2008/8/9-11 槍ヶ岳北鎌尾根
湯俣から入りますが,増水して遡行できない場合は
湯俣で温泉に入ったあと、転進して竹村新道を登り、
雲の平らで温泉に入り、東沢谷を下降したいと思います。
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槍ヶ岳北鎌尾根登山計画書
・日程 2008年8月9-11日(2泊3日予備日1日、予備日は積極的に使う)
・メンバー
L 西井(18)
山崎(25)
・在京責任者 谷(18)
・在京本部設置要請日時 8/12 21:00
・捜索活動要請日時 8/13 12:00
・長野県警察本部地域課 〒380-8510長野市南長野幅下692-2 026-233-0110
・行程 天気予想によって以下のコースを選択する(○は好天、×は悪天予想)
1-4のどれを選ぶかは現地で決める.時間はすべて目安。
*第1案 9○、10○、11○
高瀬ダム〜湯俣〜天上沢出合〜P2取付〜北鎌尾根〜槍山頂〜上高地
*第2案 9○、10○、11×、10日中に安全圏へ抜けたい。
高瀬ダム〜湯俣〜天上沢出合〜(天上沢遡行)〜北鎌沢出合〜
北鎌沢のコル〜北鎌尾根〜槍ヶ岳山頂〜上高地
*第3案 9?、10○ 9日に湯俣から遡行できなかったとき
湯俣停滞し、翌日から第2案
*第4案 9?、10○ 9日に遡行できず10日朝もできなかった場合。
10日:竹村新道登って雲ノ平で温泉入って幕営
11日:東沢下降〜奥黒部ヒュッテ〜平ノ渡場〜黒部ダム
%11日には東沢谷の中か、どこかで泊まる可能性あり。
*第1案 9○、10○、11○が予想されるとき
高瀬ダム〜湯俣〜天上沢出合〜P2取付〜北鎌尾根〜槍ヶ岳山頂〜下山
集合6時。ホームで並ぶ。
アプローチ 新宿630発-(特急あずさ71号)-松本935/941-(快速)-
信濃大町1020(7800円)
9日 JR信濃大町 -(タクシー50分7700円)-高瀬ダム-湯俣-
千天出合またはP2取付(幕営)
%高瀬ダム〜湯俣:2時間、湯俣〜千天出合:2時間、
千天出合〜P2取付:1時間
10日 幕営地-北鎌尾根P2-北鎌沢のコル(水汲み)-幕営地
%P2取付〜北鎌沢のコル:6時間 、コル〜独標:2時間、
独標〜北鎌平:3時間、北鎌平〜槍:1時間
%幕営候補地はコル、独標、北鎌平
11日 幕営地-槍ヶ岳頂上-上高地
%槍ヶ岳〜上高地:7時間
%湯俣からは積極的に水に入って遡行する。
%10日は出発時は各自4リットル水を持つ。最悪、北鎌沢右俣を
下って水を汲むがどこまで降りればよいかは分からない。
%11日の最終バスに間に合わない場合は適当に泊まる
%エスケープはP5までは引き返す。その後は北鎌沢のコルを下り天上沢を
下降して湯俣へ。増水が予想される場合は天上沢をつめて水俣乗越へ。
*第2案 9○、10○、11× 10日中に安全圏へ抜けたい。
高瀬ダム〜湯俣〜天上沢出合〜(天上沢遡行)〜北鎌沢出合〜北鎌沢のコル〜
北鎌尾根〜槍ヶ岳山頂〜上高地
アプローチ 新宿630発-(特急あずさ71号)-松本935/941-(快速)-
信濃大町1020 7800円
9日 JR信濃大町 -(タクシー50分7700円)-高瀬ダム-湯俣-
千天出合またはP2取付または北鎌沢出合 (幕営)
%高瀬ダム〜湯俣:2時間、湯俣〜千天出合:2時間、
先天出合〜P2取付:1時間
10日 幕営地-(天上沢遡行)-北鎌沢出合-北鎌沢右俣-コル-槍ヶ岳山頂-
肩の小屋(幕営)
%先天出合〜北鎌沢出合;2時間、北鎌沢出合〜コル:2時間半
11日 幕営地-槍ヶ岳頂上-上高地
%槍ヶ岳〜上高地:7時間
%水は2リットルのみ
%エスケープは引き返すか、天上沢をつめて水俣乗越へ
*第3案 9?、10○ 9日に湯俣から遡行できなかったとき
湯俣停滞し、翌日から第2案
%尾根上で一泊する可能性が高いので北鎌沢で水4リットル入れる。
*第4案 9?、10○ 9日に遡行できず、10日朝もできなかった場合。
10日:竹村新道登って雲ノ平で温泉入って幕営
11日:東沢下降〜奥黒部ヒュッテ〜平ノ渡場〜黒部ダム
%時間に余裕が割れば10日に赤牛ピストン
%時間的に東沢の途中か奥黒部ヒュッテで1泊になる可能性も
%東沢が下降できない時は読売新道を下り、黒部ダムへ降りる
沢の途中からのエスケープは読売新道のある尾根へヤブ漕ぎして登る
・共同装備
山崎 ロープ8.6mm×45m、カート1、ヘッド、小鍋、ラジオ、天気図、
焚き火用焚き付け
西井 テント(エアライズ2赤),カート1、ヘッド、救急箱
(三角巾,ガーゼ、消毒用アルコール、絆創膏、鎮痛剤,風薬,胃腸薬、
テーピング)
・特筆すべき個人装備
2リットル水筒x2、沢靴、ハーネス、確保器、環付きビナ1、カラビナ4、
スリング4、ヘルメット, 個人用マット、予備電池
・地形図
槍ヶ岳、穂高岳、黒部湖、三俣蓮華岳、烏帽子岳、薬師岳
・食料
2泊分+予備食1泊分 各自1泊分ずつ用意、予備食は各自
嗜好品は西井
水が足りないので、10日夜、11日朝は水の少なくて済むもの
酒類は1日目に飲む分のみ各自。2日目は我慢(小屋で買う)
行動食3日分、非常食1日分は各自
・注意点
重いとロープを出す回数は増え、時間がかかるので軽量化すること
沢登りになるので防水に気をつける(腰までの渡渉あり)
・最終バスの時間
*上高地から東京への最終1845のバス
*山崎の最終、12日上高地発1320のバス
*上高地下山時の富山への最終は1800 上高地〜平湯〜
高山駅2020-猪谷駅2124/2142-越中八尾2206-速星2216-富山駅2232
*黒部ダムから松本方面
黒部ダム1735〜扇沢1751/1755〜信濃大町1830(2830円)
*信濃大町から新宿へ
信濃大町1856-松本1955/2000-(スーパーあずさ36)-新宿2236(4620+3020円)
*信濃大町から富山へ
信濃大町2006-南小谷2101/2107-糸魚川2202/2302-富山015(2520円)
*黒部ダムから富山へ 黒部ダム1700〜、、、富山駅2024(7730円)
・東沢谷を下降する前に山小屋に電話を借りて室堂山荘に
水量を聞いてみる 室堂山荘 076-465-5763
・平ノ渡しの時刻表
6月20〜10月31日の期間
平ノ小屋発 6:00 10:00 12:00 (*14:00) 17:00
針ノ木谷発 6:20 10:20 12:20 (*14:20) 17:20
(*は7月1日から9月30日まで運行)
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槍ヶ岳北鎌尾根 記録
2008年8月9-11日
メンバー L西井、山崎
装備
沢靴、9x45ロープ、ヘルメット、ハーネス、スリング各自4、
ビナ各自4、水筒各自4リットル分、テント、食料2泊分、
予備食1泊分、カート2、コンロ2
2008/8/9 晴れ
アプローチ 新宿630発-(特急あずさ71号)-松本935/941-(快速)-
信濃大町1020-(タクシー)-高瀬ダム
高瀬ダム 1120
名無避難小屋 1235
湯俣の小屋 1320
湯俣 1325-1400
先天出合い 1550
P2への尾根の取付 1630
信濃大町からダムまで約8000円
竹村新道を登る単独の人と相乗りする
湯俣からは沢靴に履き替えて遡行。
旧道は探していないのでどういう状態かは分からない
腰下までの渡渉を繰り返す。流れは比較的はやい。
確保するまでもないが緊張する。
流されても危険ではないと思うが。
最後に一度腰上まである渡渉を強いられる。
先行した渉にスリングで確保してもらう。
日が翳りつつあって一気に寒くなる。
これ以上増水してたらかなり難しいとおもう。
積雪期には、「北鎌尾根の核心部は取り付きまで」
とも言われる所以が理解できる。
天上沢に入ると滝が出てくる。右岸を進み、滝を2つ左からまき、
しばらく行くとP2への尾根の取り付き。右から樹林の尾根が
降りてきているのが目印。渡渉をして左岸へ。
2つテントを張れる場所がある。薪も豊富。
遭難碑となぜか靴やザックのデポがある。
先天出会いでも幕営できるが,翌朝また冷たい思いをして
渡渉しなくてはいけないのでP2取り付きまで行っておきたい。
2008/8/10 晴れ
発 420
尾根上にでる 525
P2 600-615
P3 730
P4 810
P5手前の巻初め 830
P6付近 1000
P7 1030-1045
北鎌沢のコル 1100
独標巻き始め 1305
北鎌平 1730
暗い中出発。水を各自4リットルもつ。
少し登ると木をつかみながら岩を登る個所が出てくる。
それがおわると尾根上にでる。ここでも小さなテント
が一張りはれる。そのあとは軽い藪こぎをしながらいく。
P5手前からルートファインディングが難しくなる。
草つきとぼろぼろにくずれたがれと、たまに岩が
でてくる。もしかしたらルートを外したかもしれない。
一箇所きれた尾根上のところでロープをだす。
懸垂が必要なところもあるらしいがどこか分からなかった。
北鎌沢のコルは2個所テントのはれる個所がある。
独標手前までは難しいところはない。
独票は右から巻く。結構要ったところで
さらに巻く道と上に上るふみ後があったので上に上る。
高度感のあるトラバースや、岩の乗り越しが続く。
稜線にでると、独票のピークは巻き終わっていた。
あとはなるべく稜線上を行くようにする。
巻く場合もなるべく小さくまく。
疲れているのでピークを登りたくなくて巻きたくなるが、
巻くともっと面倒になるかもしれない。
一箇所右から巻こうとして行き詰まり、ロープをだして
稜線上に上り返したところもある。
稜線上の岩は、あまりぼろくないが、巻きではぼろい
ところも出てくる。
いくつもピークを越えるので疲れて詳しいことは
あまり覚えていない。岩の難しさは、IV級あるかないか
程度だが、荷物が重くて疲れる。
ところどころに2,3人用のテントが張れるくらいの
場所がある。北鎌平はすばらしい幕営地。
水場がないことを除けば。
2008/8/11 晴れ
発 450
槍ヶ岳頂上 535-545
肩の小屋 605-540
殺生ヒュッテ 700
岩小屋 710
南岳への分岐 745
水俣乗越分岐 810
キャンプ地 835-900
槍沢ロッジ 915
横尾山荘 1015-1025
徳沢 1110
明神 1153
河童橋 1240
北鎌平から見て左のスカイラインのあたりを登る。
ちょっと手間取るチムニーを2回乗り越して
左に回りこむと頂上の祠。結構人がいる。
あとは肩の小屋に降りてボーっとした後、
日陰を目指して槍沢を下る。槍沢キャンプ地に
入った後はたらたらと上高地まで歩く。
かっぱ橋近くのホテルの温泉に入る。500円。
外来で入浴できない時間帯があるので注意。
上高地から平湯へでるバスにのるために1時間程並んだ。
沢渡駐車場へのバスも同じくらい待つと思われる。
松本行きはそれほど待たなくて良いみたい。
総評
好天に恵まれよかった。
結構なめていたが、思ったより難しかった。
天上沢出合いまでは旧道を当てにせず、最初から
沢に入っていったので時間が掛からずにすんだ。
しかし、渡渉を繰り返すので慣れていない人がいるか、
もうすこし水量が多いとロープで確保しないと
いけないので、どれくらい時間が掛かるかわからない。
最初のつり橋のあたりで渡渉にてこずるとあとは相当大変だろう。
尾根の下半部の核心部はP5あたり。
草つきなども出てくる。ルートファインディングが難しい。
尾根の上半部は独票あたりがポイント。
独標以外はなるべく稜線上にいくのがポイント。
巻いても小さく。
同行者が渉だったのであまり確保のことは気にしなかったが、
初心者だったら相当時間が掛かっていたと思う。
北鎌尾根上は水場がないので水を上げないといけなくて
荷が重くなる。北鎌沢のコルを降りると
すぐに水が得られることもあるらしいが、当てにできない。