2016/4/16 白滝沢

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
白滝沢遡行計画書
作成者:丸山
■日程 4/16(土)(荒天の場合中止)
■山域 東丹沢
■捜索要請日時 2016/4/17 10:00
■メンバー(計3名)
CL丸山  SL久光  遠藤
■集合
厚木バスセンター9番バス乗り場に6:58
■交通
*丹沢・大山フリーパスBキップ利用(新宿駅からの場合1530円)
□往路
神奈中バス・厚39神奈川リハビリ行
 厚木バスセンター(7:00)→馬場リハビリ入口(7:19)
遅れた場合、7:30発七沢行で広沢寺温泉入口下車、または8:00発広沢寺温泉行で終点
下車
□復路
神奈中バス 広沢寺温泉入口(15:46/16:16/16:41~最終20:11)→本厚木駅 25分程度
 \360
※帰りのバス部分については下山口により近い以下の路線もあるが、運行本数が少な
く乗れない可能性が高い
神奈川中央バス 広沢寺温泉(12:55/15:10/19:05)→本厚木駅 30分程度 \380
■行程
馬場リハビリ入口-25?-広沢寺温泉-30-山神隧道-40?(可能ならば旧道経由)-不動尻-
不動滝-二俣-スラブ滝(仮称)-湧水滝(仮称)-大ナメ滝(仮称)-白滝-唐沢峠(新歓隊と
合流)-40-不動尻-60-広沢寺温泉-15-広沢寺温泉入口
(計3:30?+沢)
http://yahoo.jp/56KEfP
※白滝沢については情報不足のためコースタイムは不明
※湧水滝、スラブ滝については適宜省略
■エスケープルート
二俣まで:引き返す
登山道まで:引き返すか、適当な尾根を登山道まで詰める
登山道から:そのまま進む
■地図・遡行図
2万5千分1地形図「大山」
山と高原地図「丹沢」
遡行図:http://homepage2.nifty.com/mashira2/mitsu/hudou_5/hudou12c.htm
■遭難対策費
100円×3人
計300円
■備考
日の入(厚木4/16)18:18
厚木警察署 046-223-0110

白滝沢遡行下降記録
作成者:丸山
■日程 2016/4/16(土)
■山域 東丹沢
■天候 曇り
■メンバー、オーダー(計3人、敬称略)
CL丸山(35)、遠藤(35)、SL久光(34)
■総評
白滝沢:1級上
白滝沢は丹沢では珍しい湧水の豊富な沢で、水は綺麗である。白滝や湧水滝など、い
くつか美しい滝もあるが、湧水地より上流は水の無い谷となっているので、沢登りと
して楽しめる距離は短いのが難点である。今回は、本流の右俣以外に中俣と左俣にも
寄り道することで1日楽しめたが、本流だけの場合は2時間もかからないだろう。ま
た、白滝より上流に綺麗な場所はなく、詰めが面倒なだけなので、滝を見たら引き返
してもいいだろう。本流の滝には巻き道もしっかりついているので、滝を巻く場合は
1級程度になるかもしれない。
■写真
近日中にアップロード予定。
■GPSログ
http://yahoo.jp/t9vlNt
■行程
滝の名称は丹沢のバリエーションルート愛好家の間で通用している仮称に従った。

7:25馬場リハビリ入口バス停発
とても長い舗装路歩き。とはいえ春めいてきた山里の雰囲気は悪くない。途中で歩こ
うとしていた林道の旧道は入口が見つからず諦めた。

8:35不動尻キャンプ場跡地
遠藤、久光は温泉セットをここにデポしていた。どうせならもっと早くしてもよかっ
たような気がするが。

8:39-8:50 不動滝手前で入渓準備
不動滝は直登を試みたが上部が手掛かりの無いスラブで登れないので途中から右岸の
草付きに逃げた。その様子を見た遠藤、久光は左岸を巻いた。巻き道はしっかりして
いる。

9:09 大ナメ滝下の二俣
本流の大ナメ滝は後で登ることにしてとりあえず左へ進む。

9:25-9:45 左俣のスラブ滝周辺
滝の目の前に倒木があり見栄えが悪い。滝自体はそれほど難しくないが念のため後続
をお助け紐で確保。この滝のすぐ上流に湧水地があり、その上流に水はなかった。こ
の滝の下降は右岸の斜面を巻き下った。ぐずぐずだったが傾斜が緩いので問題なし。

9:50 湧水滝前衛の滝(中俣F1)
直登できそうだが残置支点もなさそうでハーケンも持っていないので、念のため右岸
を巻いた。巻き道はしっかりしている。

9:55 湧水滝下
湧水滝は噂に違わぬ良い滝で、湧水の豊富さを見せつけられた。この滝の上流にも滝
がありそうだったので右岸を巻いて登ってみることにする。この巻き道にも残置ロー
プなどはあるが、狭く不安定でやや厳しい道。

10:15 湧水滝上
湧水滝だけを巻いたつもりが、連瀑帯全体を巻いてしまったらしく、すでに谷に水は
殆どなかった。見たいのはこの連瀑帯だったので、懸垂下降をしながら水流沿いに
下っていくことにする。

12:35 湧水滝下
結局懸垂下降を3ピッチもする羽目になり、ロープが1本しかなかったこと、懸垂下降
に慣れないメンバーがいたこと、ロープが絡まったことなどから、かなり時間がか
かってしまった。湧水滝周辺の連瀑帯は十分に見ることができたが、ここまでして見
るほどのものでもない。

12:47-12:53 大ナメ滝
ようやく本流に戻り、最初の滝である大ナメ滝を上る。美しいナメ滝で、傾斜も緩く
登りやすい。巻き道(左岸)もしっかりとあった。

12:55-13:01 白滝前衛の滝
ここにも巻き道(右岸)はしっかりあったが、下段は直登してから巻き道に乗り、上段
を越えた。

13:08-13:21 白滝・赤茶滝
落差20mとされる端正な直瀑である白滝を下からじっくり見物した後、左にある赤茶
滝を登って白滝を巻いた。赤茶滝は階段状で易しいが、間に苔の生えている部分を挟
んで放射状に水流が広がる美しい滝。明瞭な巻き道は赤茶滝よりも左にあり、赤茶滝
を登るとその巻き道に合流した。

13:28 白滝沢水源
白滝の上流にもいくつも湧水地があるが、この場所が最上流の湧水地であり、ここよ
り上流には水はない。周辺に、いくつかの簡単なナメ滝や涸れ棚がある。

13:31-13:57 遡行終了点
2段8mスラブ棚があったが、岩が脆く手がかりも少ないし、この上流に美観があると
も思えないため、登攀を試みたものの諦めて、多少戻った地点から詰めを開始する。
詰めでは落石を回避するため各人で違う場所を登ろうとしたが、結局遠藤と久光は合
流してしまい、離れないように登っていた。

14:15-14:29 詰め終わり・装備解除
適当に登っていくと、森林管理径路を経て登山道に出たので沢装備を解除。どうやら
大山新歓隊は先に下っているようだったので高速で下山開始。

14:43 不動尻キャンプ場跡
忘れずに温泉セットを回収。

14:50 新歓隊と合流
これ以降は新歓隊と行動を共にしたので記録は略すが、いつもと違う賑やかなメン
バーと歩くのは新鮮で楽しく、往路と同じ道を引き返すことのつまらなさを忘れるこ
とができた。

■見つけたもの
・ヤツワ(?)クガビル:2段8mスラブ棚を登ろうとしているとき、2個体絡まったもの
が見つかった。ド派手な南瓜色(皮と中身の色)の縞を持つ特徴的な無害のヒルだが、
久光は妙に気に入ったようだ。一方、遠藤は生理的に受け付けないらしい。
■感想・備考など
・一回行ってみたいと思っていたところなので行けてよかったし、実際いいところで
あった。左・中・右俣全ての水源を見たので思い残すことはない。特に赤茶滝は丹沢
には類例のない美瀑であった。
・登攀要素は殆どない沢なので、登攀を求める人には向かない。ロープを出したのも
湧水滝の懸垂下降のみ。
・ヤマビル被害は多少あった。どうやら詰め~沢装備解除あたりでやられたのではな
いか。
・無から有が生まれる湧水は神秘的で神々しい。
■反省とコメント
・湧水滝の懸垂下降に2時間以上もかかってしまったのが大問題。ロープワークに習
熟していないのも理由の一つだが、連続する懸垂下降時には、複数のロープが欲し
い。今後、状況のよく分からない沢へ行くときには、ロープを2本以上持っていくこ
とを検討すべきである。
・自分で支点を作れば登れそうな滝もいくつかあったので、ハーケンやカム、ナッツ
などの使用を今後検討したい。共装としての購入を検討してもらえればありがたいが
…。