2003/6/8 鶏冠谷右俣
鶏冠谷右俣遡行記録
文責 橋元(22期)
○日程 2003/6/8(日)前夜発日帰り
○山域 奥秩父 笛吹川東沢流域
○天候 晴れ
○メンバー L橋元(4) 佐藤あ(M1) 関口(4) 山崎(4)
○アプローチ
土曜18:50レンタカーで農学部前を出発。首都高に乗りたかったが二回ほど入口を通り過ぎる。その後何とか首都高に乗る。割と核心だった。その後、中央道となり順調に高速を飛ばす。勝沼ICで下りる。多少迷いつつも二軒のコンビニに寄り22時前三富村営駐車場へたどり着く。塩山駅近くのファミマには酒あり。駐車場は舗装されている。トイレは近くにない。テントを張り、食事、酒盛り、就寝。ちなみに帰りの運転をしたくない橋元はハンドルを譲らなかった。
○行動記録
5:56 三富村営駐車場出発
・ゲートを過ぎてしばらく行くと、立派なトイレがある。登山計画書を入れる箱あり。さらに進み、西沢山荘のすぐ先の分岐を左へ入る。吊り橋を渡ってすぐ右の踏み跡は少し悪そうなので見送る。さらに進むと東沢への看板が出てくる。入山禁止の看板もある。ロープをまたぎ、東沢へ。看板の少し手前にも踏み跡があり、川原へ下り少し進むと渡渉しなければならなくなる。地形図では鶏冠谷出合の上流で渡渉点となっているが、出合よりほんの少し下流にある。
6:40 渡渉点 入渓準備
6:55 出発
6:57 鶏冠谷出合 出合には「鶏冠谷出合」という看板がある。
7:09 魚止めの滝
・右側の明瞭な踏み跡から巻く。巻き道の出だしにはロープが張られている。ロープが張られた部分の足場が少し悪い。
・魚止めの滝は右壁から直登も可能という記録から考えると、今回は水量が多い方だと思われる。ただ、水量が少なくても直登は大変だろう。
7:32 飯盛沢出合 夫婦岩はたいした大きさでもない。
7:50 奥飯盛沢出合
・奥飯盛沢の3段90mはすごくでかい。びびる。登れば5級上らしい。
・本流の3段12mナメ滝はどれを1段目とするかが良く分からないが、
足元が平らになっているところに立ち、左の奥飯盛沢を見たときに奥飯盛沢の水流が左(本流の少し下流側)に見えるところに水を落とす滝を1段目とするならば、1段目のみ直登不可能で、1段目のみ右から小さく巻く。踏み跡あり。2段目は右壁を登る。少し悪い。3段目は記憶があまりないので大したことなかったと思われる。その後すぐ、逆くの字滝となる。
・20m逆くの字滝はナメ状。結局、ロープを出さなかった。水流のだいぶ右から足のみで張り出した岩と水流に近づくように登る。張り出した岩の少し上に残置ハーケンあり。この先からは関口がフリーソロで登り、後続者をお助け紐で確保。水流の屈曲点までは、足場は割と安定している。屈曲点からもルートは水流すぐ右で、レイバック気味に登る。滑りやすいので注意。思っていたより簡単。屈曲点から上で水流を外れ、右壁から登る場合は完全にA0となり、全体重を残置ハーケン、スリングに預けることになってしまうだろう。因みに屈曲点より下の張り出した岩の少し下で、水流は少し右へ向きを変える。A0ルート、フリーのルートそれぞれの上がったところの間あたりに残置ハーケンあり。
8:20 20m逆くの字滝上
8:40 二俣 ようやく一本取る。
・この休憩で順天堂大学山岳部の二人パーティと少し話す。一人はOBらしい。OBの方は短パンだ。この二人も右俣で、休憩するが先に出ていった。
9:00 出発
・右俣出合すぐのゴルジュは大高巻き。右俣に少し入り、滝の大きさなどを確認し、二俣に戻り、左俣にちょっぴり入ったところから右俣と左俣の間の支尾根に取り付く。踏み跡らしきものがある。割と大きく巻く。25m滝より少し上流に下りる。落ち口は見えない。約15分で本流に戻る。
・5m滝につくと5人くらいのパーティの何人かがこの滝を巻いて懸垂下降をしている。滝の手前で10分くらい待つ。このパーティのザックは一般山行並にでかく、個人用マットまで付けている者もいる。いったい何があそこまでザックを大きくするのだろう。軽量化に燃える自分にとっては不思議でしょうがない。さっきの順天堂の二人はこの滝を直登して越えていった。我が隊も滝に近づくと一見登れそうにない。水量が少なければ水流右を直登できるかもしれない。釜は少し深そう。右側には足のみでは立てそうにない角度のつるっとしたバンド状の岩にハーケンが打たれ、スリングが垂れている。関口が行きたいというので行ってもらう。ハーケンの打たれた岩とゴルジュを形成する垂壁との間にすきまがある。そこはまさにちょうど良いガバのアンダーホールドで、レイバックを縦方向にしたようにして足を押し付けフリクションを稼げる。このルートだと残置ハーケンは足元に位置し、A0せずに突破できる。ちなみに遡行図ではゴルジュマークが書いてないがゴルジュとなっている。巻きは左からで、やはり懸垂下降となるだろう。
・30m滝は左から巻く。巻きの途中、小さなルンゼのトラバースがあるが全く問題ない。このルンゼの下で滝は上部と下部に分けられる。上部はナメとなっている。遡行図では、直登した場合、上部はナメを直上、となっているがありえないだろう。
・この後は適度なナメとナメ滝、小滝が連続し楽しい。
10:00 一本とる。
・休憩の前に橋元、浮石に乗り、転んで膝を打つ。痛いし時間もちょうど良かったので、休憩。水で冷やす。だいぶ痛みが引く。大したことなかった。他のメンバーは滑り台。
10:10 出発。
11:00 40m大滝下 大滝は見事。
・時間は早いが大滝を巻くほどのやる気は皆ないので、大滝下右側の枝沢を詰める。遡行図ではナメのマークが書いてあるが全然ナメていない。非常に急である。左にさらに枝沢を分け、少し登ったあたりで右に逃げ、沢から離れていき、トラバース気味に登っていく。藪はだんだん濃くなり、シャクナゲがうるさい。おそらくルートを誤った様子。枝沢を登り過ぎたのだろうか。
11:40 近丸新道 少し下り、広くなったところで装備解除
・まったりしていると突然下のほうから笛の音が聞こえてくる。少し下るとおじ様が二人。なんでもヌク沢を遡行していたが間違えてこっちへ来てしまったらしい。そのうちもう一人がやってきた。どうやら藪漕ぎをばらばらにしていたので笛を吹いていたらしい。
12:20 下山開始
・徳ちゃん新道と近丸新道の分岐の看板を見かけたが近丸新道への入口が良く見えなかった。徳ちゃん新道はとても歩きやすい。
13:33 徳ちゃん新道登山口
14:00 三富村営駐車場
*遡行時間 4:13 (休憩含まず)
*総行動時間 8:04
*遡行図とは東京周辺の沢2000年版のことで、滝の名前はそれに準ずる。
○帰路
佐藤あ、の運転で花かげの湯へ向かう。\500。風呂上りに山崎以外は生を飲む。一杯\550。ひたすら幸せを感じる。花かげの湯はすばらしい。16:30頃出発。
山崎以外はみんな飲んでいるので、帰りは山崎の運転。高速は初めてとのこと。途中、渋滞する。高井戸で下りてガストで夕飯。駐車場せまい。ここで関口と別れる。巣鴨で佐藤あを降ろし、農学部で山崎が降りる。山崎、運転お疲れ様。ありがとう。
○総括
今回は非常に速かったが、メンバーが強かったことが大きく起因していただろう。但し、右俣出合の25m滝の大高巻きでルートを外せば、大きく時間がかかってしまうだろう。人数は4人までのほうが安心。また、ある程度の登攀力がなければ苦労することは必至。僕が言うのもなんだが初心者は不可であると思う。沢に慣れていて登攀力があれば非常に楽しいことは間違いない。
○反省
・腕時計を忘れた。というか持っていない。佐藤あ、貸してくれてありがとう。
・最初の西沢山荘の分岐でどっちか迷った。結局は正解の方へ進んだのだが、エアリアくらいは持っていったほうが良かった。
・逆くの字滝ではどの記録でもロープを出しているにもかかわらず出さずに登ってしまった。結果的に問題はなかったがそういうものではない。落ちても死にはしないだろうが、釜はそれほど深くないし、屈曲点より下にも流れの向きが少し変わるところがあるので落ちればそこに体をぶつけることになり、怪我をすることは間違いない。
・読図がいまいちだった。本流はいつも水量が一番多いので迷うことはないし、詰める枝沢も40m滝下なので分かりやすいので、今回は問題なかったが、今後の課題である。
・一部のメンバーが前夜の防寒が甘い。車で行くのだからデポし放題ということを良く考えるべき。
・スリングの結び目は山行前にチェックしておくべき。
・メンバーが強いということもあり、メンバーを気遣うということがあまりなかったと思う。いずれは、連れて行くということもあるだろうから擬似的にでも気遣うべきだったと思う。また、気遣うべきところをもっと考えながら行動すべきだった。精進していきたい。
・リーダーであるにもかかわらず共装をひとつも持たなかった。
○今回得た豆知識
・腕時計が嫌いだという人はたまにいると思うが、僕もそんな人の一人だ。ハーネスの腰ベルトに巻きつけると邪魔にならず、見やすくてとてもよい。(どうでもいい?)
・今回のデミオ(1300cc)の燃費は11.3km/Lくらい