2015/9/27 逆川
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
川苔谷逆川遡行計画書 ver.1.0 作成者 川名
■日程 2015/09/27(日)
■山域 奥多摩 日原川水系 川苔谷逆川
■在京本部設置要請日時 09/27 21:00
■捜索要請日時 09/28 11:00
■メンバー 2人
CL川名 SL遠藤
■交通
行き 新宿駅06:46ー08:21奥多摩駅08:35ー奥21ー08:48川乗橋バス停 集合は奥多摩駅で
遅れた場合 奥多摩駅09:35発のバス
帰り 川乗橋バス停11:47/13:42/15:02/16:29/17:34/19:09ー0:15ー奥多摩駅
■行程(遡行6:05、登山道1:40、計7:45)
川乗橋バス停ー0:30ー逆川下降点ー2:25ー木橋ー1:20ーウスバ林道ー0:20ー二俣ー1:00ー左俣大滝上ー0:30ーウスバ林道ー1:40ー鳩ノ巣駅
*ウスバ林道より先は時間と気力があったら。25m大滝は簡単そうだったら登るが無理そうなら見学して下降。
*入渓は迷いやすいらしい。ヤマレコによると大岩がある所を降りるのは間違い。
左に曲がる上り坂、杉林の所を降りるのが正しいようだ。分かりやすいトレースがあるらしい。
■エスケープルート
ゴーロまで:引き返して川乗橋へ。
ゴーロからトイ状3段10mまで:山道で川乗橋へ。
トイ状3段10mから:ウスバ林道で大ダワ経由鳩ノ巣駅へ。
■地図
2.5万分の1 「武蔵日原」「奥多摩湖」「武蔵御岳」
エアリア 「奥多摩」
■遭対費 100円
■備考
日の入: 東京09/27 17:32
日の出: 東京09/28 05:32
青梅警察署: 0428-22-0110
雷鳥の過去の記録
2011
2013
逆川遡行記録 文責:川名
■日程・天候 2015年9月27日(日) 雨のち曇
■山域 奥多摩 日原川水系 川苔谷逆川
■メンバー・オーダー CL川名 - SL遠藤
■行程
8:46川乗橋バス停ー9:08下降点9:38ー9:45川苔谷ー9:49逆川出合ー9:56 3m+7m滝10:22ー11:09 4m滝ー11:35大岩11:46ー11:51大ダワ沢出合ー12:13トイ状3段10mー12:31 10m滝12:54ー13:13 8m滝13:33ー13:38二俣ー13:45 25m滝14:25ー14:56ワサビ田跡のある枝沢出合ー15:06ウスバ林道15:30ー15:43大ダワー16:39鳩ノ巣駅
まずは奥多摩駅で集合。駅と同じくらいの標高の所にガスがかかっていて、今後の天気が不安になる。川乗橋バス停を降りた後は川苔谷への下降点へ。おそらく2013年の記録と同じ、慰霊碑の先の車が1台ほど止められそうな所に行き、入渓準備。ここから明確な踏み跡を降りて行くと分岐があり、「ルート120」の遡行図にしたがって右に進むと、逆川出合の下流側に出ることが出来た。この入渓方法は道も良かったので、おそらくこれが正解だと思う。
しばらく上流に進み、逆川に入る。ここしばらく雨が降っていたためか水量が多く、腿ぐらいまでは浸かって取り付く小滝もいくつかある。3m+7m滝は、7m滝でメインロープを出し、右壁を登る。途中の残置支点は見つけられなかった。ビレイにも良い支点が見つけられず、左岸の木を使った。ただ、ここは落石がビレイヤーに向かって落ちるところで非常に危険。別の所に取るべきだった。この先はしばらくゴーロ歩きだが、時々小滝や淵などがあって楽しめる。倒木が多いのが少し気になる。大ダワ沢出合くらいまでの下流部にはそこそこ魚影も。ゴルジュ出口の4m滝はフリーで突破。左壁に取り付くと残置スリングがあり、体を起こしやすく登りやすい。その先の木橋は見当たらなかったが、山道らしきものはあった。どうやら山道沿いは木に白いペンキが塗られていて、目印になっているようだ。大岩が出てきたところで1回目の休憩。
大岩で左岸から出合う枝沢と大ダワ沢を越えると大分水量が減る。7*10m滝はどこでも容易に越えられるので、フリーで登った。トイ状3段10mでは上部の2段でお助けひもで遠藤を確保。最後の突っ張りで登るトイ状では遠藤がスリップしたので、やはり初心者には突っ張りでの登攀は難しいのかもしれない。ウスバ林道下での10m滝はセオリー通り右壁を登る。途中にスリングの通っている残置ハーケンが1個あり、これにヌンチャクをつけて中間支点にする。その他の支点は見つからなかった。終了点はいい場所に木があったのでこれで確保。
時間に余裕があったので左俣を遡行することにした。しばらく進むと水量のある右岸から合流する枝沢があり、おそらく下降に使う枝沢だと推測する。ただし、一見する限りではワサビ田跡は見つけられなかった。この先の8m滝は遡行図には注記がないが、今回はロープを出して右壁を登った。中間支点は見つからず。簡単ではあるが初心者連れで登るのであればロープを出すべき。時間を短縮したいなら左岸を巻くことになるだろう。登攀の後に休憩を挟んで出発。
明確な二俣を左に入るとすぐに大滝が見える。25m大滝の直前にも7m程度の滝があるが容易に越えられる。25m大滝は実際には20m程度のような気もするが、逆川で一番の落差ということもあり、中々迫力がある。右壁の途中にテラスがあり、今回持ってきたロープは30mなので、ここでピッチを切って右壁を登ることにする。実際に登るとホールドが豊富なので登りやすいが、10m滝よりは難しい気がする(とはいってもIII程度)。テラスには2つ残置ハーケンがあり、これらで流動/固定分散を作ろうとするが、2つの支点が水平に離れているので、支点を作りにくい。240cmスリングを使っても90°程度の角度になり荷重が分散できない。しかたがないので、ロープの残りの長さを確認しながら上部まで抜けることにする。上部は傾斜もゆるくなり下部よりも容易。滝上左岸の灌木で支点を取ることが出来たが、残ったロープは1,2mの長さだったのでギリギリ。フォローの遠藤も危なげなく登ってきた。中々達成感のある面白い登攀だった。
大滝の登攀を終えた後はすぐに右岸の尾根に登る。遡行図の「かすかな踏跡」は見つからなかったが、尾根を乗り越した後すぐの枯れ沢を降りていくと、途中で水が出てきて先に確認した枝沢から逆川に復帰することができた。改めて見てみると、確かにこの枝沢出合の左岸にはワサビ田跡があり、右岸の枝沢上流側にもワサビ田跡があった。この枝沢には滝もなく、25m大滝上から枝沢出合まで30分で出られたので、懸垂下降を交えながら来た道を遡行するよりは速く戻れるのだろう。ただ、途中ザレた斜面のトラバースや下降を交えるので、初心者連れだとやや怖い道ではある。
逆川を下降し、ウスバ林道まで戻って沢装備を解除。ウスバ林道はヤブがうるさい場所があるものの道は悪く無いので、すんなり大ダワに出る。その先は傾斜がゆるく快適な道が続き、トレランも交えながら鳩ノ巣駅へ下山。
■総評
・これまで奥多摩の沢では鷹ノ巣谷、シダクラ沢に行ったが、今回の逆川は初めて満足できる沢だった。落差があっても簡単に登れる滝が多いのが良い。水無川本谷よりも登攀は簡単だった気がする。また、泳ぎ沢というほどではないが、深い釜が多いので暑い時期の方がより楽しめると思う。
・時間に余裕があれば、左俣の25m滝まで遡行するのがお薦め。8m滝、25m大滝のどちらも登って面白い滝。ただ、25m大滝を登るのであれば、30mロープでもできないことはないが40mロープを持って行ったほうが登りやすい。
・残置支点を見つける目を養いたい。簡単だったので支点を取らずに上部まで抜けてしまうことが多かったが、難しい滝の登攀となればそうも行かないだろう。
・今回、遡行していてハーケンとハンマーの必要性を感じた。これらがあれば、終了点や中間支点を作るのもやりやすいし、残置ハーケンの効きも確かめることが出来る。予算に余裕があればですが、現役生の皆さんに共装としての購入を相談したいところです。
・今回釜にドボンしたり泳いだりはしなかったせいか、そこまで寒いとは感じなかった。ただ、遠藤にとっては寒かったらしい。高価なfinetrackのウェアを着ていたのに・・・。