2016/5/21 ヤビキ沢・石棚沢
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
ヤビキ沢遡行・石棚沢下降計画書
作成者:丸山
■日程 5/21(土)
■山域 西丹沢
■捜索要請日時 2016/5/22 10:00
■メンバー(計4名)
CL丸山 SL久光 谷口 山本
■集合・交通
新松田駅周辺に7:25集合し,西丹沢自然教室まで丸山の自宅車で(40分程度)
駐車場が満杯の場合周辺の有料駐車場を利用(500円?)
■行程
西丹沢自然教室-60(つつじ新道経由)-ゴーラ沢下降点-20-ヤビキ沢出合-180(左俣左
沢経由)-「テシロノ頭」道標-30-石棚沢下降点-30-20m涸棚(60分程度登攀練習;適宜
省略)-180-東沢本流-20-西丹沢自然教室
(計9:40 18時頃下山予定)
http://yahoo.jp/Zj2BaR
※コースタイムは不明であり,予定時間を記した(休憩時間等含む)
※石棚沢下降点着時間が14:00を過ぎる場合は石棚沢を下降せず,一般登山道を箒沢
公園橋へ下る(その場合の所要時間は2時間程度)
■エスケープルート
ヤビキ沢2段10m滝まで:引き返す
「テシロノ頭」道標まで:引き返すか、適当な尾根を登山道まで詰める
20m涸棚まで:一般登山道を箒沢公園橋へ下る
東沢本流まで:そのまま進むか,適当な尾根を登山道まで詰める
東沢本流以降:そのまま進む
■地図・遡行図
2万5千分1地形図「中川」
山と高原地図「丹沢」
ヤビキ沢遡行図:
http://homepage3.nifty.com/achkun/naka/2003/yabiki/yabiki.htm
石棚沢遡行図:http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-37549.html
■備考
日の入(山北5/21)18:47
松田警察署 0465-82-0110
ヤビキ沢遡行・石棚沢下降記録
作成者:丸山
■日程 2016/5/21(土)
■山域 西丹沢
■天候 晴れ
■メンバー(計4人、敬称略)
CL丸山(35)、SL久光(34)、谷口(37)、山本(37)
■オーダー
遡行時は丸山、谷口、山本、久光
下降時は久光、谷口、山本、丸山をメインに久光と丸山は時々交代
■総評
ヤビキ沢:1級、綺麗1、登攀1、珍奇1、辛苦2、推奨1
石棚沢:1級、綺麗1、登攀1、珍奇2、辛苦2、推奨1
ヤビキ沢はナメが長く美しいと評判の沢であったが、最近一部が土砂に埋まったらし
く、確かに美しいものの短すぎた。ナメ以外はゴーロ歩きばかりで、滝は少なく登攀
も楽しめないのであまりお勧めできない。豊富な湧水からなる沢で、水は冷たく綺麗
であった。
石棚沢は広い流域面積をもつのに殆ど水の流れていない谷で、沢登りとしては楽しめ
ないが、中流部のゴルジュは立派であり、水が流れている場合を想像すれば楽しめる
かもしれない。他、20m涸棚の登攀も楽しめないことはない。壊れた堰堤とゴーロの
多さが印象的。
■GPSログ
http://yahoo.jp/lDkl94
■行程
滝・棚の名称は丹沢で多くの沢を遡行し、ヤマレコに詳細な記録を残しているkamog
氏に従った。
7:25丸山車 新松田駅周辺着
指定した時間通りに着いたのに指定した場所に誰もいない。スマホが使えずに指定場
所を確認できなかった人がいたようだが、駅を出てからどこへ向かえばいいかぐらい
は前日中に確認しておくべきだろう。結局10分遅れくらいで合流し、西丹沢へ向か
う。
8:10駐車場着
予想した通り無料駐車場は一杯だったので、キャンプ場が運営する有料駐車場に停め
る(540円)。
8:15 出発
キャンプ場化された河川敷を暫く北に進んでから舗装路へ出ると、ちょうど入山口付
近であった。
8:18 入山
ツツジ新道は緩勾配で極めて歩きやすく、順調に進む。その名の通りのツツジの時期
に重なったため、登山者は多く、やや渋滞気味。
8:45 ゴーラ沢出合
渡渉点は、渡渉しやすいように石が並べられており問題なかった。増水時は苦労する
かも。ここから先の登山道はやや勾配がきつくなってくる。
8:50 ゴーラ沢下降点
ツツジ新道を離れてゴーラ沢へ向かう踏み跡は、気にしていれば十分見つかる程度に
濃い。ゴーラ沢へ下降すると、最初の堰堤を左から巻いて、その名の通りの広大な
ゴーロが広がる。
8:56-9:05 入渓準備
ゴーロを少し歩いてから入渓準備。久光はコンタクトレンズが入らず諦めて眼鏡で遡
行することになった。
9:11-9:23 ヤビキ沢出合
久光による地図読み講習が行われた後、ヤビキ沢に入ると程なくして短いナメが現れ
る。確かに綺麗だが、感動するほどではない。
9:32-9:40 ナメ
ヤビキ沢のハイライトであるナメ。確かに綺麗だが、想像よりも短く、わざわざここ
のために来るようなものではない。記念撮影して登る。
9:44-10:17 二俣&2段10m滝
二俣で再度地図読みにより全員で現在地を確認した後、左俣の2段10m滝をロープを
出して直登しようとする。丸山が左から取りつくも、前評判通り岩が脆い上にホール
ドが外傾しているため難しく、登れない。諦めて右から巻く。左からも巻けそうだ
が、右からの場合に比べ多少大きく巻くことになるか。
その先は小滝を交えて普通の易しい沢登り。
10:30 湧水点
普通の沢登りは10分ちょっとで終わり、ここから上流は涸れ沢となっている。水分補
給をしてから進む。この先の涸棚では3か所程度お助け紐を出しながら登ったが、そ
のうちの1つでお助け紐にテンションがかかる場面があったので、お助け紐の意義を
より認識することになった。
10:36-10:48 上の二俣
ここでも全員で現在地確認をした後予定通り左沢へ入る。涸棚は時々現れるが、ゴー
ロが中心である。
11:03 三俣
右へ入る。
11:25 遡行終了
谷の傾斜が急で浮石も多く、落石が発生しやすく危険になってきたので尾根へ上が
る。沢の詰めとしてありがちな感じ。
11:48 登山道
登山道の歩きやすさにホッとする。この時期はシロヤシオやトウゴクミツバツツジの
花が美しく、軽快に下る。
12:04 石棚沢下降開始点
ちょうどこの部分だけ鹿柵がなく、容易に沢下降を始められる。沢の源頭としては珍
しく、なだらかな土状であるが、滑りやすい。途中から沢床は岩がちになる。
12:29-12:55 10m涸棚
クライムダウンもできそうだが、念のため懸垂下降。岩が脆い。
12:59-14:41 20m涸棚
久光を上に残して他の3人で巻き下り、上からの久光のビレイで丸山、谷口、山本の
順で登攀する。丸山は左から、谷口、山本は右から登ったが、右の方が登りやすそう
であった。残置支点は無い。落差はあるものの斜度はあまりなく、岩の割れ目からは
植物が多く生え、登っても爽快な棚ではない。
14:46-14:54 堰堤似の涸棚
一見堰堤のようなのっぺりとした一枚岩の棚があった。右岸から巻き下る。この先暫
くゴーロが続く。
15:11-15:29 4m壁状涸棚
再びのっぺりとした一枚岩の涸棚。左岸の立木を支点に懸垂下降。
15:34-16:00 ゴルジュ
水があれば綺麗そうなゴルジュだが、水が殆ど無い。ゴルジュ内の棚は水が無いため
どれもクライムダウンできるが、水が多ければ難しそうなものも多い。想像して楽し
む。
16:05 最初の堰堤(崩壊)
右岸から杉山沢(これも涸れ沢)を合わせると、程なくして壊れた堰堤がある。その後
のこの沢は堰堤(崩壊したものも多い)とゴーロだけで、堰堤も右岸または左岸から容
易に巻けるものばかりである。
16:38-16:53 東沢出合・沢下降終了
ひたすらゴーロを下ると東沢に合流し、西丹沢自然教室からツツジ新道へ東沢沿いに
続く登山道に出たので、沢装備を解除。
17:06 駐車場着
車も通れる極めて歩きやすい道を東沢沿いに下ると、すぐに駐車場に着いた。
■予定時間との比較
矢印の左が予定、右が実際
西丹沢自然教室-60→40-ゴーラ沢下降点-20→21-ヤビキ沢出合-180→134-登山道-30
→16-石棚沢下降点-30→55-20m涸棚(60→102)-180→132-東沢本流-20→13-西丹沢自
然教室
登攀練習には想定よりかなり時間がかかったが、遡行や登山道歩きは短かった。次以
降の計画の山行としたい。
■感想・備考など
・ヤビキ沢は丹沢でも有数のナメとして評判であったが、既に土砂に埋まったらし
く、旬を逃したということで、残念であった。
・石棚沢は何となく小川谷廊下に似ている。ゴルジュの上下流がゴーロである点や渓
相など。水が豊富にあれば石棚沢も十分遡行価値のある沢となりそうだが、現状では
想像するくらいしか出来ないのが残念。
・壊れた堰堤が多いところを見ると、石棚沢は大雨時には相当な破壊力を持つ沢なの
だろう。
・ヤマビルは見かけなかったが、尾根一つ隔てた玄倉川流域にはいることを考える
と、数年内にはこの辺りにも出るようになりそうな気がする。
・ちょうどシロヤシオやトウゴクミツバツツジの開花期だったため、花が楽しめて良
かった。また、ブナ林もなかなか美しかった。
■反省
・晴れて気温が上がる日だったので、水のない沢は少々暑かった。もう少し水のある
沢にしておけばよかった。
・20m涸棚を登攀した後、丸山は8.6mmロープのシングルで久光に降ろしてもらった
が、本来シングル用でないロープをそのように使うことは問題かもしれないという意
見が久光から出た。沢登りでは、衝撃荷重のかかる可能性があるリードクライミング
にもダブルロープを使うことを考えれば、静荷重である下降にダブルロープを使うこ
とも問題ない気がするが、小さいとはいえ無駄なリスクを避けるという観点から考え
れば、確かによくないことであった。ということで、谷口・山本は登ってからすぐに
は降りず、ロープを掛け替えてから懸垂下降をした。
■コメント
・谷口君と山本君、次回はもっといい沢へ行きましょう。今回は比較的高低差や歩行
距離があり、体力が必要な沢でしたが、問題なく歩けたようなので、安心しました。
・久光さん、風邪の中来て下さってありがとうございました。