2014/7/24 神之川・矢駄沢

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
矢駄沢遡行計画書(Ver.1.0)
作成者:丸山
■在京責任者 大塚
■日程 7/24(木)日帰り
■山域 裏丹沢
■在京本部設置要請日時 7/24 20:00
■捜索要請日時 7/25 9:00
■メンバー
CL丸山 SL久光
■集合・交通
海老名駅入口交差点前のセブンイレブンに7:30集合、丸山の自宅の車で国道412号,413号線を経て神ノ川林道ゲート手前へ。復路は往路の逆。
■行程
神ノ川林道ゲート~(0:10)~矢駄沢出合~(0:30)~F1大滝~(0:40)~大笄沢出合~(3:00)~大笄~(1:40)~矢駄沢出合~(0:10)~神ノ川林道ゲート
(計6:10)
■エスケープルート
神ノ川林道まで:引き返すか,矢駄尾根に詰めるか,神ノ川林道まで進む
大笄まで:引き返して神ノ川林道で下山するか,矢駄尾根に詰める
大笄から:そのまま進む
■地図
2万5千分の1地形図:「中川」
山と高原地図:「丹沢」
■備考
*日没時刻(相模原市緑区青根) 7/24 18:55
■遭難対策費 100円/1人
■参考資料
遡行図 (http://blogs.yahoo.co.jp/well_ksandw/10972216.html)
丹沢の谷110ルート P.160-161

矢駄沢遡行記録
作成者:丸山
■日程 2014/07/24(木)
■山域 裏丹沢
■天候 曇り
■メンバー(計2人、敬称略)・オーダー
CL丸山、SL久光
■総括
矢駄沢は,連続する小滝を次々に登ったり,一枚岩で見応えのある大滝を眺めたりと,2種類の滝の楽しみ方ができる沢であった。水は綺麗で水量もそれなりにあり,一部泳げる釜もあった。ただ,神ノ川林道手前の堰堤群から先は水量も減って倒木や藪がうざくなってくる。この倒木やそれに伴う崩壊は今年の初めの大雪によるものと思われるが,沢が荒れてしまったのは残念である。
■行程
滝の名称・Fナンバーは下記のブログ記事に従った。
(http://blog.goo.ne.jp/s-aki_1946/e/c73ceda84fa2d4bf1a517abee5512fc0)
8:15 海老名駅前のセブンイレブン発
平日であったためか渋滞が激しく,自宅からここまで来るのに普段の2倍近く時間がかかり,7:30着予定だったのに実際に着いたのは8:10頃。久光さん長い間待たせて申し訳ありませんでした。行動食を素早く買って出発。
9:50 神ノ川林道ゲート前着
さらに車を運転すること95分,漸く駐車スペースに着く。混雑している懸念があったが平日であるためか空いている。ここには公衆便所もあり準備にはちょうど良い。ここから歩いて入渓点へ。
10:05-20入渓準備
沢への入り口は矢駄沢橋の右側,ガードレールを越えると踏み跡がある。
10:29 入渓
堰堤をいくつか左岸からまとめて越えてから,入渓。ここまで踏み跡は概ねしっかりしている。
10:30 美しい釜の1m滝
美しい釜と言われるこの滝だが,残念ながら昨冬の大雪によると思われる倒木が景観を損ねている。できるだけ水流沿いを遡行したかったので釜を泳いで右の岩に取りつくが,たった1mの滝なのにホールドがよくなく簡単ではない。無理矢理体を持ち上げて突破。なお,左から簡単に巻ける。
10:35-40 二条3mチョックストン滝
左に残置ロープが下がっているが,残置に頼るのは出来るだけ避けたいので,水流沿いの直登を試みる。左の水流はホールドが全然なく岩もつるつるで登れそうにない。右の水流沿いは適度にホールドがあり楽しんで登れた。
10:45-48 2mナメ滝(1つ目)
なかなか大きくて深い釜がある。水流のない右から越えるのは簡単そうだったがあえて水流のある左へ。水流が強くて流されそうになり,一度釜にドボン。2度目で何とか登る。後続の久光さんもなかなか水流の強さに苦労しているようだった。
10:51 2mナメ滝(2つ目)
どうやって登ったのか記憶にない。
11:08-13 堰堤
右からでも左からでも登れるらしいが,今回は左から越えた。一部ザレているところがあり不快だが,難しくはなかった。この上,倒木や落石で荒れている。
11:22-35 F1 12m
綺麗な直瀑で記念撮影。どう見ても登れそうにない。巻道は左からで易しいが,倒木で荒れている。
11:42-51 F2 10m
F1とF2の間には滑り台として楽しめそうなナメがあったが滑りすぎるとF1を落ちるため自粛。F1に似た綺麗な直瀑だが倒木が景観を損ねている。せっかくなので打たれてみる。イワナを見たのはここだったか。F2の巻きも左からで容易。
11:55-12:00 F3二段6+4mナメ滝
下段はやや難しそうに見えたが登ってみるとさほどでもない。上段は歩くだけ。
12:02 3mナメ滝
倒木や落石が釜を埋めていて邪魔なうえ景観を損ねている。残念。
12:20-40 F5 6m
F4については写真も無ければ記憶もない。F5も直登を試みたが,難しく荷物同伴では登れず。とりあえず荷物無しで登ってみると,登れた。水流右から取りつき横切りながら左へ登り,テラスに立つまでが難しい。そこからは左を楽に登れる。後からロープを使って2人分の荷物を上げた。ここは,初心者同伴であればロープか,最低でもお助け紐は出したであろう。
12:48-50 F6 8m幅広滝
左から容易に登れる。F7は記憶にない。
13:00-04 堰堤
確かこの堰堤には梯子が設置されていたのでそれを登った。梯子に土が積もり草木が生えていたりするのが厄介。大笄沢出合も通過。
13:07-14 堰堤群
ここ20年くらいの間に出来たらしい新しい堰堤。梯子があるのでそれを登るが,周辺にイバラが生えていてうざい。この堰堤が出来る前はゴルジュがあったらしいが,その頃に来たかったものだ。
13:21 林道旧道の橋下通過
これ以降は特に倒木や落石(浮き石)が目立ち,不快指数が上がる。この辺りでマムシに遭遇。とぐろを巻いていた。近付いても逃げない。F8は記憶にない。
13:38 F9 二条三段12m
この滝の何段目かを左から途中まで登った後諦めて降りている時だったと思うが,滑って尻餅をついてしまった。幸い怪我などはしなかったが,やはり滝は登るより降りる方が難しい。今後,滝に取りつく際は登れず引き返す場合のことを考えてから取りつくように心がける。なお,登りやすい場所を選べばこの滝も難しくはない。
14:30 沢脱出
F9以降目立った滝は無かった。落石や倒木がうざく,沢の水量も殆ど無くなってきたので,水を汲んでから沢から離れ,尾根に向かう。それにしても,ここからさらに標高差500m近く沢を詰めて大笄まで出る人は根性のある人だなあと思う。
15:25 矢駄尾根
トラバース気味に登って尾根へ出た。ザレザレの急な斜面を登ったりトラバースするのは大変だったが,鹿の食害のせいか藪が無いのは幸いだった。途中冷風の出る風穴やギンリョウソウを見つけた。
15:25-40 沢装備解除&休憩
ヤマビルチェックをしたが,1匹もいない。
15:40-16:33 下山
矢駄尾根をひたすら下山。飽きる。
16:40 孫右衛門沢の滝
林道を反対側に歩いて滝を見に行く。水量は少ないが落差の大きい滝。登るのも巻くのも極めて難しそうな滝で,孫右衛門沢に遡行記録のない理由が分かった気がした。
17:00 駐車スペース着
17:10-50 エビラ沢F1 15m
車で移動して観光と入浴(?)。綺麗な直瀑。下山でかいた汗をここの滝壷に入って流した。滝壷は確か水温20度以上で矢駄沢よりもだいぶ高く,快適であった。この滝も登攀の対象になっているようだがかなり難しいらしい。いつかこんな滝を登る機会があるかどうか。この後在京へ下山連絡。
18:22 三ヶ木着
久光さんが三ヶ木から橋本経由で帰りたいそうなので三ヶ木で解散した。
■反省・備考
・平日は市街地の交通量が顕著に多いので渋滞していることを念頭に入れる必要があった。
・時間が押し気味であったこと,ロープ無しでも不安の少ないメンバーであったことから,ロープを使ってのクライミングはしなかった。時間に余裕があれば練習のためにもやればよかったが…。
・やけに滑りやすい岩質で,見た目登れそうな部分が登れずに苦労するところがあった。本では初級になっているが,初級の中では難しいほうだと思う。
・前回携帯が壊れたのに続き今回は防水カメラが浸水した。この後故障し,結局買い替えた。まあアウトドアカメラは消耗品ですね。
・神ノ川流域ではやはり45m大滝のある伊勢沢に行ってみたいが,岩質が同じだとすると簡単ではなさそうである。
・ヤマビルは見かけなかった。裏丹沢でも早戸川流域に比べ神ノ川流域は少ないそう
だが,そのおかげだったのかどうか。
・ヤマメではなくイワナがいたので、ちょっと奥地に来たような気がした。
・この沢の核心は堰堤群までだと思うのでそこから林道に詰めて終わりにするのがいいような気がする。ただそれだと短すぎるので残った時間の使い方が問題かもしれないが。
■写真
(http://goo.gl/zY5Ymr)
にアップロードした。位置情報付き。
■GPSログ
(http://yahoo.jp/NKb-DU)
少しは修正したが,かなり荒れが激しい。
山行中は詰めのトラバースの時のみGPSを確認した気がする。