2014/5/4-5 涸沢岳・北穂高岳

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山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
涸沢(北穂高)山行計画
■日程 5/4-5(Sun, Mon) 前夜発予備日なし
■山域 北アルプス
■在京責任者 八川
■メンバー
○L山崎○久光○遠藤
■在京本部設置日時 5月5日 20:00
■捜索要請日時 5月6日 9:00
■集合 5月3日22時15分新宿駅西口BT(5805便2号車22:30発)
https://www.highwaybus.com/html/gp/info/10/shinjuku_bt/map.html
■交通
(往路)さわやか信州号にて上高地へ。翌朝5:30着予定。(7400円)
(復路)高速バスで帰る。最終は16:15。
■行程
一日目:上高地(3;00)横尾(3:00)涸沢ヒュッテ=テント幕営
(2:30)奥穂高小屋(0:40)涸沢岳ピストン(1:30)涸沢ヒュッテ
※14時までに涸沢ヒュッテに着かなければ涸沢岳ピストンはカットする。
二日目:涸沢ヒュッテ(3:00)北穂高岳(2:00)涸沢ヒュッテ(3:00)横尾(3:00)上高地
※遅くとも朝4時発。
■エスケープルート 引き返す
■地図 2.5万分の1「上高地」「穂高岳」エアリア「No. 37  槍ヶ岳・穂高岳」
■備考
26期白川くんが山スキーで涸沢に入る予定。
日出:5時頃 日没:18時半頃
■遭難対策費
300円/人

涸沢山行記録
 
■日程 2014/5/4-5(Sun, Mon) 前夜発予備日なし
 
■山域 北アルプス 涸沢岳・北穂高岳
 
■メンバー(期/年齢)
L山崎 久光 遠藤
 
■行程と時間
一日目:上高地5:50ー6:30明神ー7:15徳沢(朝食)7:35ー8:25横尾8:35ー9:40本谷橋9:50ー12:20涸沢ヒュッテ=テント幕営
12:40ー15:30奥穂高山荘ー15:45涸沢岳16:20ー16:35奥穂高山荘16:45ー18:00涸沢ヒュッテ
二日目:涸沢ヒュッテ4:10ー6:40北穂高岳ー8:30涸沢ヒュッテ9:20ー11:00横尾ー13:45上高地
 
■行動記録
 
一日目
前夜、新宿から夜行バスで上高地へ。4列シートのさわやか信州号だが、足元がゆったりしていて割とよい。上高地に降り立つと少し肌寒い。日が昇って空は快晴。明神岳は威厳があって美しい。徳沢で朝食を摂る。横尾に着くと白川氏(@26期)が現れた!横尾でスパッツを装着し、本谷橋からは雪のみの道でアイゼン・ピッケル装備(雪が柔らかかったのでアイゼンは涸沢まではなくてもよかったが練習も兼ねて)。沢にはしっかり雪が残っていたので、沢沿いにS字カーブを描いて最短で涸沢へ。
アズキ沢と北穂沢にはアリンコたちの行列が。テントを張って荷造りし、アズキ沢へと歩を進め、我々もその一員となる。ザイテングラートの最下部で一本。ここからさらに傾斜が急になる。日が照っている間は暑いが、日が陰ると寒くなる。槍沢ほどではないが、コルまでが遠く感じる。奥穂高山荘に着くと「GIFU
POLICE」と書かれたウエアーを着たゴツい人が奥穂の方を眺めている…さては検挙だな(`・ω・´)kiri。山荘からは涸沢岳山頂の標識が見え、山頂は目の前だ。山頂に着くと槍ヶ岳、大キレットの景色が目に飛び込んでくる。西には品のある笠ヶ岳、東には端正なピラミッド型の常念。振り返れば奥穂が悠然と佇み、左には前穂と北尾根、右にはドーム状のジャンダルム、西穂への稜線が延びている。一番右の切れ立った部分が馬ノ背かな。薬師、黒部五郎、水晶、鷲羽、三俣蓮華は確認できたが、大天井は北穂に隠れて見えなかった。ここで日没を眺めるのも乙だが、明日が早いので下る。奥穂高山荘にて休憩。山荘前の机の上に仰向けになると、上空に濃い色の虹が。よく見るといろいろなプリズムが観察され、珍しい現象を観ることができた(※)。気分をよくして下山開始、尻セードからの滑落停止訓練。アズキ沢は陰って気温が下がり雪が締まってきた。テント場には明るいうちに帰還。夕食は久光くんによる具沢山のキムチ鍋+ラーメン。それほど問題なくアズキ沢を上り下りできたので、明日は予定通り北穂です。
 
二日目
夜は暖かく、夏用シュラフでも問題ない。起きて外に出ると、空は曇りで風はなし。北穂沢を登っている人の光が点々と見える。朝食は遠藤くんによるうどん+前夜消費されなかったエノキダケなど。4時過ぎに出発。沢の下部で辺りは明るくなり、真ん中辺りで細かいみぞれが降ってきた。降雪量は多くはなく、風もそれほどない。上部ではガスに包まれ、最後のコルから山頂への10Mほどの登りでは風に吹かれたが、これは山のご愛嬌。ここぞとばかりに耐風姿勢の練習。山頂からの眺望は言うまでもなく、小屋にも寄らずにさっさと下山。コルから見上げる松涛岩はガスの中だけど十分に迫力が伝わってくる。上部での下山途中、ガスの中、目の前を2羽の雷鳥が飛んで行った。雷鳥は部分的に黒く色づいていた。行列からはみ出て、トレースのない山側を、アイゼンをフラットに効かせて下っていく。下部では視界も開けて尻セードを交えながら。ささっとテントを撤収し、小屋の前で朝食の残飯を消化しつつ、時間に余裕があるので大休憩。ヒュッテから下り始めて間もなく雪は雨となる。雨に降られながらひたすら歩いて、小梨平キャンプ場のお風呂で汗を流す(600円)。
 
※ 太陽の周りの虹は「日暈」というもので、これは山ではよく観られる現象です。天頂を中心に観察される虹は環天頂アーク(天頂弧、逆さ虹)と呼ばれるもので、これは山ではたまに観ます。外側の日暈(外暈)に接するように観察されました。さらに天頂を中心に太陽を通る輪は「幻日環」というもので、日暈とクロスする部分が強く光って見えます(右幻日と左幻日)。幻日環は今回初めて観ました。(写真を参照ください)
 
■オーダー
一日目の涸沢岳からの下山、二日目暗いうちのヘッデン行動、
北穂高直下からの登りと下山、は山崎がトップ。他は二人がトップ。
 
■最後に
今回同行した久光くんと遠藤くんは初めての雪山ということで、5月なので春山ではありましたが、二日目は雪となり雪山の一面を味わえたのではないかと思います。デブリが見られたように、涸沢は雪崩にも気をつける必要があります。次回行くときは大量降雪の後など特に気をつけてください。二日目はあいにくのガスで北穂から望む槍ヶ岳、大キレットの展望は叶いませんでしたが、それは次回のお楽しみに。お付き合いいただきありがとうございました&お疲れさまでした。また機会がりましたら、ご一緒させてください。