2006/8/9-11 葛根田川
----------------------------------------------------------
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
葛根田川遡行記録 作成:山崎
<期日> 2006年8月9-11日(山中二泊予備日なし)
<山・水域> 十和田八幡平・雫石水系・葛根田川
<メンバー> 7人
L 山崎(25期) 荒木(19期/OB) 関口 (22期) 山崎(22期)
土松(23期) 阿部(25期) 福本(26期)
<行動>
一日目(9日) 快晴
730滝ノ上温泉郷-800入渓点-830入渓開始-1030お函1135-1150大石沢出合-1245中ノ叉沢出合-
1315大滝1335-1440滝ノ叉沢出合(幕営)
福本はバイクで二日前に、渉は18切符で前日に阿部家に着。お世話になる。
630に盛岡駅滝の前広場にて夜行バス隊(荒木、関口、山崎麻、土松)と合流。
荒木さんと福本は初顔合わせ。タクシーで滝ノ上温泉郷へと向かう。\9,000前後。
硫黄の臭いが漂う地熱発電所を通り、右にカーブした先の入渓点まで歩く。
共装を割り振り、だらだらと入渓の準備をする。水量は少なめで、ここら辺は地熱
発電所の近くだからか、水温は温め。おたまじゃくしがうじゃうじゃいる。河原を歩
いて行き、右岸からナメ滝が入るところで水遊びをする。やはり一番最初に入るの
は荒木さん。少し冷たいが慣れると気持ちいい。全員水に浸かって遊んだ。
その後、左岸の枝沢のドーム状の滝にて休憩をとる。畑山さんの差し入れで、目
玉おやじの飴×7と目玉おやじ汁を食す。7つの飴のうち、一個だけハズレで辛い
ハズなのだが、誰も顔をしかめない。しばらくして関口さんが反応した。鈍い。
大きく左にカーブする辺りに飛び込みに絶好のポイントがある。大きな水溜りを前
に、びしょ濡れの土松さんが濡れようとしない阿部ちゃんに「せっかくだからもっと
濡れようよ」と催促する。渉は前回来たとき、右岸の高台から飛び込み、泳ぎ疲れ
てしまって西井さんに引き上げてもらった記憶がある。あの時は谷さんが最初に飛
び込んで手本を見せてくれた。懐かしくなった渉は前転で飛び込む。一度飛び込め
ばどうにでもなりやがれである。荒木さん、関口さんと三人で飛び込みまくった。
ここで福本が水鉄砲×2を取り出し、皆で遊ぶ。
お函に差し掛かり、右岸を行こうとするが無理だと思って渉は左岸に。それでも荒
木さん、関口さん、山崎麻さん、土松さんの4人は右岸を頑張ってへつろうとする。
土松さんは結局泳いで突破。確かにお函は増水すると突破はできない。
お函を突破し、大石沢出合を過ぎて、ナメ床、河岸に張り出す庇状の岩が綺麗。
荒木さんが庇状の岩の上から沢底を覗き込む。
荒木さんは水溜りがあると必ず潜って(岩魚を観察)泳ぐ。三十路目前の最年長で
はあるが、行動は一番若くたくましかった。
中ノ叉沢を過ぎて、河原を歩いて行く。この河原の左岸を流れる沢はナメっぽくて
綺麗。右から枝沢と出合い、しばらくして二条小滝の奥に大滝が現れる。滝の壁は
見事なハングで直登不可能。大滝の左から取り付けそうだが、ここを巻いてハマッ
たという記録がある。小滝まで引き返し、左岸から高巻く。トップは関口さん。最後
の落ち口への降りは危ないのでザイルを出して懸垂下降。
まだ時間はあるし、明日の天気が心配なのでなるべく上流に行くほうが良いという
ことで、大滝上にある前回の幕営地を通り過ぎて、滝ノ叉沢出合まで行くことに。
着いてみると、既に先客が占拠している。中央大ワンゲルらしい。僕らより若いで
あろう彼らは、場所を譲ってくれて、大人の対応をしてくれた。
夕食はまりりんによるホットなグリーンカレーである。ココナッツが辛い…いや美味
い。食後は関口さんのギョ二ソー、渉のウィンナー、まりりんのマシュマロを焼く。
暗くなったころで荒木さんの花火で盛り上がり、関口さんは打ち上げ花火を持って
アチアチ言いながら走る始末。
それまでの話の展開が思い出せないのだが…胸毛の話題の次に、渉が乳毛を育
てているという話を自慢気に持ち出したのがよくなかった。その結果、暗くて誰かは
わからなかったが、男だったろうか、女だったろうか、メンバーのうち二人が脱がさ
れ、ライトで照らされて辱められた。渉のカメラにもなぜかその二人が写っていて、
上手い具合に目は隠されてはいたが、プライバシーが守られたかどうかは甚だ疑
問である。あのかわいそうな二人は一体誰だったのだろうか。
その夜、明日下界まで下りることを誓って、すべてのお酒様が消費された。
騒いでスミマセンでした>中央大ワンゲルの皆様
二日目(10日) 晴れのち雨
500起床-635発-650北ノ叉沢出合-855滝20M-1135尾根取付-1150八瀬森山荘-1550小畚山-1640三ツ石山荘
なぜか背徳感の感じる朝。台風が南に反れたので今日も晴れそうである。上部の
ナメが楽しみだ。中央大ワンゲルは3時に起きて体操もし、5時には出発していた。
朝食は土松さんによるマルタイのラーメン。好評だったが、関口さんはぶつぶつ
言いながら食す。
635に出発。しばらくして現れた釜で朝っぱらから泳ぐ荒木さんに渉は引く。元気な
おじさんだ。土松さんも負けじと泳いだり、シャワークライムしたり。
右岸の枝沢に入り、シャワークライムなしで突破する。無論二人は水を掛け合い
シャワークライム。ごつごつした岩いわを岩伝いに登っていくと、道は平坦になり、
蛇行した河原歩きになる。
標高930M付近の分岐で休憩をとる。土松さんがサンショウウオと青虫を手の上に
乗っけて、無理やりお見合いをさせて遊んでいた。なかなか腰を上げようとしない
彼らに水鉄砲ではやし立てる。ここから水鉄砲は荒木さんのおもちゃとなって、自
分より年下の僕らに水を掛けて一人嬉しがる。Sに目覚めた様子。上部はやはり
釜、ナメの連続で水色のナメが素晴らしい。
終盤に近づくと、20Mの滝が現れる。左から巻くが、ルートが見当たらない。真ん
中ののっぺりした岩を登るのがよさそうだ。関口さんにリードを任せる。トラバース
までザイルを張ってもらう。まりりんは最初の登りのためにお助け紐を二本も垂ら
してくれた。人数が多いこともあって時間を食ってしまった。
間もなく現れる10M滝は右のクラック沿いに登り、お助け紐を垂らした。平坦な沢
を遡行していくと何気ない分岐に出合う。左に行こうとしたが、道が良さそうな右に
変更して蛇行する道を進んでいくと、見覚えの無い滝が出現した。引き返そうとい
う渉に賛成したのは福本のみで、他は口をそろえて突っ込もうというので、突っ込
むことにする。急なナメ滝を渉は左を、荒木さんは右をフリーで登り、関口さん土松
さんは左の藪に取り付いて巻いた。滝を登る人のためにザイルを出そうとしたが、
下からまりりん、阿部タソ、福本と登ってきてしまった。ここは落ちたら危ないので
ザイルを出したかったのだが。
再び分岐に出会うが今度は左に行くことにした。これ以上八瀬森山荘の水場から
離れたくはない。なかなかツメが長く、最後は10Mほどヤブ漕ぎして登山道に出た。
大場谷地から関東の森側の小ピークを過ぎたところに出たようだ。タバコで一服
する関口さんと福本を置いて、ポリタンを持って水場まで行く。森を抜けるとメル
ヘンな世界が目に飛び込んできた。オレンジと紫と黄色のコントラストが綺麗だ。
湿原の隅にある水場で水を汲む。八瀬森山荘は湿原から目と鼻の先にある。
ここからが長い山路の始まりである。昨夜、今日中に下界へ下りるなどと話し合っ
ていたが、時間的に無理そうであったので、とりあえず三ツ石山荘まで行ってから
考えよう、ということに。所々に現れる湿原で癒されつつ、サクサク進む。前回は
曇りで視界が無かったが、今回は晴れだったので景色がよかった。岩手山の山
頂が山々の間から顔を出す。
関東の森分岐から急坂を下るが、目の前にそびえる小畚山を上り返すことを考え
ると萎えてしまう。登る前に休憩をとり、気合を入れて登る。小畚山山頂にて休憩
するが、雷が鳴り出し雲行きが怪しくなってきた。関口さんがそわそわしだす。ここ
からでも三ツ石山の三ツ石が見える。ガスの中、三ツ石山を通過し、雨に降られる
こともなく三ツ石山荘に到着。前回はトイレが工事中で入れなかったが、今はすっ
かり綺麗になって、あまりの居心地のよさに感動した。トイレにはトイレットペーパ
ーと芳香剤もある。ハンガーも充実しており、額縁の絵なんかも飾られていてビッ
クリした。湿原に囲まれてあたかも極楽の地にいるようである。到着して間もなく
大雨が降り出してきた。夕飯は阿部ちゃんのカレー@山岳グルメ。今夜はお酒も
ないし、渉は昨晩寝ていなかったので即行寝る。他のメンバーも9時には就寝した
ようであった。
三日目(11日) 晴れ
530起床-650発-740小ピーク(1318手前)-820分岐835-840リフト2基-920網張着
1215バス-1320盛岡バスセンター前
皆よく寝たようで、予定の6時よりも早く起床。起床の鐘を荒木さんが鳴らす。湿原
を照らす朝日がすがすがしい。雨も止んでいて、今日も晴れ模様。朝飯は関口さん
のラーメン。小屋の掃除を適当にして出発。
腰まである草露に下半身はびしょ濡れ。沢にでも入ったかのように濡れる。朝日を
浴びながらの大松倉山周辺の稜線歩きは気持ちよかったが、その後下りに入ると
道も見えないくらいに左右の藪が生い茂っていた。犬倉の分岐で一本をとり、断水
をする土松さんの目の前でおいしく水をいただく。スリーサイズの話で盛り上がっ
た。
網張温泉元湯を見下ろす展望を過ぎ、リフトへの分岐も過ぎて下りていくと、関口
さんはリフトが動いていることを発見して叫ぶ。足が痛いと言っていた関口さん@
便サンの喜びが伝わる。もめることなく回れ右してリフトの方へ。2基で600円/人。
のどかな風景の中ゆったりゆっくりリフトで下りていく。寝むってしまいそう。
阿部ちゃんの誘導で奥にある日帰り入浴者用の網張温泉へ。乳白色の硫黄温泉。
風呂上がり後、断水していた土松さんはきっとおいしいビールを飲んだに違いない。
バスの時間まで冷麺、そばなどを食す。皆バスの中で爆睡していた。
<反省>
今回は天候に恵まれ、増水の心配をすることはなかった。この7人という大人数で
ちんたら歩いて遊びまくっても、15時までに滝ノ叉沢出合まで行くことができた。
大滝の落ち口への下降はザイルで懸垂下降をしたが、判断としてはマル。
二日目は20M滝でザイル、10M滝でお助け紐を出した。20M滝の巻きは最初の
登りだけお助け紐でよかったかなとも思う。道を誤って進んだいった先に現れた
見覚えのない滝を、福本をラストにノーザイルで登ったことは反省すべき。
記憶に頼って読図が疎かになっていた部分が、最後のツメの場面で出てしまい、
道を誤ってツメで少し苦労した。予定では藪漕ぎゼロでロマンチックに大場谷地の
湿原に出るはずであった。
<総評>
葛根田は歩く沢なので、大人数でも問題なかった(むしろ大人数の方が楽しい)。
ただ増水すると荒れ狂う沢となるので、その点だけ気をつける必要がある。
今回は水量が少なめで、行動中はずっと晴れだったのでやりたい放題だった。
後半の縦走も、みちのくの山々を堪能できて言うことなし。
あと三ツ石山荘はかなりいいです。