2016/6/4 土沢一ノ沢・三ノ沢

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
土沢一ノ沢下降・三ノ沢遡行計画書
作成者:丸山
■日程 6/4(土)(日帰り)
■山域 西丹沢
■捜索要請日時 2016/6/5 10:00
■メンバー(募集中)
CL丸山  SL久光  舩津
■集合・交通
新松田駅付近に7:54に集合し,三国峠まで丸山の自宅車で(40分程度)
■行程
三国峠-160(遡行の場合)-壱之沢橋-30?-三ノ沢橋-160-三国林道-45-三国峠
(計6:05+0:30?)
http://yahoo.jp/hV5hDY
※コースタイムはウォーターウォーキングの本に拠ったが、不明部は予定時間を
「?」付きで記した。
※余力があれば、壱之沢橋-三ノ沢橋間も林道を通らずに沢筋を歩く(約2km).その場
合の所要時間は120分を見込む。壱之沢橋着時刻が12時を過ぎる場合は林道を通る。
■エスケープルート
壱之沢橋まで:引き返すか,壱之沢橋まで進んで明神峠へ行く
三ノ沢橋まで:明神峠へ行く
三国林道まで:そのまま進むか,引き返して明神峠へ行く
三国林道から:そのまま進む
■地図・遡行図
2万5千分1地形図「駿河小山」
山と高原地図「丹沢」
土沢一ノ沢遡行図:ウォーターウォーキングp.74-75(メンバー在京用計画書に添付
予定)
土沢三ノ沢遡行図:http://www.sawakaze.sakura.ne.jp/140928zusannosawa.html
■備考
日の入(山北6/4)18:55
松田警察署 0465-82-0110

土沢一ノ沢下降・三ノ沢遡行記録
作成者:丸
■日程 2016/6/4(土)
■山域 西丹沢
■天候 晴れのち曇り
■メンバー・オーダー(計3人、敬称略)
CL丸山(35)、舩津(36),SL久光(34)
■総評
非常に簡単な沢だったが,よかった.土沢一ノ沢上部は平凡だったが,壱之沢橋下流のゴルジュから先は見所が次から次へと現れる.大水量で迫力のある滝や美しいナメ,ウォータークライミングの楽しめる小滝,ヤマメと泳げる淵などがあり,美しく楽しい.危険箇所もなく,未経験者向けの沢としてお勧め. 
■GPSログ
http://yahoo.jp/f2KByE
■時間
8:57駐車場出発
9:01林道から沢へと下降開始
10:21壱之沢橋
11:38 一ノ沢・二ノ沢合流点
12:13 三ノ沢橋
14:00-10 三国林道へ出て沢装備解除
15:00 駐車場着
■行動記録(敬称略) 
朝,新松田駅周辺で集合したところ,久光のプラティパスが壊れて漏水していて,附近の自販機で飲み物を買っていた.プラティパスの寿命は,見た目通りそれほど長くないようだ.

宮地交差点などで多少の渋滞に巻き込まれながらも,予定通り40分ほどで三国峠に着く.西丹沢自然教室と所要時間が殆ど変わらないというのが意外.山中湖は意外と近い.三国峠の駐車場は結構一杯で,あと2台程度しか止められない状況だった.やはり,この時期は山歩きをする人が多いようだ.後から考えれば,この日が梅雨入り前の最後の晴れだったし.

土沢一ノ沢へは枝尾根を伝って降りようかと考えていたが,林道から尾根に乗るところの藪が濃かったので最初から谷筋に入ることに変更.植林地を特に問題なく下ると,少しして沢床に出,さらに少しで水が現れた.堰堤をいくつか簡単に巻き下ると,この辺で唯一の滝らしい滝である2段7m.右岸を巻き気味に下った.念のため,久光がお助け紐で船津を確保しながら下った.

その後の一ノ沢は単調で平凡で,堰堤やごく小さいナメや1.5m程度の小滝がある程度の沢歩き.途中から伐採地も出てきて沢は倒木などで荒れだし,面白くないので,川原を歩きだす始末.しばらくすると伐採作業用の仮設林道が左岸に出てきたので,そこへ上がって程なくすると,壱之沢橋.

壱之沢橋からも暫く一ノ沢を下るが,相変わらず平凡で,堰堤を2つ容易に巻き下る.するとしばらくしてゴルジュが現れ,3m滝があった.丸山はクライムダウン,久光・舩津は左岸を巻き気味に下った.綺麗で登り応えもそこそこありそうな滝だったので,ここで休憩と登攀練習.丸山と久光はフリーで直登できたが,船津はお助け紐を出してもらって漸く上った.スライダーもできなくはないが,滑り心地は悪い.

さらに下ると次のゴルジュが現れ,また3mの滝がある.右岸からへつり気味に下ろうとしたが,3人とも失敗しドボン.ここでもしばし停滞とし,丸山が右から登ろうとすると,クロモリの残置ハーケンを発見.なぜこんなマイナーな沢の簡単な滝に残置したのかわからないが,ちょうどハンマーを持っていたので回収.3本もあった.ここで結構時間を使う.

そこから数分の下りで一ノ沢・ニノ沢合流点に達し,二ノ沢へ入って10分ほどで,10mの滝.これは直登しないので,左から大きめに巻く.本日の核心といえるが,特に難しくはない.少し進むと泳げそうな淵があったので,丸山が泳いでみると,ヤマメが沢山.

二ノ沢・三ノ沢合流点は落差50cmくらいの両門の滝状になっていて,面白い.三ノ沢へ進むと林道の擁壁が無粋だが,その対岸には石積みの謎の構造物があった.恐らく林業全盛時代の遺物であろう.すぐに三ノ沢橋をくぐると,前には堰堤があり,左から容易に越える.そこからが本日のハイライトで,ナメと小滝ばかりが延々と続く素晴らしい場所.特筆すべき見所を出てくる順に3ヶ所挙げると,
1.深く大きな釜を持つ1m滝:水が綺麗で美しい.巻かなければ泳ぎ必須の滝で,水線直登は難しい.右壁から登る.
2.瀞状の釜を持つ2段6m滝:釜の右をへつって越えるのが面白い.景観も優れている.
3.広めの樋状3m滝:一般的には右壁をへつり気味に登るが,つっぱりで水線直登することもでき,面白い.落ちても滝壺が深いので安心.

他にもテクニカルなスラブ状ナメ滝などがあり,次の堰堤が出てくるまではずっと楽しい.堰堤が出てくると,水は大幅に減り,ナメもなくなって単調になる.続々と出てくる堰堤をさらに4つほど巻いて暫く登ると,三国林道に出た.急登もザレ・ガレもなく安心の詰め.

沢装備を解除して,崩壊地や堰堤工事現場,伐採・植林作業現場などを横目に林道をひたすら歩くと,県道に出て終了.林道の下山は長いが楽.

■予定時間との比較
矢印の左が予定、右が実際
三国峠-160(遡行の場合)→84-壱之沢橋-120?→112-三ノ沢橋-160→107-三国林道-45→50-三国峠
全体的にウォーターウォーキングのコースタイムは長めに設定されている.が,なぜか林道でコースタイムを超過したのは,のんびり歩いたせいだろうか.
■見つけたもの
・カモシカ?:一ノ沢2段7m滝を下ろうとしているときに船津が発見.すぐに走り去ったためよく見えなかった.
・森林軌道のレール:土沢二ノ沢で発見.その昔,世附には森林軌道があったそうだが,土沢沿いにあったという情報は聞かない.別の支流から他の用途で持ち込まれたものか? 
・「卋」という字:「世」の異体字らしいが,初めて見た.壱之沢橋の銘板に「卋附川」と書かれていたもの.
■感想・備考など
・土沢三ノ沢は丹沢でも一,二を争う癒し系の沢だそうで,事実間違いなかった.
・経験者はハーネス不要.今回も丸山・久光は未着用.
・ヤマビルはもちろん無し.
・簡単で綺麗な沢もたまには良い.
・山中では誰にも会わなかったが,林道や伐採地には伐採作業をしている人がいた.
■反省
・カメラを忘れた.残念.
■コメント
・船津君の初沢がいいところでよかったです.また行きましょう.
・久光さん,代わりに写真を撮って下さりありがとうございました.
■沢の評価
【西丹沢】
酒匂川系世附川・土沢一ノ沢 160604二ノ沢合流点まで下降[raicho 11888]
1級、綺麗1、登攀1、珍奇0、辛苦1、推奨1
壱之沢橋より上流が一般的に遡行対象となっているようだが,そこは堰堤が多く平凡だし,伐採で荒れているためお勧めできない.林道より下流のゴルジュは水量があり,小滝も多少の登り応えがあるため悪くない.詰めは少々面倒と思われる.遡行の場合,ゴルジュ内の小滝の登攀がやや難しいかもしれない.

酒匂川系世附川・土沢三ノ沢 160604一ノ沢合流点から二ノ沢経由で遡行[raicho 11888]
1級,綺麗2,登攀1,珍奇1,辛苦1,推奨2
噂通りの癒しの沢で,水が綺麗で釜も深く,ナメや小滝も美しいので,お薦め.登り方次第ではそこそこ難しい小滝もあり,登攀やへつりも楽しめる.核心は二ノ沢の10m滝で,大きめに巻く必要がある.水が涸れてからの詰めはやや長く,堰堤が多いが,傾斜は緩め.