2015/7/4 谷急沢

谷急沢右股遡行・左俣下降計画書 ver.1.0
作成者:久光

■日程 : 2015/7/4(土)
 
■山域 : 妙義山

■メンバー(計3人)
CL久光,SL丸山,迫野

■集合
7/4(土) 7:00 東武東上線ふじみ野駅西口ロータリー

■交通
□行き
ふじみ野駅—(久光車)—国民宿舎裏妙義(約1:30) 高速代2780円

□帰り
国民宿舎裏妙義—(久光車)—ふじみ野駅(約1:30) 高速代2780円

■行程
国民宿舎裏妙義—(0:20)—深沢橋—(0:20)—左俣出合—(1:20)—奥ノ二俣—(0:50)—大遠見峠—(1:30)—左俣・中俣出合—(1:30)—深沢橋—(0:20)—国民宿舎裏妙義(計6:10)

■エスケープルート
大遠見峠まで:左岸の一般登山道へ
左俣・中俣出合まで:女道経由で中木林道へ
左俣・中俣出合から:そのまま進む

■地図
2.5万分の1「南軽井沢」
エアリア「西上州・妙義山・荒船山」

■備考
□日の出・日没
7/4 日没 前橋 19:05

□警察
安中警察署 027-381-0110

□温泉
国民宿舎裏妙義 400円

□荒天の場合
7/3(金) 17:00までに決定

谷急沢右俣遡行記録

■作成: 久光

■日程: 2015/7/4(土)

■山域: 妙義山

■天候: 曇り

■メンバー: CL久光 SL丸山 迫野

■行動記録
9:06 国民宿舎裏妙義発
9:26-9:40 深沢橋(入渓点)
10:04 左俣出合
10:18 風穴沢出合
10:35 8m滝下
11:24 15m滝下
12:17-12:42 遡行終了点
14:00-14:10 林道出合
14:18 国民宿舎裏妙義着

■記録
遡行図は山と渓谷社『東京起点沢登りルート120』(2010)による
・7時にふじみ野駅集合、車で現地へ。9時前に現地着、国民宿舎裏妙義の駐車場に停めさせていただく。南関東は雨予報だが、こちらは降っていない。妙義山系の奇岩の山々が、靄に包まれて幻想的。
・深沢橋までは通行止の中木林道を徒歩約20分。適当な読図のせいで入渓点を探すのに若干迷う。深沢橋付近で入渓準備、明瞭な踏み跡をたどって中木川に下り、対岸の谷急沢へ。前日までの雨で普段より水量は多いようだ。
・最初の末広がりの滝6mは、久光は右から、迫野、丸山は左から登った。初心者がいればロープを出した方が無難だろう。
・右俣に入り風穴沢手前の4m滝は倒木があり簡単。迫野、丸山は倒木に跨り遊んでいた。
・風穴沢を分けるとミニゴルジュに。小滝が連続するが、特に問題はない。流れは量を減らすものの、まだそれなりにある。
・岩角の8m滝はロープを出した。久光トップ、セカンド丸山、ラスト迫野。水流右側はホールドも大きく登りやすい。下からは残置ハーケンらしきものが水流左にあるように見えたが、登っているうちに見逃してしまった。反省。やはり水量が多く、水を被りまくった。
・しばらく小滝が続く。釜のある小滝は、久光が右から、迫野、丸山が左からそれぞれへつって取りついたが、迫野が登る際、ホールドが外れて足に当たったらしい(※下に詳細)。少し痛そうにしていたが、歩行にはあまり問題なさそうであり、本人も行けるとのことで、ひとまず様子を見る。
・15m大滝は傾斜も緩く、登りやすい。左から取りつき、中ごろで右に移る。
・その後も小滝が連続するも、特に困難なく登れる。
・最後の10m滝は左から。迫野はお助け紐で確保した。
・10m滝上で二俣になり、左俣下降なら左、登山道下山なら右。迫野君に足の具合を聞いたら、歩けるが下降するよりは早く下山したいとのことで、エスケープを決定。右の沢は、遡行図によれば普段は涸れ沢のようだがこの日は細い流れがあった。ゆるい流れの中をしばらく歩き、右の尾根が低くなったところで20mほど這い上がると、ほどなくして尾根に出る。遡行終了点は三方境南東の小ピーク手前の尾根。登山道は地形図と若干ずれており、尾根を少し登ったところにあった。
・下山道はところどころ倒木があるが、道自体は特に問題ない。ただし、ヒルの多いこと!!沢筋では見かけなかったヒルが、とにかく至る所にいる。少し歩いて靴を確認すれば、その度に何匹かついている。下山までに確認したヒルは、一人30匹は下らないだろう。林道に出たところで靴の中を徹底的に確認すると、スニーカーだった久光は8匹潜んでいた。国民宿舎に立ち寄り、ひと風呂浴びた後再度確認すると、更に3匹。道理で他に登山者がほとんど見当たらないわけである。最終的な被害は久光4か所、迫野1か所。
・帰りは丸山君の希望で、横川駅付近の観光名所である「麻苧(あさお)の滝」に立ち寄る。ヒル予防を兼ねて遊歩道を走って往復したが、落差40mの滝は、増水もあって壮観。その後は下道を延々と走って帰宅した。

※迫野君の怪我について
8m滝と15m滝の間の小滝において発生。当該の滝は久光が先に右から登り、丸山君が釜をへつって左から登った。迫野君が丸山君に続いて釜をへつり、左から登ろうとした際、本人によれば。手をかけたホールドが外れ、人の頭大ほどの落石が発生。かわしきれず、釜に転落すると同時に、右足に当たったとのこと。釜は十分な深さがあり、転落による怪我はなかった。久光、丸山は滝の上から見ており、釜に転落するのは確認したが、久光は落石には気づかなかった。迫野君曰く、「体重をかけてよいか慎重に手をかけて確かめてみたところで、ホールドが外れた」。外見の異常はなく、歩くこと自体にも問題はないが、登りで体重をかけると痛むとのことであった。この時点でのエスケープも考えたが、その必要はないとのことで、遡行を続行した。翌日夕方の時点では、腫れ等もなく、痛みも改善しているが、歩くとまだ痛むとのこと。

■反省
・迫野君の一件は幸いなことに大事には至らなかったが、一歩間違えれば大怪我につながっていた。CL久光はリーダーシップに課題。迅速な状況判断を心がけると同時に、気付いたことは早めに声をかけるよう心がけるべき。また、救急箱を持っていたのだから遡行終了時にはシップくらい出すべきであった。
迫野君本人に関しては、今回の事故と直接の因果関係は必ずしもないが、現場小滝の登攀も含めて以前から、丸山君のとる挑戦的なルートを、あまり深く考えずに後追いする傾向がある。また、危ないところで写真を撮っているところもたまに見る。遊び心も大事だが、ほどほどに。沢登りは登山の一形態です。自らの実力と、負ってよいリスクの限度を考えつつ、自立した登山者としての行動を心がけましょう。
・入渓前から読図はしっかりと。
・登攀時には、取れる支点はなるべくとるようにする。

■感想・その他
・終始雨に降られることもなく、快適な遡行を楽しめた。行動も比較的迅速にでき、遡行タイムは悪くなかった。トラブルもあったとはいえ、少しレベルが上がってきたようには感じる。
・小滝、ゴルジュが続く上、滝は全て直登でき、飽きることなく遡行できる。普段は水量が少ない沢なので、水かさの少し増していたこの日は、かえって良かったように思う。初めての山域だったが、東京北部からであれば車ならアクセスは悪くない。電車でも日帰りできなくはなさそうで、妙義山系の格好良い山々も楽しめ、今後も選択肢としてありだろう。埼玉の我が家からは、丹沢よりも所要時間的に近かった。
・沢自体は悪くなかったものの、下山道のヒルの多さがそれは最悪。伝え聞く千葉演習林の悪評に勝るとも劣らず、である。生物研究会の二人によれば、時期、気温、天気ともにヒルにとっては最高の条件とのこと。沢には見当たらなかったので、沢下降ならここまでの苦労はなかっただろう。丸山君と話したが、ヒル予防を重視するならば、10m滝を超えたところで尾根を越えてすぐ中俣に入り、下降するのが最善だろうという結果になった。