2016/5/29 セドノ沢
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
セドノ沢遡行計画書
作成者:丸山
■日程 5/29(日)(荒天の場合中止)
■山域 表丹沢
■捜索要請日時 2016/5/30 10:00
■メンバー(計4名)
CL丸山 SL久光 山崎 迫野
■集合・交通
渋沢駅北口ロータリー一般車乗降場に7:20に集合し,戸沢駐車場まで丸山の自宅車で
(40分程度)
駐車料金300円
■行程
戸沢駐車場-10-水無川本谷入渓-20-セドノ沢出合-10-二俣-160-右俣大滝終了点-20?-
中間尾根-30?-二俣-30-左俣大滝-60-書策新道-60?-戸沢駐車場(計4:50+1:50?)
http://yahoo.jp/c5Xu1h
※コースタイムは東京起点沢登りルート120に拠ったが、不明部は予定時間を「?」
付きで記した。
※余力があれば、書策新道が水無川本谷を渡る地点から水無川本谷を下降する。そ
の場合の所要時間は90分程度。下降開始点着時刻が15時半を過ぎる場合は書策新道
を下降。
■エスケープルート
水無川本谷F1まで:引き返す
中間尾根まで:引き返すか、適当な尾根を登山道まで詰める
二俣まで:そのまま二俣まで下ってセドノ沢を下降
左俣大滝まで:引き返してセドノ沢を下降
書策新道まで:引き返すか、適当なところを登山道まで詰める
書策新道から:そのまま進む
水無川本谷下降中:そのまま下降するか、引き返して書策新道を下降
■地図・遡行図
2万5千分1地形図「大山」
山と高原地図「丹沢」
セドノ沢右俣遡行図:http://blogs.yahoo.co.jp/well_ksandw/11278517.html
セドノ沢左俣遡行図:http://www.sawakaze.sakura.ne.jp/sedonosawa.html
水無川本谷遡行図:http://www.sawakaze.sakura.ne.jp/mizunasi01.html
遡行図は他にもいろいろなものがある。
■備考
日の入(秦野5/29)18:52
秦野警察署 0463-83-0110
セドノ沢遡行・水無川本谷下降記録
作成者:丸山
■日程 2016/5/29(日)
■山域 表丹沢
■天候 晴れのち曇り
■メンバー・オーダー(計4人、敬称略)
CL丸山(35)、迫野(35),SL久光(34)、山崎(25)
オーダーは時々違うものになったが,上記のものを基本とした.
■総評
途中までや途中からとはいえ,沢遡行2本,沢下降1本を1日でやったため,非常に満
足感のある1日となった.セドノ沢の滝は,前評判通り多少難しめのものが多くて楽
しめたし,鉱山跡も雰囲気が良かった.水無川本谷も,今度遡行してみたいと思える
ようないい沢であった.
セドノ沢右俣(大滝まで):2級、綺麗0、登攀2、珍奇0、辛苦1、推奨2
セドノ沢左俣(書策新道まで):2級下,綺麗1,登攀2,珍奇0,辛苦0,推奨2
水無川本谷(書策新道まで):1級、綺麗2、登攀2、珍奇1、辛苦0、推奨2
■GPSログ
http://yahoo.jp/ZsVm0J
■行程(敬称略)
7:25-50渋沢駅北口
信号に随分と引っかかったため5分遅れで集合場所に着いたが,電車を乗り過ごした
山崎が30分着の電車で来るということで,待つ.しばらくしてやってきた山崎は,や
けに荷物が少ない.というのも,メインザックを乗り過ごした電車の中に置き忘れた
からだということがここで判明.結局その電車が折り返して渋沢駅へ来た8:48に回収
できたのが,不幸中の幸い.予定より30分遅れで出発.
8:15-30 戸沢山荘駐車場
戸沢に着くと駐車場がいっぱいで,停められそうにない.近くの空きスペースに停め
たところ,そこは戸沢山荘の敷地であり,駐車料金500円とのこと.近くの河原より
200円高いが,もっと不便な作治小屋などに同額で停めるよりはいいので,払って停
めさせてもらうことに.そこも最後の1台だったので,ラッキーだった.停めた後,
入渓準備をしながら山荘周辺でゆんたくしていた人々と雑談.実はすごい登山家だっ
たらしい.
8:30 出発
源次郎の時と同じように書策新道へ入ったが,源次郎の時より奥まで行ったので,書
策新道を流れる水が湧水であるということが分かった.飲める.書策新道が本格的な
登りに入る手前で本谷へ続く踏跡へ入り,堰堤を左から越えると,入渓点.ここで入
渓準備をしている2人パーティがいた.
8:41 本谷へ入渓
入渓してしばらくは小滝もあるゴーロ.水量は多く,わざと水線遡行したりして楽し
む.
8:53-9:25 本谷F1
左からの巻道には鎖がついていてしっかりしているが,ウォーミングアップを兼ねて
リード久光,ビレイ迫野で左壁を登った.終了点には残置ピンがしっかりしていたも
のの,途中に残置支点がなかったので,実際にはリードで登らない方が良かったと言
える.
F1を登るとすぐにセドノ沢出合で,セドノ沢へ入る.セドノ沢F1とF2は3級−程度と
思われ容易.確か2つとも右から登った.
9:31 セドノ沢二俣
右俣に入ると,水量はぐっと減った.
9:33-10:26 セドノ沢右俣F1,F2
F1,F2ともにリード丸山,ビレイ久光.F1は左隅を,F2は右隅を登った.どちらも4級
−程度か.F1には残置中間支点が1つ,F2は2つ(?)あり,終了点も残置があった.
10:33-10:43 右俣F3 3段15m
下2段は水線を直登.倒木を支えにすれば容易.上段は2m程度だが垂直でホールドも
細かいので難しい.山崎のみ直登できたが,他は右から巻く.
10:50-11:45 右俣F4大滝35m
期待していた大滝.リード丸山,ビレイ久光.登る距離は長いが,ホールドや残置支
点は沢山あるのでそれほど難しくはない.部分的に4級と思える場所もあった.水線
ではなく左の岩壁を登ったので,感触としては小川谷廊下の石棚に近いものを感じ
た.それほどの感動もなく終了点へ.
終了点から落ち口へ行くルートは非常に悪そうだったので行かず,通常通り巻き道へ
入ったが,この巻き道はそこそこ危険なものであると感じた.大きく巻いて沢よりも
だいぶ上に出たので,大滝よりも上の右俣には特に何もないということを聞いていた
こともあり,ここから中間尾根へ詰め上げることにした.100mほど登り,崩壊地を横
断すると中間尾根に出た.
12:10 中間尾根下降開始
中間尾根は細い尾根で,部分的に崩れかけていて悪い.落石をいくつか起こしながら
下る.また,地形を読みながら下らないと間違った尾根に入る可能性が高く,経験者
向きである.
12:58 セドノ沢二俣
3時間半前にいたところに戻ってきて,次は左俣に入る.ナメや小滝が続き結構楽し
い.
13:18-51 セドノ沢左俣大滝13m
この滝の周辺は連瀑帯になっておりいい雰囲気.リード久光,ビレイ迫野で水流右か
ら登る.3級+程度か.下部の残置支点がなかったので,山崎のカムで1つ,岩角で
1つ支点をとって登った.上部は残置多数.終了点も残置があり,それを利用した
が,やや心もとないので,自分で支点を作るべきとは,山崎の言.
この後もたくさんある小滝を楽しく登る.ちょっと難しめのものもあり面白い.
14:10-37 8m滝
リード丸山,ビレイ久光で右隅を登る.3級+程度と思われるが,水をかぶりながら
の登攀となるため厳しさ増加.残置中間支点が2つほどあり,終了点は倒木(だが生き
ている)でとった.結構楽しい滝.
この滝を登るとすぐに書策新道と出合った.近くにある白竜の滝を見るため遡行継
続.
14:48 白竜の滝
セドノ沢の滝の中で唯一名のある滝だが,形は悪くないもののまあ普通の滝である.
書策新道沿いにあって人目に付きやすいことから名前が付けられたものと思われる.
さらに,白竜の滝の上にあるという鉱山跡と20m涸棚を見るために,白竜の滝を右か
ら巻く.巻道は明瞭.巻いた後,丸山は再び沢に降りて沢筋を遡行したが,残りの3
人はそのまま巻道を進んだ.
14:54-15:00 鉱山跡&20m涸棚
大して期待していなかったが,壁に空いた穴,そこから溢れる水,その上へと続く涸
棚,さらに上に見える空,これらが一体となった光景はなかなか見応えがあり,気に
入った.坑道跡は奥まで続いているようだったが,深入りはしなかった.
鉱山跡を見終えたら,快適な書策新道をさくさくと下る.景色が良いところもある
し,急傾斜もないのでよい道.廃道になっているのがもったいない.
15:22-50水無川本谷F5
水無川本谷を下降するかどうかで8分悩んだが,結局はCL判断で下降することにし
て,F5を懸垂下降.F4はクライムダウン.周辺には小滝が豊富で遡行も楽しめそう.
15:55-16:07 本谷F3
ここも懸垂下降.その先しばらくゴーロが続くが,巨岩や小滝もあり悪くない.
16:34-17:07 本谷F2,F1
どちらも懸垂下降.F1から先は,往路とは異なり右岸の渓畔林を中心に歩いた.結構
踏跡が濃い.
17:17 書策新道
ここで沢下降終了.
17:28 戸沢山荘駐車場
駐車場が圏外で下山連絡できない.沢装備を洗ったり着替えたりしてから車を動か
し,圏内に入ったところ,心配されていることが判明.すぐに久光が電話で下山連
絡.
■予定時間との比較
矢印の左が予定、右が実際
戸沢駐車場-10→11-水無川本谷入渓-20→50-セドノ沢出合-10→6-二俣-160→134-右
俣大滝終了点-20?→25-中間尾根-30?→48-二俣-30→20-左俣大滝-60→79-書策新道
-60?→45-水無川本谷F5上-90?→126-戸沢駐車場
■見つけたもの
・タゴガエル:沢でよく見るカエル
・鉱山跡
・壊れた堰堤?:セドノ沢F2のすぐ上に石積みがあった.古い堰堤跡かも.
■感想・備考など
・セドノ沢の右俣と左俣の核心部のみを1日で遡行できる今回のルートは非常によ
かった.これまでに遡行した丹沢の沢の中では小川谷廊下の次に満足度が高い.1日
でロープを10回も使ったのは初めてである.おかげで,ロープワークにも今まで以上
に慣れた.
・右俣大滝35mは期待したほど面白くなかったので,次は伊勢沢大滝50mにでも挑戦し
たいところである.いつのことになるやら.
・ヤマビルは1個体確認.下山時に迫野の靴についていたが,被害は無し.思ったよ
り少なくてよかった.
・ヤマツツジが咲いていて綺麗だった.
・登高器を初めて使用してみたが,便利だった.共装への採用を検討してもいいので
はないか.
■反省
・水無川本谷F1は巻いた方が良かった(安全上・時間上).
・下山連絡が遅くならないよう,集合から下山後の着替えまで,無駄に遅くなること
の無いよう努力すべきである.
とはいえ,何を「無駄」と考えるかが人によって違うのが難しいところではある.
■コメント
・山崎さん,いろいろ教えて頂きありがとうございました.