2004/7/17-19 尾白川本谷

尾白川本谷遡行記録 
                            文責21期佐藤

 ○メンバー
 L佐藤(M2)、安河内(OB)、橋元(M1)、阿部(3)

 ○遡行日
 2004/7/17-19 

 ○交通 
 行き 2004/7/16 新宿21:38発-中央線穴山、車で尾白川林道終点
 帰り 2004/7/19 横手バス停-タクシー1870円-牧の原温泉500円-16:40バス600円-韮崎-電車-新宿

 ○遡行時間
 7/17 穴山5:30-コンビニなど-6:45車止め-7:45林道終点8:05-8:20入渓-8:40休憩8:50-10:25どっかそのへん10:45-11:30尾白川出合-12:15幕営地

 7/18 6:00起床-幕営地8:20-時間忘れたが2回休憩-大滝上14:20-14:40奥の二股15:00-16:50稜線-17:00六合目石室(幕営)

 7/19 6:00起床7:45-9:05甲斐駒ケ岳9:25-10:40七合目小屋11:00-12:45笹平13:00-14:05登山口-14:25横手バス停-タクシー-14:40牧の原武川の湯16:10-20:40新宿

 ○総評
  本谷広河原までは超簡単、魚影も濃い。その後は巻き、滝登攀、行動時間共に少し厳しいものがあるが、軽量化して賢く巻き道を拾えば苦労はしないはず。岩は脆く、浮石も多い。水の色は黄緑色で言うほど美しくは無かったが、何でもかんでもスケールが大きく、圧倒されて面白かった。巻き道は大体明瞭だが、沢全体的に崩壊が激しいのでも自分で巻きを開拓する羽目になるかもしれない。
  二日目は小雨だったが、総雨量20mm程度だと上部で増水に困る事は無かった。薪は豊富。幕営適地も結構あった。雪渓は皆無。下山道は歩きやすいがだるい。

 ○遡行詳細
 7/17 晴れのち曇り
  穴山の駐車場で幕営し、朝4時半起床。眠い。朝の5時に地元で研修中の浦崎さんを電話でたたき起こし、車で送ってもらう。
  林道の車止めから歩き。普通に歩いて1時間で終点着。沢床までは少し荒れている。ここ一週間ろくに雨が降っていなかったせいか(浦崎さん談)、水は多分少ない。しばらく歩くとでかい釜をもった滝が出てくる。これは左を登れるようだが滑ったらうざいので左から巻く。巻き道明瞭。
  その直後に滑り台に最適なナメ滝が出てくるのでひとしきり遊ぶ。この滝は滑り台としては傾斜記録更新。

 その後の登れない滝にもすべて巻き道がある。トラロープがある場合はこれを信用すべし。無い場合はかなり錯綜している踏み跡の低めのルートを拾うのが吉。
  そんなこんなでかなりあっさり二股に着き、入って少しの広河原の途中で整地されているところを見つけて幕営。薪は豊富、乾いていて、着火剤に半枚の新聞紙しか使わなかった。阿部ちゃんを釣りに送り出し、昼寝など。寝てる間に5,6パーティに抜かされたらしい。3リットルあったビールを翌日に備えて一本残し消化。ビール祭だ。焚き火で適当に米を炊いたが何故か美味く出来た。時間が余って退屈だったので、焚き火を人間よりでかくして遊びまくった。夜の気温は普通。

 7/18 小雨-曇り-小雨 
  朝2時ごろから小雨が降っていたようだ。前日20時-7時までの総雨量18mmほど(コッヘル)、水面上昇8cm。特に問題なさそうだったのでそのまま出発。ナメ滝とか色々いい感じ。だが天気が悪いのでちょっとつまらない。
  途中崩壊気味の少しいやらしい斜面を巻くところがあった。安河内さんがお助け紐で後続確保。石落としてごめんはっさん。


  両脇が巨大スラブ壁になり、しばらく進むと2段超巨大CSが現れる。この下段がこの沢の核心部だった。巻き道無し。直登か帰るか。
  正攻法は水流沿いを空身で直登して全員分のザックを上げ、残りを確保して空身で登る方法だと思う。上段は左側から回り込んで岩の下をくぐって簡単に上がれる。ただし下段は水が多いと直登ムリ。今回は許容範囲だったが、登れる水量かどうかは行ってみないと分からないだろう。また、下段には倒木がかかっていたが、これが無くても多分直登無理。無かったらどっかから拾ってくるかして登るべし。
  我々の場合、それぞれが右往左往しているうちにトゥールさんが下段の右壁を突破。全員のザック先に上げて、残りをお助け紐で確保、左の水流沿いをどっかぶりシャワーで登った。ちなみにトゥールさんが登った右壁はかなり脆く立っていて5.11レベルらしいのでお勧めしない。ついでにお手上げ状態で、我々を脇で見ていた先行パーティの一人を確保して上げた。


  その後も巻き道で迷子になったり大岩をアクロバティックにこえたり、なんじゃかんじゃでへろへろになり、そのうち大滝についた。これは遡行図通り上段リッジの右側を残置A0で登るが、すべるわ脆いわで大変。困ったちゃんがまたフリーソロで登っちゃってもう大変。落ちても死ぬ場所じゃないけど最初からザイル出そうよ。中段に確保に使える残置ハーケンと木がある。が、登る価値のある滝とも思えないので巻く事をお勧めする。
 

  その後の「小滝群」は大滝だったのでとっとと巻く。右に快適な巻き道在り。巻き道から見る限り突破できそうに無い滝だった。 二股で水は大体枯れる。そこからはザレをえっちらおっちらへろへろで登る。6合目石室に一番近そうな沢筋ルートを取ったらぴったりついた。踏み跡らしきものは見つからず。噂では下草の無い樹林帯に赤テープ付きの踏み跡があるらしい。
 

  石室の水場はエアリアどおりで道も明瞭だが遠かった。道は荒れているのでザックで行くべし。石室の中にはアルパイン二組、尾白川一組。風が強かったので中に張れたのはありがたかった。飯が美味い。この日は焼酎祭りだったが飲みきれず死亡。

 7/19 小雨強風-ガス-晴れ
  朝はまた小雨。やる気無く甲斐駒を目指す。甲斐駒までは登攀的なルートも多いので沢足袋で歩く方が良い。甲斐駒にはめっちゃいっぱい人がいたが、黒戸尾根は静かなもんだった。長いことは言うまでも無いが、雰囲気は良かったし歩きやすかった。沢的にはゆっくりしたペースで下ってコースタイム3割切りくらい。


  神社からタクシーを呼んで横手で合流、牧の原温泉へ。でかくて広くて綺麗な村営温泉だが飯は4時で売り切れるので要注意。でも4時以降でも出前が取れる。牧の原バス停は少し離れたところにあるので受付の人に場所を聞いたほうが良い。温泉を出て左に進んだ20号線沿い。
  あとはバスと電車に揺られて帰京。ものすごく疲れた。

 ○反省
  広河原までは超簡単なので荷物が重くても平気だが、それ以降は厳しめなので軽量化する必要あり。今回はライトエスパ小が負担となった。また、阿部は軽量化が足りない。共用コッヘルは一つでよかった。逆に二日目夜の焚き火が出来ない事を考えてにカートは2つあっても良かったかもしれない。
  二日目の行程が長かったので、一日目の幕営地は出来るだけ上にした方が良かった。両岸スラブ帯直前までは幕営できた。
  壁と見るとフリーソロで突破するのはやめましょう。
  「まいっか」はNGワードである。
 

 


  天気にはあまり恵まれませんでしたが、非常に楽しい沢でした。でも黒戸尾根はもうやだ。次行くなら下流部をうろうろして帰ってくるので十分です。

  心に残った各メンバーのコメント:
 阿部「マジありえないっすよ」
 橋元「この沢馬鹿じゃないの」
 安河内「ほんとすいません」