2016/7/2-3 燧ケ岳

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)

燧ケ岳山行計画書

作成:寺垣



■日程 2016/7/2,3(土、日)夜行+1泊

■山域 尾瀬

■捜索要請日時 2016/7/4(月) 10:00

■メンバー(計7名)

CL寺垣 SL朝倉 五島 平岩 山本 石田 川瀬



■集合 (7月1日です!)

23:45 東武スカイツリーライン浅草駅 正面改札口前

■交通

□行き

東武線夜行列車 尾瀬夜行2355 5800円

23:55浅草駅発

浅草駅~(東武夜行)~会津高原尾瀬口駅~(バス)~尾瀬御池

5:50 尾瀬御池 到着予定



□帰り(簡略版)

鳩待峠11:00/11:50/12:45/13:40/14:30//17:10

—(関越交通バス)—戸倉・鳩待峠バス連絡所 (35分 900円)

(人数によっては乗合タクシーに乗ることができる。)



戸倉・鳩待峠バス連絡所12:07/12:35/13:12/13:30/14:00/14:19/15:17//18:30/19:55

—(関越交通バス)—沼田駅 (1時間30分 2100円)



沼田13:15/14:22/15:14/16:10/17:02/17:58/18:52/20:27/21:27(最終)

—(JR上越線)—高崎—上野 2592円

(最終21:27~00:14)



■行程

一日目

尾瀬御池~1:00~広沢田代~0:50~熊沢田代~1:40~俎嵓~0:20~柴安嵓~0:20~俎嵓~0:20~御池岳~2:30(長英新道)~長英新道分岐~0:20~尾瀬沼キャンプ場

計7:20



二日目

尾瀬沼キャンプ場~0:25~三平下~0:30~南岸分岐~0:20~大清水平~1:00~皿伏山~0:30~セン沢田代~1:00~白尾山~0:40~富士見小屋~0:25~アヤメ平~0:40~横田代~1:00~鳩待峠

計6:30



■エスケープルート

一日目

俎嵓まで:御池まで引き返し、沼山峠にバスで向かい、尾瀬沼キャンプ場に向かう

尾瀬沼山峠~0:45~尾瀬沼キャンプ場(尾瀬沼一周2:45)

俎嵓から:そのまま進み、尾瀬沼まで降りる。

二日目

皿伏山まで:尾瀬沼まで引き返し、沼田街道で大清水まで降りる

皿伏山から富士見小屋まで:富士見小屋まで行き、判断。基本的にはそのまま進む。

富士見小屋以降:そのまま進む



□エスケープ時の交通

一日目

尾瀬御池—7:00/8:30/11:30/12:55/14:50/16:25(会津乗合バス)—尾瀬沼山峠(所要時間約20分、520円)

二日目

大清水9:20/11:08/11:55/13:00/14:07/15:05/15:50—(関越交通バス)—沼田(1時間30分)

富士見下9:05/12:40/15:40—(関越交通バス)—戸倉・鳩待峠バス連絡所(10分)



■地図

山と高原地図14 尾瀬 燧ケ岳・至仏山

2.5万分の1:「燧ケ岳」「三平峠」「至仏山」

■遭難対策費

200円/人 計1400円

■その他

・テン場代800円

・温泉 ホテル玉城屋 日帰り入浴700円

・最寄りの警察署 南会津警察署:0241-62-1140

・日の入り(2日)19:16

・日の出(3日)04:18

・悪天の場合:前日の22:00までに判断。悪天だった場合尾瀬散策に切り替える。決定した時点で在京に連絡する。

一日目

尾瀬沼山峠~0:45~尾瀬沼ヒュッテ(尾瀬沼一周2:45)

二日目(前日に判断。基本的には計画通りアヤメ平へ向かう予定。)

尾瀬沼ヒュッテ~0:30~南岸分岐~0:45~沢尻休憩所~0:40~白砂峠~1:20~見晴~0:30~龍宮小屋~0:40~牛首分岐~0:45~山の鼻~1:20~鳩待峠(計6:30)



・御池まで引き返し、東京に帰る判断をした場合。

尾瀬御池08:50/11:05/13:10/14:30/16:40—(会津乗合バス)—会津高原尾瀬口駅

会津高原尾瀬沼口09:48/10:49/11:56/12:56/13:34/14:19/15:21/16:23/17:25/18:36/19:36

—浅草



■参照

関越交通(戸倉~沼田時刻表):http://kan-etsu.net/files/lib/1/324/20160308144542326.pdf

南会津警察署:http://www.police.pref.fukushima.jp/police/wakamatsu/index.html

東部トップツアーズ:http://tobutoptours.jp/dom/hok_toh/oze/

燧ケ岳山行記録
作成者:寺垣
■日程 2016/7/2,3
■山域 尾瀬
■天候 一日目:曇り時々晴れ
二日目:曇り時々雨
■メンバー(基本オーダー順・敬称略)
CL寺垣 川瀬 石田 山本 平岩 五島 SL朝倉
■記録
0日目(7月1日)
集合時間の23:45にほぼメンバーがそろう。いつもは寝ている時間だそうで平岩さんがとても眠そうだった。というより寝ていた。石田君が50分になっても来ないので、心配したが、無事合流。駒場祭関連であつまりがあったらしく、ぎりぎりになってしまったとのこと。
 尾瀬夜行23:55は私鉄唯一の夜行列車だそうで、ネットで調べるとその筋の人には有名らしい。ネット情報通り、リクライニングがないのがつらい。春日部で川瀬さんとも合流し、無事メンバーがそろう。席はガラガラだったので、2人で4席を使う形で寝ることにする。なかなか暗くならないので、この列車は本当に私たちを眠らす気があるのか不安になったが、しばらくすると車内も消灯した。周りの乗客も寝方を創意工夫していた。
明け方、尾瀬夜行口に到着。改札を出たすぐのところでトイレ待ちの人がたむろっている。最初はここがバス停なのかと思ったが、人が減っていくので、橋を渡り階段を降りた先にバスがあることがわかる。ちなみに階段を降りたところにもトイレはある。
4時ごろ、バスに乗りこむ。荷物を持ったまま乗り込むことができ、一人2席使えるのでありがたい。このバスに2時間ほど乗り、御池で降りる。夜行列車よりもこちらの方が寝やすかったようだ。

1日目(7月2日)
06:00御池着
 心配だった天気も、持ちそうでうれしい。早まって燧カットしなくてよかった。ここで朝ごはんタイムと出発準備をする。トイレがとてもきれいでちょっと感動。さすが尾瀬。プチ売店もある。
06:30燧ケ岳山頂に向け、出発。
 大きな駐車場を通り抜け、登山口に向かう。登り始める前に休憩するつもりだったが、思ったよりすぐ登り始めたこと、何組かと抜きつ抜かれつをしていたこともあり、休憩のしやすそうな広沢田代まで頑張ることにする。
07:20-07:28広沢田代
 気持ちのよい湿原。ワタスゲの群生がかわいい。木道も広めで休憩しやすい。
08:15-08:23熊沢田代
 所々に池塘がある。湿原の先にこれから登る燧ヶ岳がよく見える。エアリアによると紅葉の季節がきれいなのだそうだが、青々とした緑も十二分に美しい。
09:00八合目
 気持ち残っている雪渓を横目に通り過ぎる。結果としてアイゼンはお守りで出番はなかった。
09:15-09:30景色のよいところ
 曇りではあるが、ガスっているわけではないので、遠くの雲のかかった山々を見ることができる。川瀬さんがプラティパスからペットボトルに水を入れ替えるのに苦戦していた。
09:50-10:05俎嵓
 ごつごつした岩の間を縫って山頂着。風がとても強い。山頂の祠の近くで少し休憩。ここで初めて尾瀬沼を見える。上からみると大きな水たまりのようだ。
山頂よりすこし降りたところにメインザックをデポして柴安嵓に向かう。
10:30-10:45柴安嵓
 燧ケ岳最高峰着。こちらからは尾瀬ヶ原の向こうの至仏山も見ることができる。山頂には至仏山とセットの「燧ケ岳山頂」という黒い石に掘られたものがある。近くにいた4人組の学生たちと交代に写真を取ってもらう。
エアリアを見ながら少し休憩をする。周りの人たちは調理をして昼ごはんの準備をしている。確かに時間的にも早めのお昼ごはんとちょうどよい。いい匂いがしてくる前に山頂から退散。
10:55俎嵓
 戻って荷物を担ぎなおして出発。
11:18八合目
11:25-11:30ミノブチ岳
CLのおなかが空きすぎたので少し止まって休憩。青空も少し見えるくらいの天気で気持ちが良い。
12:50一本
エアリアにある通り、樹林帯の中のゆるい坂道を延々と進む。きれいな木道に合流してゴールが近いことを実感。
13:25尾瀬沼
尾瀬沼の真横を通過。沼山峠から入ってきたのだろうか、団体客がカメラを片手に渋滞している。
13:30尾瀬沼ヒュッテ着
ヒュッテでテント泊の手続きを済ませ(一人800円)、テン場へ。ウッドデッキになっていて、30張分はあったのではないだろうか。二つ隣り合うところにテントを張る。余裕のある時間にテン場到着できたので、15:00にお米に浸水を始めてから16:00まで各自尾瀬リラックスタイムを過ごす。テントやその近くで寝転んだり、沼近くの散歩など。長蔵小屋の売店があり、豊富な品揃えだった。冷たい飲み物や、ドーナツ(150円)、ホットドッグなどから、Tシャツ、絵葉書、花バッチなど。図らずも女子4人でおそろいの燧ケ岳ワッペンを購入した。
近くにはビジターセンターもあり、展示も充実している。明日の天気情報も掲示されており、曇り時々雨とのこと。19:00から45分程度のスライドショーがあり、尾瀬の歴史などが学べるらしい。トイレに音姫がついているあたりからしてもあまり山にいる感じがしない。
16:00から石田君のカレーライスを作る。石田君はお米2キロ袋ごと担いでいたようで、必要量だけでよいと伝えておけばよかったと上級生側で反省した。なお食当の間、CLはテントにこもって天気図を書いた。なかなかきれいに書けたと自己満足。人参がなかなか煮えなくて苦労していたようだが、無事完成した。ご飯も美味しくたけていたので、なかなかちゃんとした晩御飯になった。片づけをすませて、まだ明るいのでみんなで沼の近くを散歩する。山本君が、絶対都会と流れる時間が違うといっていた。同感。なんだかとても贅沢なのんびりタイムだった。途中かかる小さな橋に腰かけてみんなで童心に帰る。空には層積雲やら巻雲やらいろんな雲があってみていて楽しい。そうこうしていると、燧ケ岳の奥から嫌な感じの灰色の雲の塊が押し寄せてきた。ビジターセンターの情報、天気図、雲の様子からしても、明日の天気はそこまで期待できないなあと思いつつ、テントに戻り就寝。五島さんが、これで晴れたら奇跡ですねといっていた。

2日目
03:00起床
ありがたいことに夜雨に降られることはなかった。平岩さん担当の朝ごはんでマカロニ入りポトフを食べる。肉厚のベーコンとほくほくのジャガイモが美味しかった。前日から浸水していたお米もちゃんとたけて、何人かでおにぎりをコッヘルでつくった。
5:00尾瀬沼ヒュッテ発
出発準備をしているとぽつぽつと雨が降ってくる。次第に強くなってくるので、しぶしぶ雨具とザックカバーを付ける。テントを撤収した後でよかった。
5:45分岐
ふとすると見逃してしまいそうな分岐。
6:00大清水平
開けていて気持ちがよい。雨もそこまで強くないのはありがたい。雲はたくさんあって判別しづらい。燧ケ岳もすっかり雲に覆われている。3日が山開きで、山頂で登頂記念バッジを配っているとのことだったが、たぶん真っ白の展望だろう。
6:55-7:08皿伏山
エアリアの記述通り展望なし。目的地に希望の持てないゆっくりとした登り1時間が地味につらい。
7:40-7:50セン沢田代?
道標にはセンサワ田代と書いてあるが、ここまでに少し登っているのとまわりが田代っぽくないので、1921の小さなピークではないかと思う。まだ歩いて30分ほどしかたっていないが、心の疲労的に休憩。山本君が体育座りで休憩していた。ここまで歩いて、全く人に会わない。登山道の様子からしても、こちらの方にわざわざ来る人も多くないのだろう。気分の入れ替えのために先頭のCLと最後尾の朝倉君を交代してみる。
8:30-8:44白尾山
今までのところよりは少し展望が出てきた。雲に覆われているがうっすらと太陽も見える。雲が多いが遠方の山も見える。
09:05道路に合流。
09:20-09:30富士見小屋
富士見峠の分岐のあとすぐある。ここからようやく人を見かけるようになった。
10:00-10:15アヤメ平
今日の目的地アヤメ平到着。天上の楽園というよりは、雲の中の天中の楽園といったところだろうか。人が来過ぎて荒れてしまった湿原の復旧を行っているとのこと。ガスが一瞬晴れた時、さあっときれいに湿原が見え、たしかにここで青空で、至仏山と燧ケ岳がくっきりと見えたら、気分が良いだろう。
石田君がふりかけも持ってきてくれていたので、朝作ったおにぎりにかけて食べた。
10:45横田代
最後のお楽しみゾーンだったがさくっと通り過ぎた。
11:10鳩待山荘着
人が一気に増える。一回しかきたことはないが懐かしさを感じる。バス発車の時間まで靴の泥を落としたりして少し休憩。小屋の前のところでバスの乗車券を買う。バスや乗合タクシーの場所が去年と異なり、少し降りたところに駐車場が設けられている。

乗合バス連絡所で下車。太陽が照り付けている。前回も使ったバス停近くの玉城屋という温泉に入る。ここは荷物を置いて広く休憩できる畳のスペースが個人的に気に入っている。ここで在京連絡。在京の舩津君に電話をすると女の人がでてびっくりした。080と090を間違えていたようだ。

温泉を出た後に近くで昼ごはんを食べることにする。採りたての山菜を使っているとのことでみんな山菜そばなりうどんなり定食なりを頼む。山菜の天ぷらがとてもおいしかった。お店の人の話を聞いていると、沼田に住んでいるおばあさんと娘?さんで夏だけ経営しているらしい。毎年「もう今年でやめる」とおばあさんが言うそうだが、毎年「来年も来るね」というお客さんがいて、なんだかんだと続いているらしい。実際「また来ますね」とレジのとこで言っている人がいて、確かに尾瀬は車で来やすいし、常連客も多いのだろうと思った

ご飯の出てきた時間と食べる時間の関係上、14:19のバスには乗れず、15:17に乗ることにする。バスの待ち時間に東電のネイチャーセンターで時間をつぶす。尾瀬の花の解説もあった。群馬県立尾瀬高校の宣伝も展示してあって、ちょっと面白かった。またここに尾瀬の山小屋2000円引きのチケットが置いてあり、鳩待峠を使って山小屋泊をする人はここに寄ったほうがお得である。

外に出て花豆アイスを食べつつ、バスを待つ。

そのあとやっぱ尾瀬は遠いなあと思いつつバス、電車に揺られて20:00ごろ帰京。流れで解散となった。

□総括
御池から燧ケ岳のルートはそんなに人であふれているわけでなく、登りやすく、景色もよい。尾瀬沼から鳩待峠に抜けるのはあまりメジャーでなく、展望がない中歩くので、少しつらい。今回はアヤメ平に行きたいという気持ちがあったのでこのルートを取ったが、燧ケ岳だけに行くなら、夜行列車日帰りで、尾瀬沼から75分歩いて沼山峠に戻るのもよいかもしれない。

□雑感
個人的に去年の至仏山山行と合わせて、尾瀬ヶ原、至仏山、燧ケ岳、尾瀬沼と尾瀬をぐるっと一周できてとても満足している。シリーズ的なりコンセプトを持って山行に臨んだ方が、少なくともCLのテンションが上がる。

また、行く前の天気が微妙な方が、計画書を練り直すので、計画書を考えるよい鍛錬になる。今回は、天気が微妙なときのエスケープルートを多数用意しておく大事さを実感した。天気がどうなったとしても、ちゃんと使える代替案を用意しておくと安心して計画通りの行動ができる。