2003/7/19-20 小室川谷
小室川谷遡行記録 文責 石井
日時2003.7.19-20
メンバー L石井(D1)、佐藤(M1)、佐藤(4)、土松(3)
総評:S字峡、石門の滝、小室ノ淵など適度な難しさとドラマチックなツメ。
天候にも恵まれ最高の沢でした。
4段30m、2段20mなどメンバーによっては苦労しそうなところも
あるので、沢やか沢で〜2で深畑さんが記録している通り、
初心者不可、メンバーに不安がある場合は初日松尾沢出合、
二日目ジャヌケ沢出合(をちょっと過ぎたとこ)の二泊三日が無難だと思う。
記録 注:記録中の遡行図とは(新版)東京周辺の沢を示す。
19日 くもり
前日は佐藤(あ)邸に集合し、過去の記録の読み回しをする。三時間ほど睡眠。
新宿6:22→奥多摩8:23→三条新橋9:30→小室川谷入渓点(遡行開始)10:15
運転の荒い運ちゃんで、佐藤(あ)は着いて早速リバース。
実は三条新橋にゲートはなく、入渓点まで入れるのかも知れない。
(タクシー代8400円程度)
→ワサビ田付近?11:15-30→松尾沢出合12:55-1:10→中ノ沢出合3:45
予想に反して穏やかな渓相。大常木や竜喰に似ている。
最初の3m、4mの二段は共に右から巻き気味に越える。
4mの方は佐藤(あ)がフリーで越えた後お助け紐で確保。
?8mは釜を右からへつり、水流右を登る。落ち口はシャワーになるが特に問題なし。
しばらくなごみ系の河原やら、釜やらが続く。いたって平和。
?5mは右から小さく巻く。
最後はルンゼっぽい所を残置にお助け紐を懸垂風にセットしてクライムダウン(2m位?)。これを嫌って大きく巻こうとするとはまりそう。
そしていよいよS字峡。大きな釜を持った一段目は見た目、完全に無理そう。でも記録によると左からへつって突破できるらしいのでとりあえず挑戦。まず、左から釜を腰くらいまで浸かりながらへつり、滝の左を登る(ここまでは余裕)。
爆流を右手に落ち口の上をのぞくとそのまま右岸をへつって突破できそう。爆流に足を取られないよう、流水中にスタンスを探し、突破する。後続はザイルで確保(落ち口上部右岸にハーケン一本、他はないのでボディービレー)。
二段目は流心の右へ移って越える(水量多いと大変そう)。
三段目は右から巻き気味に越え、5m程のクライムダウンで沢床に戻る(トラロープあり)。
S字峡の突破に2時間くらいかかると踏んでいたが、45分で抜けられた。勝利の予感。松尾沢出合には快適そうな幕営地があるが、時間も早いので先を行く。
石門の滝(遡行図には残置ロープとしか出ていない)は何げに難しい。佐藤(あ)が左手前の壁から登り、残置を頼りにトラバース。トラバース部分がかなりぷるぷるものらしいので、残りは左手前の壁上部を残置ごぼう+お助け紐確保で突破。
壁の下部もそれなりに難しく、佐藤(岳)は一度滑落。幸い擦り傷だけだったが、荷物の軽量化に問題ありかと、、、
トラバース部分に残された佐藤(あ)の残置は、本人があまり気にしていないっぽいので回収せず。
(後から聞くと、できれば回収して欲しかったとのこと。すまん。)
この滝は残置に頼り切ってしまえば余裕だが、わりと立っているのでもしもの時を考えると怖い。
遡行図にアドバイスが出ていないのが不思議なくらいで、今回に関しては最難関。
ちなみに残置は腕くらいの木から垂れているが、みんなごぼうで突破してるらしく、ロープが木にめり込んでいる。
小室ノ淵は泳げないと怖い。手前で一服入れているうちに土松と佐藤(岳)は前者は右岸の手がかりを利用しつつ、後者は強引に泳ぎで突破してしまった。滝口(小室ノ淵手前側の4m)に上がるところが大変らしく、土松はカエルのようにしばし岩にへばりついたままじっとしていたが、なんとか切り抜けた(ふたりとも、お見事!!)。
残された金槌ふたり(佐藤あと石井)は左のガレから巻く。
淵の先が見えないのではぐれてしまうのは心配であったが、幸い巻き道は簡単な上、すぐに上部が見渡せる所に出る。
小室ノ淵奥の4mは到底無理で、土松と佐藤(岳)も巻き道へ上がってきて無事合流。
しばらく行くと中ノ沢出合。計画当初の予想をはるかに上回る快適なペース。
幕営適地は出合と中ノ沢をほんのちょっと入った右岸にあるが、前者は残置うんこのため無理(こんな所でするな!!!)で、後者に泊まる。ツェルトが二張り張れ、尚かつ焚き火もすぐ近くでできるので花丸。
焚き火を囲みながら、食事、酒。雷鳥の新入生が少ないことを憂う。
20日 晴れ
出発前の天気予報だと降水確率40%だったので(ちなみに天気図、ラジオは確信犯的に(間違った用法の方)持参せず。)、
降られるだろうと覚悟していたが、寝てる間一滴の雨にも降られなかった。しかもなんだか空が明るい。要は、日頃の行いの良さと、気合いです。
中ノ沢出合6:20→?4段30mの先7:30-55→ジャヌケ沢出合8:50
→ちょっと進んだとこ8:55-9:15→ツメの途中10:20-45→稜線11:10
しばらくは特に問題となるような所もなく、順調に進む。?10m(雨乞いの滝?)は見事。記念撮影の後、左岸の踏み跡を辿り巻く。この巻き道は落ち口を越えた後が少々悪く、石井は懸垂を主張するが、佐藤(あ)により却下される。落差があって、傾斜も急だが、慎重に道を探せば懸垂なしで沢に戻れる。巻き道の途中からは4段30mが見渡せ、胸が弾む。
(後から沢やか沢で〜2の深畑さんの記録を読んだところここは左から巻いたらしい。)
?4段30mナメ滝はでかい!一段目は楽ちんで、二段目は上部がナメナメで滑る。
土松は失敗してずりずり二段目の下まで落っこちる(痛そう)。
三段目は右から小さく巻き、 四段目は落ち口の右側にシュリンゲが垂れてるが滑りそうなので、左の倒木を利用して登る。
?2段20m下段は佐藤が水流の右をフリーで越えた後にシュリンゲで確保、上段は右の巻き道を行く。
ジャヌケ沢出合を過ぎると傾斜が増してツメっぽくなる。
それでも、上を見ると梅雨明けを予感させるような青空、下は苔の絨毯、要所要所に12m階段状などの水浴びスポットもあり楽しい。
ラストは藪漕ぎなしで登山道に飛び出る。
突然視界が開け、大菩薩特有の草原に心地よく風が走り抜ける。
遠く富士山の山頂も望める。こんなドラマチックなツメは初めてだ。
速攻でビールを空け、皆絶叫して曰く「ルービー最高!!」
あまりにもドラマチックなので、(時間の余裕はあったが)大黒茂の下降はカット。
誕生日の山崎にお祝いというより自慢の電話を掛け、在京に下山する旨メールを入れて下山開始。
ちなみにルートは→雷岩→大菩薩嶺→雷岩→福ちゃん荘(唐松尾根)→上日川峠→裂石
あえてコメントするなら、雷岩、大菩薩嶺間は道がぬかるんでてグチャグチャ。大菩薩嶺は展望なし。
唐松尾根の途中には、昔の道がえぐれたので(だと思うのだが)枝で通せんぼしてあるところがある。(新しい道はすぐ分かる。)
大菩薩の湯(411号沿いに登山口から15分くらい。同名のバス停あり。)は市外の人入浴600円(3時間滞在可)で、軽い食事もできる。休憩室、土産屋あり。
ザイル、お助け紐使用場所
ザイル:S字峡一段目、石門の滝(遡行図の残置ロープのところ)
お助け紐:最初の4m、?5m、石門の滝、?2段20m下段
幕営適地
松尾沢出合右岸、中ノ沢出合、中ノ沢を少し入った所(右岸)、
ジャヌケ沢出合から少し行った所(左岸)他の記録によるともう少しあるっぽい。