2015/8/11-13 八ヶ岳

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
八ヶ岳山行計画書vol.2.0(8月6日版)
作成者:寺垣
■日程 2015/8/11(火)~2015/8/13(木)山中2泊 予備日1日
■山域 八ヶ岳
■メンバー
CL寺垣,SL大庭,平岩
■集合
JR立川駅6:43発中央線/中央本線・甲府行 先頭車両
*途中乗車の場合はCLに連絡をお願いします。
なおCLは、茅野で合流します。
■交通
青春18きっぷ利用可
(行き)
JR中央線/中央本線・甲府行
立川駅(6:43)→甲府駅(8:38)
JR中央本線・松本行
甲府駅(8:53)→茅野駅(10:12)
アルピコ交通・美濃戸口線
茅野駅(10:25)→美濃戸口(11:02)
930円

※遅れた場合
スーパーあずさ5号・松本行
立川駅(8:22)→茅野駅(10:06)
+2680円(指定席)

(帰り)
アルピコ交通・茅野駅行
渋の湯駅(11:30/15:00)→茅野駅(12:21/15:51)
1150円
以下,簡略版
茅野駅(12:45/15:22/16:42)→新宿駅(16:13/18:55/20:30)

■行程(山中2泊)
1日目:美濃戸口~1:00~美濃戸山荘~0:50~堰提広場~2:30~行者小屋(3:10)
2日目:行者小屋~1:00~中岳のコル~0:25~阿弥陀岳(ピストン)~0:20~中岳のコル1:10~赤岳~0:25~地蔵の頭~0:45~三叉峰~1:00~ロボット雨量計跡~0:40~夏沢峠~0:40~本沢温泉(6:25)
3日目:本沢温泉~1:45~東天狗~0:20~西天狗~0:40~西尾根展望台~0:35~分岐~0:40~唐沢鉱泉~0:50~渋の湯 (3:50)

■エスケープルート
赤岳まで:引き返す
硫黄岳まで:杣添尾根経由横岳登山口へ
西天狗岳まで:本沢温泉経由本沢入口へ
それ以降:そのまま進む

■地図
2.5万分の1 「蓼科」「八ヶ岳西部」「八ヶ岳東部」
山と高原地図 八ヶ岳

■備考
日の出(天狗岳、8/11)4:51
日の入(天狗岳、8/11)18:52
NHKラジオ第一(甲府)927kHz
NHKラジオ第二(甲府)1602kHz
アルピコ交通バス 0266-72-7455
茅野警察署 0266-82-0110
行者小屋キャンプ地090-4740-3808
本沢温泉キャンプ地090-3140-7312

■参考
2013年八ヶ岳山行(夏合宿)
2014年天狗岳山行
2015年北八ヶ岳山行

■日程 2015/8/11(火)~2015/8/13(木)山中2泊 
■山域 八ヶ岳
■天候 
1日目:曇りのち雨
2日目:晴時々曇り
3日目:雨時々曇り
■メンバー(計3人)・オーダー
CL寺垣 平岩 SL大庭
■山行記録
CLのみ別ルートだったため、10時ごろ茅野にて3人が集合。バス停に向かう。この時は暑くて、日差しがつらい。バス停で人が並んでいるところに行き、7:25発のバスに乗った。しばらく乗って、日焼止めでも塗っておこうかと考えていると、平岩さんにスマホを片手に、「このバス、あってますか?」と聞かれる。前を確認すると渋沢温泉行になっている。下山口に向かっていることが判明。1年生に助けられる。降りて戻るか、このまま行って逆ルートでまわるか、判断することになった。このまま3日間計画書でも考えていなかったルートを行くのに不安があったため、引き返すことにする。バスで15分ほど行ったところだったろうか、何にもないところで下車。バス停で時間を確認し、あと1時間半ほど待たないといけないことがわかる。歩
くことも考えたが、結局12:15の美濃戸口に行くバスにのることに変わりないし、荷物も重いので、待つ。結局2時間近く待ってバスが来る。戻った茅野駅でお手洗いを済ませ、今度こそ美濃戸口行きを確認してバスに乗る。
13時前に美濃戸口着。さっさと準備して出発。
13:00 美濃戸口出発。舗装された砂利の道路をすすむ。引き返してくる人には出会う。
13:45 たけのこ村着。水がわいているのでいったんここで止まる。少し休憩。山で飲む水のおいしさ再確認。
13:50 発
14:00 美濃戸山荘着。展望台による時間もないので、行者小屋に直通の南ルートに行くか少し迷うが、時間も15分短くなるだけなので、普通に計画書通りの北ルートで進む。
14:35 堰提広場通過
14:40 分岐着。休憩。
14:50 発
15:45 赤岳鉱泉着。急いだ分もあってコースタイムを15分ほどまいて到着。急に小屋が現れたのでびっくりした。大同心、小同心も見ることができる。人が多くいて、ここでもうテントを張ってしまいたくなる。水分補給をしてささっと出発。
15:55 発。あと少しとメンバーを励まして、登る。展望台の景色は大パノラマの圧巻だとエアリアの冊子にも書いてあり寄りたかったのだが、朝の自分の愚鈍さを憎んでそのまま通過。
16:40 行者小屋着。カラフルなテントたちに出迎えられる。行者小屋そのものは赤岳鉱泉よりもこじんまりしている。ザックをおろして、今夜の寝る場所を検討するが、あまりいい場所が当たり前だがない。小屋から一番離れたところの石をどけて場所を確保。テン場代を支払いに行く。支払いを済ませて外に出ると雨が降り始めていた。着いて10分後だった。ぎりぎりテント立て終わっていて助かった。雨でフライが本体に引っ付いてきてしまうので、きっちり石でフライを張る。雨具を着ないと出られないのが面倒くさい。靴も中に入れることにする。ザックにも一応ザックカバーをかけた。
今日の食当は私で、レトルトの牛めしとインスタント味噌汁。一方の鍋でご飯を炊いて、火からおろして蒸らしている間に、空いたコンロでもう一方の鍋でレトルト用の湯を沸かす。結局今回の山行ではコンロは一つしか使わなかった。
18;30頃就寝。雨と雷がひどく、光って5秒後に音が鳴るくらいだったと思う。そんななかでも大庭君はすぐに寝付いていた。

2日目
3:00 起床。2:30に一度星が見えるかもと外に出てみる。少しは見えたがすぐ雲に覆われてしまった。朝は大庭君のレトルトカレー。昨日と同じ手順でご飯を作る。
4:55 発。しっとりとした朝であった。一応雨具を身につけて行くことにする。草や木に当たると濡れてしまうのではと思ったからだったが、杞憂だった。
5:05 文三郎尾根への分岐。中岳のコルに向かう。このあと地味な登り。
5:55 中岳のコル着。ザックをおろすことが喜びである。雲の中に富士山が浮かんでいる。サブザックに移行する。
6:08 阿弥陀岳への登り開始。岩場が続き、思っていたより距離がある。平岩さんはこういったところは初めてで少し苦戦していたようだ。
6:32 阿弥陀岳着。比較的広い山頂で、雲はあるが、南アルプス、富士山、遠目に北アルプスなどの周りの山を見渡すことができる。人がいなかったので、頑張ってセルフタイマーで写真を撮る。
6:42 発。下りのほうが怖い。
7:05 中岳のコル着。しぶしぶメインザックを背負いなおす。小屋泊なのだろう、軽装の人とすれ違う。
7:12 発。
7:25 中岳着。
7:54 文三郎尾根の行者小屋への分岐。こちらから来る人もいた。少しだけ休憩。
8:00 発。
8:13 キレット分岐。ここからは歩くというよりも岩を登る。すれ違うのに少し手間取る。
8:40 赤岳頂上着。鳥居があるところで記念撮影。風が強いので小屋の近くに避難する。行動食のパンを食べたり、少し長めに休憩。小屋の中ではバッジや手ぬぐいが売られていた。
このあたりから、今日のテン場について考え始める。今回の山行で参考にしたのは一昨年の川名さんの計画書であったが、川名さん本人から、「温泉にはいらないなら、オーレン小屋のが近いけどいいの?」というご意見をもらっていた。その時は、爆裂火口壁が下から見えるんで!ということでそのまま本沢温泉にしていたのだが、想像以上にここまでの行程の疲れが出てきた。
本沢温泉→夏沢峠から40分。温泉に足湯だけでも入れるのと、爆裂火口壁が見える。次の日の登りが急。
オーレン小屋→夏沢峠から20分。計画書に全く書いていないが、近い。
オーレン小屋に行く可能性を、計画書に少しでも書いておけば何の気兼ねもなかったのだが、かなり迷った。とりあえず夏沢峠まで行って、その時の疲労度も考慮して考えることにした。
9:10 発。
9:37 赤岳展望荘通過。
9:45 地蔵の頭通過。行者小屋も赤岳山荘もよく見える。よく晴れていて、取り忘れていた私のザックカバーが浮いていた。
9:55 後ろに人も続いていたので、特に何もないところで一本。日向ぼっこ気分でうとうと。この時点で私含めみんなわりと疲れていたように思う。メインの赤岳を過ぎて少し気が抜けたかも。
10:10 発。岩場を登ったり降りたり。
10:56 三叉峰を過ぎて奥の院着。ようやっと広いところに出る。長めに休憩。メインの岩場はここで終わった。
11:10 発。ジグザグの下り。遠くに硫黄岳山荘が見えてはいるがなかなか近づかない。昨日の快走はどこに行ったのか、コースタイムも押し気味で進む。
12:00 硫黄岳山荘着。
12:09 発。のっぺりとした感じの小石が転がる道を行く。細かく道標というか、小さいやぐらのようなものが立っている。
12:35 硫黄岳の広場着。お昼時とあってか、人でにぎわっている。ここにつく頃にはかなり疲労困憊で、荷物を置いて休むので精いっぱい。黄色っぽい爆裂火口壁を遠くに眺めて休む。
12:40 発。ジグザグの下りを延々と進んでいる感覚。途中から樹林帯に入るがまだ続くかという気持ち。
13:20 夏沢峠着。着いた時の喜び計り知れず。しばし岩の上で休む。ここから20分のところと、40分のところに行くなら、もう確実に20分に行きたい!という気持ち。メンバーの意見も異議なし。オーレン小屋へ向かう。
13:45 発。気持ち飛ばしているつもりなのに、行けども行けどもたどり着かない印象。着いてみればコースタイム通りだった。
14:05 オーレン小屋着。きれいな小屋である。テレビもある。昨日と打って変わって早くテン場につけたので、まったり過ごす。小屋にはネパールの雑貨も売られていた。トイレもきれいで水洗式!お風呂もあった。晴れていたのでテントを乾かしつつ、食当の準備をする。大庭君は荷物を広げてお昼寝モードに入ってしまったようだ。今日は平岩さんのちらし寿司である。3食連続でお米を炊くことに。きゅうりと海苔と錦糸卵と、鮭ほぐしを瓶で持ってきてくれていた。鮭ほぐしとごはん、最強!応用が利きそう。
ご飯が炊きあがったころに出てきた大庭君は、これから作るのだと思っていたらしく、できていたことにびっくりしていた。
16:30ごろごはん終了。各々荷物整理をして、明日の準備をする。夏沢鉱泉のほうにおりたらすぐに下界だなあと思いながら寝る。

3日目
3:00 起床。棒ラーメンをちゃちゃっとたべて、準備をするが、外は雨が降っているのと、風が比較的強い。小屋のテレビで確認したところ、台風14号が近づいていて、その影響で雨雲があるとのこと。茅野市には雷注意報も出ていた。
5:00とりあえずテントもたたみ、いつでも出れる準備はできた。小屋に移動し、テレビの予報を見ながら考えることにした。ちょっと待った方がまだ良くなりそうであり、とにかく6:00には決断することを決めた。
5:30~6:00 待機。外の様子を見る限りだと、比較的行けそうなのだが、雷注意報と、雨雲レーダーが心配で行くのをためらった。メンバーは、どちらかというと行く気はありそうであった。もし撤退するなら、夏沢鉱泉方面に下り、桜平まででてからタクシーで縄文の湯まで行き、そこでバスを待つことになるだろうとみた。これも計画書には書いてないエスケープで、もっと計画段階で様々な可能性を示すべきであった。
6:00 とにかく行くことにした。雷注意報はあくまで広い範囲での可能性であるし、雨も降っても1,2ミリとのこと。まったくいけないような天気でもなしと判断した。
6:47 箕冠山着。雨に濡れないようザックをおろすのに苦労する。
6:52 発。少し進んだところで、根石岳が見えたと思った直後にはガスに覆われてしまった。根石岳山荘の分岐のところまでいったところで、風が強くなった。霧も濃い。ここで私の気持ちが撤退に傾きました。
今回の山行は、
・メンバーが1年、2年で全員が山に慣れているわけではない
・メインの赤岳は超えている
・CLがCL経験豊富というわけでもなく、不安が残る
・霧、風、雷が心配。
といったことから、無理する必要はないと判断して、ここで引き返すことにした。
7:25 オーレン小屋着。電話の電波は通じている。在京の福田さんにオーレン小屋からエスケープする旨を伝えて、これから約50分後に下山予定であることを伝える。私がテンパっていたので、うまく福田さんに話が伝わっていたか不安。タクシーもここで予約。
7:47 オーレン小屋発。この時の私はとにかくはやく下界に安全におりたいという気持ちにせかされていた。
8:12 夏沢鉱泉通過。多くの登山客とすれ違う。
8:30 桜平着コースタイムを10分まいて着。福田さんに電話。
8:40 タクシー到着。
9:00過ぎに縄文の湯着。ゆったり温泉に入って、アイス食べて、バス乗って、茅野駅まで帰って、たらたらと18きっぷに揺られて、新宿で解散。

■CLとしての反省
・計画書のずさんさ
もっと様々な可能性を視野に入れて、計画書に書いておくべきだった。
今回、直接メンバーを危険にさらす、ということはなかったが、もし何かあったときに在京が頼りにするのが計画書なのだから、よくなかった。山での判断は柔軟性が問われるのだから、計画書の段階から、そうしたことを考えておく必要があった。
・注意力不足
朝のバスの乗り間違えは、緊張感が足りなかったのだろうか。行き先は確実に確認すること。
・決断について
逆ルートで行くか、オーレン小屋に泊まるか、エスケープするかなど判断が問われることの多い山行になった。なかなか決断できず、メンバーにも不安を感じさせてしまったと思う。私自身、今まで決定を受け入れる側だったので、自分が手綱を握ることに慌ててしまった。こういときに判断材料になる情報を計画書の段階でもっと盛り込むべきだったし、現地での気象情報の入手方法も行き当たりばったりだった。
・在京との連絡
オーレン小屋にした時点で在京に連絡すべきだったし、エスケープで降りることを決めた時ももっと丁寧に状況を説明するべきだったと思う。

■総括
CLとして山行を立てるむずかしさを感じた山行だった。2日目は晴れ、景色もよかったし、唯一の1年生の平岩さんも楽しんでくれたようであったし、岩場の経験も積めたのではないだろうか。3人で合宿という名前はあまり似つかわしくなかったが、コンパクトで楽しい山行であった。