2003/6/14-15 大常木谷
大常木谷遡行記録
[日程] 平成15年6月14〜15日
[メンバー] L.深畑(記,OB)、石井(D1)、西井(D2)、加藤(3)
[行程]
14日(土) 晴のち曇り、夕方以降は雨のち曇り
新宿発708===744立川749===905奥多摩==(タクシー)==大常木谷下降点1000---1010一ノ瀬川(遡行準備)1030---大常木谷出合1045---1155千苦の滝1240---1245一本1320---1515御岳沢出合1530---1545小屋跡手前で幕営
昨年秋以降ずっと忙しく、ようやっと久しぶりに泊まりがけで山に行けることとなった。昨夏の上ノ廊下以来。メンバーがなかなか集まらず難儀したが、雪山反省会も利用して何とか形を整えた。
天気予報はこの一週間ずっと悪かったが、いざ入渓してみたら晴れ。やはり日頃の行いである。出合からナメが続く美しい渓相で安河内達の哀れを想う。
前半の五間ノ滝は胸まで釜につかって取り付く。取り付いてしまえば後は簡単。
千苦の滝がここ大常木谷の核心である。右から踏跡を伝って大きく高巻く。ルンゼをトラバースする所がキーポイントでトラロープもかかっていたが、少し遊び心を出して踏跡からわざと外れてさらに大きく高巻いた。いずれにしても悪く、後輩の人々には少々怖かった様子。
魚影の濃い沢で、たまらなくなった石井は休憩中竿を出してトライするが、いまいち嫌われてしまった。
山魚女淵は倒木を利用して通過。早川淵は頑張ってへつる。その先、二回ほど滝を巻けばポイントはおしまい。会所小屋跡を見に行き、しばらく下った左岸上にテントを立てる。とは言え、急な計画だったのでテントがなく(朝学校まで行けばあったのだが)、ツエルトとフライを細引きやシュリンゲで張って固定する。作業が終了した頃、雨が降り出す。怪我のため来れなかった荒木の呪いか。ここで加藤が下山を主張。曰く、ここでじっとしているよりも、夜間行動をした方がドラマチックである、と。パブロフの素質十分ですね。
私は、ドラマチックであろうとなかろうと久しぶりに焚火がしたかった。徐々に雨が小降りになったので、雨具を着たまま薪集めに取りかかる。びしょびしょの木からもうもうと煙が出て無事火はついた。午前二時頃再び雨が降り出してきたのでフライの下に行って寝た。西井は朝まで火の側にいた。
15日(日) 曇り
起床620:::出発1030---1155岩岳尾根1215---1315一本1330---1345小常木谷1400---1420林道1435---1520丹波山温泉
朝から再び焚火をして遊んだ。十分に満足したところで出発とする。加藤のみ呆れた面持ちで我々を見ていた。
大常木林道は途中大崩壊地帯があり、そこの突破は大きく下ったり登ったりする上、技術も要る。装備解除しないで出発すべきだった。それ以外にもいくつか崩壊箇所があって面倒である。ルートも分かりにくく、最後は踏跡が交錯して不明となったので、頑張って一登りして尾根に出た。岩岳北の鞍部と思われる。
岩岳尾根の下りもエアリアの点線ルートだけあって良くない。夜間は下降不可。
丹波の温泉(なめとこ湯)は少し丹波の村から歩くが、奥多摩のもえぎの湯よりもずっと良い。
[まとめ]
この沢のポイントは、一にも二にも千苦の滝の高巻きである。東京近郊の沢の巻きとしては屈指の難しさであると思う。また、山魚女淵の通過は、倒木が無い場合には苦労するかも知れない。下山ルートは問題で、大常木林道は全く勧められない。崩壊は今後さらに進むだろう。時間があれば完全遡行をする手はある。御岳沢を詰めても良い。竜喰谷や大常木谷を下降するのも楽しそうだが、林道に出てからがまた問題である。