2002/8/24-26 大荒川谷・ナメラ沢
入川本流、大荒川谷遡行〜ナメラ沢下降記録
日時 2002/8/24-26
メンバー L石井(M2)、橋元(3)、土松(2)
8/24 晴れ後曇り ■入川本流遡行
三峰口8:42着→タクシー5600円→入川林道ゲート→赤沢谷(入渓)10:50→金山沢出合16:00
メンバーの残り二人が遅刻したので特急で西武秩父まで行く。今回の企画はキャンセルが多かったので、
二人もキャンセルかななどと池袋駅ではいじけてしまった。まあ、予定の時刻に三峰口に着いたので良しとしよう。
入川林道のゲートでタクシーを降り、所々に釜を擁した入川本流を横目に見つつ、軌道跡をたどって行く。
土松は目を輝かせて釜があるたびはしゃぐ。「良し」と言えばいつでも飛び込んでしまいそうで、
まるでおあずけが解けるのを待つ犬のようであった。
40分ほどで赤沢谷出合に着き、記念撮影を済ませていざ入渓。入川本流は本流と名が付くだけあって、水量が多い。
肩組み徒渉をする程ではないが、油断をすると流されそうな勢いがあって結構体力を消耗してしまう。
丸淵は丸山入道淵の省略形みたいで個人的にかなりびびっていたが、水は股くらいまででなんなく突破できる。
立派な滝を掛ける中小屋沢が出合うと一つ目のゴルジュとなる。
水線通しは到底無理で右から巻く。巻き道は足を滑らすとやばい感じでちょっと怖い。
この先だったと思うが水を嫌って巻いてプチはまる。寒いから巻きたくなって、降りれなくなる典型パターン。
クライムダウンに失敗したはっさんは後ろ向きにどぼん、おしりを強打。
はっさんは落ちたショックで、石井は懸垂しなかった判断ミスでへこむ。土松は水線をずぶぬれになって突破しており、元気。
二つ目のゴルジュには水流をジャンプして越えねばならないところがある。まず土松が釜を左からへつって激流の流れ口へ。
流れ口で行き詰まり、どういう訳か土松はシュリンゲを流してしまう。きっと流された時にどうなるのかを確かめたのだろう、
その後土松自身がシュリンゲと同じラインを辿って、はっさんと石井が待つ釜の手前まで流されてきた。
石井も一度流され、土松が三度目でクリアし、後続を確保。
ゴルジュの後半部分は巻き、今度はしっかり懸垂下降で沢床へ下りる。(ザイル使用回数 1)
金山沢出合に着いた時はもう4時で、沢を一本遡行し終えたような満足感もあり、右岸には絶好の幕営スポット。
ということで初日はここまで。先は長い。
*水面下50cmくらいのところに水平に苔の跡が付いてるところがあったので相当水量が多かったのだろう。
今回巻いた所も水量が少なければ突破できるのかも知れない。そのせいか、巻き道は案外悪かった。
8/25 晴れ ■金山沢、大荒川谷遡行
金山沢出合6:45→ゴンザの滝下(2回目)11:50→小荒川谷出合13:55→二俣16:55
ゴンザの滝まではそれといった悪場はない。それでも3回巻き、そのうち1回は懸垂下降を強いられた。(ザイル使用回数 2)
そして、問題のゴンザの滝4段(3x3m、10m、2mナメ、3x5m)。直登は当然あり得なく、
遡行図に記載してある右岸から小さく巻くというのも見た目やばそうなので、左岸から大きく高巻くことにする。道は明瞭。
3x3m、10mを過ぎたところら辺に赤テープの貼ってある木があり、ここで懸垂しなさいと言ってるように見える。
沢床が見えていて核心は越えていそうだし、遡行図に左から小さく巻くとあるからには10m滝の先は水線上を行けるのだろう
と読んで懸垂することにする。(ザイル使用回数 3)石井がまず懸垂するとちょうど2mナメ滝と3x5mとの間の水流中で、
流れが強く水流を越えて対岸に着くのに割りと苦労する。
水流の下流には、2mナメ滝の下で釜が渦巻き、その先に10m滝の落ち口が待ちかまえている。
3x5mはナメているが左から小さく巻くようにすれば越えられそうに見える。でも、ザイルの末端を持っていないと残りの二人が
水流を越えられないかも知れなかったのでとりあえず、はっさんに下りてきてもらい、偵察してもらう。
予想に反してはっさんは苦労していて小さくは越えられない模様。なら、大きく巻いて懸垂すりゃいいかと考え、
はっさんには少し登ったところの茂みで待機を命じ、土松に懸垂させる。土松にもはっさんのいるところまで登らせ待機してもらう。
ザイルを回収し、二人が待機している場所に着いて唖然。生えてるのは親指程の太さの木、トラバースは無理、
戻るのは先ほど越えた水流に流されそう。にっちもさっちも行かないね。
結局下流方向へトラバース気味に登ることにする。もちろん、要ザイルだが、支点が悪いので絶対に落ちられない。
岩に泥がくっついただけみたいな壁を石井が死ぬ気でリードし、なんとか尾根状の安全な所に出る。(ザイル使用回数 4)
そこからはゴンザの滝の下、何時間か前に記念撮影をした場所が見えていたので懸垂下降で戻る。(ザイル使用回数 5)
斯くしてゴンザの滝一周完成。2時間以上はかかっただろう。たっぷり休憩した後、あらためて巻き直す。余裕。
(もちろん4段全部巻く。)
3mCSが二つあるゴルジュは一つ目を越えた先で右壁を石井がフリーで登り後続はザイルで確保。(ザイル使用回数 6)
下部が結構むずいが面白い。上部はかぶっているが残置があるのでA1して越えた。
ちなみに二つ目のCSは水流が激しく突破困難。
小荒川谷を分けてからはナメが多くなり、きれい。ようやく当初イメージしていた沢登りになる。
もうザイルは使わないかな?と油断しきっていたが、実はこの後二俣までに二度ザイルを使用。(ザイル使用回数 7、8)
おそらく遡行図でいう2m、6m連続と12mだが、どうも遡行図よりも滝が大きく見える。間にある4x6mくの字も10mくらいありそうだし、12mの方は45mザイルが半分以上出た。いずれの滝もガバで簡単だが、残置は見あたらなかった。(12mは土松がリード)
結局この日も前日の遅れを取り戻すことができず、二俣で幕営。先行者が大量に残していった薪を贅沢に使って火をおこし、
みんなでパンツを乾かした。夕食は超豪華、麻婆春雨J、海藻サラダに切り干し大根。おいしかったです。
この夜、初めて焚き火の脇で寝てみたが、すごく寒かった。
*ゴンザの滝の巻きは本当にやばかった。最初に懸垂した時に登り返すことが頭に入っていれば、あんな危ない目には
遭わなくて済んだと思う。自分が懸垂で下りて突破がちょっと面倒臭そうだと思った時や、はっさんが偵察して
小さく巻くのが無理だった時など、何回かターニングポイントがあったのに判断ミスをしてしまった。
8/26 晴れ ■大荒川谷遡行、ナメラ沢下降
二俣6:55→三俣7:45→破風山山頂9:25-10:05→ナメラ沢入渓10:45→奥の二俣11:15
→4m滝の掛かる枝沢12:00-12:30→林道13:30
二俣から三俣までは苔とナメの癒し系流域。絨毯のような苔の感触がたまらない。
途中いくつか10m程の滝があるが、ホールドが豊富なので簡単。
三俣では中俣に入る。しばらくナメ床が続くが、やがて急なゴーロ帯、花崗岩?のスラブを経て針葉樹林の藪へ突入。
地衣類がいっぱい付いた様子はとてもきれい。でも急で疲れる。
しばらく行くと破風山から伸びる尾根に出て、踏み跡も現れる。トラバースし始めた踏み跡に見切りを付け、
最後は山頂目指して灌木藪を漕ぐ。田中が喜びそうだねなどと話しながら進むが、はっさんは藪は嫌いらしい。
15分ぐらい?の格闘の末、山頂に着く。はまった分だけ、感動もひとしお。
ナメラ沢へは青笹尾根をしばらく下ってから入渓するが、下りはじめを間違えたらしく、またしても藪漕ぎをしてしまった。
破風山山頂からすぐ(10mくらい?)赤いペンキの付いた小さな杭の所から踏み跡を辿るのが正解のようだ。
ナメラ沢下降は非常に快適で、所々に現れる50m程のナメを滑り降りたりしながら下る。場合によっては二回くらい滝を巻く
かも知れないがどちらも簡単。以前、深畑さん、高田さん、西井さんと雨の中を下ったのを思い出しながら歩いていたが、
印象があまりに違うので驚いた。なんてったって沢日和、どぴーかんですからね。
そう言えば、はっさんはこれが初めての1級の沢。「2級の男」の異名は脆くも崩れ去った。
下山後は花かげの湯に向かったが月曜定休であえなく入れず、タクシーで塩山駅近くの公衆浴場へ行った。
(300円、貸しタオル無料)
翌日から大菩薩を縦走するという土松を残し、帰路についた。おしまい。
■感想
水量と寒さのせいで、巻くかどうかの判断に苦しむ場面が多かった。入川本流は暑い時にお勧め。
林道行くのと時間的に変わらないというのにはダウト。金山沢はゴンザの滝とその先のゴルジュ突破がポイントになるが、
普通はこんなにはまらないと思う。大荒川谷に入るとナメが連続していて美しい。特に二俣以降は一級品。
ただ、遡行図にあるより滝は大きいので、気をつけたい。(というよりも遡行図ごちゃごちゃしすぎてて使えない。)
ナメラ沢下降は簡単で非常によい。
ほんと、お腹いっぱいです。