2013/7/27 丹沢・小川谷廊下

------小川谷廊下遡行計画書------
■期日 2013年7月27日(土)26日夜発、予備日なし
■山域 西丹沢
■メンバー 6名(○沢初心者)
L山崎 竹村 ガリポン ○佐々木 ○川名 丸山
■在京責任者 秦
■在京本部設置要請日時 7月27日20時(連絡なしの場合)
■捜索活動要請日時 7月28日10時
■アプローチ
レンタカー(山崎による手配)にて26日21時過ぎ東大農学部正門前、
22時ごろ池袋駅東口に集合。
玄倉ビジターセンター駐車場/穴の平橋Pにてテント泊。
※高速の夜間割引を利用するために、0時を過ぎて高速を下ります。
※寝るのは1時ごろだと思っておいてください。翌日7時起床予定。
■行動計画
F1(3:00)ツルツルの大岩(2:00)壊れた堰堤(1:00)穴ノ平橋
※7時起床。8時入渓目標。
※穴ノ平橋、手前(ゴカイ沢右岸)、あるいは駐車場少し手前を降りる。
※ゴカイ沢、中丿沢の分岐を分けて小川谷廊下F1。
■エスケープ
基本的に右岸の登山道につめる。
F11石棚を越えたところから右岸のピーク(825M)へ詰め(Fixロープ有り)、登山道へ。
■地図 エアリア「丹沢」 二五万「中川」
遡行図;参照②、③
■共同装備
テント一式…川名
30Mザイルx1…川名
カート1、ヘッド1、10Mロープ、(GPS)…山崎
■食糧 各自(27朝、27行動食)
■装備
□ヘルメット □ハーネス □沢足袋
□ATC □スリング(適宜) □カラビナ(適宜)
□行動食 □非常食 □コンパス □ライター
□ヘッドランプ □予備電池 □着替え □雨具上(下) □防寒具
□ポリタン □トイレットペーパー □笛 □下山用シューズ(沢足袋で代用可)
□保険証コピー □救急用品 □日焼け止め □水中メガネ
□計画書 □免許証 □時計 □携帯 □現金
□遭対マニュアル(*) □緊急連絡カード(*) □筆記用具
□シュラフ(カバー) □マット □温泉セット (□サンダル)
※車で行くので、シュラフなどはdepotします。
※竹村さん、ジョゼフィーヌには*を渡します。
■温泉 ぶなの湯
■参考資料
①2006年 雷鳥
②関東周辺沢登りベスト50コース 山と渓谷社 p77-79
③東京起点 沢登りルート120 山と渓谷社 p104-105

ーーーーー小川谷廊下遡行記録ーーーーー
■期日 2013年7月27日(土)前夜発日帰り
■メンバー L山崎、竹村、ガリポン、佐々木、川名、丸山
■時間
7:20入渓、9:30ゴルジュ、10:30大岩、12:45壊れた堰堤、12:50登山道、14:30林道、15:15車
■記録
天気予報があまり良くなかったが、レンタカーの予約もしてるので、とりあえず現地へ向かう。海老名SAで実は渉は吉野屋の牛丼並み+けんちん汁を食べた。0時半過ぎ大井松田ICで高速を降り、何もない道路だったのでコンビニに寄れるか不安だったが走っていくとサンクスがあった。サンクスサンクス!食糧と朝飯の買い出し。
丹沢ビジターセンターのバス停辺りでテントを張り、就寝。雨に降られるかもしれないのでフライもつける。夜は気持ちイイ風があったが、朝方は風がなくなり蚊も進入してきて、寝苦しいことこの上無しで、予定よりも早く5時に起床。朝飯を済ませて車を走らせるが、途中分岐でのゲートが閉まっており(7月から9月まで)、どうにも突破できないので仕方なく分岐右の道を20mほど登ったところにスペースがあったのでそこに停めた。晴れ間も見え、天気予報も昨日より良い。最後まで遡行できそうだ。
穴の平橋まで歩いてそれを確認し、また少し戻って、踏み跡を辿って下降。そこは本流で堰堤を脇から越えて二俣を右に入り、すぐにF1に遭遇。ザイルワークの練習も兼ねて10mロープで登り、後は御殿下での練習通りにプルージック、最後はトップロープ。直後の巨岩は右からスリングを残置ボルトに付けて、スリングに足を掛けて登る。
スラブ状ゴルジュ始めの滝は迫力があって、垂直の右壁に残置スリングが二つぶら下がっている。以前深畑さん(11期)と来たときに、ここは落ちても釜があるから大丈夫といって渉は空身で登ったのを思い出した。巻くのが正解の場所なので巻くことにしたが、メンバーに先に行かせてしまい、渉は後ろから3番目。途中でガリポンが進めなくなった危ない箇所で、ガリポンに残置ボルトでセルフビレイを取らせ、そこから10mロープにスリングをいくつか足してロープを固定しに登る。渉は戻って、ガリポンに行かせようとしたとき、後ろにいた川名くんと佐々木くんのうち佐々木くんがガリポンの様子を見ようと身を乗り出して、ふらっと転倒してしまったようで、「あっ」と叫ぶ川名くんの声が聞こえ、渉は振り返ったところ、ちょうど2-3mほど下の傾斜が緩いところで佐々木くんは運良く止まった。佐々木くんにはすぐ傍にあった木に捕まるように指示するとともに、佐々木くんと川名くんにセルフを取るように指示。ガリポン、川名くん、佐々木くんの順に固定したロープの上部まで行かせ、そこでセルフを取らせ、そこから慎重になってさらに同様にロープを固定してトラバース。巻き終わってプチ反省会。
その後は、小さい滑り台で滑ったり、滝を巻くのに10mロープを出したり、問題なく進めた。つるつるの大岩にはフィックスロープ(麻!)が真ん中に垂れ下がっており、それを掴んで登る(かつては岩の左の隙間からよじ登った)。被った5M滝は10mロープをフィックスして(ボルト有り)シャワークライム。次の滝は右岸が階段状だったのでノーザイルで慎重に登り、少し進むと迫力のある石棚の滝が現れた。速いパーティーに先に登ってもらい、その次に我々はザイルで登った。中間支点は残置ハーケンと木の枝、終了点はボルトx2。終了点は滝の落ち口辺りだったので、その先は10Mロープをフィックスしてトラバース、滝の向こうへ。ここから右岸に詰めればエスケープできる。雷がゴロゴロ鳴っていたが、雨は降っておらず、時間も余裕があるし(11時半くらいだったか)、メンバーの体力としても行けそうだったので、そのまま遡行することに。
奇麗なナメ滝には倒木があって興ざめだったが、まだ奇麗な釜や滝が残ったりしていて救われた。昔はもっと良かったのだろうか。最後の堰堤直前の滝で、先に行ってもらったパーティーが登っていたのを待っていると、雨が降りだしてきた。メンバーが滝を登りたそうだったので、渉は取り付いてみるが、難しくて途中敗退(´・
ω・`)雨脚も強くなってきたことだし、さくっと右岸から巻いた。以前来たときは巻いたあとロープを張ってトップロープで登ったような。堰堤を越えて50Mほど先(奥の堰堤から50M手前)から登山道を辿る。登山道に入ると木で雨の影響もなく、雨もいつのまにかやんでいた。1時間半ほどで林道に到着。佐々木くんと竹村さんはヒルにやられていた。車に到着したが、電波がなかったのでぶなの湯で在京連絡。
帰路、高速で東京に入ると豪雨になったが、渋谷で皆が降りる頃には雨もほとんどやみ、終始雨の影響はそれほどなく、我々は日頃の行いの良さを噛みしめた。
■反省
巻く前に巻きが沢で一番危ないということを教えるのを怠り、ロープを張る前に先にセルフを指示するのを怠り、そもそも巻きで自分が先に行かなかったことなど、多々猛省しております。自分自身の危険意識が足りなかったのだと思います。佐々木くんが転倒した場所は、釜がある箇所でしたが、落ちたときに滝の落ち口に引っかかったり、首など打ち所が悪ければ大事に至っていた可能性があります。今までで一番ひやっとしました。
事前に初心者全員と打ち合わせ、沢の説明、プルージックで登る練習、さらにリードの練習など、沢の準備としては万全にできましたし、入渓も早かったので時間に余裕をもってスムースに遡行できました。
■忘備録とか
・巻きで落ちて滑落死することが沢では多いので、巻きは特に注意しましょう。
・巻きの途中で偵察する場合は、引き返せることを確認しながら進みましょう。
・滝の登攀や巻きでは、「登れる」ということと「安全に登る」ことの違いを認識し、沢では「安全に登る」ようにしましょう。
・基本的に沢では落ちてはいけないので、難しい滝でダメだと思ったら潔く引き返しましょう。
・落ちたらどうなるか?失敗したらどうなるか?といったことを常に考えて遡行しましょう。それはまたロープを出すかどうかの重要な判断基準となります。
・巻きの途中や滝を登ったあとではセルフビレイを忘れずにしましょう。
(ここで落ちたらどうなるか?を意識できていればセルフビレイをせずにはいられなくなるはずです。)
・今回は天気が心配だったので、読図を教えるのにあまり時間を割けられませんでした。
・共同装備でハーネスとセットで環付カラビナとATCをセットにして保管しておいてください。次回沢企画があったときでいいですが、買い足しておきましょう。