2015/1/31-2/1 天狗岳

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
 
天狗岳雪山山行計画書 ver.2.0
作成者:久光

■日程
2015/1/31-2/1(朝発一泊予備日なし)
 
■山域 八ヶ岳

■在京本部設置要請日時 2015/2/1 20:00
 
■捜索要請日時 2015/2/2 9:00

■メンバー(計2人)
CL久光SL遠藤

■集合
6:43 立川駅発 中央本線 普通 甲府行 先頭車両

■交通
□行き
6:43 立川−(中央本線 普通 甲府行)—8:38 甲府
8:53 甲府−(中央本線 普通 松本行)—10:12 茅野
10:25 茅野駅—(アルピコ交通 渋の湯線)—11:22 渋の湯 1150円
学割使用可

□帰り
渋の湯(11:35/14:55)→茅野駅(12:32/15:52)
茅野(12:45/13:38/15:22/16:42/17:36//終電20:23)→高尾(15:33/16:30/18:44/19:40/20:39//23:00)

■行程
・一日目
渋の湯—パノラマコース分岐—唐沢鉱泉方面分岐—黒百合ヒュッテ(約3h)
・二日目
黒百合ヒュッテ—中山峠—東天狗岳—西天狗岳—東天狗岳—黒百合ヒュッテ—渋の湯(約5h)

■エスケープルート
引き返す

■地図
二万五千分の一地形図:「蓼科」
エアリア:「八ヶ岳」

■備考
□日の出・日没
1/31 黒百合ヒュッテ  17:12
2/1 日の出 黒百合ヒュッテ 6:48
1/18 日没 渋の湯 17:08

□温泉
・渋御殿湯 800円
・ちのステーションホテル 500円

□警察
・茅野警察署 0266-82-0110
 
□荒天の場合
前日17:00までに判断

天狗岳雪山山行記録

■作成: 久光

■日程: 2015/1/31-2/1

■山域: 八ヶ岳

■天候: 
・一日目 雪のち晴れ
・二日目 快晴

■メンバー: CL久光 SL遠藤

■オーダー:久光—遠藤

■行程
□一日目
12:00 渋の湯発
12:23 高見石方面分岐
12:55-13:05 パノラマコース分岐
13:33 唐沢鉱泉方面分岐
13:57-14:07 一本(2300m付近)
14:34 黒百合ヒュッテ着

□二日目
5:00 起床
7:38 黒百合ヒュッテ発
9:00-9:13 東天狗岳山頂
9:35-9:45 一本(2580m付近)
10:12 中山峠
10:18-11:26 黒百合ヒュッテ
11:44 唐沢鉱泉方面分岐
11:59 パノラマコース分岐
12:09 高見石方面分岐
12:26 渋の湯着

■記録
□一日目
どうにも中央線とは相性が悪い。久光は準備を朝に回した結果見事に寝過ごし、またも特急で追いかける羽目になった。南ア全山以来の失態。
茅野駅には予定通り到着。バスは既に長蛇の列だったが、増発便を出してくれたため難なく座れた。往復乗車券購入により運賃は300円割引。
渋の湯はバス2台から放出された大量の登山者でごった返す。早々に準備して出発。トレースはしっかりしており、尾根に乗ってからは勾配もなだらかで、ほぼ夏道コースタイムで進む。
14:24黒百合ヒュッテ着。気温は既に氷点下10℃。テン場は既に多くのテントで賑わっており、その一角に我々も設営する。夕食は久光の味噌とんこつ鍋。男二人、冬山の長い夜を過ごす。

□二日目
5:00起床。気温は氷点下18度、半端なく寒い。朝食は遠藤君によるにゅうめん。中々美味しかったが、湯沸しに時間がかかったこともあり、出発が小屋泊組と同じタイミングになってしまった。さすがは東天狗、夏山並みの混雑ぶりである。空は雲一つない快晴。CLが晴れ男のおかげだろう。この青空だよ、見たかったのは。
トレースは相変わらずしっかりしている。既に何十人も通っている訳だから当然か。数分で中山峠を通過、稜線に出るとしばらくして樹林帯を抜ける。本当は練習を兼ねて弱層テストをしたかったのだが、適地を逃し、できなかった。ルートの大部分は稜線直下でところどころ岩場が露出しており、リスクは高くないと判断。
森林限界を超えると西側より烈風が吹き付ける。赤岳の時は瞬間的に猛烈な風が吹いたが、こちらは平均的に強風が絶え間なく吹いている状態。転倒は禁物だが、岩には適度に雪がついており、緊張を強いられる箇所はそれほど多くない。ただ、ツアーに行く手を阻まれなかなか前に進めない。
9:00東天狗山頂着。南には硫黄を挟んで先日の赤岳。南ア、中アもよく見える。北アも一部が雲の合間からのぞく。ただ、低温のせいでカメラが動かず、写真に残せなかったのは残念。冬山で使えないアウトドアカメラなるものに悪態をつく。
強風のため西天狗往復はカットし、早々に下山する。会話を聞く限りどうやら他パーティも似たような感じらしい。西天狗への登山者は見当たらず、トレースもなかった。森林限界手前でようやく小休止し、復活したカメラで写真を撮りつつのんびりテントサイトへ帰る。どうやら電池を温めると一瞬回復するようだ。
テントを撤収し、行きと同じ道を下る。ほどよく踏み固められた緩い下り坂は歩きやすいことこの上なく、たった1時間で渋の湯着。渋御殿湯の登山者用風呂は残念ながらただのお湯だった。14:55渋の湯発、長い長い帰途につく。

■反省・備考
現役生のみによる雪山山行としては約7年振りとなったが、反省点は多い。
□気心の知れた2人だけの山行だったこともあり、行動に若干の弛みが生じていたことは否めない。
・CL久光が寝坊して集合時間に間に合わず、特急で追いかけるはめに。
・特に二日目朝の行動は迅速さを欠いた。出発が遅くなったことで山小屋からの出発ラッシュに巻き込まれ、ツアーに挟まれたことから森林限界上でもたつくこととなった。
・出発の遅れの大きな原因として、朝食(にゅうめん)の調理に融雪を用いたことによる時間のロスがある。合わせて4L近い水を持ちながら、二人して何の疑問も抱かないのではダメ。
・遠藤が強風で眼鏡に取り付けるサングラスをロスト、何故か久光もサングラスを紛失。両人ともゴーグルを持参していたので問題はなかったが、雪目は怖いし金銭的にも痛い。所持品には注意すべき。

□2人だとフライを完全に張るだけのピッケル・スコップが確保できないことを失念していた。竹ペグの持参等を検討すべきだった。

□遠藤が右手首と目尻に軽度の凍傷(一度)。グローブのずれを長時間直さなかったこと、低温かつ強風の中ゴーグルではなくサングラスを着用していたことが直接の原因。混雑もあり時間のかかった登りで、右手(西側)から連続して吹く強風に曝されたのが原因か。肌の露出防止を徹底すると同時に、メンバー同士露出部分についてもっと注意を払うべきだった。また久光も足指にしびれ状の違和感が残る。靴ひもの締めすぎによる圧迫と過度の冷えによるものだと思われる。

□ワカンは持っていったが、出番はなかった。赤岳も然り、八ヶ岳のメジャールートの場合、よほどの降雪時以外は不要かもしれない。

■感想
□風は強かったが天気も良く、今回も雪山の魅力を存分に楽しめた。
□アクセスの良さ、コースタイムの短さ、危険個所の少なさなど、比較的手軽に冬山の魅力を楽しめる山。雷鳥でも過去数回雪訓の場に選ばれているようだが、小屋前には練習向きの良い斜面もあり、新人を連れて行くにはお誂え向きの山だろう。ただし人が多過ぎるのは難点。
□同時に力量不足を痛感した。今の段階でこの場所に新入生を、先輩諸氏に頼らず連れてこられるだけの実力があるかはまだ微妙なところだろう。要努力。