2014/10/19 マスキ嵐沢
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
マスキ嵐沢遡行・鬼石沢下降計画書 メンバー・在京用 ver.1.0 作成者 川
名
■日程 10/19(日)
■山域 西丹沢 中川川水系
■在京責任者 中村
■捜索要請日時 10/20 10:00
■メンバー
CL川名 SL久光
■交通
行き 新松田駅7:20、谷峨駅7:46発のバスー8:20大滝橋バス停
帰り 大滝橋バス停14:48/15:48/16:33/17:13/19:06-0:35-谷峨駅ー0:36ー新松田駅
新松田駅で割引になる往復きっぷを売っているそうです。
■行程(コースタイムは長めに概算) 計7:30
大滝橋ー1:00ーマスキ嵐沢出合ー1:45ー880m二俣ー0:35ー960mコル(1030mのピー
クから南に分岐する尾根上)ー0:20ー鬼石沢ー2:00ー避難小屋ー0:30ー雨棚・地
獄棚ー0:20ー登山道ー1:00ー大滝橋バス停
鬼石沢は右岸に道あり。巻き道に使えるかも。
時間に余裕があれば鬼石沢に下降後、5mCS(鬼石)までピストン(1:00)
■エスケープルート
マスキ嵐沢は引き返すか、そのまま進んで1030mピークから南に伸びる尾根を使
用。鬼石沢からはそのまま進む。
■備考
日の出: 横浜10/20 5:51
日の入: 東京10/19 17:02
ぶなの湯 大滝橋バス停より徒歩30分 \700
鬼石沢遡行記録(遡行図):(http://blogs.yahoo.co.jp/well_ksandw/6995003.html)
バス時刻表・運賃表:(http://www.fujikyu.co.jp/syonan/rosenbus.html)
松田警察署: 0465-82-0110
マスキ嵐沢遡行・鬼石沢下降記録 文責:川名
■日程・天候 2014年10月19日(日) 晴れ
■山域 西丹沢 中川川水系
■メンバー 川名 久光
■行程
マスキ嵐沢は「東京起点沢登りルート120」を、鬼石沢はblogs.yahoo.co.jp/well_ksandw/6995003.htmlを参考に滝の落差等を記述。
8:30大滝橋バス停ーマスキ嵐沢出合9:15ー9:40 2段10mー10:15 880m二俣ー10:30マスキ嵐沢・鬼石沢中間尾根10:55ー11:27鬼石11:32ー12:20 F3、F2 13:00ー13:10一軒屋避難小屋13:25ー13:45地獄棚沢出合ー14:10雨棚ー地獄棚沢出合14:35ー15:35大滝橋バス停
富士急バス内で久光と合流し、大滝橋バス停で下車。まずは入渓点へと歩きやすい登山道を進む。マスキ嵐沢出合で入渓準備。ここには「マスキ嵐沢」という看板があった気がする。しばらくはゴーロだが西丹沢らしく水が澄んでいて、やがて4m滝に至る。この先からナメと小滝が連続し、渓相が綺麗なところであり、全ての滝が簡単に登れる。2段10mもメンバーに初心者がいないので今回はロープなしで通過。天気も晴れていて明るい沢であり、快適に進んでいく。あっという間に二俣に着き、読図をしながら鬼石沢に向かう。1時間強でマスキ嵐沢の遡行を終え、尾根上で休憩を取る。
鬼石沢への道は踏み跡がある。途中になぜか木が生えておらず草原が広がる斜面があり、草の上を通過するともふもふでなかなか面白い。ただし滑りやすく、滑落するとかなり加速すると思うので注意を払う。途中で踏み跡を見失い、枝沢沿いに鬼石沢に降りる。予想より速く進めたので、鬼石沢の由来である鬼石まで遡行する。鬼石沢もナメと小滝が楽しめる明るい沢である。鬼石は、昼寝したら気持ちよさそうな大きいテーブル上の石の上に、大石が積み重なっている。ここの通過はペンキでは胎内くぐりをするように示されているが、水線沿いもなかなか楽しい。
鬼石で遊んだ後は下降の始まり。登りは簡単な滝でもナメ滝ですこし斜度があると難しいので巻く所もいくつかある。堰堤を左岸から降りた後、F3は右岸から懸垂下降で降りる。30mロープでぎりぎりだった。しばらく眺めて楽しんだ後、今度は左岸からF2に懸垂下降。これら二つの滝は中々スケールがあり、マスキ嵐沢にはない美点である。見物を終えた後は一軒屋避難小屋でしばし休憩。まだまだ物足りないのと時間が余っているのもあって、地獄棚と雨棚の見物に向かう。
途中までは登山道を使うが、790m付近で登山道と交わる尾根を降りて地獄棚沢出合に向かう。この尾根上からは鬼石沢の下流部が見られるが、水量が多くしかもゴルジュ状なので、上級者にはこの部分を遡行すると楽しめそうだ。急傾斜でやや悪い道を進むと、地獄棚沢出合に着く。地獄棚はかなりの落差があり、水量も多い。先ほどF2、F3を中々スケールがあると言ったが、これと比べると赤子のようなものだ。ここでは鬼石沢もナメ滝で出会っていて中々きれい。ザックを置いて雨棚見学に向かう。この部分もゴルジュ状で良い渓相だ。途中4m程度の滝があり、下降の際に苦労しそうなのでロープを取りに出合まで往復。この滝を越えると雨棚があるのだが、実は右岸にも名前の無い大滝がある。水量が少ないのが残念だが落差はあり、シャワー状になって頭上に降り注ぐ。これと比すると雨棚はその水量と轟音がすさまじく、さすがは名のある滝といったところである。
見物と写真撮影を終えたら出合に戻る。小滝はクライムダウンも出来そうだが、ホールドが細かいので念のため左岸の灌木で懸垂下降。ボルトと残置スリングの古い支点もあったが信用ならない。後は出合から登山道に戻り、沢装備をようやく解除して大滝橋バス停に戻る。バス停で在京に連絡し、遡下降終了である。
■総評
・マスキ嵐沢はとても簡単な割に美しい。他の1級のモロクボ沢や葛葉川本谷に比べるとコンパクトで登攀要素が少ない。ただ、コンパクトすぎるのでマスキ嵐沢単体では物足りないだろう。
・鬼石沢もマスキ嵐沢に負けず劣らずである。初心者のみではF2、F3の通過が心もとないが、しっかりしたリーダーがここを登攀できるようであれば、登攀で言えばマスキ嵐沢よりも楽しめるかもしれない。ナメ要素はマスキ嵐沢の方が上。
・今回一番印象に残ったのはむしろ地獄棚と雨棚であった。やはり赤木沢や釜ノ沢などの名渓を経験した後に、奥多摩・丹沢の簡単な沢に行くと物足りなくなってしまうのだろうか。