2006/7/15-16 小室川谷
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小室川谷遡行記録 作成:山崎
<期日> 2006年7月15、16日(土、日)(山中一泊)
<山・水域> 大菩薩嶺・丹波川流域
<メンバー> 深畑(11期)、山崎(22期)、土松(23期)、
阿部(25期)、福本(26期)、L山崎(25期)
<行動>
一日目:1015入渓-1040滝8m-1140休憩1150-1220S字峡1350-1440残置ロープ(石門の滝?)
-1540休憩@小室の淵1550-1630幕営地@中ノ沢出合から100m上流
二名のメンバーから立て続けに寝坊しました電話がかかってきた。彼らを待って、予定より40分
ほど遅れて大型タクシー*(6人乗り)@京王で入渓点へ。やけにテンションの高い運ちゃんの相手
を適当にしつつ。それにしてもいい天気である。夏模様。
*予約不可、料金は普通タクシーと同じで入渓点付近まで8900円也
遅れてはいたものの予定通りの時間に入渓。二隊に分隊するとかいう話であったが、結局6人で
わいわいがやがや行くことに。10cm弱ほどの増水。木漏れ日の中をさくさく進む。8m滝。阿部ちゃ
んからお助け紐を受け取って左岸を登るが、ダブルフィッシャーマンノット(なんで?)を解くのにてこ
ずっているとお姉さまが助けに来てくれた。まりりんのお助け紐を使わせてもらう。時間を食ったの
で、気持ち速く進む。
途中開けたところで休憩を入れて、5m滝。へつって滝の右側へ取り付き、そのまま登る。水量が
少し多いので、へつりに失敗すると流されてしまう。福本のザックがジャックなもんだから水に濡れ
ると重量が劇的にうp。
やっとこさS字峡。結構な勢いで流れているじゃないですか、先生(だれだよ)。迫力がある。突破で
きないほどではなかったので左側から登る。ゴーグル使用。お助け紐で何とかなるかと思っていた
が、ザイルを使った。左の壁の向こう側にハーケン一つ、さらに奥に支点あり。落ちると勢いよく流
されるそうなので全員トップロープ。その後続くゴルジュは鋭角60度で曲がっていたりして面白い地
形をしていた。S字峡の最後には釜が立ちはだかったが、深畑さん、土松さん、阿部ちゃんは泳い
で突破。まりりん、福本、渉は左岸の岩壁を越えようとするが向こう側で懸垂するハメに。泳いで渡
った三人が勝ち誇った様子。沢は懸垂してナンボじゃいとぶつぶつ言いながらザイルをだす。ザイ
ル回収の際、途中でザイルが絡まってしまったので、渉は登り返し、回収、残置トラロープで下降。
泳いで突破した三人は行動食を口に頬張り、普通に休憩。突破に1時間以上かかってしまい、予定
の幕営地まで行けるか不安になる。
残置ロープ(石門の滝?)では右岸を登る。登り始めが意外と難しく、上部は残置スリングで直登。上
部はトラバースするとハーケンがある。セカンドの福本はトップロープで、あとは登高器で。
3mCSに着くころには雲行きが怪しくなっていた。この滝を避けて左岸を行くと直ちに石門。左右か
ら大きな岩が覆いかぶさりアーチを形成。見るからに石門。ここで幕営できなくもなかったが、予定
の中ノ沢出合まで行くことにする。
小室の淵の手前で一本。泳いで突破するためにエネルギーを補給する。まずは深畑さんがお手本
を。見事突破。続いて土松さん。入水したのを確かめて、渉、福本、阿部、山崎麻は右岸を巻く。
巻いている途中で見下ろすと、土松さんが泳いでいるのが見えた。合流して、小室の淵奥の滝は一
緒に巻く。
中ノ沢に着いたころに雨が降り出してきた。深畑さんは中ノ沢、渉は小室川谷の上流へ幕営地を偵
察。増水が予想されることから、出合から小室川谷の方へ100mほど上流の右岸で張る。張ったも
のの、雨がザーザー降っているのでテントの中に入る気がせず、外で立って雨がやむのを待つ。雨
足が弱くなってから、男4人は薪を集めに、女2人は料理を。火を熾すには最悪の条件であったが、
深畑先生の指導とまわりの努力で見事火が点いた。テントの中からはキャキャー叫び声がしていた
ので、料理のできが心配だったが、意外や意外、米も上手く炊けていたし、福本によるワンゲル仕込
のカレー(なす、挽肉、玉ねぎ、ほうれん草、かぼちゃ…入り)はおいしかった。さらに深畑さんとまりり
んの誕生日をお祝いすべくバースデーケーキをまりりんがプロデュース。二層のスポンジの間にはマ
ンゴーの層、そのまわりをクリームでコーティング、さらに上にマンゴー。勢い余って山用ローソクを
のせようとするが、冷静さを取り戻し、思い留まる。皆で、はぴばすでーの歌を謡う。まりりんが深畑
さんに甘い結婚生活について執拗に質問攻め。お姉さまもそういうお年頃なのだろうか。夜が更けて
きたころにささやかな花火を。9時半ごろに就寝。
二日目:730発-740滝8m-930休憩@雨乞いの滝950-1030滝2段20m-1130ジャヌケ沢出合1140-1330尾根
530起床。朝も火を熾す。朝食はまりりんによる素麺(温)。麺がピンク色をしていたので、まりりんの
雨具の色が着いたのかと思ったが、梅が入ってるとのこと。食い始めはおいしく食っていたが、8人
分なもんだから最後のフィニッシュをキメるのに苦労した。
ゆっくりして730発。小降りの雨だ。10cm強ほどの増水。10分ほど歩くと、8m滝。水量が少なければ
突破できそうだがここは右から巻く。
その後のゴルジュでは深畑さん、土松さんに加え、阿部ちゃん、まりりんも泳いで突破。朝っぱらか
ら濡れたくない福本、渉は右岸から巻く。巻きの途中で立ち止まり、皆の泳ぎを観察。土松さんは平
泳ぎで、慣れた様子。阿部ちゃんも平泳ぎだが、無駄に滝の真ん中へ取り付こうとして進まない。まり
りんは伝家の宝刀、犬掻き泳法で突破。深畑さんは岩を蹴りつつダイナミックに突破。
10m雨乞いの滝手前で一本。直瀑で見応えがある。ここで巻き方が問題となるが、正解は左(東京
周辺の沢では「右から巻く」とある)。地形から滝上部の左岸は立っているので、巻いた後懸垂が予
想される。左の巻き道は明瞭かつ簡単。案の定、右から巻いた場合ハマルだろうと思われるほど
滝上部の左岸は切り立っていた。
引き続き4段30m滝。二段目で土松さんは滑って(前回も!)下にいた深畑さんを巻き添えに。四段目
では水流の右側を登り、お助け紐を。落ち口が危なく、残置スリングが二つあった。
2段20m。水量が多いので巻くことに。下段は阿部ちゃんにルートファインディングをしてもらう。上段
は安全のためお助け紐を出す。ともに滝の右側から巻く。
ジャヌケ沢出合で一本。出合の部分のジャヌケ沢の向きが地図のそれに合わないが、奥に行くと沢
は急に曲がり、地図上の向きに一致するようになる。
最後のイベント、12m階段状滝から始まるナメ滝の連続は楽しみつつ登る。阿部ちゃんのお助け紐を
垂らす姿は釣り人のようでやる気がなさそう。捕まろうものなら、「あぶね」とか言って手を放しそうだ。
ツメは大きな沢なだけあって長く、なかなか水も涸れない。まりりんの口数も増してきた。最後はドラ
マを求めて尾根へダッシュ。視界こそないが、すがすがしい。晴れていれば目の前に富士山。
下山は大菩薩峠経由。途中雨が降ってくる。ロッジ長兵衛からタクシー(3200円也)で大菩薩の湯。
塩山駅前の店で飯。深畑さんにビールをおごって貰う。美味。ご馳走様でした。
雨上がりの夕日はいつものように綺麗だ。帰りの電車、藤野駅付近で花火が観えた。駅に停車して、
ドアが開くと、音と共に。もう夏ですかそうですか。
<総評>
苔むした岩々。魚影濃い釜。わりと綺麗な沢で、滝も手頃だし、沢を満喫するにもってこい。
まさに「沢登りワールド」。
<最後に>
今回も学ぶことが多々。特に10m雨乞いの滝の巻きには感動すらした。過去の記録に頼らず、自分
の頭で考えられるようになりたいものです。
深畑さんをはじめメンバーの皆様ありがとうございました。