2015/11/23 大山川

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
大山川遡行計画書 Ver. 1.1
作成者:丸山
■日程 11/29(日)(荒天の場合翌週に延期)
■山域 東丹沢
■在京本部設置要請日時 2015/11/29 20:00
■捜索要請日時 2015/11/30 10:00
■メンバー(計2名)
CL丸山 SL遠藤
■集合
伊勢原駅北口4番バス乗り場に7:00
■交通
*丹沢・大山フリーパスBキップ利用(新宿駅からの場合1530円)
□往路
神奈中バス・大山ケーブル行
 伊勢原駅北口(7:05)→大山ケーブル(7:30)
□復路
神奈中バス・秦野駅行
 ヤビツ峠(14:51/15:51/16:16/17:41)→(46分)→秦野駅
※エスケープの場合
大山ケーブル(14時台から18時台まで毎時2,12,42分)→伊勢原駅
■行程
大山ケーブル-15-追分-30-下社-10-二重滝-110-左俣出合-110-登山道-10?-大山山頂
-60?(諸戸尾根経由)-諸戸山林事務所-15-門戸口-30-ヤビツ峠(計6:30?)
http://yahoo.jp/Q0K_7u
※時間と気持ちに余裕があれば、カンスコロバシ沢を下降する。その場合のコースタ
イムは下記。
大山北尾根-90(遡行の場合)-二俣-90(遡行の場合)-諸戸山林事務所
■エスケープルート
二重滝まで:引き返す
大山山頂まで:引き返すか、表参道に詰める
諸戸尾根入口まで:表参道かイタツミ尾根を下る
諸戸尾根から:そのまま進む
カンスコロバシ沢の場合:そのまま進むか、諸戸尾根に詰める
■地図・遡行図
2万5千分1地形図「大山」
山と高原地図「丹沢」
大山川:「東京起点沢登りルート120」p.78-79、「丹沢の谷110ルート」p.62-63
http://homepage3.nifty.com/yamaasobi/mizu/ohyama/ohyama.htm
カンスコロバシ沢:「丹沢の谷110ルート」p.80-81
http://homepage2.nifty.com/matsumobi/urayama/database/routemap/routemap.htm
■遭難対策費
100円×2人
計200円
■備考
日の入(伊勢原11/29)16:32
神奈川中央交通秦野営業所 0463-81-1803
伊勢原警察署 0463-94-0110
秦野警察署 0463-83-0110
2014年記録

大山川遡行・カンスコロバシ沢下降
記録作成者:丸山
■日程 2015/11/29(日)
■山域 東丹沢
■天候 晴れ
■メンバー、オーダー(計2人、敬称略)
CL丸山(35)、SL遠藤(35)
■総評
大山川:2級下 カンスコロバシ沢:1級下
大山川は殆ど水のない谷で、確かにこの時期に遡行するには良い。小難しくて面白い棚が3つ、簡単な滝・棚が7つくらいある他は、ガレとゴーロが続いていて、特に癒されたり、美しく感じたりするところは無かった。棚には残置が多く、遡行情報も豊富で、難しい棚には巻道もある。
カンスコロバシ沢はザレとガレと堰堤ばかりの中に、僅かなナメや小滝がある沢で、遡行価値は殆ど無い。今回のように沢下降の練習として使うのはそれほど悪くないが、あまり美しくも楽しくもない。

■写真
https://goo.gl/H0mhn8
にアップロードした。

■行程
以下の文章中で、「昨年」とは2014年11月9日の土松隊による遡行のことである。(リンク)
棚の仮称と登攀グレードは下記の記録に拠った。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-610342.html
ロープを出した全ての滝・棚で丸山がリード、遠藤がビレイをした。容易で印象に残らなかった棚については省略した。

7:30 大山ケーブルバス停発
まだケーブルカーが動いていない時間だからか、バスはそれほど混んでいなかった。共装の受け渡しを行ってすぐに出発。

7:38 追分
男坂は階段が続き、せっせと登ったら暑くなった。

8:02 下社
やっと平坦路になり楽。

8:07-8:41 二重滝
入渓準備をして早速ロープを出し、二重滝下段左壁を登る。�級+とされるが、見た目通り容易。慣れた人だけなら、ロープは出さなくても不安を感じることは無い。残置ハーケンは下段で1つだけ確認。ロープは下段登攀時のみ用い、上段はフリーで直登した(容易)。その後は噂通りすぐに水涸れ。

8:54-9:00 太い流木の立てかかった5m棚
�級A0とされるが、右から登って左手を伸ばすとガバホールドに手がかかり、A0無しでも登れた。適度に難しく面白い。後続の遠藤には念のためお助け紐を出してA0無しで登るよう促してみたが、思いっきり残置スリングをつかんで登っていた。この先暫く、�級以下の容易な棚やゴーロが続く。

9:12 二俣
左俣と思しき支谷があったので、一応コンパスを切ったり、GPSを確認したりして右俣へ。すると、ガイド本に書いてある通りに水流があった(ほんの少しだけ)。

9:22-9:45 樋状10m棚
�級-A0とされる、この谷で最難の棚。ロープを出してやや左から中央へと登る。なかなか難しく、1箇所だけハーケンをつかんで登った。ここを昨年A0無しでリードしたという川名さんは流石だと感じる。残置ハーケンは豊富(4つ)だったが、ヌンチャクを十分量ギアラックにかけずに登り始めてしまったため、一つのハーケンで、元からついている細いスリングにカラビナをかけるというあまり良くない支点になってしまった。また、支点工作時に大きな落石が発生したが、遠藤の許に落下する前に知らせることができたため、問題なく避けられたようだった。後続の遠藤も、難しいと言いながらもしっかり登った。この先も暫くは�級以下の容易な棚やゴーロが続く。

10:20-10:45 CSチムニー状10m棚
�級+とされるこの谷で2番目に難しい棚。ややハング気味だが、ホールドは豊富。難しいのはハングしている部分を越える1箇所のみで、しっかりつかめるホールドを見つけて腕力で上がる。使えそうな支点は残置ハーケン1つで、もう1つあった残置ハーケンは錆びてグニャグニャだった。遠藤は、苦戦して途中休憩をはさんだり落石を沢山おこしながらも、何とか登ってきた。なお、残置ロープのある巻道が右にあった。
この先は多くのガイドでは右の谷に入るとしているが、直接大山山頂を目指して左の谷を登ってみた。登りやすくはないがとりたてて難所も無く、鹿柵をくぐると大山山頂の広場に出た。

11:21-30 大山山頂広場
人が非常に多く騒がしくて落ち着かないが、眺望はよい。富士山や伊豆大島など、結構遠くまで見えた。時間・気力とも十分残っていたのでカンスコロバシ沢を下降してみることにして、北尾根に入ると、途端に静かな山。

11:35-48 休憩
カンスコロバシ沢を下降し始める前に尾根上で昼食休憩をとった。尾根上からは、崩壊地となっているカンスコロバシ沢の源頭が見えた。

13:03 最上流の堰堤
カンスコロバシ沢最上流部(涸れ沢)は非常に脆い谷で、ザレとガレと落ち葉に埋まっていてかなり歩きにくい。飽きた頃、最上流の堰堤があった。
その後は脆い岩やガレが少し減って多少マシな渓相になったので、この辺から沢下降を始めた方が良かったかもしれない。ということで、小棚のクライムダウンや堰堤の巻きを交えてひたすら下る。径路や治山工事、炭焼き窯の痕跡などが多く見られ、かつてはかなり人の手が入っていたところのようである
。

13:50 二俣
流域面積は狭いのに、水量は本流である右俣より多い左俣を合わせると、急に水量は増加し、沢らしくなった。
多少の小滝やナメも現れ、少しだけ癒されるが、相変わらず堰堤は多い。

14:19 径路に合流
諸戸尾根の径路に合流し、沢下降は終了。

14:29 諸戸山林事務所
沢装備を解除して暫く舗装道路を歩く。バスが1時間に1本しかないので、急げば次のバスに間に合うかと思い途中まで急いでみたが、結局諦めて止めた。

14:38 門戸口
ここからは一般登山路だが意外と荒れているので、まあまあ面白い。ピンクテープに従って歩く。

15:00 ヤビツ峠バス停
バスは50分待ちなので残った行動食を食べるなどしてのんびりする。

■見つけたもの
・ツキノワグマの糞:大きい。丹沢では30頭くらいしかいないと言われる貴重な存在。
・炭焼き窯の跡

■感想・備考など
・男坂を登るのは結構大変で飽きる。多少濡れてもいいなら大山川中流を遡行する方が楽しめるであろう。
・入渓準備をしていると、同じ谷を登ると思われる5人程度のパーティがやってきた。やはりこの時期は人気のある谷らしい。
・大山川は小難しい滝がいくつかあり、人も多く入っている谷なので、滝登攀力を試すには丁度いいのではないか。
・水のない棚は、ただの岩。見ても嬉しくない。そのため、楽しめるところは�級以上の3つの棚のみ。普通の沢なら�級の滝でも見て楽しめるのに。
・水の音のしない谷は本当に静か。笛は必要ない。
・ヤマビルは見かけなかった。流石にシーズンオフか。
・全体としてコースタイムより短い時間で遡行することができた。見所が少なかったという理由もあるが、着実に遡行能力は上がっていると思う。
・水が殆ど無い谷なので、防水は全く不要。靴下さえ濡らさずに遡行できる。
・クライミングシューズを一応持って行ってみたが、使わなかった。使わなくても棚は登攀可能。
・水のない谷では脆い岩も流されずに留まっているため、落石やホールドの崩壊が起こりやすく、特に注意する必要がある。
・カンスコロバシ沢の堰堤は全て石積みで、20基くらいあった。よくもまあこんなにつくった物である。

■反省とコメント
・十分にガチャをギアラックにかけてから登攀を始めるべきだった(樋状10m)。

■GPSログ
http://yahoo.jp/pL5l-S