2014/11/29 武川岳・二子山
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
武川岳・二子山日帰り山行 確定計画書(11月27日最終版)
作成者:木下(亮)
■日程 11月29日(土)
■山域 奥武蔵
■在京本部設置要請日時 2014/11/29 1700
■捜索要請日時 2014/11/30 1000
■メンバ(計4名)
CL木下(亮) SL寺垣 ・平松 ・遠藤
■集合
西武池袋駅 0705発快速急行先頭車両
■交通
(行き)
西武池袋線
池袋駅(0705)→飯能駅(0750)
470円
国際興業バス
飯能駅北口2番(0800)→名郷(0900)
810円
(帰り)
西武池袋線
芦ヶ久保駅(毎時2本)→池袋駅(所要約1.5時間)
1417/1453/1517/1548/1602/1640/1702
→1559/1628/1658/1716/1728/1810/1829
700円
■行程
名郷(0915)
~(1:15)~天狗岩
~(0:40)~前武川岳
~(0:20)~武川岳(1130・1200)
~(1:15)~焼山
~(0:45)~二子山(1400・1430)
~(1:10)~芦ヶ久保駅(1540下山予定)
(歩行計5:25)
■エスケープルート
前武川岳まで:引き返す
武川岳まで :山伏峠へ
二子山まで :二子山入口へ
二子山から :そのまま進む
■地図
2万5千図 「原市場」「正丸峠」
山と高原地図 「22奥武蔵・秩父」
■共同装備
救急箱(有紗):木下
ツェルト:木下
■個人装備
□ザック (□ザックカバー) □登山靴 (□替え靴紐) □ヘッドランプ (□予備電池) □雨具 □スパッツ □防寒具 □帽子 □水 □昼食
□行動食 □非常食 □ゴミ袋 □手袋・軍手 (□新聞紙) □トイレットペーパ・ティッシュペーパ □タオル □地図 □コンパス □筆記用具
□計画書 □遭難対策マニュアル(緊急連絡カード含む) (□ラジオ) □学生証 □保険証 □現金 □ライタ □常備薬 (□着替え)
*防寒に注意しましょう。また日が短いのでランプなどのご用意を。
■遭難対策費
100円×4名
計400円
■雨天時
*前日11月28日17時気象庁発表の予報で雨(行動時間の大半に雨がかかる)の場合、中止の連絡をします。
*当日11月29日集合時点で弱からぬ雨の場合、メンバと相談の上中止にします。小雨の場合状況をみてメンバと相談し決定します。
■参考情報
□日没日出
11月29日日没(前橋) 1629
11月30日日出(前橋) 0635
□ラジオ周波数
NHKラジオ第一:東京;594kHz
NHKラジオ第二:東京;693kHz
NHK FM:秩父;83.5MHz, 東京;82.5MHz, さいたま;85.1MHz
□警察署電話番号
飯能警察署 042-972-0110
秩父警察署 0494-24-0110
武川岳山行記録
作成者 木下(亮)
■日程 11月29日(土)
■山域 奥武蔵
■メンバ(計4名)
CL木下 SL寺垣 ・平松 ・遠藤
■計画
名郷(0915)
~(1:15)~天狗岩
~(0:40)~前武川岳
~(0:20)~武川岳(a1130s1200)
~(1:15)~焼山
~(0:45)~二子山(a1400s1430)
~(1:10)~芦ヶ久保駅(1540下山予定)
■行程
名郷(a0853s0905)
~天狗岩下・730付近(a1000s1008)
~前武川岳(1100)
~武川岳(a1115s1134)
~730下・採掘所横(a1218s1226)
~下山・名郷(a1300s1303)
※オーダ:
武川岳まで登り;寺垣‐平松‐木下‐遠藤
武川岳から下り;木下‐寺垣‐平松‐遠藤
■ルート状況
名郷−武川岳間では特に迷うところはない。登山口までの舗装道歩きがすこしいやらしいが、ポイントをインターネットで予習しておけば大丈夫。
天狗岩は直登する男坂を登りに、巻いて下る女坂を下りに使うのが良いだろう。男坂は岩がかなり突き出していて登りづらいが、注意すれば危ないことはない。ただし雨天時は避けたい。女坂も勾配は急で、登りは疲れるだけだろう。
今回は進まなかった武川岳−二子山−芦ヶ久保にはアップダウン、支尾根、分岐、廃道などが多く、注意を要するかもしれない。特に二子山からの下りは地形図と山と高原地図で異なりどれが最も顕著か明らかでないし、沢沿いの道もあるため気を遣うところである。
また、エスケープできるルートは多数あるが、あまり歩かれている道ではなかろうし下山してからが不便なので、緊急に山から出ねばならぬ時に限定して使うのが良いと思われる。そうでなければ引き返すか進むかが無難だろう。
なお晴れていればこのルートで最も展望が得られるのは焼山らしい。
■反省
□天候と判断の経緯
前日の予報では曇マーク、ただしレーダーの予想は午前中(9-12時くらい)に雨の可能性が高いと出ていた。難しいところだったが奥武蔵では強い雨にはならないだろうと判断し、前日時点では決行、集合時点を中止判断ラインにした。当日も集合時点では曇で、メンバからも中止意見は出なかったので決行したが、バス移動中に雨が降ったり止んだりするなど怪しい状況であった。
登り始めて1時間半程、天狗岩を越えた先で雨が降り始め、雨風ともなかなか強く(一時は11月初めにあった瑞牆山行に匹敵する強さだった)、体感温度はかなり下がった。武川岳で少々粘っている間に好転傾向がみられたが、道も悪いし寒くなったので来た道を引返して下山することを決めた。なお進めばアップダウンの多い道を3時間強、戻れば1時間半強というところだった。武川岳停滞中はメンバからは引返したいとの意見はなく、概ねは行けるなら行きたいとのことだったが、雨の中を歩いても楽しくは無かろうこと、そこから先の道がやや複雑であること、無駄なリスクを背負いたくはないことを考慮したつもりである。
□考察と反省
論点は①前日中止にしなかったのは妥当か、②当日集合時或いは入山前に中止という判断は有り得るか、③引返しの判断は妥当だったか、というところだろう。
メンバからは「降雨じたいは前日に分かっていたので、前日中止にするか、この程度の雨ならば計画通り続行するか、態度を一貫すべきだった」「集合しておいて中止というのはやめてほしい」との意見が出た。
私としては、①予報では平野に近い側では強い雨ではなかったし、当日の中止や計画変更も考慮して柔らかく判断することで出来る限り山行じたいを潰さないようにしたかった、②計画はあくまでも計画、事前の判断はあくまでも過去のものであるからその瞬間瞬間で最適な判断を採用すべきだと考えている、③進んで危ないことはなかっただろうが、モチヴェーションが下がり雨に気を取られている状況では別のインシデントに対応できなくなる危険性があった、と回答するつもりである。
②に関しては更に、今回は私鉄利用、池袋駅集合であったから、場合によっては集合時点でメンバ全員で顔を合わせてのブリーフィングと意見交換をし、そこで中止や計画変更の判断が出来るという事をむしろ利点と考えていた。
私は、雷鳥においては一つ一つの山行が一期一会のものである(延期開催の予定が無く同じメンバ同じプランというのはほぼありえない)から、予報の時点で著しくリスクが高いと思われる悪天でない限り集合はしたい、その結果実施できなくても仕方がない、それもまたいい思い出である、と考えている。私が一メンバであるパーティでリーダが集合駅や登山口での中止を判断したとしても、文句なく従うと思う。楽しく活動して安全に帰ってくることが第一であり、計画通り行動することは本質ではないから。
ただ、もっときっぱりと判断すること、そしてどのような状況でどのような選択肢があり得そうかを出来る限り予めメンバに提示しておくことは必要であったと思っている。今後注意すべし。
ひとりひとりに様々な意見があると思いますが、木下はこういうスタンスですよという事をここである程度示せたと思っています。重要な議題ですのでご意見のある方は是非議論しましょう。
■雑感
前日予報は曇、ただし午前中は雨のかかる可能性があったので、集合時点の天候によっては中止や計画変更の可能性もあると考え、改札外集合に変更しておいた。木下はかなり寝坊気味に起床したが(大いに反省すべし)、少し早く着いたので立食いのコロッケそばを食してから集合場所へ。結局天気は曇でメンバも皆元気そうなので予定通りに出発。
4人掛けボックス席に座ってしばらくすると、珍しいことに遠藤さんを含む三人が皆寝ている。4000系は座面が柔らかすぎて尻が痛いぞ。天候が悪いので乗客は少ない。
あっという間に飯能に到着、バスに乗り換える。最後列の長椅子を4人で占領したが、乗客はほとんどの区間であと一人いるかいないかだった。時折「ヤマノススメ」の登場人物による音声案内が流れるが見たことが無いのでよく分からない。興味深い地名のバス停を通過しながら進む。途中で雨が降りだし、だんだん強まってきて、このままだと入山も出来ないな、という感じだったが、名郷に着いた時には止んでいた。
名郷で支度をしていると寺垣さんが川へ降りて遊びまわっていて、平松さんに写真を撮られている。若いね。
なかなかの急勾配の舗装道を途中山道でショートカットしながらえっちらおっちら進み、登山口へ。SLさんにトップを任せる。前の女性二人は始めはゆっくりだったのだが、大きな岩が露出した尾根の急登を行く天狗岩(男坂)でテンションが上がったようで、どんどん前へ行ってしまう。後二人のオジサンは置いて行かれそう。
天狗岩も落葉の道も、奥武蔵らしい愉しいルートであったが、ほどなくして雨が降り始めた。カッパの上を着用してひとまず武川岳までは到着したが、途中風の強いところもあり、寒くなってきた。木の下で飯を食いながら少々粘る。傘をさして雨宿りをする人、隙を見て二子山方面に行く人もいた。予報でも実感でも好転傾向ではあったし、せっかくなので行きたいというメンバも多かったが、引返すことにした。その時の木下曰く、雨と風で寒いし道も悪いし「面倒臭くなっちゃった」から。まあ楽しくないことは安全度をも下げるであろう。雨は「もう帰った方がいいぞ」という山の神の思召しである。そう決断した傍から雨が弱まるが、我々の判断に神様も満足したという事だろう。遠藤さんと寺垣さんは「不完全燃焼だ」とぼやいておられたが、一度決めたことなのでね。
何となく登りと同じオーダで下り始めるも、前二人がかなり飛ばすので、数十メートル行ったところで「ちょっと待って、僕がトップになります!」と交代。寺垣さんは平松さんのポジションを継ぐのだろうか。
下山中はもう強い雨はなかったが降ったり止んだりだった。天狗岩は危ないので女坂を下るが、岩が無いだけでかなりの勾配で、これを登りたくはないなという感じ。その先では東電か何か、土木関係の作業員数名が測量をしていた。雨上がりにご苦労なことです。
順調に名郷まで下山すると、運よく数分後にバスが来ることになっていた。昼間は1時間に一本のバスである。やはり山の神は微笑んでいた。
飯能の日高屋で飯を食い、急行で池袋へ帰る。車内は眩しいほどの夕日がさしてぽかぽかであった。