2016/4/9 天覚山・天覧山

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
天覚山・天覧山山行計画書
作成者:金丸
■日程 2016/4/9(土)(荒天の場合翌日に延期)
■山域 秩父
■捜索要請日時 2016/4/10 9:00
■メンバー(計12名)
CL金丸  SL平岩  青木  船津  五島 
石田  田原  後藤  Amel Alessia Rachel Fazilet
■集合
池袋駅西武改札前(西部口を入ってすぐのところ) 7:25
(池袋駅7:35発 西武池袋線飯能行 先頭車両/飯能駅8:28発 西武秩父線西部秩父行 最後尾車両)
※途中乗車の場合はCLにご連絡ください。
■交通
□行き
池袋駅7:35-8:24飯能駅8:28-8:43東吾野駅  \560
<遅れた場合>
池袋駅7:40-7:51石神井公園駅7:54-8:26飯能駅8:28-8:43東吾野駅
池袋駅8:05-東吾野駅9:10
□帰り
飯能駅→池袋駅(1時間あたり8本程度運行/最終23:25)  \470
■行程
東吾野駅-0:50-天覚山-0:25-東峠-1:15-久須美坂-0:40-飯能アルプス永田入口-0:45-多峯主山-0:30-天覧山-0:10-登山口
■エスケープルート
東峠と久須美坂の中間まで:東峠から東吾野駅に下山
久須美坂まで:久須美坂から下山
多峯主山まで:飯能アルプス永田入口から下山
多峯主山以降:そのまま進む
■地図
2万5千分1地形図「飯能」
山と高原地図「22 奥武蔵・秩父」
■遭難対策費
100円/人
■備考
日の入(飯能4/9)18:13
日の出(飯能4/10)5:15
飯能警察署 042-972-0110

天覚山・天覧山山行記録
■作成: 金丸
■日程: 2016/4/9
■山域: 秩父
■天候: 晴時々曇
■メンバー: CL金丸 SL平岩 青木 舩津 五島 
以下新入生: 石田 田原 後藤 アメル アレッシア レイチェル
■オーダー:
1隊 金丸 (アメル アレッシア レイチェル) 舩津(後半は青木)
2隊 平岩 (石田 田原 後藤) 五島 青木(後半は舩津)
※新入生のオーダーは適宜入れ替え

■行程
1隊
8:57            東吾野駅
9:10            分岐
9:47-9:49       370m地点にて小休止
9:59-10:20      天覚山山頂
10:50-10:53     東峠
11:22-11:24     ゴルフ場にさしかかったあたり標高290m地点にて小休止
11:46-11:58     釜戸山への分岐の一つ後のピークにて小休止
12:36-13:37     丘の上公園
14:39-14:43     多峯主山トイレ直下
14:48-14:58     多峯主山トイレ
15:02-15:08     多峯主山山頂
15:39-15:52     天覧山山頂
15:57-16:04     天覧山トイレ
16:07           下山

2隊
09:25 分岐 発
09:50 平戸 350m地点付近にて小休止
10:00 天覚山山頂 着
10:27 同 発
11:30頃? 釜戸山への分岐にて小休止
12:30 久須美坂通過
12:55 丘の上公園 着
13:37 同 発
14:22 永田 230m地点にて小休止
15:00頃 多峯主山 着


■記録・感想
前日、あろうことか救急箱を部室から持ち出すことを忘れてしまった。言い訳をさせてもらうと、忘れたことに気がつき、渋谷駅で電車に飛び乗ったその電車が急行だったのである。急いで引き返すも学生会館に着いたのは21:29、既に鍵の貸し出しは終わっていた。これを読んでいる方にもし京王電鉄に関わられている方がいらっしゃったら、是非駒場東大前駅に急行を停めることを検討していただきたい。
仕方がなく個人の救急箱を持って行くことにし、足りないと思われるものを買い足した。なお、幸いにも今回の山行でこれを使うことはなかった。
これに関しては本当に単純なミスであり、今後は他の山行との折り合いがつき次第、共装は早めに持ち出そうと心に刻んだ。

朝ファズイレットが足の痛みのため来れないとの連絡があった。
集合場所がわかりづらいかと思っていたが、7:25には飯能駅集合の平岩以外のほぼ全員が集合し、7:35には全員が予定通りの電車に乗車することができた。
車内では席の関係もありアメル周辺と新入生同士で会話が弾む。新入生に会話があるのはいいことだとコミュ障CLはツイッターに消える。私のコミュ力の限界は、地図とヤマノススメという漫画の今回の山が出てくる巻の単行本を配布することである。
飯能駅で予定通り平岩と合流し東吾野駅へ向かう。電車は全員が座れない程度にまあまあ混んでいる。やはり山に行く格好をしている人が多い。隣に座ったおじいさんは高麗駅から日和田山・物見山に登り、東吾野駅に下りるという。よく歩くなあ。

東吾野駅で電車から降り、トイレ、準備運動、自己紹介、隊分けの発表をして出発。シェアハウスで外国人に慣れた私とPEAKで英語を勉強している舩津を留学生組の隊に、それ以外をもう一つの隊とした。標識が小さく登山口がわかりづらいこともあり、尾根コースと谷筋コースとの分岐までは一緒に行くことにした。民家の裏手のようなところから登り始める。登りながら留学生組に日本語での草花の名称を教える。スギやヒノキは日本付近にしか分布しておらず、スギは外国では「日本のスギ」と言うらしい。
10分ほどで分岐に着く。エアリアでは谷筋コースが実線、尾根コースが点線で書かれており、ヤマノススメではそれにより谷筋コースを選んでいたが、下見により尾根コースのほうが道が広くて踏跡も明瞭だと分かっていたため、そちらを選ぶ。ここで2隊と別れる。
分岐後は時々現れる開けたところから景色を眺めつつのんびりと歩く。一度写真を撮るのと水分補給のため少し休憩する。歩き始めるとすぐ、後ろから2隊の話し声がしてきたが、追いつかれはしなかった。
先に頂上に着き、ヤマノススメに出てくるキャラクターと同じ位置、体勢で写真を撮って遊ぶ。11人がゆっくりするには十分な広さだが、他のパーティーが来ると少し狭い。南側が開けておりそれなりに展望がある。2隊が来ると、その少し前に来たグループの人に頼み、写真撮影をした。20分ほど休憩してまた2隊と別れて歩き始める。

適宜休みながらゴルフ場の脇を進む。花やトカゲを撮ったり、道端にある神社に手を合わせたり、上から散ってくる桜の花びらはどこか探したりしながらゆっくり歩く。このあたりはあまり展望もなく、下見の時は淡々と小さなピークを登り下りしていたが、落ち着いて周りを眺めると色々転がっているものだ。
3本目の休憩で2隊に追いつかれ、休憩し始めたばかりだったことと広いところだったことから一緒に休憩することにする。これまで広い場所があまりなく、なかなか1隊と2隊が一緒に休憩することがなかったため、自己紹介タイムとなった。
久須美坂周辺からは下界から近くなるためか、下に下る分かれ道が多くなる。2隊も少し迷ったらしい。277.5m三角点のところの道が特にややこしく(3又に分かれており、看板に「天覚山・久須美坂」、「公園広場」、「天覧山・多峯主山」と書いてある。「公園広場」の道は踏跡がそこでは明瞭だが次第に薄くなり、無理やり下に下りることになる。「天覧山・多峯主山」の道の途中で丘の上公園に出られる)、木の枝で通せんぼして進路を指示しようと思ったが、細い枝しかなかったためとりあえずそれを置いておいた。
すぐに丘の上公園の広場に出、昼食のため桜の下のベンチに場所をとった。桜は散り始めており、我々の他にベンチでビール片手に昼食をとる中年男性2人と、それとは別にハイキングに来たであろう女性が1人いた。住宅街に近く、土日で桜が咲いていることからもっと混んでいるかと思ったが、全員がベンチに座れるようで良かった。
1隊が到着してから10分以上しても2隊が来ないのでlineをしたところ、先ほどのややこしいところで公園広場の方に進んでしまったことがわかった。迎えに行きすぐに合流した。先ほどの休憩後に休憩しため、迷ってからすぐの合流だったらしい。
もっとちゃんと下見の際に確認したことを2隊の隊長に事前に知らせておけば迷わずに済んだだろう。

腰を下ろして昼ごはんを食べていると、青木からアリッシアがいないとの報告を受ける。あたりを見渡すと確かにいない。アメルが言うには、昼ごはんを忘れたためコンビニへ1人で行ってしまったらしい。
うーん、確かに住宅街が近いため探せばあるのだろうが、それはせめてCLに言ってからにしてほしかったなあ…。もちろん目を離していた私が悪いのだが。
連絡を取ろうとするが、アリッシアは日本で通じる電話番号を持っておらず、LINEIDを聞いていたため、時間指定をしてそれまでに帰って来るようにLINEする。ところがその時間を過ぎても既読が付かない。 聞くと有効なSIMを持っておらず、Wi-Fi環境が無いとLINEは使えないという。
このままでは待っていることしかできないため、こちらから探しに行くことを検討する。今回の場合、こちらから探しに行っても見つけられず、アリッシアはコンビニにたどり着けば帰ってくると思われるため、探しに行く決断をすることを渋る。そうこうしているうちにアリッシアが帰ってくる。どうやら公園のすぐ下にある団地内にファミリーマートがあったらしい。どのようなコースを取ったのかはわからないが、最短ルートで片道930mで、アリッシアがいなくなってからおよそ30分だったため時間的には妥当である。よく見つけたなあ。
今回はアリッシアが昼食を忘れたことに気づかなかったこと、勝手な行動をするときはCLに事前に知らせることを当然のことだと思っていて強く言ってなかったこと、聞いていた連絡先が連絡の取れないものだったこと(山の中で連絡がとれることをあてにしてはいけないが)、休憩場所が広く人数も多いためパーティー全体を把握しづらかったことなどが重なりこのような事態になってしまった。CLとしての未熟さを感じる出来事だった。

気を取り直して公園を出発し、団地の脇を進む。気分転換のため隊のメンバーを一部入れ替える。1/25000の地図には載っていない道だが、踏み跡は明瞭で、急な斜面には木を模したコンクリート製の階段も整備されており歩きやすい。
飯能アルプス永田入り口を過ぎ多峯主山の登りに入ると、細く急な道に変わる。沢沿いの道で2日前に雨が降っていたため、下がぬかるんでいて歩きづらい。しばらくしてアリッシアから手が腫れたとの報告があった。手の先のほう全体が少し腫れており、指を曲げると痛いというが、アレルギーも花粉症のみで、他に体がだるいなどの症状はないため、様子を見ることにした。
多峯主山の登りに入ってからは急な道が続くため1回休憩を挟もうと思っていたが、歩きがゆっくりで2隊の声が聞こえており、メンバーも疲れていないとのことだったので休憩はしなかった。しかし次に休憩しようと思っていた多峯主山直下のトイレの直前でバテてしまい、少し休憩することにした。すぐ2隊に追いつかれたためトイレでまで先に行ってもらうように伝えた。数分後に出発し、トイレで合流した。綺麗に整備された市営のバイオトイレである。トイレに行く人は行き、10分ほど休憩した後多峯主山山頂に向かい、山頂で写真撮影をした。この山行では今までで一番の展望である。北西側と南東側が開けており、秩父山地と飯能市街がよく見える。

これ以降は道が広く、十分安全なことから、新入生同士の交流のため1隊2隊同時に出発した。よく整備された良い里山である。30分ほどで天覧山に着く。展望台が設置されているだけはあって、奥多摩から飯能市街までがとてもよく見える。この日は霞んでしまっていたが、空気が澄んでいると都心のビル群や丹沢山地、富士山なども見えるらしい。ここでも写真撮影をし、少しゆっくりして下山する。展覧山山腹のトイレでもまたトイレに行きたい人は行く。
そこからほどなくして登山口に着き、そこで在京に連絡した。登山口すぐのところにあるコンビニに寄り、ソフトクリームを食べた。そこから道を挟んで反対側に飯能さくらまつりの会場があったが、遅かったためそのまま駅へ向かった。桜は散り始めていたが綺麗だった。

今回は登山前にも登山中にも様々なハプニング(その多くが自業自得なのだが)があり、大変だった。メンバーとしてCLにくっついていくのと、単独で行くのと、10人超のパーティーのCLとしていくのでは全く違うことを考えねばならない。低山で下見済みだからといって気を抜いてはいけない。これからはCLとしての視点を養っていかねばならないと強く思った。
こんなひよっこCLにも「楽しかった」とメンバーが言ってくれたことが救いである。次にCLをするときはその言葉を一片の悔いなく受け取れるようにしたいと思った。

■総括(反省?)
・登山前から行動は早め早めに。
・下見で得た情報はほかのメンバーときちんと共有すべきであった。
・メンバー一人ひとりの状況をきちんと把握すべきであった。
・自分が当然だと思っていることも、他の人にとってはそうではない(特に文化が違うと顕著)。計画書に詳しく書く、移動中に話すなどしてそのギャップをできるだけ埋めるべきであった。
・尾根歩きといい景色はやはり新入生にウケがいい。
・ヤマノススメはいいぞ。