2017/5/3-5 大峰山
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
大峰山行 計画書
作成 谷口
□日程 5月3日(水)~5日(金) 二泊三日・予備日6日(土)
□山域 紀伊山地
□在京本部設置要請日時 2017/5/6 1800
□捜索要請日時 2017/5/7 0900
□メンバ(計3名)
CL谷口 SL平岩 船津
□集合
5月3日大和上市駅 0800
(平岩は前鬼口にて合流)
※当日の朝、東京から向かうのは無理です。
□解散
5月5日下市口駅 夕方
(谷口は鈴鹿で丸山さんの沢隊に合流)
□交通
■行き
大和上市駅(0830)→前鬼口(1029) 奈良交通R169ゆうゆうバス下桑原行 2150円
■帰り
天の川温泉(1525/1622)→下市口駅(1638/1735) 奈良交通下市口駅行 1220円
□行程
3日
前鬼口→0130→不動七重滝駐車場→0035→不動七重滝→0035→不動七重滝駐車場→0130→小仲坊
(計0410)
※時間に余裕がある場合のみ、小仲坊から三重滝(不動滝、千手滝、馬頭滝)までサブザックでピストンする。往復で0310。
4日
小仲坊→0220→太古ノ辻→0040→深仙小屋→0050→釈迦ヶ岳→0225→楊子ヶ宿小屋→0030→舟ノ垰
(計0645)
※太古ノ辻から深仙小屋の途中にある大日岳は鎖場の連続する難所と予想されるため、必要に応じて迂回ルートを利用する。
5日
舟ノ垰→0200→明星ヶ岳→0025→八経ヶ岳→0025→弥山小屋→0045→狼平避難小屋→0130→栃尾辻→0040→大平辻→0130→天の川温泉
(計0715)
□エスケープ
・舟ノ垰まで;楊子ヶ小屋、深仙小屋を経由し前鬼口へ引き返す
・舟ノ垰から;弥山小屋を経由し天の川温泉、あるいは天川川合へ抜ける
□山小屋の連絡先・料金・設備等
・小仲坊
074-685-2210
食事付泊8000円 テント泊500円 弁当500円
・弥山小屋
0747-52-1332
収容人数200人 素泊まり5500円 テント泊500円
□地図
■2万5千分1地形図 「弥山」「釈迦ヶ岳」
■山と高原地図 「51大峰山脈」
□遭難対策費
300円/人
計900円
□日没日出
5/3日没(天川村):1843
5/4日出(天川村):0505
□ラジオ周波数
■NHK FM 奈良;83.4MHz
□警察署電話番号
奈良県警 吉野警察署 0747-53-0110
□生物
・植物 シャクナゲ、オオシマレンゲ、ブナの原生林
・動物 ニホンジカ、ニホンカモシカ、ツキノワグマ、タヌキ
・野鳥 アカゲラ、ミソサザイ、ルリビタキ
□備考
・下山後、時間があれば天の川温泉センター(1100~2000)に行きます。料金は600円です。
・奈良近鉄タクシー(下市口駅)0747-52-3705
・奈良近鉄タクシー(大和上市駅) 0746-32-2961
・相互タクシー(大和上市駅)0746-32-4001
大峰山行記録
5月3日~5日
○作成者 谷口
○山域 紀伊山地
○メンバー CL谷口 SL平岩 船津
○行程
前鬼口 1030 1052
森林浴歩道入口 1219 1231
不動七重の滝展望台 1314 1325
森林浴歩道入口 1349 1406
小仲坊 1612 0600
太古ノ辻 0808 0815
大日岳 0846 0850
深仙小屋 0912 0938
釈迦ヶ岳 1031 1105
空鉢岳 1150 1150
楊子々宿小屋 1412 0513
舟ノ垰 0612 0612
八経ヶ岳 0845 0905
弥山 0928 0946
狼平 1026 1036
高崎横手 1059 1059
ナベの耳 1130 1138
栃尾辻 1219 1232
天川川合 1432
○記録
初日 曇りのち晴れ
前夜は船津と奈良で合流した後、近鉄奈良駅の地下に続く階段の踊り場で野宿した。
早朝コンビニで朝食をとってから近鉄に乗って大和上市駅に向かった。途中、電車は日本史の教科書に出てくるような寺社仏閣、城、古墳などのそばを通過し、終始観光気分だった。特に船津は飛鳥駅に停車した際に、駅名が彼の推しメンの名前と一緒とかいう理由で大興奮だった。くだらねえ。
大和上市駅に着くと、バス乗り場にはすでに5人ほどの登山客の姿が。さらに次の電車が着くと、列は4、50人ほどに膨れ上がった。こんなに乗れるのかなあと思いつつ、バスを待っていると、やがて20人ほどしか乗れないようなマイクロバスが到着。一本早めの電車に乗っておいてよかったと心から思った。
バスに揺られること2時間ほどで前鬼口に到着。ここで、熊野古道山行を無事終えた平岩さんと合流。修行(?)を終えたその顔は、いつもより精悍だった、気がした笑。
10時半頃、各自準備を整え歩き始めた。この日はひたすらアスファルトの林道歩き。単調で退屈な上に、久々の泊まり山行だったためにザックの重さに慣れておらず、最初から結構ハードだった。1時間半ほど歩いた後、サブザックを持って、林道から外れ不動七重の滝に向かった。川沿いの散策は心地よく、リラックスしすぎたあまり、一度道を間違えたがなんとか展望台に到着。日本の滝百選に選ばれる滝だけあってその迫力に圧倒されたが、丸山さんクラスなら直登してしまうのかなあなんて思った。
林道に戻ってからは、ダラダラと小休憩を何度もはさみながら歩き続け16時過ぎにテン場のある小仲坊に到着。時間も遅かったので三重の滝に行くのは諦め、夕食を作り、早めに就寝した。なお、ここで平岩さんが他の登山客から、天の川温泉に下りるコースが通れないという情報を得て、後に予定を変更することとなった。
2日目 霧雨
朝食に大盛りパスタを食べ、眠い目をこすりながら出発した。歩き始めた頃は晴れ間が見えていたが、7時頃から一気に雲が立ち込め、曇天の中の山歩きとなった。あらかじめ地形図で見ていた通り、途中から急登ではあったが、要所要所に階段が整備されていたのもあり、想定していたよりは快適に登ることができた。
途中、二つ岩で写真をとったりしながら登り続け、尾根に出たのは8時過ぎ。ガスで視界はかなり悪かった。
大日岳への道は、山と高原地図では点線の表記になっていたが、実際は傾斜こそきついものの足場はしっかりしており、大して危険は感じなかった。山頂には仏像が一体置かれていた。
大日岳のピークから下って稜線歩きを再開すると、しばらくして霧のような雨が降り始めたため、近くの深仙小屋で各自ザックカバーをかけ雨具を着た。深仙小屋はボロ小屋のような佇まいで、テン場にはテントが二張り。雨が弱まったタイミングで再び歩き始めた。せっかくの稜線歩きが、天気のせいで楽しさが半減していたのもあって、メンバーには疲れが見え始めた。深仙小屋から歩き始めて1時間ほどで、なんとか釈迦ヶ岳に到達。山頂には他に10人ほどの登山客が。当然展望は全くなかった。釈迦の立像の近くで乃木坂トークをしながら30分ほど休憩して、山頂を後にした。
ここからが悪路であった。雪解けか雨の影響なのか、泥化した箇所がいくつもあって足場が悪い上に、地図に危険マークがつくほどの急勾配の道が続き、まさに修行のようであった。林内には深い霧が立ち込め、あたりは幻想的な雰囲気で、視界の悪さが逆に、歴史ある登山道の神聖なオーラを際立たせているように感じられた。
霧雨はいっこうに止まず天気が回復するようにも思えなかったのと、山と高原地図のコースタイムより大幅に時間がかかっていたので、予定を変更し、舟ノ垰より手前の楊子ヶ宿小屋に泊まることとなった。小屋に着くとすでに5人ほどの登山客が。誰もいない屋根裏に上がって、夕食の支度を始めた。結局、夜になっても小屋内が渋滞するほど人は増えなかったが、他の登山客の迷惑にならぬよう早めに就寝した。
夜間、小屋内に響く周りのおじさんのいびきの合唱がなんとも芸術的だった。
3日目 晴れ
朝5時頃、山小屋を出た頃には他の登山客の多くが出発した後だった。歩き始めて間もなく、突然西側のガスがサッと消え、前日には見ることのできなかった、大峰山脈の険しい峰々が眼前に広がった。振り返ると、前日に歩いて来た稜線がハッキリと見え、僕のテンションも跳ね上がった。
見晴らしの良い稜線歩きを続けること1時間ほど、山と高原地図のコースタイムの倍近くかかって舟ノ垰らしき場所に到着。看板などは特になく、テントも見られなかった。
日差しは強まる一方で、気温はぐんぐん上がり、半袖でも暑いくらいだった。前日と違ってメンバーの足取りも軽く順調に進み、9時前に近畿最高峰八経ヶ岳の頂に立った。東側はガスっていたが、西側の眺めは良好で、山の斜面に所々残雪が確認できた。メンバー全員揃って写真をとった後、弥山へと向かった。弥山にはかなり大きな山小屋と綺麗なトイレがあり、登山客で賑わっていた。山小屋のおじさんに下山道について相談すると、やはり天の川温泉ルートが使えないということだったので、予定を変更。天の川温泉ではなく天川川合に下りる道を選択した。
新緑の林内をキツツキの木を叩く音や野鳥のさえずりを耳にしながら快適に下山した。下山中は、全員同期ということもあって、本音のトークが展開され、盛り上がった。結局、弥山から5時間ほどかかって天川川合に下山。寝起きっぽい不機嫌な青木に下山報告して、温泉に浸かり、ソフトクリームを食べて帰路に着いた。
○生物
・野鳥
コガラ(小仲坊~太古ノ辻、弥山~天川川合)、ゴジュウカラ(狼平~天川川合)、トビ(狼平)
・両爬
マムシ幼体(前鬼口~小仲坊)、ジムグリ幼体(前鬼口~小仲坊)
・昆虫
シロチョウ類(狼平~天川川合)、オオセンチコガネ瑠璃色型(狼平~天川川合)
○反省、注意点
・釈迦ヶ岳から八経ヶ岳までの山と高原地図のコースタイムは、かなり短めに設定されているので注意。実際は倍近くかかった。
・栃尾辻から天の川温泉に抜けるコースは通行できないので注意。2017年度版山と高原地図にその記載はない。
・種名の気になる植物を何度か目撃したので、最低限の植物に関する知識があった方がいいと今回感じた。
・久しぶりの泊り山行だったために、運動不足、慣れない行動食の影響か全体的にペースが遅めだった。
・行きの新幹線のチケットをあらかじめ購入していなかったために、奈良に到着したのがかなり遅くなってしまった。
・メンバーそれぞれが、帰省のついで、熊野古道山行のついで、鈴鹿の沢登りのついでということもあり、余計な荷物が多かったかもしれない。関係ないものはロッカーに預けるなどして、装備の軽量化に努めるべき。
・下山ルートを直前になって変更し計画書にないルートで降りてしまったので、計画書を書く段階でのエスケープルートの充実化は重要だと感じた。
・テン場で下山ルートに関する情報を得た平岩氏はファインプレー。他の登山客との情報交換は重要。
・熊野市駅から前鬼口へのアクセス
熊野市駅→(北山村村内巡回バス)→七色バス停→(下北山村村内巡回バス)→池原停留所→(徒歩1時間)→前鬼口
・初日の夜、谷口のいびきがうるさかったらしい。深く反省しております。
○雑感
・JR奈良駅はびっくりするほどなにもない。
・かつての修験道を歩けば煩悩はなくなると期待して山行に臨んだが、むしろ増大した。