2015/4/29 鳥屋待沢
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
鳥屋待沢遡行計画書 Ver. 1.0
作成:丸山
■日程 2015/4/29(水) 日帰り
■山域 東丹沢
■メンバー
CL 丸山,SL 久光,川名,迫野
■アプローチと集合
丸山の自宅車で権現橋まで。
■行程
権現橋~0:10~入渓点広河原~1:30~二俣-0:15程度?~幕岩~0:15程度?~二俣~右俣経由1:50~三峰山頂~1:00~不動尻~0:15程度?~不動の滝~0:30程度?~白滝~0:30程度?~不動の滝~0:15程度?~不動尻~1:20~権現橋(計7:50程度?)
・不動の滝方面へ行かない場合
三峰山頂~0:40?~惣久径路入口~惣久径路経由2:00?~権現橋(計6:40?)
■エスケープルート
大滝まで:沢沿いの径路で引き返す
三峰山まで:引き返すか、宝尾根または惣久径路に詰める
三峰山から:惣久径路で谷太郎林道へ、または一般登山道で不動尻へ
■地図
2.5万分の1地形図「厚木」
山と高原地図「丹沢」
遡行図
http://blogs.yahoo.co.jp/well_ksandw/3533349.html
http://homepage3.nifty.com/achkun/mitu/toya/toya_5.htm
■遭難対策費
4人×100円
■備考
・大滝は巻く予定。
・時間に余裕がなければ山頂へは行かず、左俣から宝尾根に詰めて下山。
・不動の滝などを観光する時間が無ければ惣久径路で下山。
・日没(清川村)18:28
■管轄警察署
厚木警察署046-223-0110
https://www.police.pref.kanagawa.jp/ps/74ps/74_idx.htm
鳥屋待沢遡行記録
作成者:丸山
■日程 2015/04/29(水)
■山域 東丹沢
■天候 曇り時々晴
■メンバー(計4人、敬称略)・オーダー
CL丸山,迫野,SL久光,川名
■総括
鳥屋待沢は適度な難易度で登れる滝が多く、水量もそこそこあり楽しい沢であった。
幕岩などの奇岩も一見の価値があり、お勧めできる沢である。しかし詰めが大変なの
で、誰にでもお勧めできる沢という訳にはいかず、ある程度詰めの経験がある人のみ
で来るのが良かっただろうと感じた。シーズン初の沢としてはややレベルが高く、危
険を感じる場面も多かったので、今後は気をつけたい。
■行程(一部敬称略)
滝の落差は「東京起点沢登りルート120」に拠った。Fナンバーは「丹沢の谷110ルート」に拠る。
8:20 入山
遡行準備を済ませてから入山。
8:35 入渓
多くの記録と同様、大きな堰堤を越えたところから入渓
9:00 石積堰堤
川名さん以外は左を巻いた。川名さんは直登。
小滝が続いていたため、7m滝(F1),2段8m滝(F2)は特に記憶に残っていないが、特に難
しい滝はなかった。F2では、迫野を確保するためロープを出したような気もする。
10:10-11:00 F3大滝12m
記念撮影後、ロープを出し、久光さんをトップとして巻く。滝下に着いてからロープ
の回収までに50分かかっており、かかり過ぎであった。実際には、その後の急な詰め
でロープを使わなかったことや、書籍・ウェブ上の多くの遡行ガイド・記録でロープ
を使わないとされていることを考えると、ロープを出す必要はなかったように感じ
る。なお、この滝は4級で登れるとあるが、見た限り結構難しそうであった。あまり
難しくなさそうであればトップロープで登ってみることも考えていたが、その後の時
間進行を考えるとやらなくて正解であった。
滝の上流は、この沢でも特に美しく楽しいエリア。
11:15 4mCS滝
遡行図には左に残置スリング有りとあるが、意味の分からない場所にある。そんなも
のは使わず、右から登れる。
この先には幕岩もどきという人もいる一枚岩があり、面白い景色。
11:23 5m樋状滝
右からでも左からでも登れるが、多少難しく、迫野は苦戦。お助け紐使用。
11:55 6m滝(F4)
遡行図には「左を登る」とあるが、右から登った。倒木も利用できる。
12:08 二俣
幕岩を見に左俣へ入る。ちょっと怖い小滝を巻いて、次の小滝を登るとすぐに幕岩。
しかし、久光さんは小滝の巻きでまずいルートを取ってしまい、幕岩は諦めること
に。
12:22 幕岩
確かに人工物のような一枚岩であり、中々のものであった。ここから懸垂下降で二俣
に戻る。その後昼食休憩。
時刻不明 右俣8m滝
遡行図通り、出合の8m滝を左から、ロープを使って丸山がトップで巻く。久しぶりの
ロープの扱いに手間取り、またしても時間ロス。実際には、大滝と同じ理由により、
ここもロープを出す必要はなかったように思う。
13:55 2つ目の8m滝
直登も出来るし、右からも左からも巻けそうに見えた。丸山・川名は直登、久光・迫
野は右から巻いた。直登の場合、ホールドはやや細かい。
14:02 4m,6m樋状滝
適度な難易度で楽しく直登できたが、迫野にはやや難しかったか。
この先、水量は減ってきて、伏流部分もある。そろそろ沢は終わりにしたくなるが、
左右とも急斜面で詰められそうなところはない。
14:32 4m樋状涸滝
適度な難易度の岩登り。悪くない。
14:47 8m苔滝
遡行図に従い、この滝手前左のルンゼから詰める。落石の多発地帯や痩せ尾根、立木
の少ない急斜面など、難所が延々と続き、お助け紐を多用するなどして、時間がか
かった。
16:35-16:50 三峰山頂
やっとの思いで山頂に到着。沢装備を解除し、この時点で下山が遅くなる旨在京に連
絡をしようと思うが、誰の携帯も圏外であった。下山中に暗くなってもいいように、
ルートを変更し一般路での下山とした。この道はかなりザレていて悪く、何度も滑っ
た。やはり下山は厄介である。
17:45 不動尻
公衆トイレがあったので、用を足す。ここからの道は比較的平坦ですたすた歩ける。
18:20頃? 車に到着
何とか、暗くなる前に車に戻った。ここにきてようやく電波が通じ、下山連絡。
■コースタイムとの比較
出合-大滝90分→110分
大滝の巻きに50分かかった
大滝-二俣60分→68分
右俣出合の滝でタイムロス
二俣-右俣経由-山頂110分→3時間程度
山頂-不動尻60分→55分
以上より、通常の遡行ではそれほど時間がかかっていないが、ロープを使った時と詰
めにおいて、時間をかけ過ぎていたと判断される。
■見つけたもの
見つけて嬉しいような生き物はあまり見られなかった。
・セラドン石
・ヤマビル
・魚影:ヤマメか?
・イノシシの頭骨
■反省・備考
・行程の中でよく覚えていない点があるので、覚えているうちにもっと早く記録を書
くべきであった。
・鳥屋待沢の詰めが大変だとは聞いていたが、予想以上であり、かなりの時間を使っ
た。多少でも「大変だ」などという情報があるときはそのことを念頭に置き、それま
での行程で時間短縮を図るべきであった。
・特に、「練習のため」と言ってあまり必要のなさそうな場所でロープを出したこと
のは、今回のような沢では良くなかった。
・遡行図に従ってルンゼから詰めたが、本流筋を詰めた方が楽だったかもしれない。
・GPSの設定ミスにより軌跡が取れていなかったので、今後はそのようなことが無い
ように気を付ける。
・私にはやや先行しすぎて歩く癖があるようなので、もう少し初心者に寄り添った歩
き方をするよう心掛ける。
・個人的には鳥屋待沢よりも三峰山からの下山で危ない思いをしたので、ザレた登山
道には気を付ける必要がある(本当は通りたくない)。
・ヤマビルは、私以外の3人は1か所くらいずつ被害に遭っていたように記憶してい
る。私は、皮膚に着いているのを除去はしたが吸われてはいない。ともかく、そんな
に多くは無かった印象。
・夕方であったが、三峰山頂で単独行の男性に出会った。こんな夕方に山頂にいるな
んて変わった人だとは思ったが、彼の下山は我々よりも速かった。
・雷鳥では伝統的に、沢靴から下山用靴に履き替えるのは一般路に出てからである
が、これは本当に良いのだろうか。フェルトの摩耗を防ぐという観点や、乾いた岩で
はフェルト底はゴム底に比べ滑りやすい点などから、水がなくなった時点で下山用靴
に履き替えてもいいのではないだろうか。今後機会があれば試してみたい。