2015/7/19-20 和名倉横断
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
和名倉横断山行計画書ver.1.0(7/18版)
作成者:田代
■日程 2015/7/19、20(日、月)山中1泊
■山域 奥秩父
■メンバー
CL田代,武藤,久光
■集合
西武池袋線飯能行き前から三両目 or 西武秩父線西武秩父行き最後方車両
■交通
□行き
池袋0615→(西武池袋線準急・飯能行)→0711飯能0719→(西武秩父線・西武秩父行)→0809西武秩父0825→(西武観光バス中津川線・中津川行)→0925川又
□帰り
秩父湖1505→(西武観光バス三峰神社線・西武秩父行)→1515大滝温泉遊湯館1655→(西武観光バス三峰神社線・西武秩父行)→1743西武秩父
秩父湖1605→(西武観光バス三峰神社線・西武秩父行)→1615大滝温泉遊湯館1800→(西武観光バス三峰神社線・西武秩父行)→1845西武秩父
終バス
秩父湖1730→(西武観光バス三峰神社線・西武秩父行)→1845西武秩父
■予定している行程
7月19日
0940 川又発 入川出合の橋を渡り、約500 m先にある「カモシカ保護区」の看板の所から急斜面の踏み跡をたどり、森林軌道跡へ。
1040-1050 緑の橋(alt. 710 m)徒渉、小沢に入り、alt. 950-1000
m付近の谷幅が広くなる二股まで遡上。南岸を西方向にトラバースして尾根に取り付き、 alt. 1264 mがある尾根を目指す。
1240-1300 沢の頭(alt. 1264 m)南南東に向かって高度を上げながら尾根に取り付く。
1350-1400 P1558.7m 東南東方向に向かって尾根を登る。
1440-1450 P1762 m 尾根上を降りていき、約150 m東の鞍部で川又道(ヒルメシ尾根)と合流。
1550-1600 alt. 1826 m
1620-1630 曲沢源流水場(alt. 1826 mから南へ3つ目の沢) 水を補給。2つ手前の小尾根まで戻り、北のタルまで直登。
1720 北ノタル(alt 1950 m) 幕営。
7月20日
0300 起床
0430 北ノタル出発 軽装備以外デポして和名倉山山頂へ。
0500-0520 和名倉山 (alt 2036.2 m)
0540 二瀬分岐(alt. 2000 m) 仙波方面へ。
0640-0650 東仙波(alt. 2003.2 m)
0740-0750 山ノ神土(alt. 1872 m)引き返す。
0900-0910 東仙波(alt. 2003.2 m)
1010 二瀬分岐(alt. 2000 m)
1020-1050 北ノタル (alt 1950 m)昼食。二瀬尾根コースを下る。はじめは尾根の東側をトラバース。標高1860 m辺りで尾根上に出る。
1130-1140 alt. 1684 m P 1639 mとの間の鞍部の東にある細長い凹状地に向かって降り、その北端付近から東側へガレ状の沢源頭を下る。
1230-1240 造林小屋跡地 (alt 1460 m) 水場有り。森林軌道跡をほぼ水平移動。
1340-1350 反射板跡地 (alt 1320 m, P1369.4 mの東南東約150 m) ここから下り。
1420-1430 alt. 1007 m緩傾斜部
1520-1530 埼玉大学秩父寮
1550 秩父湖バス停着
■エスケープルート
1日目
北ノタルまで:引き返す
2日目
和名倉山〜東仙波:秩父湖バス停へ
東仙波〜山ノ神土:三ノ瀬(山梨側)へ
■地図
2.5万分の1:「三峰」「雲取山」「中津峡」「雁坂峠」
エアリア(山と高原地図):「雲取山•両神山」
■備考
ヘルメット推奨。
秩父漫遊きっぷ使用。 (池袋から1,900円。2日間使える)。
日の出 0439(7/20埼玉)
日没 1856 (7/20埼玉)
秩父警察署0494-24-0110
和名倉横断山行記録
作成者:田代
■日程 2015/7/19,20(日・月)
■山域 奥秩父
■天候 1日目:晴れ 2日目:晴れ(13:30-14:40は雨)
■メンバー(計3人,敬称略)
L田代 武藤 久光
■山行記録
□1日目
08:09 西武秩父駅
駅前の店で1日目夜の鹿肉ソーセージと2日目朝のよもぎうどん、豚肉の味噌漬けを購入。さらに、安全祈願のため各自秩父餅を買ってバス停へ。我々の他に10人も乗客がいる。秩父の山に来る人は年々増えている気がする。バスは08:25発。
09:30 川又バス停
バスは若干遅れて川又に到着。ここでバスの乗客は全員降りた。装備を整え、09:50出発。
09:59
入川橋を渡り、1つ目の右カーブのカーブミラーのところから森林軌道跡に降りる。踏み跡がついていた。森林軌道跡は遊歩道として以前整備されたが、エアリアと2.5万分の1地形図には載っていない。webで見られる地理院地図には載っている。
10:37 コンクリ沢
コンクリートで固められた沢。ここから軌道跡を少し進むが緑の橋は見つからない。一度コンクリ沢の脇から河原付近に下りて緑の橋を探すことにする。
11:03
偵察の武藤が尾根を越えて河原に下りたところで緑の橋を発見。軌道跡をもっと進んでいれば、橋に下りる道があったようだ。
11:15 緑の橋
川又にある荒川を渡る橋は朽ちていて危険だが、こちらはしっかり整備されている。
11:28 対岸の小沢
入り口には東大の演習林の人が架けた簡易的な橋がある。その先には赤テープと踏み跡があるが、前方には滝があり突破できそうにない。休憩しつつ作戦会議をして南側の尾根を直登することにする。
11:44 alt. 850m付近
ここまで演習林の作業道が尾根上についていた。東大もたまにはいいことをするようだ。しかし作業道は北側の沢に下りていってしまっている。ここから先の尾根は人間の踏み跡なし。
12:15 alt. 1050m付近
小休止。随所に鹿の踏み跡があるので、それを活用しつつ急坂を登ってきたが、大変しんどい。
12:55 P1264付近
ただの斜面をごりごり登ってきたがとてもしんどい。吐き気をもよおすほど辛い尾根であることにちなんで、この尾根を「ゲロ尾根」と命名する。13:17発。
14:05 P1558.6付近
ここまで地形図では階段状の地形になっているが、実際にはメリハリのない斜面だった。航空写真測量の悪口を言いつつ休憩。虫が大量にいる。14:20発。
15:17 P1762の200mほど東の鞍部
alt. 1640m~P1762はスズタケの藪。鹿一頭分通れるくらいの道があるがなかなか前に進めない。スズタケが目に入ってきそうで怖い。P1762の80mほど東で川又ルートと合流する。川又ルートはテープが多い。鞍部は15:40発。
16:05 桃源郷
P1826の1つ北側の傾斜がゆるやかな尾根。赤いのこぎりがある。武藤が落ちていた焼けた木をすりつぶして顔や腕に塗っている。虫除けのつもりらしい。効果はいまひとつのようだ。16:25発
16:37 P1826
通過。
16:50 P1826を過ぎて1つ目の沢の二股の北側
ここで水を汲む。冷たくておいしい。後で気づいたことだが、二股の南側の方が水量は多かった。本来ならP1826を過ぎて3つ目の沢が水場だが、最近雨が多かったおかげで水量もそれなりにあった。
17:30 北ノタル
作戦通り定刻に到着。水を汲んだところの南側の尾根を直登した。この尾根にも鹿の踏み跡はついてはいるが、標高を上げてくれるような踏み跡はない。仕方なくただの斜面をばりばり登る。北ノタルは倒木が多かった。広めのスペースを探し、テントを張る。
田代は食事作り、武藤はたき火の火起こしとその番、久光は野菜を切ったり薪を集める。たき火を囲みながら食事、その後晩酌。夜は鹿がやたら多いし、寄ってくる。急速に接近したり、木や石を投げたりして追い払いました。北側には草地があり、天気が良ければ結構星空が見えそう(この時は雲が多かった)。たき火がすばらしくてゲロ尾根の辛さを忘れていく。そして明日仙波方面に行くやる気も失われていく。とりあえず起きる時間だけ決めて22:30就寝。
□2日目
5:00 起床
朝食は西武秩父駅前で買ったうどんと味噌漬けの鹿肉。とてもおいしい。
6:15
テント内に余計な荷物を置いて和名倉山へ出発。
6:44 和名倉山
北ノタルから和名倉山は踏み跡もはっきりしていてテープも多い。途中の千蔵ン休場はブログなどで見るよりも唐松の背丈が高くなっている印象。山頂の展望はなし。写真を撮って07:00発。
07:11 二瀬分岐
通過。
07:40 P1965
休憩していたら山梨方面から人間が1人来た。今回の山行で初めて人間に遭った。何かの獣かと思ってびっくりした。07:49発。
07:50 P1990(吹上ノ頭)
登山道はピークの西側を巻いている。少し上に上がると非常に展望がよい。滝川の水が流れる音がすごい。08:20まで展望を見て休む。
08:50 東仙波
東仙波北の鞍部は笹野原で非常に展望が良い。虫も少ない。東仙波南側も樹木がなく非常に展望がよい。満足したのでここで秩父側へ戻ることにする。09:14発。
09:38 P1990(吹上ノ頭)
通過。
09:58 川又分岐
通過。
10:10 二瀬分岐
通過。和名倉山へ向かう登山者を発見する。本山行2人目の人間。
10:20 北ノタル
作戦通りの時間に北ノタルに戻ってきた。テントを撤収し、10:54発。
11:10 alt. 1820m付近
ここまでテープが多い。踏み跡もはっきりついている。ガスってきた。
11:23 alt. 1684m
通過。
11:50 造林小屋跡地
黒いパイプから水が出ている。多分これが水場だろう。沢の水も直接飲める。12:07発。
12:38 反射板跡地
造林小屋跡地からここまで森林軌道跡を歩く。標高はほぼ変わらない。ここから登山道は右に曲がって下りて行く。
12:58 P1007
別に走る必要はなかったが、少々走ってしまった。標高差350mを20分で下りてくる。良いペースだ。この後はゆっくり下ろうと思ったが、雷鳴が聞こえたので走って下りることを決意する。13:10発。
13:30 橋
爆走した結果、標高差450mを20分で下りることができた。明日から激しい筋肉痛生活になることを覚悟した。雨がぱらついてくる。
13:36 埼大寮前
雨が激しく降ってきたので、寮の軒下で雨宿り。しばらくしてから秩父湖バス停へ向かう。
■総括
秩父側から和名倉山に登るルートとしては秩父湖ルート(エアリアの点線ルート)、川又ルート(エアリア地形図ともに記載なし)、仁田小屋ルート(エアリア地形図ともに記載なし)の3つが現在よく知られている。しかし、秩父湖ルートは近年道迷いが多いせいか、よく整備されてただのテープが多い長い登山道となってしまっている。また、川又ルートにおいては荒川を渡る橋はかなり朽ちており、踏み抜けば死は避けられない。仁田小屋ルートを使う場合は崩壊した林道を長く歩かなければならないという問題がある。
今回の山行によって、緑の橋を渡って尾根にとりつき、P1762で川又ルートに合流するという方法が人間に可能であることが分かった。しかし、このルートは鹿の踏み跡すらついていない斜面を登ったり、大量の虫に刺されたり、スズタケの藪にはばまれたりと困難が多い。また、下山にこのルートを使うと、おそらく間違った尾根を下りて遭難するのでやめたほうがいい。秩父湖ルートは和名倉山頂から反射板跡まで、ルートが曲がる所など要所に山岳会の新しい標識がある。下山にはこちらか山梨へのルートを使うべき。
■コメント
ゲロ尾根はつらい。