2015/8/27-9/4 北アルプス縦走
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
北アルプス長期縦走計画書ver.4.0(8/24版)
作成者:遠藤
■日程 8/27-9/4
*前夜泊(8/26)+山中8泊9日+予備日2日(9/5,6)
■山域 北アルプス
■メンバー(計3+1名)
CL遠藤,SL木下,金丸,久光
※久光さんは室堂~剱岳のみ参加。
■集合(8/26!)
JR新宿駅13:07発中央線中央特快・高尾行に乗車する。
■交通
*青春18きっぷ利用。
(行き)
・0日目
JR中央線中央特快・高尾行
新宿駅(13:07)→高尾駅(13:48)
JR中央本線・松本行
高尾駅(14:01)→松本駅(17:31)
JR大糸線・信濃大町行
松本駅(17:59)→信濃大町駅(18:55)
2370円
*松本駅にて夕飯を食べる可能性あり。その場合はもう一本後の電車に乗る。
+
・1日目
アルピコ交通バス扇沢線・扇沢駅行
信濃大町駅(6:15)→扇沢駅(6:55)
1360円
関電トンネルトロリーバス(16分)
扇沢駅(7:30)→黒部ダム(7:46)
1540円+200円
徒歩(約10分)
黒部ケーブルカー(5分)
黒部湖(8:30)→黒部平(8:35)
860円+100円
立山ロープウェイ(7分)
黒部平(8:50)→大観峰(8:57)
1300円+100円
立山トンネルトロリーバス(10分)
大観峰(9:15)→室堂(9:25)
2160円+100円
*大型荷物の運搬料金あり。
*行きの交通費は計10090円。
(帰り)
濃飛バス平湯・新穂高線・高山濃飛バスセンター行
新穂高温泉(11:56/12:56/13:47/14:56/15:56)→平湯温泉(12:28/13:28/14:28/15:28/16:28)
780円
*中尾高原口は新穂高温泉発車の3分後に出発。
アルピコ交通or濃飛バス・松本バスターミナル行
平湯温泉(13:05/14:45/16:05/17:05)→松本バスターミナル(14:30/16:10/17:30/18:30)
2370円
*平湯温泉から新宿駅西口行のバスも出ている。予約制とのことなので,空席があれば乗車可能かもしれない。但し,中央道の渋滞に巻き込まれる可能性もあり。
濃飛バスor京王バス・新宿駅西口行
平湯温泉(14:30/16:00/17:00/18:00)→新宿駅西口(19:00/20:30/21:30/22:30)
5860円
簡略版
松本駅(15:55/16:33/18:37)→新宿駅(20:42/21:28/23:13)
2370円
*帰りの交通費は計5520円。
※久光さんの帰りの交通については割愛。
■行程
□0日目(8/26):
JR信濃大町駅にて駅寝
□1日目(8/27):
室堂~(0:10)~みくりが池温泉~(0:15)~らいちょう温泉雷鳥荘~(0:30)~雷鳥沢キャンプ場~(1:50)~剱御前小舎~(0:40)~剱沢キャンプ場
(計3:25)
□2日目(8/28)*:
剱沢キャンプ場~(0:20)~剣山荘~(0:30)~一服剱~(0:40)~前剱~(0:40)~平蔵のコル~(0:40)~剱岳~(0:30)~平蔵のコル~(0:40)~前剱~(0:30)~一服剱~(0:20)~剣山荘~(0:25)~剱沢キャンプ場
(計6:15)
★終日サブザック行動。
*途中,剣山荘に水場あり。
※久光さんの行程
剱沢キャンプ場~(0:20)~剣山荘~(0:30)~一服剱~(0:40)~前剱~(0:40)~平蔵のコル~(0:40)~剱岳~(0:30)~平蔵のコル~(0:40)~前剱~(0:30)~一服剱~(0:20)~剣山荘~(0:25)~剱沢キャンプ場~(1:00)~剱御前小舎~(1:10)~雷鳥沢キャンプ場~(0:40)~らいちょう温泉雷鳥荘~(0:20)~みくりが池温泉~(0:10)~室堂
(計8:35)
*共装はツェルトとカートしかない状況での下山ですので,十分お気をつけて。
□3日目(8/29)*:
剱沢キャンプ場~(1:20)~別山~(0:55)~真砂岳~(0:45)~富士ノ折立~(0:15)~大汝山~(0:20)~雄山~(0:40)~一ノ越~(0:30)~富山大学立山研究所~(2:00)~獅子岳~(0:50)~ザラ峠~(1:00)~五色ヶ原キャンプ場
(計8:35)
★別山北峰,浄土山までピストン。各々往復20分。
*途中,水場なし。
□4日目(8/30):
五色ヶ原キャンプ場~(1:00)~鳶山~(0:50)~越中沢乗越~(1:10)~越中沢岳~(1:40)~スゴノ頭~(0:40)~スゴ乗越~(0:40)~スゴ乗越小屋
(計6:00)
*途中,水場なし。
□5日目(8/31):
スゴ乗越小屋~(1:20)~間山~(1:40)~北薬師岳~(0:40)~薬師岳~(0:40)~薬師岳山荘~(0:50)~薬師平~(0:30)~薬師峠キャンプ場
(計5:40)
*途中,水場なし。
□6日目(9/1)*:
薬師峠キャンプ場~(0:20)~太郎平小屋~(1:55)~北ノ俣岳~(0:30)~赤木岳~(0:30)~中俣乗越~(1:50)~黒部五郎岳~(1:40)~黒部五郎小舎~(2:30)~三俣蓮華岳キャンプ場
(計9:15)
*途中,太郎平小屋,黒部五郎岳下,黒部五郎小舎に水場あり。
□7日目(9/2)*:
三俣蓮華岳キャンプ場~(0:30)~黒部源流碑~(1:00)~岩苔乗越~(2:00)~水晶池~(0:40)~高天原山荘~(0:20)~高天ヶ原温泉~(0:30)~高天原山荘~(0:50)~水晶池~(2:30)~岩苔乗越~(0:40)~黒部源流碑~(0:45)~三俣蓮華岳キャンプ場
(計9:45)
★終日サブザック行動。
★温泉!
*途中,高天原山荘付近に水場あり。
□8日目(9/3):
三俣蓮華岳キャンプ場~(0:30)~黒部源流碑~(1:00)~岩苔乗越~(0:50)~水晶小屋~(0:40)~水晶岳~(0:30)~水晶小屋~(0:40)~ワリモ北分岐~(1:10)~鷲羽岳~(1:00)~三俣蓮華岳キャンプ場
(計6:20)
★終日サブザック行動。
*途中,ワリモ北分岐に水場あり。
□9日目(9/4)*:
三俣蓮華岳キャンプ場~(1:00)~三俣蓮華岳~(1:20)~双六岳~(0:45)~双六小屋~(1:10)~弓折乗越~(0:30)~鏡平山荘~(0:50)~シシウドヶ原~(0:50)~秩父沢~(1:00)~わさび平小屋~(1:05)~新穂高温泉
(計8:30)
*途中,双六小屋,秩父沢付近に水場あり。
*巻道ルートを使うと25分短縮。
★8日目の段階で予備日が2日残っているようであれば,以下のように行程を変更する。
□9日目(9/4)*:
三俣蓮華岳キャンプ場~(1:00)~三俣蓮華岳~(1:20)~双六岳~(0:45)~双六小屋~(1:10)~弓折乗越~(0:40)~大ノマ乗越~(1:30)~秩父平~(1:00)~抜戸岳~(1:10)~笠ヶ岳山荘
(計8:35)
*途中,双六小屋に水場あり。
*巻道ルートを使うと25分短縮。
□10日目(9/5):
笠ヶ岳山荘~(0:05)~笠ヶ岳~(2:10)~雷鳥岩~(4:40)~中尾高原口
(計6:55)
*途中,蜂ノ巣岩周辺に水場あり。
■エスケープルート
スゴ乗越小屋まで:室堂から扇沢へ
スゴ乗越小屋から北ノ俣岳周辺まで:折立へ
北ノ俣岳周辺から黒部五郎小舎まで:飛越トンネルヘ
黒部五郎小舎からまで大ノマ岳周辺まで:鏡平山荘を経由し新穂高温泉へ
大ノマ岳周辺から笠ヶ岳周辺まで:笠新道経由で新穂高温泉へ
笠ヶ岳周辺から:そのまま進む(但し,増水時は笠新道経由で新穂高温泉へ)
■地図
2.5万分の1 「剱岳」「立山」「薬師岳」「三俣蓮華岳」「笠ヶ岳」
エアリア 「36剱・立山」「37槍ヶ岳・穂高岳」
■備考
□山小屋情報(①電話番号・②テン場代・③素泊まり代)
〔お世話になる小屋〕
●剱沢小屋:①080-1968-1620・②500円・③6500円
*野営場にテン場代を払う。
●五色ヶ原山荘:①076-482-1940・②不明・③6500円
●スゴ乗越小屋:①076-482-1917・②700円・③6000円
●太郎平小屋:①080-1951-3030・②700円・③6000円
●三俣山荘:①090-4672-8108・②1000円・③5500円
●笠ヶ岳山荘:①090-7020-5666・②800円・③6600円
*いずれの小屋にも水場あり。
〔通過する小屋〕(エスケープ時も含む)
○立山室堂山荘:①076-463-1228・②×・③5830円
○剣山荘:①076-482-1564・②×・③6500円
○一の越山荘:①076-421-1446・②×・③5500円
○薬師岳山荘:①090-8263-2523・②×・③6300円
○黒部五郎小舎:①0577-34-6268・②1000円・③6500円
*③はトイレ代,水代込み。
○高天原山荘:①076-482-1917・②×・③6000円
○水晶小屋:①090-4672-8108・②×・③5500円
○双六小屋:①090-3480-0434・②1000円・③6500円
*③はトイレ代,水代込み。
○鏡平山荘:①090-1566-7559・②×・③6500円
○わさび平小屋:①0577-34-6268・②800円・③5500円
*③はトイレ代込み。
□温泉
・からまつの湯(@高天ヶ原):無料
*秘湯!
・新穂高の湯:300円
*中々開放的な温泉のよう。
・ひがくの湯:700円
*食事も可。0578-89-2855。
□管轄警察
・剱岳~雲ノ平:富山県富山南警察署 076-467-0110
・裏銀座:長野県大町警察署 0261-22-0110
・笠ヶ岳:岐阜県高山警察署 0577-32-0110
□交通
・アルピコ交通白馬営業所 0261-72-3155
・高山濃飛バスセンター 0577-32-1688
□その他
日の出(剱岳 8/27-9/6)5:06→5:14
日の入(剱岳 8/27-9/6)18:36→18:21
NHKラジオ第一(富山/松本)648kHz/540kHz
NHKラジオ第二(富山/松本)1035kHz/1512kHz
★雨天時の対応(対応済み)
8/23時点で2日目(8/26)の悪天が予想される場合は,順延。2日目の行程が晴天になるように出発日を調整する。予備日を含め9/6には下山する予定は変更しないので,山行中の天候に応じて予備日を使うか行程を一部カットするか検討する。高天ヶ原温泉,水晶岳・鷲羽岳,笠ヶ岳をカットすれば,コースタイム上,最短7日で下山できる。
北アルプス長期縦走記録
作成者:遠藤
■日程 2015/8/27-9/5
■山域 北アルプス
■メンバー(3+1人,敬称略)
CL遠藤 SL木下(清) 金丸 久光(0-2日目のみ参加)
■山行記録
□0日目==今夏2度目の長野へ==
遠藤,清晶くんは東京駅にて集合し,金丸くんと新宿駅にて合流。ここから信濃大町までの長旅がスタートする。金丸くん曰く,「電車での行き帰りが一番辛い」。全くもって同感である。晴れている訳でもないので,電車内から見る山々の景色もイマイチで,おとなしく本でも読んでいるしかない。
荷物の重さを聞いてみたところ,皆27kg強になったようだ。その中でも金丸くんのザックはずっしりと重く,何が入っているのか尋ねたところ,どうも水を7Lほど持っているとのこと。計画書に「途中,水場なし。」と書いてしまったのが悪かったらしい。北アルプスのテン場には大抵の場合水があるのだ。
やっとのことで松本駅に到着し,夕食へ。今日は金丸くんの希望もあって山賊焼きを食べることにした。私自身ちょくちょく松本には来ていたが,山賊焼きを食べるのは初であった。長期山行前のカロリー補給にはちょうど良いだろう。量も多めで味も良し。松本の駅ビル内にあるので,北アルプスに行く際は是非どうぞ。その後,各自,必要物資の買い出しを行い,信濃大町へ。奇しくも去年の鹿島槍と同じ電車に乗ることになった。あれから1年以上経ったのかと感慨深い。
信濃大町駅に到着後,明日の朝食を買いに近くのスーパーへ行くことになった。夜遅くなので,いかにも「売れ残り品」といったものしかなかったが……。今日の寝床は信濃大町駅の軒先。駅員さんが斡旋してくれた。マットを敷いてシュラフをかぶれば立派なホテルだ。男2人だけで名古屋を彷徨ったあのときとは違い,土地が我々の味方をしてくれている気がする。山屋に優しい長野県であった。久光さんは最終で到着し,そのまま就寝。駅寝組は我々だけであった。
□1日目==立山入山==
・天候 曇
・オーダー 遠藤 金丸 久光 木下
・コースタイム
9:21 室堂
9:35 みくりが池温泉
9:53-9:59 らいちょう温泉雷鳥荘
10:13-10:23 雷鳥沢キャンプ場
11:24-11:37 一本
12:26-12:51 剱御前小舎
13:17 別山分岐
13:24 剱沢キャンプ場
予定通りのバスに乗って扇沢へ。鹿島槍ではそこから種池山荘までえっちらおっちら歩いたわけだが,今回は金で高度を買う。しかし,この混み具合といったら!
天気が芳しくないので観光客こそ少ないが,登山客は多い。ヘルメットやピッケルを持った人もおり,剱のバリエーションルートが人気なことが窺われる。
室堂まではトロリーバス,ケーブルカー,ロープウェイを使って向かうのだが,乗り物好きはそれだけでも満足できるのではないだろうか。黒部ダムも眺めつつ,室堂までは観光気分が味わえる。1回は行ってみてもよいだろう。ちなみに,このときは増発されていたので,計画書に書いてあるよりも早く室堂に向かうことができた。
さて室堂に着いたわけだが,ここはやはり観光地。登山の拠点という感じではない。土産物屋もあればゴミ捨て場もある。モンベルショップもある。外に出てみれば,人人人。小学生の団体までいる。立山はガスの中ということもあって,全く山に来た感じがしない。
こんな観光気分を引きずりながら歩き始めたのだが,風向きが悪く火山ガスをもろにくらうことになってしまった。硫化水素の臭いだけならまだ我慢できるが,目が痛い。さらに,喘息持ちの場合は,結構苦しいらしい。濡れたタオルで鼻や口を覆うなどの工夫が必要だろう。また,途中,賽の河原で大走りに入り込んでしまったが,何とか間違いに気づけた。こんなところでも気を抜かないようにしたい。
歩いている間はほとんどガスの中で,たまに青空が見えるぐらいである。明日の剱に期待したいところだ。
剱沢のテン場は広く,水も豊富である。剱澤小屋まで行かないと何もないが,全く問題なく暮らせる。テン場の説明だけして,テン場代を回収し忘れるお兄さんもいる平和なテン場という感じである。その一方で,ガスが晴れると剱が眼前に聳え立ち,あれに登るのかと思うと身震いがする。
今日からいよいよ山の食事である。久光さんはうどん(生麺)を持ってきていたが,我々はアルファ米。アルファ米だって十分美味しいのだから,羨ましくなんかない。山行初日からアルファ米の容器に中華丼の具を突っ込み,それを食べ終えてからスープをその容器で飲んでいた我々にはさすがの久光さんもやや引き気味であったが……。嬉しいことに,久光さんがベーコンとマンゴーゼリーの差し入れをしてくれた。ありがとうございました!
明日の剱に備えて,早めの就寝。いびきと共にライチョウの「クケー」というカエルみたいな鳴き声が聞こえる。これはいるぞ!
□2日目==挑戦の日==
・天候 晴
・オーダー 久光 金丸 木下 遠藤
・コースタイム
4:32 剱沢キャンプ場
4:56-5:10 剣山荘
5:35 一服剱
6:09-6:14 一本
6:28 前剱
7:10 平蔵の頭(ズコ)
7:15 平蔵のコル
7:25-7:45 カニのタテバイ
8:12-8:55 剱岳
9:15-9:25 カニのヨコバイ
9:45 平蔵のコル
9:52 平蔵の頭
9:59-10:10 一本
10:32 前剱付近
11:10-11:19 一本(一服剱手前のコル)
11:27 一服剱
11:47-12:04 剣山荘
12:33 剱沢キャンプ場
今日は登山道が渋滞すると予想されたので,早めに出発した。ヘッデン行動ではあるが,剣山荘に着く頃には明るくなっていた。途中でライチョウ1羽に会えたが,近づいてもあまり逃げようともせず,最終的にバタバタと重たい羽音をたてて飛んでいった。あれじゃあ敵に襲われて高山帯にしか住めなくなってしまったのも頷ける。まだ公園のハトの方が素早く逃げる。剣山荘でヘルメットを借り,いよいよ剱へと出発。今日は天気も良さそうだ。
前剱までは全く問題なく歩ける。途中にいくつか鎖場こそあれど,大したことはない。しかし,平蔵の頭手前の金網橋からややレベルがアップする。金網橋も落っこちそうでおっかないが,その後の鎖場は沢用語ならば「へつる」とでも言ってよいぐらいである。高度感は半端ではなく,無論落ちれば死ぬ。遠くから眺めると,凡そ人が歩くところではないように見えるであろう。平蔵の頭の後の鎖場は下りのため恐いかもしれないが,サブザック行動ならば問題ないように思う(遠くから振り返ってみると,鎖が見えないのでフリークライミングをしているようにしか見えないが)。さて問題はカニのタテバイである(後でメンバーに聞いてみたところ,別山尾根コースで一番恐かったのはここという意見もあった)。今回はセルフビレイをとりつつ,ガチャガチャと登ってもらったが,休憩時にセルフビレイをとるだけでもよかろう。ここさえ無事に通過してしまえば,剱岳山頂まで悪場は特にない。
剱岳からは立山,薬師までは見えた。黒部五郎はややガスの中か。後立はバッチリで白馬・唐松・五竜・鹿島槍・爺・針ノ木……と手に取るようにわかる。あちらはあちらで厳しい稜線だなぁとしみじみ実感。遠くに白山も見えたのだが,槍や笠,水晶・鷲羽あたりはガスに隠れてしまっていた。また,八ッ峰の厳しさも感じられる。さらに,三角点にも注目したい。『劔岳
点の記』を読んで(観て)から剱に行くとしみじみするであろう。
さて,剱岳からの下山であるが,一般に恐いと言われるカニのヨコバイが待ち受けている。しかし,カニのヨコバイも決して難しくはなく,一歩目に足を置くべき石に赤ペンキがつけられている。一応,全員セルフビレイをとって通過したが,金丸くんによればここまでくると慣れてきたので,あまり恐くはなかったそう。帰りも平蔵の頭あたりで少々恐いかもしれないが,十分気をつけていれば問題なく通過できるはずだ。それよりも下りでは落石に注意したい。
剱を歩いていて思ったのは,他のパーティーの行動が速いことである。普段,山道を歩いていて,抜かすことはあっても抜かされることは滅多にないが,今回は相当の人数に抜いてもらった。大パーティーやコンティニュアスで繋がっているツアーには流石に抜かされはしなかったが……。我々が慣れていないことやパーティーで行動していることもあるが,それ以上に,ベテランが多いからであろう。セルフビレイをとってガチャガチャ歩くのも時間はかかるので,身の安全とスピードとどちらをとるかという問題になる。
剣山荘でヘルメットを返却し,バッチやらTシャツやら靴下やらを仕入れ,再びキャンプ場へ。久光さんとはここで別れ,いよいよ我々3人の戦いとなった。夜は暇つぶしに天気図をとってもらった。中々楽しそうにとっていて感心。今夜もライチョウが鳴いている。
*久光さんの行動記録
久光さんから自身の行動記録が送られてきましたので,掲載しておきます。
12:45 剱沢キャンプ場
3人に別れを告げてテン場発。彼らが下山する頃にはとっくに南京にいるのだろうなあ。単独行なので自然とペースが上がる。
13:20 剱御前小屋
雷鳥坂の下りでは,ハイマツの中の狭い登山道をふさぐように2羽のライチョウが現れる。登山道を歩くと進行方向にヨタヨタと逃げるので,仕方なく数十mほどライチョウと追いかけっこ。やがて茂みの中に姿を消す。今思えば,こんなんだからサルの格好の餌食になるんだよなあ…
雷鳥沢を渡ると観光地エリアに入る。高山の上に忽然と現れた下界。独特な雰囲気がある。地獄谷からの風は行きより強く,目と鼻に痛みを感じた。
14:45 みくりが池温泉
みくりが池温泉に「下山」。テン場よりも標高が高い。2日分の汗を流し,15:45のトロリーバスに乗ったものの,乗り継ぎが悪い。帰りの電車は途中で一部特急を使わざるを得ず,自宅に着いたのは日付が回ってからだった。
なお,久光の下山直後から雨が降りだしやがて本降りに。誰が晴れ男で誰が雨男かを,改めて示すものとなった。
*剱に関して若干の補足
・ヘルメットは必須(ヘルメットなしという人もいたが,あれは流石に危険ではないか)。
・ハーネスはあった方が気持ちが楽。但し,なければ行けないというものではない。
・ストック携帯者が案外多い。無論不要。
・若い人が多い。所謂,おじいちゃん・おばあちゃんのパーティーは少ない。
・岩場や鎖場に一定程度慣れていれば十分行けるはず。
・メンバーの岩場や鎖場の経験:
木下:金峰・瑞牆,甲斐駒(岩稜直登コース)
金丸:金峰・瑞牆,鋸岳,赤岳,十二ヶ岳
金峰・瑞牆あたりが登竜門になるのだろうか。これに両神や赤・横・硫黄の縦走あたりを経験しておくと安心できそうだ。
・剱岳の魅力を考えてみると,様々なルートがあること,いつ・どこからみてもさまになること,誰でも登れる山ではないことなどだろうか。
□3日目==今後の無事を祈って==
・天候 雨一時晴
・オーダー 木下 金丸 遠藤
・コースタイム
5:10 剱沢キャンプ場
5:33 別山分岐
6:09 別山下
6:20-6:30 別山
7:18 真砂岳
7:22 大走り分岐
7:36-7:53 一本
8:23 富士ノ折立
8:36-9:23 大汝休憩所(大汝山へ)
9:46-10:25 雄山
11:17-11:52 一ノ越山荘
12:22 浄土山分岐
12:36 浄土山
12:50-13:02 浄土山分岐
13:43 鬼岳東面
14:33-14:45 一本
14:52 獅子岳
15:47-15:53 ザラ峠
16:24 五色ヶ原キャンプ場分岐
16:40-16:45 五色ヶ原山荘
16:56 五色ヶ原キャンプ場
朝っぱらから生憎の雨。ガスで剱も見えない中の出発となった。金丸くんの祈りのおかげか,別山で一瞬風が弱まったが,結局,雨と風に見舞われ,大汝山までは悲惨であった。取り立てて素晴らしいピークというわけでもなかったので,あまり悔しくはないが,メンバーにとっても厳しかったように推測される。一歩間違えれば低体温症になりかねない。ただ,富士ノ折立からの富士山や内蔵助カールを見たかったなぁというのはある。
私の心が折れて大汝休憩所で休ませてもらった。小屋を管理する優しいおじさんが2人おり,我々の体調を気遣ってくれた。もう北アルプスは冬の準備をしているとのこと。確かにその通りで,8月末にも拘わらず,夏山の気配はなかった。この後の時期(厳冬期)は厳しいので,5月あたりにアイゼンとピッケルを持って立山においでとも言われた。立山の再チャレンジをするにはよいのかもしれない。暖かい室内で体力を回復し,大汝山へ。どうにか雨があがり,ガスが晴れてくれた。そういえば,休憩所には『春を背負って』という映画のポスターが貼ってあった。よくよく考えてみると,あの映画はまさにこの休憩所と大汝山が舞台となった映画であった。納得。
しかし,雄山では再びガスの中。非常に残念である。ここで山行の無事を祈ったり,雨にならないようにお祓いをしてもらったりとだいぶ時間を費やしてしまった。その甲斐あってか,雄山からの下りでは次第に晴れはじめ,一ノ越で雨具を外すことができた。雄山から一ノ越までは雄山に登る登山者で溢れかえり,まともに下山できない。50人オーバーの小学生パーティーもいるぐらいである。落石をさせてもいけないが,行き違いでずっと待っていては日が暮れてしまう。剱みたいに登りと下りのルートを分けた方がよいのではないかと思う。
そして再び人がいない浄土山方面へ。浄土山は軍人霊碑があるのみで,別山のような祠があるわけではない。ここは既にガスの中である(これはガス男金丸くんの力だろうか)。五色ヶ原に向かおうとすると今度は雨がポツポツ(雨男2人の力だろう)。まだ,立山なんだから立山の神様よ頑張っておくれ!
風も強くなってきて,五色ヶ原まではただの地獄であった。雨が降っていると高山植物を眺める余裕もなくなるし,岩場・鎖場・木道も厄介である。ザラ峠までの下りが永遠に続いている気がするのであった。そんな中でもライチョウ1羽に会えたのは幸いであった。
17:00前にやっと小屋に着き,慌てて夕食・夜食を食べた。風はある程度,避けられるが,雨が降ると川ができるようなテン場である。すぐ傍に川が流れており,ゴーゴーと音を立てて流れている。トイレはあるが,トイレットペーパーはなし。今回の山行では唯一なかったテン場である。21:00過ぎに就寝。この日は疲れたなぁ。
□4日目==雨の中の一休み==
・天候 雨時々曇
寝ている間から雨が強く,4:00に起床したものの,雨は弱まらず。起きてみると,テントに水が溜まっている。風のためにフライと本体がくっついていたことやテントの下を水が流れていたことが原因だと思われる。ステラで寝ていて水が溜まったのは初めてではなかった。南ア全山の0日目にも危うくシュラフを濡らしそうになったことを今でも覚えている。しかし,今回は清晶くんのザックがぐっしょり。ザックにはザックカバーをつけ,濡れてはならないものをザックから出すよう指示した。流石にこのときはかける言葉がなかった。あのやるせなさといったら!
考えてみると飯豊の時にも清晶くんは水害に遭っていた(あれは実質的に人災であったが)から,水との相性が悪すぎやしないかと思う。
6:00には雨風が弱まる予報であったが,それも当たらず,降ったり止んだりを繰り返している。7:00ぐらいに出発するパーティーもあったが,昨日の疲れもあり,メンバーの士気も上がらなかったので,我々は停滞することに決めた。今から振り返ってみると,この日も行動できないわけではなかったのだが,テントを出ようという時に雨が強いとやる気が削がれてしまい,中々抜け出せなくなってしまったのである。いやぁ,雨男の力は恐ろしい。
さて,停滞ともなると暇である。フライの張り直しや水の流れを変える土木工事(幼稚園生の砂場遊びみたいなもん),テントの水出し(アルファ米の容器を使って溜まった水をかき出す作業)などをやっても時間は余る。2人は暇つぶしを持ってきていないというから大問題である。
ところでRain Manといえばトランプのシーンが有名。Raymondが圧倒的な記憶力でカウンティングをして,ブラックジャックで大儲けした。そこでこっそり一ノ越山荘で調達しておいた「剱岳トランプ」の登場である。買ったときは何気なく買ったのであるが,こんなに役立つとは思わなかった。まずは,トランプの写真と説明,地図を照らし合わせて剱を楽しむ。その後はゲームである。このトランプのクローバーのQには「あいにく天気が悪く『今日は沈殿!』と決まれば,狭いテントの中でやることは決っていた。酒を飲み,歌を歌い,花札かトランプのかけごとに興じる。山ヤは遊びの天才!」とある。我々もその仲間である。
ババ抜き,ジジ抜き,大富豪,ブタのしっぽ,ダウト,インディアンポーカーetc.。知っているトランプのゲームはだいたいやった気がする。ブラックジャックやポーカーでは行動食のカロリーを掛け,果てはトランプを使って麻雀まで始めた。私は麻雀をやったことはなかったが,はまると単位が溶けていくそうだ。Rain
Manでは最終的にRaymondとCharlieがmain manになるというストーリーなのだが,今回はどうだっただろうか。
今日もきちっと天気図をとって,夜食を食べた後,水没しないことを祈りながら就寝。各自,起きた時に水が溜まっていないか確認していた。
□5日目==悪天の中の移動==
・天候 曇時々雨
・オーダー 金丸 木下 遠藤
・コースタイム
5:42 五色ヶ原キャンプ場
5:55 五色ヶ原山荘
6:33 鳶山
7:22-7:33 越中沢乗越
8:24 越中沢岳
9:21-9:30 一本
10:00 スゴノ頭
10:47-11:05 スゴ乗越
11:50 スゴ乗越小屋
雨が弱くなったのを見計らって出発。しかし稜線上は強風(西風)で,上手くかわせる場所を探して休憩しつつ進む。道は川になっており,靴が濡れてしまう。清晶くん,金丸くんはこの頃からずっと靴が濡れていたとのこと。少し太陽が覗くこともあったものの,基本的には曇。展望もガスでダメ。恐らく,7月や8月のよい時期に歩けば,高山植物も咲き乱れ,さぞかし美しい景色であろうに……。スゴ乗越小屋までの行程は厳しいものではないが,特に有名なピークがあるわけでもなく,移動日という感じである。コース上にも登山者は少なく,北アルプスを歩いている感は全くない。
スゴ乗越小屋に着いてもテントは数張で,小屋自体もこじんまりとしていた。ここの水場はカンパ制。何Lいくらということはないのだが,カンパをお願いしたいとのことだった。テン場で濡れたものを乾かしたかったのだが,結局,太陽の元気がなく,陽光は射さず。残念。今日も暇なので,トランプ&天気図。明日も天気は悪そうだ。はぁ。
□6日目==薬師の恐怖==
・天候 雨一時晴
・オーダー 遠藤 金丸 木下
・コースタイム
5:00 スゴ乗越小屋
6:08 間山
6:15-6:25 一本
7:28-7:40 一本
7:50 北薬師岳
8:40-8:50 薬師岳
9:23-10:07 薬師岳山荘
10:28 ケルン
10:54 薬師峠キャンプ場
今日はスタートから雨。樹林帯を抜けると,視界が開けることもなくガス。さらに東風に晒される。特に北薬師~薬師は強風+雨で,私自身こんなのは久しぶりであった。清晶くんや金丸くんは初めてとのことだったので,さぞかし辛かっただろう。こんな強風は昨年の白峰三山や2月の天狗岳レベル。冬山では一発凍傷。北薬師・薬師間の風はかわしようがないので夏合宿などで使うのには勝手が悪いだろう。岩稜帯が続き,雨だと足を滑らせる可能性も高い。
そんな中,颯爽と歩いていく赤ザックの男性(O氏としておく)が1人。ザックカバーは既に飛ばされてしまったらしい。この方には後々お世話になるのである。
薬師に着いても当然のように展望はない。それどころか,祠の陰に隠れて風をかわさないとやってられない。「日本海からの風強し」とエアリアにあるが,確かに西風が猛烈に吹いている。山小屋の方によると,風速17,18m/sぐらいはあったらしい。台風でも来たかようだ。こんな中でも中国人の団体さんが薬師に登ってきた。もっと時期を選べばよいのに……。
私たちは時々耐風姿勢をとりつつ,慎重に進む。さらに,視界が悪いので気をつけないと東南稜に入ってしまう。これでは愛知大学の遭難と同じ運命を辿る可能性があるので注意が必要だ。薬師岳からの下りではしっかりついてくるように言い,顔面に当たる雨の痛みを感じつつ,薬師岳山荘まで歩いた。薬師岳山荘ではやや長めに休憩。メンバーの顔からは疲れが窺われた。ここでもO氏に会った。そのときは軽く会話をしただけであった。
雨も風もある程度弱まったので出発。小屋~テン場は沢下り状態であった。靴さえ濡れなければ楽しいのだが……。沢足袋が欲しかったなぁ。
テン場に着いてからは太陽が出たので,一斉に濡れた荷物を乾かす。シュラフやマットのみならず,ザック自体も外に出してすべて乾かした。ここまで天気がぐずついていると太陽光に敏感になる自分に驚く。テン場は太郎平小屋の管理下で,9月からは管理人さんがいなくなって,夕方に太郎平から毎日来ることになっていた。ここは水場もよし,トイレもよしで,小屋から遠いテン場とは思えない。風は結構強いがお勧めのテン場である。
このテン場には学生パーティーが多くいて,剱に向かうであろうパーティーや沢を楽しむパーティーもいた。沢のパーティーは赤木沢や薬師沢に行く北大のパーティーであった。こんなときに沢というのも難儀だろう。
今日も天気図をとってもらったが,入りがイマイチ。夜からは雨で,風も強かった。浸水を恐れつつ就寝。
□7日目==奇跡の晴れ!==
・天候 雨後晴
・オーダー 木下 金丸 遠藤
・コースタイム
5:18 薬師峠キャンプ場
5:36 太郎平小屋
6:45-6:58 一本
7:27 北ノ俣分岐
7:36 北ノ俣岳分岐
8:23-8:35 一本
8:40 赤木岳
10:05-10:22 一本
10:58 黒部五郎岳の肩
11:07-11:36 黒部五郎岳
11:44-11:55 黒部五郎岳の肩
12:31-12:43 一本
13:34-13:59 黒部五郎小舎
14:51-15:04 一本
15:26 三俣巻道分岐
16:20 三俣蓮華岳キャンプ場
相変わらず登山道は川。もはや滝のない沢に来たようなもので,私の靴も濡れてしまった。♪あの泥だらけのスニーカーじゃ 追い越せないのは
電車でも時間でもなく 僕かもしれないけど……とか歌っている場合ではない。北ノ俣岳からは猛烈な強風で,ザックがなければ吹き飛ばされそうな強風であった。風速は20m/sを超えていたと推測される。さすがににドロップアウトするメンバーが出てくるかと心配していたが,山慣れた面子は強い。夏山であれば,どうにか歩き切ってくれる。
そんな我々を褒め称えるかのように,中俣乗越を過ぎたあたりから雨が弱まり,風も収まってきた。そして,黒部五郎に登っている途中から晴れ始めたのである!!
山小屋の人に言わせるとあれは「奇跡の晴れ」で,あんな大荒れから晴れるなんてことは考えにくいのだそう。薬師,水晶,鷲羽,赤牛など近くの山々ははっきり見えた。生憎,黒部五郎の山頂ではガスのため,あまり展望がなかったが,カールに入るころには太陽がジリジリと照り付けていた。久しぶりの夏山回帰である。この日はコースタイムが一番長い日であったが,メンバーも晴れてからは好調であった。水が流れ続けるカール内を歩き,やっとの思いで黒部五郎小舎に着くと,閑散としていた。8月上旬に来たときとは全く異なる情景で,テントはなし。小舎の前のベンチにも人はおらず,ビールやゼリーを冷やしていた桶を小屋の人が洗っていた。もはや夏は終わったのだ。
黒部五郎小舎からのキツい登りを終えると,剱や笠がよく見える。この山行をやってよかったと思えた瞬間であった。懸案だった巻道の残雪もユルユルで,キックステップで余裕。金丸くんが雪を食べていたが,流石にこの時期の残雪は汚いのでやめよう。
三俣に着いてからは濡れた荷を乾かした。すぐに太陽が引っ込んでしまったのは残念であったが,ドカンと聳える鷲羽のお膝元での3連泊がスタートしたのであった。
三俣山荘はトイレが山荘内にあるため綺麗だが,テン場からはちょっと遠いのが玉に瑕である。小屋までの道は水が流れており,サンダルで行くと確実に濡れてしまう。あと,テン場代が高い……(1000円って涸沢ですか!?)。しかし,それでも必要とされている小屋なのである。設備も充実しており,あまり文句は言えない。
今日は疲れたが,充実した1日であった。そして,明日は休息日。温泉に期待しよう。
金丸くんがボソッと黒部五郎(9656)とその標高2840mの関係について話していたが,実際に計算してみると結構いい線いっているだなぁこれが。2840m→9317.585ft,これが9656の96.495288%なんで,約96.50%(あと0.06%)。中々面白いことを考えるねぇ。
□8日目==幻の秘湯へ==
・天候 曇後雨
・オーダー 金丸 木下 遠藤
・コースタイム
6:00 三俣蓮華岳キャンプ場
6:21 黒部源流碑
7:05-7:13 岩苔(いわごけ)乗越
8:27 水晶池分岐
9:00 高天原峠分岐
9:05-9:44 高天原山荘
10:00-12:37 高天ヶ原温泉(竜晶池へ)
12:53-13:13 高天原山荘
13:17 高天原峠分岐
13:52 水晶池分岐
15:14-15:21 岩苔乗越
16:03 黒部源流碑
16:30 三俣蓮華岳キャンプ場
4:00起床予定がアラームが鳴らず4:30起床。そのため,6:00出発になってしまった。今日はサブザックとはいえ,10時間近いコースタイムの日なのだが……。
岩苔乗越までは例によって道が川になっている。ちなみに,岩苔乗越だが,「のり」ではなく「こけ」だそう。確かに「のり」は「海苔」だし,普通の人が「苔」を見たら「こけ」と答えるだろう。山屋だからこそ,「苔」を「のり」と読んでしまう。すべて川苔山のせいである。
岩苔乗越からは雨風が強くなり,一同閉口。温泉に期待して黙々と歩く。しかし,樹林帯に入ると風雨はよけられ,後はぬかるみとの戦いになった。水晶池もスルーし,とにかく温泉へ。高天原に着くと,景色が変わり,秘境感漂う。
高天原山荘に着くと,お湯を温めているところなので,もう少し待ってほしいとのこと。雨続きだと温泉の温度が下がってしまい,入れないこともあるそうなので注意が必要だ。ちなみに高天原山荘は「ランプの宿」と呼ばれ,基本的に電気は使わないで運営しているというのだから驚きである。三俣山荘ではテレビが見られるぐらい便利になっているのに,あえて昔からのやり方を貫いているようだ。
ここでO氏と再会。持っていたコーヒーミルで挽きたてのコーヒーをご馳走してくださった。小屋のお姉さんにも酒粕で作ったお菓子を頂き,随分優しくしてもらった。こんな雨続きの時に秘境高天原に来る人は少なく,今夜泊まる人は2名だけとのこと。考えてみると,テン場で顔を合わせる人も大体固定している気もするなぁ。
温泉も温まったところで,いよいよからまつの湯へ。先客はおらず,我々とO氏のみであった。温泉は硫黄鉱泉で,白く濁ったお湯である。混浴のからまつの湯,女性用の美人の湯,野湯の3種類ある。前2つには脱衣所があるが,温泉自体が囲われているのは美人の湯だけである。源泉が異なっているらしいが,違いはよくわからなかった。温度は美人の湯が一番高く,長くは浸かっていられない。その他の2つはそこそこの熱さで,ゆったりと体を休めることができる。我々は脱衣所に荷物を置いて,3つの温泉を行き来していた。素っ裸で靴も履かずフラフラしているのだから異様な光景であっただろう。ちなみに,温泉の間には川が流れており,落ちたら寒くて凍えるので気をつけよう。こんな天気の悪いときだからこそ温泉を満喫できたような気がする。
温泉に浸かりながらO氏とお話しをした。細かい話は割愛するが,ロースクールの方で司法試験の結果から逃避するために山籠もり中なのだそう(院試などの試験の結果を見ないために山へ行くってことはよくあることなんですね)。その司法試験も問題漏洩で揺れているんですが……。O氏は立山から入り,槍経由で上高地に抜ける計画とのこと。元々は山スキーの人で,夏山は結構最近始めたとのことだが,ハードな山歩きを楽しむ人のようだ。馬場島~みくりが池温泉~馬場島を1泊2日で歩いたという話を聞いた時には驚いた。
さて,話を温泉に戻すが,この温泉は秘湯中の秘湯で,「日本一遠い温泉」と言ってよかろう。この温泉に行くこと自体に価値がある。効能とか綺麗さとかは二の次なのだ。男性だけでなく,おっさんが素っ裸で歩いている光景を厭わない女性も是非行ってみてはいかがだろうか。我々は久しぶりのお風呂ということでなおのこと気持ちよかったが,雲ノ平や高天原をピンポイントで狙って山歩きをしても楽しいだろう。おすすめルートは雲ノ平ルートか我々の歩いた三俣ルート。大東新道や温泉沢ルートは増水にめっぽう弱いので雨が降った日は通れないこともある。
温泉に入った後は竜晶池散策。薬師がよく見える静かな池だ。もし時間があるようならば,ゆったりしたいところであったが,三俣に帰らなければならないので,バタバタと高天原山荘へ。O氏や小屋の方に別れを告げ,来た道を引き返すことに。帰りは途中から雨とガス……。あまり汗をかかなくて済むからよいが,もう少し晴れてくれてもいいんじゃないの?
「温泉にどれだけゆっくり入れるかは君たちの頑張り次第だよ~~」と言ったせいかはよくわからないが,金丸くんを先頭に行きも帰りも3時間強で歩いた。コースタイムの3分の2である。足が痛い中ご苦労様!
今日も帰りが遅くなってしまったので,さっさと夕食・夜食を食べた後,就寝。今日の山行は冒険チック。♪山へ行こう 次の日曜 昔みたいに
雨が降れば 川底に沈む橋越えて 胸まである 草分けて ぐんぐん進む背中を 追いかけていた
見失わないように……という感じで,晴れたらいいね。うんうん。
□9日目==鷲じゃなくてライチョウ==
・天候 雨後曇
・オーダー 遠藤 金丸 木下
・コースタイム
5:57 三俣蓮華岳キャンプ場
6:17 黒部源流碑
6:59-7:10 岩苔乗越
7:17 ワリモ北分岐
7:42-8:10 水晶小屋
8:35-8:46 水晶岳
9:10-9:46 水晶小屋
10:08 ワリモ北分岐
10:21 ワリモ岳
10:46-10:53 鷲羽岳
11:32 三俣蓮華岳キャンプ場
今日は3:30に起床。アラームがまた鳴らなかったのだが,カベッケヶ原のカッパが悪さでもしているのだろうか。雨風で身動きがとれず,結局出発は6:00近くになってしまった。
出発直後,ガスの中から鷲羽岳が現れた。金丸くんが「これが私たちが見た最後の鷲羽岳でした」的な縁起でもないことを言っていたが,まさかドンピシャになるとは。天気予報では晴れとのことであったが,全く当たらず。DREAMS
COME TRUEとはいかなかったか……。岩苔乗越からはバンバン風に吹かれ,ガスは晴れず。おまけに雨つき。仕方ないので水晶小屋で少し休ませてもらい,天気が落ち着いてから水晶岳へ向かうことに。しかし,結局,天候は回復せず,雨の中の水晶岳ピストンになってしまった。
鷲羽に関しても全く同様で,駆け抜けるかのように三俣まで降りてきて終わりという始末。鷲羽池すら見えないのだから悲しい。なお,ワリモ岳と鷲羽岳の間に危険マークがついているが,鎖があって気をつけて通れば転落することはない。これはあまり気にしなくてもよかろう。
結局,今日,鷲の全貌を見ることはなかったが,その代わり鷲羽からの下山途中でライチョウ2羽と遭遇した。「羽毛が欲しい」と金丸くんがポツリ。確かにあれだけ寒けりゃね。今度は防寒具としてダウンを持ってこよう。
そそくさと三俣に帰ってきて,連泊申請。7日目は1人1000円であったが,8日目は1人500円になったので,連泊だと安くなるシステムと思っていた。しかし,そんなことはなく,8日目は単純に小屋主(伊藤圭さん:『黒部の山賊』の作者伊藤正一さんのご子息。なお雲ノ平山荘には圭さんの弟である二朗さんがいる。顔が似ているので一発でわかるはず。)の勘違いであった模様。2014年度から1000円に変えたそうだが,つい間違えてしまったのだろうか。
さて我々のホームに戻ってきて,早速,夕食・夜食と天気図。どうも食糧が減らないなと思ったら,計画段階で8泊9日+予備日2日にしていたのにも拘わらず,12日分の食糧を用意させてしまったかららしい。これは申し訳なかった。仕方ないので,予備食を残して他の食糧を消費してしまうことにした。それでもペロリと食べられてしまうのが長期山行の不思議である。やはりお腹は減っているんだろう。天気図を書いてもらい,それを見たところ,北海道の一部を除き,日本はほとんど晴か曇。もはや悲しくなった。なぜここだけ雨が降っているんだ!!
これではやってられんということで,三俣山荘で行動食をつまみにパーッとやることに。三俣山荘にはO氏がおり,一緒に呑むことになった。水(善哉)と炭酸水(ゑびすさんが描いてあるやつ)を堪能し,ここでは奢ってもらうことになった。本当にO氏には頭が上がらない。O氏とは今までの行程の苦労話や明大前や笹塚あたりの話で盛り上がった(もしかしたらニアミスしていたかもしれない)。O氏は吹雪属性だそうで,今回の風はO氏の影響があったのか。O氏は明日上高地に下りるとのことだった。上高地で野宿をするそうだ。ものすごいバイタリティーだと舌を巻く。明日のガソリンを補給し,♪明日
明日私はだいじょうぶだよ 不思議だね 気分爽快だよ~。
21:00頃に解散し外へ出ると,夜空には満点の星が。この山行で初めてこんなに美しい夜空を見た気がする。EWFのSeptemberではないが,♪remember
how the stars stole the night
awayだなぁと。(私には)まだまだ9月21日は訪れない。そういえば,その翌日は……。12月にはどうなっているんでしょうか。
□10日目==今までを振り返りながら==
・天候 晴
・オーダー 木下 金丸 遠藤
・コースタイム
5:18 三俣蓮華岳キャンプ場
5:52 巻道分岐
6:05-6:26 三俣蓮華岳
7:03 中道分岐
7:23-7:42 双六岳
8:19-8:34 双六小屋
9:27-9:39 弓折乗越
10:08 鏡平山荘
10:42-10:55 シシウドヶ原
11:13 イタドリヶ原
11:24 チボ岩
11:34-11:45 秩父沢
12:18 林道へ
12:34-12:45 わさび平小屋
12:54 笠新道分岐
13:40 新穂高ロープウェイ
今朝は無事に3:00に起きられた。テントの外に顔を出してみると,おぉ,星が見える。鷲羽も見え,今日は晴れるだろうと確信。久しぶりに良い天気の中,出発ができそうだ。ただ,こんな天気の時はえてして寒い。後日,穂高岳山荘のtwitterを覗いてみると翌日の9月6日に初雪が舞ったというのだから驚きである。やはり北アルプスは冬の準備をしているといってよかろう。
三俣蓮華岳に行ってみると,山頂にはほとんど人がいない。8月の頭には腐るほどいたのにねぇ。この山は展望ありきの山である。我々が歩いてきた山々が今日ははっきり見える。剱・立山に始まり,薬師,黒部五郎,水晶,鷲羽。後立は白馬や唐松。東には大天井,南には槍穂や笠,乗鞍,御嶽。白山もよく見える。ため息が出るような眺めだ。そういえば,いつだったかのテント内でエアリアで三俣蓮華岳が「200名山」と表記されているもの(2015年度版の「槍ヶ岳・穂高岳」)と「300名山」と表記されているもの(2014年度版の「槍ヶ岳・穂高岳」や「剱・立山」)があり,「昇格したのか!?」と話題になったが,そんなはずもなく,やはり300名山であった。しかし,この絶景を眺めると200名山でもよい気がするのは私だけだろうか。
天気が良いので双六岳にも立ち寄って,槍穂の稜線の険しさに唸りながら双六小屋へ。ここも随分と人が少なくなった。と思っていたら,おばさんたちの団体が湧いてくる。ついでに虫も多い。どちらも天気次第ということか。しかし,今回は日焼け止めをほとんど使わない山行であった。確か私は1回しか使っていない気がする。雨ばかりだとこうなるのだ。10日分を今日1日で焼こうということで,日焼け止めは結局塗らず。そしたらやはり焼けた。途中で交わす会話は,「良いお天気ですね。」に対して,我々は「えぇ,今日は本当にお天気で良かったです。」。もはやギャグでしかない。
ここで新穂高13:47発のバスを目標とすることを決める。コースタイム通りにいけばギリギリセーフ。これを逃すと温泉に入れないか,東京に帰れない可能性が出てくるから真剣である。清晶くんも気持ち急いでくれたようで,どうにか休憩を含めてコースタイムとトントンで歩く。しかし,この小池新道は道自体が悪いわけではないが,なめちゃいけない。山道でクタクタになっていると,林道でやられる。案の定,林道に出てから清晶くんはやや遅れ気味。金丸くんも木の棒を杖にして頑張っている。こっちはどうにか間に合うだろうという裏銀座での経験を踏まえて,割とすっ飛ばす。少しでも早く着いて切符を買わねば!
こんなことをしているとだんだん間が離れていくのである。前にも見た光景なような。やはり私はこの道が嫌いだ。裏銀座でもう二度と歩きたくないと思ったが,翌月にはまた歩いている。便利ではあるが,膝や足裏への負担が重い。金丸くんがわさび平で,靴下に棒っきれをさして,「脚が棒のようだ」というtweetをしていたのは半分冗談だろうが,半分本気ではないか。「昨日の内に双六小屋まで移動しておけばよかったじゃないか」と言われればそうなのだが,あのガスの中をえっちらおっちら歩く気にはなれなかったのだ。その積み残しが今日に来た。
結局,皆の努力の甲斐あって,どうにかバスに間に合った。本当に滑り込み。これでどうにか裏銀座の轍を踏まずに済む。考えてみると,裏銀座では名古屋でネカフェ,飯豊は新潟組はホテルがとれたが米沢組はネカフェらしいから,前夜泊ならぬ後夜泊でも作った方がよいのかもしれない。
平湯温泉へ向かうバスの中では皆どんより。このバスでスマホを落とすと嫌でも高山送りになるのだが,今回はセーフ。これも裏銀座の反省である。
平湯温泉に着き,ササッと準備をして温泉へ。汚い話だが,10日近くも体を洗っていないと石鹸の泡も立たない。それでもどうにか体を綺麗にしてから湯船に浸かる。ふはー。外に見えるは笠ヶ岳。今回はこの姿で満足するとしよう。ところで,この平湯温泉の体重計。これは曲者だ。前回もおかしいと思ったのだが,体重が軽く表示される。いくらなんでも私が51kgなわけないだろう。軽すぎる。体重計なりのリップサービスかもしれないが,是非正しい値を出してほしい。
平湯温泉でゆったりした後に,松本へ。私もウトウトしていたが,金丸くんは隣の人に頭突き気味。清晶くんは起きていたようだが,眠くないのかな。途中からは乗鞍からの帰りに通った道である。いやぁ,懐かしい。あのときに運転してくれた久光さんは今頃南京で何をしているんだろう。
松本駅に到着し,電車に乗るまでの1時間。今回も駅ビルに入って夕食である。定食屋に入り,肉料理を堪能した。私はついでに水(大雪渓)に舌鼓をうっていたのだが。久しぶりにまともなものを食ったなぁという印象。その後は半分の時間で帰れるはずの道のりを青春18きっぷがために5時間かけて帰ったのである。私が家に着いたのは確か9月6日になっていた。色々な意味で長ーい長ーい山行であった。
■総括
長い期間にわたって山を歩く企画。辛いことも多かったが,その分,晴れたときの喜びは強く印象に残った。苦楽を共にする。この言葉がよく似合う山行であった。
■反省・備考
□一般的なこと
・靴って大事。
今は所謂登山靴だけではなく,トレランシューズみたいな運動靴により近いモデルもある。自分が取り組むコースの状況や山のレベルに合わせて靴を選ぶ必要がある。
私が今使っているのは4シーズンブーツで,セミワンタッチがつけられるソールの硬いモデルである。荷物が重い場合や岩稜帯を歩く場合はこの方が望ましいと言われている。一方,ソールが柔らかい靴は歩きやすいのだが,岩稜帯向きではない。
また,ハイカットかローカットかの違いも大きい。初心者であればあるほど足首をしっかり保護してくれるハイカットの靴を使用した方が,捻挫の可能性を低くできる。
そして,防水性能。今回の山行ではこれが一番大きな差となったようだ。私はヌバックの靴を使用しているが,手入れを怠らなければかなりの防水を期待できる(それでも黒部五郎の日はダメだったが)。
このように,登山用品店に行って,ごまんとある靴の中から選び出すというのは大変な作業なのだ。
・防寒具や着替えも忘れずに。
防寒具は軽くて小さいダウンがよいかなと思う。このような長めの山行では当然着替えも必要。防寒具がなくても低体温症,濡れて着替えられなくても低体温症の可能性ありだ。
・朝は急いで。
今回は雨が降っていたこともあって,3・5が必ずしも上手くいかなかったが,普段の合宿であれば3時起き,5時出発は当たり前のはず。朝は眠いかもしれないがサクサク行動しよう。
・天気図と天気予報のダブルチェックを!
天気図だけを見ていても次の日の山の天気を予測するのは難しい。あわせて天気予報や雨雲レーダーなどを見ておくと,より正確な情報を掴めるだろう。ただ,それでもダメなときはダメ。特に山の天気予報はコロコロ変わるので,あまり振り回され過ぎないように。
・計画書のチェックをしよう。
これは自戒の念を込めて。今回は台風によりいきなり計画の延期を余儀なくされ,計画書を変更せざるを得なくなったが,そのせいで計画書にいくつかのミスがあった。致命的なものはなかったと思うが,入念に確認すべきであった。また,メンバーも各自で計画書を眺めてみて,変だなと思ったらCLに一声かけてほしい。
□長期山行特有のこと
・怪我や痛みはつきもの。
長く山歩きをしていれば大小の怪我や痛みが生じるのは当たり前。短期の合宿であれば我慢しきれるかもしれないが,このように長期になると我慢にも限界があるはず。早めに対策をしよう。折角救急箱をもっているのだから,使うべきである。
・行動するか停滞するか。
例えば雨の日に予定通り行動するか,停滞するかは結構悩ましい。短期の山行であれば,事前に中止してしまうか安全にエスケープしてしまえばよいが長期だとそうもいかない。明日は雨だから延期しようとかエスケープしようとはなかなかならないはずだ。しかし,雨だからといって停滞ばかりしていると長期山行は成り立たない(今回のように秋雨前線に遊ばれた場合はなおのこと)。雨が強くなければ行動するということも選択肢に含めねばならない。
その際にメンバーがどの程度山慣れており,雨の中を行動してきたかというのは極めて重要な考慮要素である。残念ながら今回は風雨の中をかなり歩くはめになってしまったが,これが違うメンバーであれば成り立たなかった(エスケープ,遭難etc.)ように思う。
□アンケート
①今回の山行でよかった(楽しかった)こと(とき)は?
木下・金丸:晴れた日(剱・黒部五郎・三俣の日),高天ヶ原温泉
確かに晴れないとやってられないのはわかる。温泉も楽しんでもらえて幸い。
②今回の山行で辛かった(大変だった)こと(とき)は?
木下:薬師・北ノ俣の強風+雨
金丸:風雨と寒さ,3日目のラスト,行き帰りの電車
やはり天気の影響は大きい。3日目も晴れていたらもっと印象が変わったかも。電車は仕方ない。我慢我慢。
③今回行って良かった山,もう一度行ってみたい山は?
木下:(リベンジとして)水晶・鷲羽,笠
金丸:(リベンジとして)薬師・水晶・鷲羽
私も晴れた薬師に行ってみたいところ。水晶・鷲羽も(晴れていれば)山容も展望も楽しめるはず。是非,天候の良いときに。笠は西穂とか焼岳とかとまとめて行くのもあり? ちょっと雑に扱いすぎだろうか。
④もう一度長期山行をやるとしたら参加したいか? どのような山域orプランならよいか?
木下:もっと天候の安定した時期なら考える。南アや裏銀座周辺。
金丸:南ア,後立山,奥秩父主脈,(山に拘らず)県境歩き
南ア全山は大変だったけどよい思い出になっている。後立は技術度が高いなぁという印象。夏に奥秩父はやめよう。県境歩きは面白いアイディア。
⑤感想を一言!
木下:大変だった……。雨風,荷物の重さ,膝の痛み。
金丸:終わりよければすべて良し。
感想が顔に滲み出ていましたよー。
■コメント
本当にお疲れ様でした。南ア全山の後,次はどこにしようかとずっと温めていた企画で,今年の1月か2月あたりにはほとんどコースは決まっていました。南ア全山より体力面では楽にしようと思ったのですが,天候が芳しくなく,結果的にかなりハードな計画になってしまったように思います。それでも無事に歩き切ったことについては自信を持ってよいでしょう。来年も何らかの形で長く歩く企画が立つといいですね。
最後に山の歌を紹介しておきます。「ワンゲル・ポルカ」という曲です。
♪憂鬱な時もつらい時も みんなの顔見りゃ愉快になる 我らワンダラー 我らワンダラー 楽しい仲間 本当にすばらしい山の友達