2010/10/8-10 南ア北部

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)

一般山行計画書 作成者 寺内


■在京責任者 石井


■日程 10/7~12 (予備日1日:12日は予備日をかねる)


■山域 南アルプス北部

■メンバー(1人)

寺内


■交通

行き10/7(木)
伊那バス:新宿西口バスターミナル−伊那バスターミナル
知人の車:伊那バスターミナル−戸台口

帰り

10/11(月)
知人の車:塩川小屋−伊那バスターミナル−ファミリーレストラン信濃路(1泊)

10/12(火)

伊那バスターミナル−新宿西口バスターミナル


■行程

1日目10/8
大平山荘−2:30−馬の背ヒュッテ−1:30−仙丈小屋(計4:00)
2日目10/9
仙丈小屋−4:40−野呂川越−4:30−熊ノ平小屋(計9:10)

3日目10/10
熊ノ平小屋−4:30−北俣岳−1:40−塩見小屋(計6:10)
4日目10/11
塩見小屋−3:10−三伏峠小屋−2:20−豊口山コース登山口(計5:00)
*ファミリーレストラン信濃路に宿泊

5日目10/12
伊那バスターミナル→新宿バスターミナル

■エスケープルート

10/8
大平山荘まで戻る

10/9
両俣小屋へ下る
10/10
エスケープルートなし。熊ノ平小屋に戻るか塩見小屋まで行くかのどちらか。

10/11
天候・健康状態によって塩見新道を下って、大黒橋へ向かう可能性あり。しかし、至急下る必要がある場合のみこのルートを使う。豊口山分岐から塩川小屋に下る道は使わない。理由は豊口山コース登山口より林道まで行程時間がかかり、沢であることから雨天時には増水の可能性があるから。


■地図
2.5万分の1

エアリア[北岳・甲斐駒]

■在京本部設置要請日時

2010/10/13 18:00

■捜索活動要請日時

2010/10/14 18:00

南アルプス北部山行記録
10月8日
8:00-9:00:仙流荘~大平山荘まで
南アルプス林道バスで大平山荘まで。天気がよく、暑い。バスのアナウンスで色々南アルプスの説明をしてくれる。いまだに年間4mmで隆起しているとか、ここから「鹿の窓」が見えるとか、大滝が見えるとか、山肌に見える筋はカモシカの通り道だとか色々説明してくれて楽しい。


9:00-10:00:大平山荘にて
大平山荘のゆきさんと話す。4年半ぶりの再会。今はスカートをはいた山ガールが登山しに来るだとか、パワースポットがはやって大鹿村のゼロ地場が観光スポットになったとか、そのため国道がマイカー規制になり地元民が迷惑しているとか、とりとめもないことを話して楽しむ。ごちそうしてくれたナス入りのおやきはおいしかった。


10:00-11:35:休憩一(Waypoint)まで
南アルプスはシラビソの森と緑のじゅうたんみたいに地面にはびこった地衣類がとてもきれい。久々の新鮮な空気を楽しむ。


11:45-12-50:馬の背ヒュッテまで
薮沢を登って馬の背ヒュッテを目指す。空が曇りだす。ナナカマドが紅葉していてきれいだった。ゆきさん曰く、今年はオオカメノキの実が大量に実ったという。カモシカもしくはシカの糞にもオオカメノキの実が混じっていたのでよく食べられているようだ。馬の背ヒュッテ近くになるとシカ食害防止のためのネットが張られていた。小屋番の川端さんいわく、ネットを張って高山植物がかなり回復したという。かなり効果があると言っていた。今週の3連休は天気が崩れるという予報のためキャンセルが相次いでいるという。


13:10-14:00:仙丈小屋まで
稜線に出たがガスって景色が見えなかった。仙丈小屋に到着。仙丈小屋でも予約キャンセルの電話が相次いでいたが、この日は25人の食事つき小屋どまりのお客さんがいた。夕飯、朝飯の準備をするという条件で居候室に泊めてもらった。翌日9日、翌々日10日も天気が良くないことを知る。太平洋側では雷、大雨警報が出ていた。居候バイトのいびきがうるさくてあまり眠れなかった。


10月9日
3:30-7:00:仙丈小屋にて
小屋の手伝いをしてから出発する。出発前の天気予報では明日、明後日はやはり雨だという。依然、太平洋側では雷、大雨警報との情報があった。外は霧雨のような雨、風は時折強く吹くが稜線歩きに支障をきたすほどではないと思った。熊ノ平小屋まで行く事は可能だと判断。途中天候が悪化すれば両俣小屋まで降りようと思った。


7:00‐8:15:大仙丈岳まで
雨粒が大きくなってきた。雪や氷ならまだしも雨だとカッパにしみてきて体温が奪われた。大仙丈ヶ岳から伊那荒倉岳までの稜線は予想外に痩せているところがあったので風の強いときは注意が必要だと思った。明日もこんな状況の中、稜線を歩き続けるのかと思うと気分がなえた。


8:15‐10:05:伊那荒倉岳まで
この後電波の入る場所は少ないだろうから、両俣小屋に降りるなら早く決断しないといけないと思い、思い切って降りることにした。在京の石井さん、塩見小屋に携帯で電話した。今は塩見小屋はオーナーさんが変わって宿泊当日の15時までにキャンセルしないと、キャンセル料が発生する。あまり通る人が少ないのか、管理されていないのかハイマツが登山道にかぶさってわかりにくいところがあった。ハイマツの下にライチョウが隠れていて自分が歩いていると驚いたように登山道に出てきた。中には飛んで逃げる奴もいて「ライチョウも飛べるんだった」と思いだした。合計10匹くらいのライチョウを見た。相変わらず可愛くない鳴き声をしていた。


10:15-10:45:独標まで
樹林帯に入って雨に打たれなくなったのでよかった。ただ休憩のために立ち止まるとすぐに体が冷えた。


10:55‐11:43:野呂川越まで
思いのほか野呂川越まで時間がかかってしまった。電話した後も、熊ノ平小屋まで行こうか迷っていたが、ここから熊ノ平小屋まで行こうとすると4:30のコース予定。やはりやめておこうと両俣小屋に降りることにした。


12:00‐13:00:両俣小屋まで
標高を下げるとキノコがたくさん生えていたので手土産としてカラマツダケをいくつか取って両俣小屋に持って行った。4年半ぶりの再会だったが両俣小屋、小屋管理人さんの星さんに変わりはなかった。変化といえば小屋名物猫のブーが去年亡くなったということくらいか。17:00近くに黒戸尾根から両俣小屋までトレラン?(山の中を走るそうだ)しに来た人がいて、小屋管理人の星さんにこっぴどく怒られていた。明日も仙塩尾根の稜線に上がって、三峰岳、間ノ岳、北岳を経由して広河原まで降りるという。その予定を聞いて「あんたが遭難したらあたしが出動しなきゃいけないのよ」とさらに怒っていた。南アの小屋管理人はやっぱり登山客によく怒ると思った。そこが良いところなのかもしれないが、、、


10月10日
9:45-10:00:両俣小屋~林道(Waypoint)

もう帰るだけなので小屋でゆっくりしてから出発することにした。一晩中降り続いていた雨は9時くらいにはやんでいた。「ラッキーな奴め」と星さんと無謀な登山客をうらやましく思った。


10:15-12:15:野呂川出合

天気が良くなってきて悔しい思いが沸々とわいてきた。無謀な登山客がいただけに自分と比較してしまい、劣等感に浸ってしまった。ただ、もう引き返せないので気持ちを入れ替えて、今回は小屋巡りの山行だったと考え直して周りの景色を楽しみながら歩くことにした。山肌は赤、黄、緑と色々な色であふれていて、ちょうど紅葉がきれいな時期かもしれないとおもった。


12:15-13:10:北沢峠
この日はGPSの時間を見て山行していたが、インドネシアの時間に設定していたのを忘れていて1時間ずれていることに北沢峠で気づく。戸台口行きのバスは13:00、15:00だったからお目当ての13:00は既に出発してしまっていた。「やっちゃった」と思っていたら、回送バスが戸台まで下るというので乗せてもらった。団体パーティーが来るはずだったから来ずに空で戻ることになったという。ラッキーだった。