2017/4/2 高川山

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
高川山行 確定計画書
作成 木下
□日程 4月2日(日) 日帰り
□山域 御坂山地
□在京本部設置要請日時 2017/4/2 1800
□捜索要請日時 2017/4/3 0900
□メンバ(計3名)
CL木下 SL川瀬 位高
□集合
 高尾駅0747発 中央線富士急行線直通河口湖行き 車内
 ※前半分が富士急行線直通のはずです。最前は混みそうなので2両目などで。
□交通
(行き)
JR中央線・富士急行線
 高尾0747→禾生0844
 高尾から880円 新宿から1620円(高尾まで京王線利用で1240円)
 ICカード可
(帰り)
JR中央線
 大月駅発1209/1229/1313/1345/1415/1447/1521/1547/1613/(1633)/1649/1706/(1734)/1740
 新宿まで所要1時間15分~1時間45分 1320円(京王線利用で940円)

□行程
 禾生駅0900
→古宿0935
→大休場
→高川山1045・1125
→天神峠1230
→むすび山1330
→大月駅1400
 [歩行計4時間20分]
□エスケープルート
引返す/天神峠から田野倉駅へ/そのまま進む
□地図
2万5千図 「都留」「大月」
山と高原地図 「27高尾・陣馬」


□遭難対策費
100円/人×3名
計300円

□参考情報
■日没日出
 4月2日日没(東京) 1803
 4月3日日出(甲府) 0530
■ラジオ周波数
 NHKラジオ第一:東京;594kHz,甲府;927kHz
 NHKラジオ第二:東京;693kHz,甲府;1602kHz
 NHK FM:東京;82.5MHz,甲府;85.6MHz
■警察署電話番号
 山梨県警大月警察署 0554-22-0110

高川山行記録
木下 作成

□日程 4月2日(日)
□山域 御坂山地
□天候 曇ノチ晴
□メンバ(計3名)
CL木下 SL川瀬 位高

□計画
 禾生駅0900
→古宿0935
→大休場
→高川山1045・1125
→天神峠1230
→むすび山1330
→大月駅1400
 [歩行計4時間20分]

□行程
 禾生駅0845
→古宿0910
→舗装道終点0920・0930
→林道終点0945
→稜線上1025
→高川山1032・1132
→天神峠1234
→峯山1250・1308
→むすび山1345・1400
→大月駅1430

□オーダ
 木下-川瀬-位高

□ルート状況
 禾生駅から線路と道を渡って正面、川を渡ったら左、その後は「登山道」の矢印があるのでそれに従っていく。集落の少し先まで舗装されていて、その先も暫くは幅の広い林道になっている。長くて怠いと思わずに、山村を歩くのを楽しめばよいと思う。
 山道に入ってからの登りは、あまり手ぬるくない尾根の急登がある。しかし谷沿いからゆっくり上がる道とトラバース気味の道と、短い区間で変化に富んだ道なので楽しいくらいだ。分岐にはきちんと道標がある。
 稜線に上がった分岐から山頂までは細かなアップダウンが結構ある。階段上に積み上がった急な岩を登って山頂。ぐるりと開けていて展望は抜群だが、平らな土地が無い上に三方から道が集まっているので場所取りが難しい。
 天神峠までは急な下りが多く、雪や雨のあとは滑りやすい。滑った拍子に斜面から落ちてしまいそうなところもある。天神峠にはもちろん天神さんがおわす。
 峯山は顕著なピークではなく、稜線上の盛り上がったところという感じ。峠の方が休止しやすい。むすび山までは下界がすぐそこなのに草木の多い道をダラダラと歩かされるので、もう少し長かったら嫌になりそう。
 防空廠跡のあるむすび山からは大月市街の展望が開けている。下山しはじめるところにカタクリが群生しているので、この時期は大月からここまで散策に来る人も多い。
 下山したら矢印に従って通りに出て、あとは線路沿いに。どう歩いても駅には出るが、甲州街道を渡って路地に下りてしまわずに、線路の南側を保つ方がよさそう。

□菜畑山・今倉山の山行中止と代替計画について
 もとは1日に道志みち沿いの民宿に前泊して2日に菜畑山-今倉山-二十六夜山と歩く予定だったのだが、これを中止し、その代替として本山行を実施した。
 天気予報では1日が寒く雪、2日は曇という感じだったので、もとの通り実施する気でいたのだが、予約していた民宿から30日に電話があり、1日の天候が悪いことに加えて30日の時点で数日前に2日続けて降った雪がかなり残っており、万が一のことがあってはいけないから計画をやめてくれないか、とのことだった。宿から「中止してほしい」という調子で言われたこともあり、また人の少ない山域で年度末の平日では積雪後にトレースがついている見込みもなく、メンバの力量やコースタイムを考えて中止を決定した。ヤマレコ等を見るとこの山域では深いところで膝までの積雪があるようだった。
 代替の山行として、都留市駅からバス(春秋の土日限定)で道坂隧道まで行き今倉山から二十六夜山へと、もとの計画の後半をなぞる日帰り山行も検討したが、二十六夜山からの下山が急な下りに沢沿いの道で、やはり人もトレースもなさそうな状況では不安であるため、これは雪のない時期に回して、高川山を選択した。
 代替計画を急拵えでつくるにあたって、全く勉強していない山ではリスクが高いから、もとの計画を縮めるなど一部変更するか、既に歩いたことのある山と付近の山域から選ぶかになるのは必然だと思う。今回の場合、道志の山に行きたいという魅力がかなりあって迷ったのだが、もともと道志の計画は雪のないことを想定したものであって、日帰りにしたところでその点で当初の計画意図と実際が乖離してしまうので、「今倉山日帰り」の案は早々に棄てるべきだったと思っている。高川山は今倉山ほどの積雪はないようだった(実際にルート上には深くて数センチだった)し、確実に複数の登山者が見込まれたので、一度登ったことのある道を登りで採用して、少したっぷり目に歩けるようにむすび山・大月駅への下山としたものである。

□雑感
 年度が替わってしまった。35期の先輩たちが(概ね)卒業してしまった(本山行にも院進して一人参加しているのであるが)。そんな途方もなくノスタルジックな気分での山行だった。
 道志の山は、残念だが仕方がない。ずっと道志の山々をやりたいと言っていて、逃げられっぱなしである。日帰りで行かれる御正体山と今倉山はこの春と秋に何とか歩きたいものだ。
 高川山は高校の時、やはり冬に軽アイゼンで登ってとても楽しかったので、雷鳥の山行記録にないのが不思議で、機会があれば雷鳥でもう一度と思っていた山だ。道志を志す感性を共にするメンバと歩く機会が巡ってきたのはちょうどよかった。
 大月まではあっという間。大人数でワイワイやっていたら禾生で降りそびれるかもしれない。前回は禾生ではまだPASMOが使えずに現金精算したように思うが、今度はワンタッチで降りられた。
 午前中は晴れて夕方から雨という前日の予報だったのに、どんよりと曇って今にも雪が降りそうな空だった。近くに見える山々は殆どガスを被って、山頂からの展望もあまりよさそうではない。
 集落の間をえっちらおっちらと行く道は、人の気配がなく静かだった。暗い空の下でひっそりとしている。それでも気分のいい、川沿いの村である。低山の魅力はここ、山と里との連続する部分にこそあるのかもしれない。鉄道とバスでアプローチしたいのも、その為だろうか。
 山道に入るとやはり雪が積もっていた。ルート上ではごく浅く、アイゼンを着けるほどではなかったが、朝のうちはサラサラの雪に踏張りが効かず歩きづらいところもあった。目の前にどんと現れた急な尾根をゆっくり登っていくと、木の上に積もった雪や霰が頻繁に落ちてきて、頬をかすめたり後頭部に直撃したり、痛いほどではないが何度当たってもびっくりしてしまう。どうも僕はツイていたようで、二人の3倍くらい直撃をくらってしまった。空も暗いから、雪の降る中を歩くのと変わらない気分だった。登って行くに従って積もっている雪も少し深くなっていった。
 稜線に上がれば天気が良くなくても気持ちいい。午前中の雪の稜線を歩くのは楽しいものだ。山頂まであっという間で惜しい。岩を這い登って山頂に到着、やはり展望はさっぱりだった。下界と隣の山くらいははっきり見えるが、二つ奥の山筋はもう怪しい。天気がよければ南アルプスだって望まれるのに、残念。登って来る間にすれ違った人も何組かあったくらいで、山頂にはやはり結構な人がいた。新しい雪の上には獣か鳥か飼い犬か、人でない足跡も見られた。
 狭い山頂はどこがルートでどこに座れるのかいまいち判然しないが、適当な岩かげの雪の少ないところに陣取った。今回はヤマケイオンラインのモニター企画でカリマーの大きなザックを背負っていたので、荷を増やすために3人分のカップラーメンと鍋代わりのフライパンにストーヴを担いできた。フライパン大の一杯で丁度、小さめのカップ麺3杯が作れた。さらに位高さんのお菓子でお茶をして、なかなかリッチな気分だ。思っていたより時間を食ってしまったけれども、ストーヴを持ってきて少し、という色気の効果は少人数の山行での方が発揮されるかもしれない。
 最後にもう一度、雪が無ければ歩いていたはずの道志の方を眺めやって、下山にかかった。来た時よりも通行量が増えて、気温も少し上がっているはずだから、岩の上はグジョグジョになっていた。登って来た分岐を過ぎて急な尾根沿いに下りはじめると、溶けた雪が泥と混じってドロドロ、ヅルヅル。深く雪が積もっている方が歩きやすいだろう、凍っていたって軽アイゼンを持っているのだから。ヌルッと滑ってかなり怖い道で、やはり僕はツイていたので、二度か三度か派手に転げてしまった。滑りながらも一気に高度を下げるとだんだんと晴れてきて、どうも予報とは反対を行っているような天気だった。天神峠まで下ってしまうとまた登りが出てくるので暑くなって、朝は雪だったのに今度はアイスが食べたいくらいの気分だった。峯山での休憩は少々ダレてしまった。二人も午前中より口数が減っているようだった。
 このあたりに雪はもう全くないが、前日には雨が降ったのだろう、道は多少ぬめっていて、僕はツキまくっていたからまたもう一度、ずっこけた。前日に計画して山に入るなんて、ナメるなよ、ということだろうか。
 20を超えてノスタルジックな二人が喋るのは、仲間たちの思い出話か前途への不安ばかり。こんな老害達に若いホープたる川瀬さんを付合せていいのだろうか。前週の幕山の賑やかなのとはまるで雰囲気が変わって、面白いといえば面白い。若い人はギリギリになってから後悔しないように、たくさん山に行き、たくさん遊び、仲間と語らい、青春を楽しんでください。やはり自分が幸せでなければ、他人を幸せには出来ぬと思うから。
 むすび山は顕著なピークというよりは稜線の終点という感じ。防空監視所の小屋があったという平らな土地と、飛来する敵機の音を聞取るために中に籠っていたという大きな井戸のような穴があった。ベンチに座って大月の街を眺めながら休むとなかなか腰が上がらないが、汗が冷えて肌寒いのと街が近くて花粉のアレルギー反応が出てきたのとで、長めの休憩を切り上げた。山らしくないオジサンが来ているなあと思ったら、下り始めたすぐのところに紫色のカタクリの花がまとまって咲いていて、下からここまで花を見に来る人たちが結構いるらしかった。通りまで下って行く短い間に、高年3~4人連れやビデオカメラを持った老夫婦ともすれ違った。
 下界に下りてから駅までまた20分くらい街を歩くが、ブラブラと散歩の気分で楽しいものである。駅前の観光案内所なのか、店先にあったスタンプを3人で寄ってたかってノートや紙切れに捺して、まだ列車まで15分ほどあったのでそのまま駅そばに入った。山の後に蕎麦という文化は何となく広がりつつある気がする。大月の駅そばはやや高いがそれなりに美味かった。
 高尾までの列車は少し混んでいたが、次の山の話などしていたらやはりあっという間で、慌ただしく別れて乗換えた。秋にはきっと今倉山にという思いと、歳をとっても仲間と山に行ける方策を考えねばならぬという思いとを、モヤモヤと巡らしつつ。

□反省
・山行中止、計画変更など、自他の情に流されずにスパッと判断すべし。迷ったら安全側である。
・変更は早めに決めて、十分に準備して山行に臨むべし。
・衣服調整や水分補給を早めに入れる、疲れているのに長々と歩き続けないなど、真夏でなくても基本線は守るべし。