2016/10/2 勘七ノ沢遡行・小草平ノ沢下降

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
勘七ノ沢遡行・小草平ノ沢下降計画書ver.1.0
作成者:久光
■日程
2016/10/2(日) 朝発日帰り予備日なし
■山域
表丹沢 四十八瀬川
■在京本部設置要請日時 2016/10/2 19:00
■捜索要請日時 2016/10/3 10:00
■メンバー(計2人)
CL久光 SL山本

■集合
7:15 渋沢駅北口2番乗り場

■交通
□行き
7:18 渋沢駅北口—(神奈中バス渋02系統大倉行)—7:33 大倉
※遅れた場合
7:36/7:50/8:08 渋沢駅北口発大倉行
□帰り
13:18/13:48/14:18/14:48/15:18/15:33/15:48/16:18/16:35/16:48/17:10/最終20:22
神奈中バス渋沢駅北口行
渋沢駅北口より各自帰宅
※丹沢・大山フリーパス Bきっぷの利用を推奨。新宿からの場合1530円。

■行程(沢遡行2:45,その他2:55)
大倉—(1:00)—二俣/入渓—(1:10)—F5—(1:10)—花立山荘/登山道—(0:20?)—天神尾根分岐—(0:15)—堀山の家—(1:15)—大倉(計5:20?)
時間、体力ともに余裕があれば小草平ノ沢を下降。
堀山の家—(1:20)—小草平ノ沢出合—(0:10)—二俣/林道—(1:00)—大倉(計6:35)

■エスケープルート
F1まで:引き返す
F1からF5まで:左岸尾根から二俣へ
F5から:大倉尾根から大倉へ
小草平ノ沢:右岸尾根から二俣へ

■地図
2万5千分1地形図「大山」
山と高原地図「丹沢」
遡行図
・勘七ノ沢:雷鳥Google DriveよりP6293085.JPG(ユーザー名・ログイン方法は不明なら久光まで)
・小草平ノ沢:雷鳥Google DriveよりP6293086.JPG(ユーザー名・ログイン方法は不明なら久光まで)

■遭難対策費
100円×2人
計200円

■備考
日の出(大倉 10/2)5:36
日の入(大倉 10/2)17:28
神奈川中央交通秦野営業所 0463-81-1803
秦野警察署 0463-83-0110
2015年記録
2012年記録
2002年記録

勘七ノ沢遡行記録

■作成: 久光

■日程: 2016/10/2(日)

■山域: 表丹沢・四十八瀬川

■天候: 霧時々晴

■メンバー: CL久光 SL山本

■行動記録
7:35 大倉発
8:45—9:01 二俣
9:22 F1下
10:10 F2下
10:31 F3下
12:54 F5下
15:39-15:53 シカ防護柵
15:57 登山道
17:31 下山

■記録
渋沢駅で合流し、7:18発のバスで大倉へ。バスはハイカーで混みあっている。大倉から二俣までは1時間の道歩き。そういえば2年前の丹沢山行で歩いたところだ。メンバー二人とも海外から帰った直後で、中国・アメリカの山との比較で盛り上がる。巨大都市東京からわずか2時間程度で急峻な山岳地帯に来られ、道の整備状況が(過剰に?)よいのは関東の山の良いところだが、反面山本君は単調な人工林と蒸し暑さに辟易としているようだ。
二俣の勘七ノ沢徒渉点で入渓準備し、左岸の道状を5分ほど歩いてから入渓。しかしこの時点では、何を勘違いしたのか現在地を一つ下の橋と誤認しており、この上にミズヒ沢出合と二俣の橋があると思いこんでいた。最初の堰堤を右から巻き、10分ほどで小草平ノ沢出合に到着するも、上記の勘違いから右に入る。そしてほどなく小草平F1と堀山の家に通じる登山道の徒渉点を確認し、ようやく間違いに気づく。出合に戻り、改めて勘七ノ沢に入る。勘七ノ沢は水量もそこそこあり、水が青く透き通っている。久しぶり補正はあるが、期待していたより良い。
小草平ノ沢を分けてすぐに勘七F1。久光リードで左から登る。残置支点は2か所確認。終了点は滝上にボルトが2つある。山本君を上げた後、軽く支点の作り方、固定分散/流動分散/固定流動分散を説明する。F2は岩の割れ目に沿って登る。角度はあるもののホールドは豊富なので、ロープは出さなかった。ただし、岩がもろい上に高度感があるため、初心者帯同の場合は確保必須だろう。途中のテラスに残置ハーケンがあった。上にはちょっとした釜があり、へつりが必要。
F3は左右どちらからも登れるらしいが、右から越える場合は泳ぎ必須なので左から。斜度は緩く困難ではないが、練習がてらロープを出した。残置はハーケンを3個確認。久光リード、山本ビレイで、最終支点は木に取った。通過後、山本君にリード講習。支点の取り方、マスト・半マスト、折り返しビレイを教えたあと、自分で練習してもらう。次のF4は下段をフリーで登ったあと、練習がてら山本がリード。バンド経由で登る。抜けるところがハング気味だが、トラロープや残置スリングがあり、A0すれば難しくない。支点は滝直上の木。ただし山本は折り返しビレイを忘れて、禁じ手である下方向のボディビレイをしていた。練習を積みましょう。
F4の上は堰堤を5つ超える。おおむね右から乗り越せるか、巻道がある。
F5は勘七ノ沢最大の15m滝。セオリー通り、末端左からバンドを右上、水流沿いに直上。ホールドは豊富でしっかりしており、特に問題ない。支点はボルトが二つあるも、片方を見落としてバックアップを岩でとった。
F5を抜けるとまもなくゴルジュの連瀑帯。なかなかの壮観。フリーで登れる程度の滝が次々に表れて楽しい。この辺りから徐々に勾配が急になってくる。小滝をいくつか超えると一旦水がなくなり三俣。三俣は中俣に入る。ロープ講習に時間を使いすぎたか、段取りが悪かったか、既にいい時間になってしまった。小草平の下降は残念だが諦める。この辺りから疲れが出始めたこともあり、スピードが落ちる。
更にしばらく行くと小流が復活し、最後の滝F9。若干もろいが、ロープなしで問題ない。
水が消えたので適当な枝沢に入って、大倉尾根を目指す。もろい岩の急斜面で、下るには辛そう。やがて谷地形は不明瞭になり、あざみの生える中を歩くと、シカ防護柵に突き当たる。柵管理用とみられる道が出現したので装備を解除。その先防護柵沿いに下ると花立山荘下の登山道に合流。ずっとガスっていたのが、ここに来てガスの上に抜け、一面の雲海状態。丹沢で雲海が見られるとは。
大倉尾根は、バカ尾根だけあって長い。それなりに時間を要し、そろそろ薄暗くなってきたところでようやく大倉着。日没直前の下山で、在京に心配をかけてしまった。


■反省
・装備に色々と問題。またもヘルメット「自然」が登場した。初心者を連れていくのに共装の山用ヘルメットがないのは困るので、ガメている上級者は返却してほしい。共装のハーネスも危険なレベルにボロく、買い替えが必要。また、環付が不足したのは問題。きちんと必要数を確認して持っていくべき。
・行動が遅い。講習、トイレ休憩は仕方ないとして、久光はロープ裁きなど、一つ一つの動作をきびきびこなすことで早くできたはず。また、これも久光だが、後半バテ気味になってしまったのは体力がない。沢下降もしていないのに、在京に心配をかけるような時間の下山になるのはいただけない。
・入渓時の読図ミス。そもそも地形図だけでなくエアリアも見ていれば起こり得なかった。林道歩きだからといって気を抜かない。
・F4下段での久光のビレイは場所が悪く、セルフを取るべきだった。ビレイヤーにもしものことがあったらクライマーを巻き込み危険。
・山本君は今回教えた技術を覚えましょう。実践を通じて練習するのがいいと思います。

■感想・備考
・期待していたより良かった。適度に難しく、水も透き通っていてそれなりに美しい。初心者を連れていくにも使えるし、上級生も楽しめる。同じ山域なら源次郎より良い。
・アクセスの良い表丹沢の中でも人気の沢だが、人と全く会わなかった。時期が早くヒルが出るせいだろうか。
・ヒルの被害は久光2か所、山本1か所。もう少し寒くなるまで出没するようだ。