2017/5/6 元越谷遡行・下降
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
元越谷遡行・下降計画書
作成者:丸山
■日程 5/6(土)予備日なし 悪天の場合中止
■山域 鈴鹿
■在京本部設置要請日時 2017/5/6 20:00
■捜索要請日時 2017/5/7 10:00
■メンバー(計3名)
CL丸山 SL谷口 萬木
■アプローチ
丸山車で林道ゲート前へ
■行程
林道ゲート-15-遡行開始点-35-大滝-35-仙の谷出合-45-仏谷出合-50-稜線(30?)-元越
谷左俣(90?)-林道出合-(45?)-林道ゲート
(計3:00+2:45?)
http://yahoo.jp/7WpWAP
■エスケープルート
大滝まで:引き返す
中俣出合まで:林道に上がる
右俣遡行中:引き返して林道に上がるか,そのまま進んで水沢峠から下山
稜線上:水沢峠から下山
左俣下降以降:そのまま進む
■地図・遡行図
2万5千分1地形図「伊船」
山と高原地図「御在所・霊仙・伊吹」
右俣左谷遡行図:「関西起点沢登りルート100」P161
左俣左谷遡行図:http://anshade.zone.ne.jp/sawanavi/2009/hidaritani/hidaritani.htm
(左俣右谷の遡行図は見あたらず)
■遭難対策費
100円×2人
計200円
■備考
日の出(5/6) 4:59
日の入(5/6) 18:45
甲賀警察署0748-62-4155
元越谷右俣左谷遡行・左俣右谷下降記録
作成者:丸山
■日程 2017/05/06(土)
■山域 鈴鹿
■天候 曇り後弱雨
■メンバー・オーダー(計3人)
CL丸山 萬木 SL谷口
オーダーは適宜交代した。
■総評
確かに癒し系で易しく,中流部は美しい渓相が続くが,上流部は長く平凡で飽きがくる。昨冬の雪によると思われる倒木が非常に多く,美観を損ねている上,歩きづらかった点は大きなマイナス点であった。様相は,丹沢で言うとモロクボ沢に似ているかも。
■GPSログ
http://yahoo.jp/EzColW
■時間
6:31 林道ゲート発
7:18 入渓
7:44-8:24 元越大滝
9:07 二俣
10:03 右俣の二俣
11:06 稜線鞍部
11:25 水沢峠
11:51 水沢岳(宮越山)
12:00 下降開始
12:41 左俣の二俣
13:30 林道到着
14:45 林道ゲート着
■行動記録(敬称略)
前夜,荒れている林道を運転して林道ゲート前まで入ったが,荒れている区間を苦労して通過した割にはすぐにゲートがあったので,この林道ではゲートより手前の広場に駐車したほうが良かった(2015年の雷鳥の記録にも書かれていた)。なお,このゲートは土嚢により封鎖されているため,当分開ける気は無さそうであり,堂々とゲート前に駐車してもよさそうである。
朝起きて準備をし,出発したが,林道歩きが長い。喋りながら目印となるカーブミラーまで進むが,入渓用の径路が見当たらない。人気沢なのに入渓用径路が見当たらないのはおかしいが,とりあえず沢までは歩いて下れそうな地形なので,入渓準備をしてから適当に斜面を下り,沢筋へ。
遡行図通り現れた2つの連続する堰堤を越え,しばらくでまた堰堤。これも右から越えるが,やや高度感があり,ロープも設置されている。ゴーロを少し進んで現れた大滝は,ロープを出す練習のためリード丸山,セカンド谷口,ラスト萬木で登る。途中,残置支点はいくつかあった。落ち口だけがやや厄介(3級+)で,こういう時のために持ってきた共装のアブミを残置ハーケンにかけた。萬木は,このアブミを使って漸く登れたそうなので,役に立ってよかった。終了点はいいものがなく,塔状の岩と残置ボルトでとった。なお,この滝は左岸から巻けるようであるが,この沢に来てこの滝を巻いたら,ロープを出して登る滝は1つもなくなってしまうだろう。2015年にあったというフィックスロープはなくなっていた。
大滝のすぐ上の小滝はお助け紐を出して左から登り,いよいよこの沢で最も美しいといわれるところ。残念ながら倒木がうざいが,確かに結構綺麗である。小川谷廊下には及ばないが。美しいところをへつりを交えて快適に越えていくと,二俣であり,右に入る。一気に水量が減り,平凡になるが,時々ナメや小滝も出てきて楽しめる。この先も特に問題になるようなところはなく,記録の多い沢であるため,詳細は略すが,最上流部では平凡な平流が長く,やや飽きが来た。
最後の詰めだけ少し急だが,短いので大変ではない。むしろ大変なのは稜線上の登山道で,ザレていて歩きにくい。しかし眺めは良く,一般路としてはなかなか楽しめる。少し登ってから下り,水沢峠で少し休憩の後,水沢岳に向けて登り始める。170m近い標高差がありなかなか辛いが,ところどころ景色がいいので気がまぎれる。山頂には三角点があったが眺めは良くなく,素通りして少しして,凄いザレ場があり,非常に景色がいい。道標によれば,「キノコ岩」なる場所とのことで,確かにキノコ型の岩が林立し,奇勝である。キノコ岩を過ぎて少しで鞍部となり,ここから沢下降を開始するが,遡行して来た沢同様に暫くずっと平凡な平流が続き,飽きる。とはいえ左谷を合わせてさらに下っていくと,だんだんとナメや小滝が出てきて,楽しめるようになってくる。クライマックスは4段20m左俣大滝で,簡単にクライムダウンできるが,なかなか見応えのある滝である。しかしここでも倒木が多いのは残念であった。大滝から先は特に何もなく,橋が沢によって殆ど流された仮設林道の残骸に到着。ここで沢装備を解き,休憩。仮設林道は九十九折れで上へ向かっているため,これから下山するのに逆で嫌な気持ちがするが,仕方なく登っていくと,林道の本線に出て,路面は良くなる。沢中と同様倒木の多い林道を只管下ること1時間近くで,漸く林道ゲートに戻ることができた。
■備考
・谷口・萬木はヤマビルに1箇所ずつかまれ,出血していた。恐らく林道下山中に付いたものではないか。ヤマビルの多い場所で,サンダルでの林道歩きは避けるべきである。
・谷口は,前日までの大峰山行よりも景色が良いと満足していた。
・林道ゲートのすぐそばで堰堤新設工事が行われていたが,ゲートを開けることは当分なさそうだったので,工事車両は田村川・猪足谷方面から入ってきているのかもしれない。なぜそのような遠回りをするのかは分からないが。
・下調べ不足により入渓点が良く分からなかったのは反省点である。
・地形図には宮越山と書かれているピーク名称は,現地案内では水沢岳に統一されていた。
■沢の評価
【鈴鹿】
琵琶湖系野洲川元越谷中流 170506遡行 [raicho 12277]
1級上(大滝直登で)、綺麗2+、登攀1+、珍奇1+、辛苦0+、推奨2+
鈴鹿の癒し渓として有名で,確かに簡単で美しい。ただし2017年現在は倒木が多く美観を損ねている。登れる大滝がある点は評価できるが,林道歩きがやや長いのはマイナス点。中流部だけ遡行して半日コースとするのも良さそうである。
琵琶湖系野洲川元越谷右俣左谷(本谷) 170506遡行 [raicho 12277]
1級下、綺麗1、登攀1、珍奇0+、辛苦1、推奨1
あくまで元越谷中流部の附属として登るような沢で,この部分に遡行価値があるわけではない。詰めは楽だが,平凡な平流部と林道下山が長い。
琵琶湖系野洲川元越谷左俣右谷 170506下降 [raicho 12277]
1級、綺麗1+、登攀1、珍奇0+、辛苦1、推奨1+
4段20m左俣大滝がある分だけ,右俣よりは遡行価値が高いような気はするが,団栗の背比べである。こちらも平凡な平流部が長い。