2016/2/9 安達太良山

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
 
安達太良山山行計画書 ver.1.0
作成者:久光
 
■日程
2015/2/9(前夜発日帰り予備日なし)
 
■山域 磐梯・吾妻・安達太良
 
■在京本部設置要請日時 2016/2/9 18:00
 
■捜索要請日時 2016/2/10 8:00
■メンバー(計3人)
CL久光 SL川名 遠藤
 
■集合
2/8 22:30 原宿駅表参道口
 
■交通
□行き
23:00 原宿駅-(トラベルロード あだたら高原スキー場行)-5:20 あだたら高原スキー場
 
□帰り
17:20 あだたら高原スキー場-(トラベルロード 新宿駅行)-21:50新宿
バス往復+スキー場+温泉で8900円
※料金は久光が支払済。現地で精算をお願いします。
 
■行程
あだたら高原スキー場~(1:30)~勢至平分岐~(0:50)~峰の辻~(0:25)~安達太良山~(0:30)~表登山口分岐~(0:30)~ゴンドラリフト山頂駅~(1:00)~あだたら高原スキー場(計4:45)
※夏道コースタイム(エアリアによる)
 
■エスケープルート
山頂まで:引き返す
山頂から:そのまま進む
※勢至平から山頂まで-くろがね小屋に避難可能
※ゴンドラは冬季運休中
 
■地図
二万五千分の一地形図:「安達太良山」
エアリア:「磐梯・吾妻・安達太良」
 
■備考
□日没
2/9 あだたら高原スキー場
日の出 6:30
日没 17:15
□警察
・二本松警察署 0243-23-1212
□温泉
岳温泉の指定温泉施設。バスツアー料金に含まれています。
□荒天の場合
前日正午までに判断の上中止。その場合あだたら高原スキー場でスキーに切り替え

安達太良山雪山山行記録

■作成: 久光

■日程: 2016/2/9(前夜泊日帰り)

■山域: 安達太良

■天候: 晴後雪

■メンバー: CL久光 SL川名 遠藤

■オーダー:
スキー場-牛の背ほか 久光—遠藤—川名
それ以外 川名—遠藤—久光

■行程
6:34 あだたら高原スキー場発
6:53 登山道入り口
7:30-7:35 一本
8:00-8:10 勢至平分岐
8:40-9:03 一本
9:48-10:23 峰の辻
11:34-11:45 安達太良山頂
12:18-12:40 一本
12:54 表登山口分岐
13:20 薬師岳
13:40 スキー場上部
14:05 あだたら高原スキー場着

■記録
スキーバス利用で5時過ぎにスキー場着。準備を済ませ、明るくなった6時半過ぎに出発。天候は晴れ。登山道上には前日までのものと思われるトレースがついている。勢至平までは登山道(旧道)をたどるが、林道(馬車道)と繰り返し交差する。赤布の誘導も多く、ルートは明瞭。
勢至平分岐の標柱は埋まっていて見あたらなかった。赤布による誘導は両ルートについている。地形図とGPSにより正しい分岐であることを確認し、短絡ルートを進む。トレースはうっすら。植生が疎らになり標識も少なくなるが、視界は良いため、左手に篭山を見つつ進む。ツボ足だと沈むようになってきたので、途中ワカンを装着する。この頃より稜線の西側から流れてきた雲が空を覆い始める。
峰の辻でくろがね小屋方面からのトレースと合流する。ヤマレコで、1月末に安達太良山山頂直下で雪崩に遭遇したという事前情報は得ていたが、峰の辻より見下ろす谷には、なるほどデブリが観察される。メンバー間で協議の結果、雪崩のリスクが懸念されることから、在京に連絡の上、稜線伝いで雪崩リスクの低い牛の背経由にルートを変更する。ここでアイゼンに履きかえる。谷経由のルートには指導標が並びトレースもあるが、牛の背ルート方面にはトレースなし。
矢筈森山頂からの谷を渡る部分では、雪崩リスクを勘案し一人ずつ距離をとって渡る。稜線上は風が強い。(遠藤君曰く、前回の硫黄よりはマシだそうだ。)途中の小ピークは西側を巻く。岩場ではあるが、シビアな箇所はそれほどない。植生をしばしば踏みぬきながら登ると、山頂の祠が忽然と現れる。山頂の標識は10mほど下ったところにあった。
雪が降り出し視界が悪くなったので、コンパスナビゲーションを活用しつつ尾根通しで五葉松平方面に向かう。少し下がったところですぐに数キロの視程が確保できたこともあり、特に困難はなかった。踏みぬきが多く動きにくいので、再びワカンに履きかえる。まもなくして夏道に合流する。ここからは快適な下りで、およそ1時間でスキー場の上端に到着。ゲレンデ横を駆け下り、2時過ぎにはレストハウスに下山した。

■反省・備考
□行動の遅さ。全体的にコースタイムを大幅に上回る行動時間となってしまった。主な原因としてはアイゼン・ワカンの着脱の遅さと、体力の不足が挙げられる。装備の着脱については、不必要に多く行ったともいえるが、1回の着脱に20分かかるようでは遅すぎる。体力についても、無理のないペースでより速いスピードを維持できることを目指すべきだろう。いずれも久光が特に足を引っ張っていた感があるのは個人的に反省したい。事前の練習や、ボッカ訓練等を行っていくべき。
□矢筈森直下の谷を渡る部分で、渡り終えたメンバーが、仮に発生した場合の雪崩の消失点が見えないところに立っていたこと。自己の安全を確保するのは当然としても、その中では極力想定される雪崩の流路を見渡せるところに立つべきである。さもなくば、仮に遭遇した場合に要救助者を見失い、救出が大幅に遅れる可能性がある。
□そもそも、雪崩の発生情報も得ている以上、牛の背ルートを計画段階で事前に想定し、計画書に盛り込むべきだった。電波が通じたのは不幸中の幸いだったが、計画書の欠陥により余計なリスクを背負い込む可能性や、事故時の対応に混乱を招く可能性があった。
□山頂付近で川名の携帯する2万5千分の1地図が飛ばされた。風雪の中裸の地図を広げるのは紛失リスクが高いし、地図の紛失は、場合によってはシビアな状況を招きかねない。マップケースを肩にかけるワンゲル方式の採用等も各自検討するべきだろう。
□休憩場所の選び方。装備の着脱等において、吹きさらしの場所で比較的長い休憩をとる場合があった。もう少し風の当たらないところを意識して選ぶべきだった。

■感想
□スキーバス利用の山行は今回が初だったが、レンタカーと比較して運転の手間もなく、3人程度なら価格も同等で、遠方の山を訪れることもできるので有用である。荒天時には躊躇なく中止の上、スキー旅行に変更できるのもうれしい。
□危険個所も少なく、気象条件にさえ留意すれば比較的手軽に訪れられる山であるように思う。とはいえ、体力・技量面で問題を感じる点はまだ多い。反省点を今後に生かしたい。