2009/8/5-6 女峰・男体山

日光山行計画書  作成者 生駒(30)

■日程 8/5-6(水、木)山中一泊二日 (予備日なし)
■山域 日光
■メンバー 4人
CL○生駒(30) SL○山下(27) ○徳永(31) ○平出(31)

■集合
北千住駅 東武伊勢崎線ホーム0710集合
■交通
行き
7:12北千住7:21-(東武伊勢崎線(快速))-7:48東武動物公園7:50-(東武日光線(快速))-9:20東武日光
東武日光9:30ーバス(6分)ー9:37西参道
電車代1,320円 バス300円
もし集合時間が遅れる場合でも、ルートは変わりません。
ただ遅れると避難小屋につくのがおそらく17時を超えるのでかなり微妙です。
帰り
中禅寺温泉前ー(東武バス 0:55)ー東武日光駅
東武日光駅ー(所要時間 2:40)ー新宿
中禅寺温泉前のバス停は一日32本あるので困ることはないと思います.
■行程
西参道〜4:30〜遙拝石〜1:30〜唐沢避難小屋 計6:00
唐沢避難小屋〜女峰山(ピストン)〜1:05〜荒沢出合〜1:30〜志津乗越〜2:45〜男体山〜2:20〜二荒山神社前 計7:40
■エスケープルート
唐沢避難小屋まで 引き返す
唐沢避難小屋から男体山山頂 志津乗越でタクシーを呼ぶ
男体山山頂から そのまま進む
■地図
二五万「中禅寺湖、男体山、日光北部」
エアリア[日光」
■在京本部設置要請日時
2009/8/6 21:00
■捜索活動要請日時 
2009/8/7 9:00
■備考 
今回は避難小屋泊のためにテントは必要ありません。張る場所もないようです。
過去の記録から見ると避難小屋はきれいで、電波が非常によく通るようです。
温泉ですが湖畔の湯(日光レークサイドホテル)で入湯料1000円だそうです。
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女峰山・男体山山行記録

今回の山行はそれなりに幸先よくすすんだといえる。生駒が集合時間を5分ほど遅れてきたが計画書通り7:21の電車に
乗り込み、メンバーの中に体調の悪い者もおらず、天気についても雨が降るような気配はなかった。

なにより愉快なのは、駅に降り立った途端に声をかけてきたある男だった。 男は大福交通と名乗り、バス代と同じ額で
登山道までタクシーで乗せていくといういかにも胡散臭いことをまくしたてた。いかにも怪しい、しかし名刺を
持っているし、こちらは屈強な(?)男四人だ、いざとなれば。ということで、その誘いに乗ることになった。

…結局、金を脅し取られることも倉庫に連れて行かれることもなく、無事に西参道までバスと同額の運賃で乗せて
もらい、また帰りもバスと同額で乗せてくれると確約までしてもらえた。実際のところ、どうみても白タクなのだが、
どう使おうとこちらに罪はないので帰りも使わせてもらうことにして、タクシーを降りたのだった。

登山道は神社のわきの石段から始まった。石段を10分ほど登ると祠があり、そのわきに左へそれる道へと続く
(まっすぐ進む道もあり、われわれはそちらの石段を降りるへと進んでしまった)。そこからは桧林や
ツツジの原となる。さらに進むと笹原になり展望が少しら開ける。とはいうものの笹原は笹の密度が非常に濃く、
笹をかき分けるように進まなくてはならない。傾斜は登り始めが少しキツくてすぐに緩くなり、
そこから次第にキツクなっていく。なにせ1日目だけで1500m登らなくてはならないのだ。

3本目の途中で水場があるのだが、過去の記録から流量が少ないと予測できたので無視して登ることになった。
このあたりで雨が降り出し、一時的にだが猛烈な雨に打たれることになった。またそのため笹がぬれて雨が
上がった後も悩まされることになる。またハエのような虫も少々出て、完全に不快な道中となった。

遙拝石をすぎると何度かガレ場にでくわし、それを越えると突然白壁の立派な小屋が現れる。それが唐沢避難小屋で
ある。2階立ての板間であり非常に寝やすく素晴らしい建物である。さらに1階にいらっしゃる妙齢の(年季が入った)
ご婦人方にわれわれはなかなか気に入られ、ルートを詳しく尋ねられ、またお持ちになっていた水を自由に
分けてもらった。これで往復1時間かかる水場へ行かなくてもよい。まったくモテるというのはいいものである。

次の日、われわれは3時に起き、山下先輩推奨の山の食事・インスタントラーメンを食し、4時には出発した。
女峰山山頂まで40分足らずで到着する。なんとか夜が明ける前にたどりつき、生駒は持参したコッヘルとカートで
インスタントコーヒーを飲みながら日の出を拝んだ。

そこで終っていれば楽しい山行になっていたのだろうが、そこからが地獄である。唐沢避難小屋を出て荒沢出合かで
降りると林道になる。林道は山下先輩が歩くのが最も早く、他の人をおいてどんどん行ってしまう。休憩ごとに
なんとか追いつくという荒行だったが、そのおかげで時間は短縮された。そして男体山登山口の志津乗越まで
たどり着くが、その登りがきつかった。

2:40の行程ということは、4本目でようやく頂上につく計算になる。傾斜はかなりきつく、また何合目かの表示が
きちんとしてあったため、かなり進んだつもりになってもまだ6合目であることが分かって気力が萎えそうになることも
あった。道はかなりの部分が展望のきかない樹林帯でありいつまでも爽快感がない。8合目でようやく高山めくが
そのころにはすでに空は雲に覆われ霧がでており展望はまったくなかった。頂上についても展望は全くなく、
疲れに押されるようにして頂上の岩にへたり込むしかなかった。

早々に下山を開始する。しかし、開始して5分ほどすると霧は晴れ、正面には巨大な湖が表れた。その景色に感動すると
同時に、あともう少し待てば頂上の眺望が楽しめたのではないかと後悔するがまさっていた。まったくうまくいかない
ものである。

そちらの下山堂は志津乗越からの道が尾根線にそって蛇行していたのと対照的に、かなり直線的な道であった。
そのため傾斜はかなりきつく、道は細かく折り返し、膝にかなりの負担がかかる。さらにこちらも現在何合目からの
表示があり、何度も落胆させられた。6合目の表示から5合目の表示まで一本でつけなかったときには、
一刻も早くこの山行を終わらせたくて仕方がなくなっていた。

4合目を過ぎると道は一時車道に出る。こちらは等高線に沿って大きく蛇行している。そのとき生駒は平出の様子が
おかしいことに気がついた。かなりペースが遅く、遅れ気味になってしまう。聞くと足の皮に豆ができ、つぶれ、
皮がむけてしまったという。そう聞いてもどうにもならない。ペースを落としつつ下山するしかなかった。

ようやくふもとの神社に着いた時には16時になっていた。休憩時間や出発の準備の時間を抜いても10時間近く
行動していたことになる。皆まったく満身創痍であった。降りた後の平出の、「夏合宿はこんなにきつくしないで
くださいね。」という言葉が印象に残っている。

温泉は中禅寺温泉「湖畔の湯」にしたのが、なかなかいいお湯であった。こちらでなんと渉先輩に出会った。
なにやら友人と待ち合わせをしているらしい。ぜひまた一緒に山を登りたいものである。この山行の不幸中の幸いと
しては、温泉を出た後に例の「大福交通」のタクシーがきちんとバスと同じ料金通りに、またかなり早く着いて
くれたことだろう。

というか、経路から考えると明らかに有料道路を使っていたのだが、はたして利益は出ているのだろうか。
「大福交通」の行く末が非常に心配になりつつ、われわれは帰路に就いたのだった。。