2017/5/4 墓場尻川遡行
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
墓場尻川遡行計画書
作成者:久光
■日程 : 2017/5/4(木)
■山域 : 浅間
■在京本部設置要請日時 : 2017/5/4 20:00
■捜索要請日時 : 2017/5/5 8:00
■メンバー(計3人)
CL久光 SL川名 山本
■集合
5/4(木) 7:00 東武東上線ふじみ野駅西口ロータリー
■交通
□行き
ふじみ野駅—(久光車)—いずみ橋(約1:45) 高速代2340円
□帰り
いずみ橋—(久光車)—ふじみ野駅(約1:45) 高速代2340円
※渋滞回避のため、下道利用の可能性あり。
■行程
入渓点堰堤上部—(2:00)—三俣—(2:20)—林道出合—(2:00)—入渓点(計6:20)
・三俣からは左俣を遡行
・下山は旧中山道経由、890m地点より北東尾根を下り霧積ダムへ
・参考:豊野則夫「沢登り銘渓62選」 山と渓谷社
■エスケープルート
三俣まで:引き返して左岸の林道から入渓点へ。
三俣から:右岸の尾根に上がり旧中山道から峠集落へ。
下山路:962pまでは峠集落へ、962pからは登山道経由めがね橋へ。
■地図
2.5万分の1「軽井沢」
エアリア「西上州・妙義山・荒船山」
■備考
□日の出・日没
5/4 日没 前橋 18:34
5/5 日の出 前橋 4:47
□警察
安中警察署 027-381-0110
□温泉
もみじの湯 500円
墓場尻川遡行記録
■作成: 久光
■日程: 2017/5/4(木)
■山域: 浅間
■天候: 晴
■メンバー: CL久光 SL川名 山本
■行動記録
10:47 駐車場発
10:49 入渓点
11:20 6m滝下
12:20-30 三俣
12:33-13:31 3段10m滝
13:57 雌滝下
14:19 雄滝下
14:45 水平方向への踏み跡
14:57 林道出合
15:41 旧中山道出合
17:15 霧積ダム
■記録
7:00ふじみ野駅西口集合。久光車で登山口を目指す。三芳から乗った関越道は事故による車線規制もあって大渋滞。上信越道から松井田妙義ICで下道に降りても断続的に渋滞が続き、墓場尻川出合に着いた頃には10時半近くだった。GWにわざわざ遠出した選択を若干後悔するも、日没には間に合うと踏んで出発する。
左岸の林道で砂防ダムを一つ越えると、沢床への明瞭な踏み跡があった。砂防ダム上の広い河原から入渓。出合から角を曲がると、いきなり明るく広いナメが始まる。よい沢の予感。新緑が映えて心地よい。
小滝とナメが続く区間を過ぎると、10mほどの細長いトロが現れる。幅は1m強と狭いが、水深はだいぶあるようだ。ここは右岸から高巻くのがセオリーらしいが、今回は水量が少なかったのか、両手両足で突っ張って突破できた。浸水も股くらいで済んだ。続く堰堤は右岸から巻いて通過する。
堰堤上の河原を進むとほどなく、最初の核心、6m滝に突き当たる。ここは川名をトップにロープを出し、滝の右から登った。ホールドが脆いのに加え、上部も斜度はゆるいものの、フリクション頼みのツルツルでいやらしいようだ。久光、山本は肩がらみで確保してもらった。
しばらく沢は平凡な渓相となり、いくつかの支流が流れ入る。その後沢がふたたび狭まると、8mCS滝が出現する。チョックストーンは思ったより巨岩だった。巻きは左岸から。踏み跡があり、特に困難なく通過する。滝を過ぎるとまた美しいナメが始まる。特に、ところどころ赤い岩のあるのが特徴的。ほどなくして山の斜面のあちらこちらから水の流れ落ちる三俣に到着。10分休憩する。
三俣からは左俣に入り、すぐに3段10m滝が現れる。最初は川名がメインロープを引いて挑戦するも、二段目で敗退。一段目には倒木がかかっており比較的容易だが、二段目は遠目に見るより滑るらしい。諦めて右のルンゼから巻く。落ち葉の積もった急傾斜のルンゼはボロボロで、かなり緊張した。久光、川名はそのまま40mほど高度を上げて、踏み跡に沿い尾根を巻いて滝上へ。山本は早めに尾根に乗ったが、そちらの方が幾分マシだったらしい。尾根からは垂直の壁を懸垂下降して沢床へ復帰。45mロープでギリギリだった。
小滝群を越えてしばらく平凡な沢床を進むと、またもナメ床。よい沢である。更に小滝をいくつか過ぎると雌滝。左の斜面を直上すると踏み跡があり、たどるとちょうど滝上に出た。
その先の雄滝は、水流右の落ち葉の積もった斜面を直上した。途中でトラバースして滝の真横に出ることも検討するも、濡れた一枚岩の斜面で怖いため断念。そのまま登り続けて尾根に出る。急な土の斜面で、岩はボロボロな上、ところどころ頼れる木もなく、非常に緊張した。もう少し手前の緩斜面から尾根に乗った方がマシだったかもしれない。(あとで『沢登り銘渓62選』を見直すと、「もっと手前から巻いた方が無難だろう」と書いてあった…)
高度を上げすぎてしまった上、事前に調べた限り雄滝上流は平凡という評が多かったため、遡行を諦め、そのまま尾根を直上して林道を目指す。5分ほど上がったところで、水平方向への踏み跡にぶつかる。一度は林道と誤認してたどったが、次第に薄くなり、明らかにおかしいので更に再度斜面を5分ほど上がると、今度は本物の林道に出た。左俣との出合で河床に降りて装備を洗い、下山用靴に履き替える。他の記録では、尾根の下りで懸垂下降したものもあったので、ハーネスは履いたままにしておいた。
林道を尾根筋まで登れば、あとはハイキングコースとなっている旧中山道を歩いてひたすら下る。江戸時代以前からの歴史ある道は、非常に勾配の緩い尾根の上にまっすぐついている。かつての茶屋の跡や古戦場などが、案内板に示されていて興味をそそる。変わったものでは、「一つ家跡 ここには老婆がいて、旅人を苦しめたと言われている。」という看板が。一時期は車道にもなっていたらしく、別荘の廃墟やバスの廃車体もあった。
909p手前のコルで道を外れ、北東尾根に乗る。霧積ダム方面へ降りるこの尾根は、細かく見れば標高800m付近で沢の源頭に落ち込む上部と、標高800m付近から派生しダムまで続く下部に分かれている。
上部の尾根はしばらく普通の斜面が続くが、末端が崖になっており、下部の尾根に乗るにはここを降りざるを得ない。事前調査では、ここを懸垂下降しているパーティが多いようだった。しかし今回は、川名のルートファインディングによりクライムダウンすることができた。痩せ尾根の最先端まで行くのがポイントのようだ。
下部は750m付近で東の支尾根に導かれそうになったが、それ以外は問題なく進めた。最後は尾根の北斜面を適当に下り、17:15下山。
帰りも高速道路は大渋滞で、吉井ICから先は延々と下道を飛ばして帰った。ふじみ野着は夜9時前。GWの上州は遠かった。
(滝名称は『沢登り銘渓62選』に対応)
■反省
・3段10m滝の巻きで、懸垂下降が遅かった。久光がロープを肩に巻く方式に慣れていなかったのが原因。登攀にチャレンジした時間があったにしても、突破に計1時間は少々長い。
・巻きのルート取りに課題。特に雄滝では、トラバースが怖いあまり、急斜面をひたすら直上した結果、不要に高く巻いてしまったのは危険だった。面倒がらずに、もっと手前から巻くなり、ロープを出すなりすべきだった。
■感想・備考
・名前と裏腹に美しくよい沢。明るく開放的なナメが続いた。季節が早いからかヒルの被害もなかった。
・全体的に巻きが脆く、落石を起こさないかヒヤヒヤした。特に3段10mと雄滝の巻きはかなり緊張した。初心者帯同は避けた方がよいだろう。
・GWの渋滞をナメていた。往復ともに予定所要時間の倍かかった。どうせ日帰りの沢なので、行くなら普通の週末がよいだろう。