっぽいライン。橋元は初心者だが睨み通り上手かったので余裕だった。てゆーか多分今回の沢では一番上手かった(笑)
倒木付き大滝の落石は見た目では予見できなかったが、落石予備軍がまだ沢山あるので今後も注意が必要。
出合までは簡単だが、本流はルンゼが沢山はいって読図が結構難しい。
フリクションは良好、岩は脆いか脆くないかのどちらかしかない。アプローチが遠いので前夜発は必須。それにしても夕方の246は混みすぎである。
・反省
長さの足りない滝でお助け紐を使って、下が落ちたら私も落ちそうな構図を作ってしまった。
脛を打った事を心細そうに訴える橋元を、「よくあることだよー」と笑ってごまかした。脛を打つくらいのことは実際良くあるし大事なさそうだったのだが、安心させられるフォローを思いつかなかった。初心者のフォローは難しい。