2005/10/29-30 中倉山〜庚申山

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山行記録
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■期日
2005年10月29〜30日

■山域
足尾

■メンバー
CL白川、相羽、新井

■行程
1日目:銅親水公園12:15〜12:45上久保沢取り付き点〜16:20中倉山山頂〜
〜16:40幕営地点
2日目:幕営地点9:10〜13:10庚申山13:25〜14:10庚申山荘14:15〜14:45一の鳥居
15:00〜15:45銀山平

■総評
・初日の取り付き点から中倉山南方の1400pに上がるまでが核心。
浮石が非常に多く、落石が起きやすい。
・中倉山周辺は非常に気持ちの良い草原。
・途中1682mピーク(以下、1682pと表記)付近までは草原状の道が続くが、
それ以降は所によっては背丈以上の笹が密生しており、笹が薄い箇所を
うまく選んで進むとよい。
・庚申山〜庚申山荘間の道は岩っぽく、歩きなれてない人には少々怖く感じるかも。
・幕営適地は、我々が幕営した1539pの奥の鞍部、1704p付近、1682p付近など。
・初日はお助け紐ぐらいはあったほうが無難。

■山行記兼記録
・10月29日
CLのくせに白川は寝坊。危うく遅れそうになる。父親の助けも借りて、
起きてから5分で電車に滑り込む。新井と合流。
東武動物公園で相羽とも合流。今にも降り出しそうな空に、
3人とも気分は萎え萎え。代替案も飛び出す始末。
①このまま日光へ→東照宮見物→中禅寺湖で紅葉狩り→
→日光名物ゆばを食す→地酒→ウマー(半角文字が使えない…)
②太田か相老でステーキセットと酒を買い込む→間藤に着いてから
テント泊→宴会→ウマー
つくづく終わってる3人である。

そんなことを話しながらも惰性で相老に到着。乗り換えの時間が余って
いるのでコンビニを探して付近をぶらつく。スカートの下にジャージ、という
田舎らしさ満点の女子高生多数。
コンビニのかわりに酒屋を見つける。どうせ田舎のしょぼい酒屋だろ、
とか思って入ってみると(失礼)実はかなりの優良酒屋。
保冷室に入れてもらったり、名酒を試飲させてもらったり、「月桂冠は酒粕だ」
という情報をもらったりする。CLは今回ノンアルコールで臨んだが、
ここで相羽、新井2人に酒を買うことを強要される。赤城山購入。
この後、渡良瀬渓谷鉄道に乗り込むと終点まで爆酔、ではなく爆睡してしまった。
さすがにこの辺は白馬岳の反省がある。

終点、間藤駅に到着し、周辺を眺めてみると、まるで中国の寂れた
田舎の工場を思い起こさせる風景が広がっている。銅親水公園周辺もそうだが、
おおよそ現代の日本離れした光景と言えるだろう。
タクシーで行く予定だったが、11:18に銅親水公園行きのバスがでるようなので
それに乗っていく事にする。250円也。
銅親水公園のビジターセンターで昼飯を食して出発。客が少ないせいか、
従業員の態度がやけに悪かったような・・・。というより、ここでは麓の家族で
営業しているようだ。幼児が泣きながら調理場に入っていったり、レジを
使わずにお爺ちゃんが電卓で会計をすませてくれたり・・・。

仁田元沢から上久保沢へ入る取り付き点は、林道の右側にフェンスが現れる
場所の30mほど手前、と覚えていれば間違いは無い。
取り付きからいばらと落石ぼろぼろの斜面がお出迎え。新井がイバラにはまって
ヒイヒイ言ってる。
しばらくは上久保沢にそって上っていたが、沢の上部を見るとかなり大きな岩場が
見えていて登れそうに無いので、適当な場所で左側の尾根に登り始める。
が、誤って急で細く、落石の多い沢状地形に入り込む。図らずもここが核心部と
なってしまった。なるべく落石を落とさないように進み、この沢から離脱を試みる。
新井がここで変な方向に進み、はまる。しばらく動けなかったようだが、
低木につかまりながらなんとか離脱。白川、相羽はすでに安全な場所に
逃げて、その様子を見守る。
新井「(必死かつうれしそうに)待ってー助けてくれよー」 やはりMだ。
その直後にも新井はまたイバラにはまってうれしそうにしていた。

その後、尾根までは落石の起きやすい斜面ではあるものの、
低木が密生しているので、それにつかまって登ればそれほど
大変ではない。ただ、枯れて折れやすい木が多いので、
そういったものをつかまない様に注意しなければならない。
相羽は背が高いので低木に頭が引っかかって大変そうである。
新井もなぜかいつもイバラに突っ込んだり浮石を掴んだりで
大変そう。CLのみがだいぶ楽しているような・・?

尾根に乗ると、今度は左にトラバース、直登を繰り返して1400pを目指す。
途中、新井が、「疲れた・・痛い・・つらい・・」と言っていたので
顔を見てみたら、やはりうれしそうな顔をしている。
さすがは魔性のM。

1400pに出てみると、中倉山方面へ明瞭な道がついている。
この道をたどれば楽に中倉山へ出る事ができた。
山頂一帯は気持ちの良い草原となっている。あとは
今夜テントを張る場所を探すだけ。1539p奥の鞍部付近に
張ることにした。

テント内に入ると、新井、相羽のザックの中から酒が出るわ出るわ。
全部で約1,5升+ビール2缶。こいつら俺に酒買うのを強要したくせに
なんでこんなに持ってんだよ・・・!
相羽が意味ありげにニヤけている。「さて飲もうか、白川。」
この後の記憶はあいまいなので記録に書くことはできない。

・10月30日
朝6:00に相羽の携帯が鳴って目覚める。二日酔い。
酒を飲んで言ってしまったことを後悔するのはいったい何ヶ月ぶりだろう・・・。
起きてから15分はCL以外だれもシュラフをたたもうとしない。
飯を作り始めたのは6:30以降。食べ終わったのは7:00過ぎ。
7:30からあろうことか2度寝。8:30にCLの目が覚めなければ
その後もずっと寝ていた勢い。9:00過ぎにテントを撤収してようやく出発。
この人たち本当に高校山岳部出身なんだろうか・・?
これってバリエーション山行なんだろうか・・?

1682pあたりまでは背の低い笹原が続き、周囲の景色を見ながら楽に歩く事ができる。 
 それを過ぎた辺りから、相羽、新井両氏の提言で尾根の南側をトラバースぎみに
登って行くことにしたのが間違いの始まりだった。
「日当たりの良い南側斜面」、「疎な樹林帯」という条件が重なり、密で背が高い
笹薮に突っ込む。たいてい腰か胸程度だが、所によっては背丈よりも高い。
そういった場所ではジャブのように体力を削られる上に大幅に時間を食ってしまった。 
 尾根上を行けば若干日当たりが悪くなるので藪は薄く、そちらの方が時間的に
早かっただろう。

1821pを過ぎた辺りでようやくその事実に気づき、尾根に乗る。
今までの藪が嘘のように歩きやすい。皇海山を眺めながら順調に
距離を稼いで庚申山へ。
山頂ではツアーで来たおばちゃん達のギャラリーに華々しく迎えられるかと
思いきや、我々のほかには単独行者2名の静かな山頂。秋風が心地よい。

庚申山山頂から庚申山荘への道は、所々岩場、梯子、鎖があり、
高度感もそれなりにある。夏学期に一般山行で1年生を連れて行けるか
と言えば、けっこう微妙な感じ。と言えばわかりやすいだろうか。
ここからトップが相羽になり、すさまじいペースで飛ばす。
相羽は歩いているだけなのに、白川、新井が走っても追いつけないくらい。
現段階で雷鳥の現役生の中に、彼に追いつける人間は皆無であろう。
早く歩いているせいで周りの紅葉を楽しむ余裕があまりない。
登山口付近でもすでに紅葉は見ごろとなっていた。素晴らしい。

時間を大幅に短縮しながら銀山平へ到着。温泉代は600円。
全身刺青を入れたオヤジがいて萎えた。
温泉後通洞駅へ。タクシー代2490円也。
通洞駅近くのコンビニは品揃えが恐ろしいほど悪かった。

■感想
・新井が魔性のMの真髄を発揮していたのが印象的。
・新井が1回目にはまった所と
新井が2回目にはまった所と
新井が3回目にはまった所が核心部。
つまり新井が通るところに核心部あり。
・総評にも書いたが、初日の1400pに登る間にはお助け紐
があったほうが安心感大。
・悪く言えばだらだら、よく言えば緩急はっきりした山行だった。