2017/5/7 カズラ谷遡行・ウソ谷下降
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
カズラ谷遡行・ウソ谷下降計画書
作成者:丸山
■日程 5/7(日)予備日なし 悪天の場合中止
■山域 鈴鹿
■在京本部設置要請日時 2017/5/7 20:00
■捜索要請日時 2017/5/8 10:00
■メンバー(計3名)
CL丸山 SL谷口 萬木
■アプローチ
丸山車で宮妻峡駐車場へ
■行程
駐車場-15-遡行開始点-240-稜線(30)-120-ウソ谷出合-5-駐車場
(計6:20)
http://yahoo.jp/e9fMXe
※コースタイムはないので想定時間
※時間次第で支流の砂坂谷や白ハゲ谷に入り,時間短縮を図る
■エスケープルート
カズラ谷:引き返すか,右岸カズラ谷道に詰めるか,そのまま稜線に詰める
稜線:カズラ谷道で下山
ウソ谷:そのまま進むか,引き返してカズラ谷道で下山
■地図・遡行図
2万5千分1地形図「伊船」
山と高原地図「御在所・霊仙・伊吹」
カズラ谷遡行図:
http://anshade.zone.ne.jp/sawanavi/2009/kazuratani/kazuratani.htm
(ウソ谷の遡行図は見あたらず)
■遭難対策費
100円×2人
計200円
■備考
日の出(5/7) 4:59
日の入(5/7) 18:44
四日市西警察署059-394-0110
カズラ谷遡行・ウソ谷下降記録
作成者:丸山
■日程 2017/05/07(日)
■山域 鈴鹿
■天候 晴れ
■メンバー・オーダー(計3人)
SL谷口 萬木 CL丸山
オーダーは適宜交代した。
■総評
カズラ谷は,たくさん現れる滝が全て直登できる楽しい沢で,入渓から詰めまで飽き
ることのない佳渓であった。稜線歩きも眺望が良く,ウソ谷も発達したゴルジュの中
に滝をいくつもかけて面白かったため,非常に充実した山行となった。
■GPSログ
http://yahoo.jp/dv0NtV
■時間
7:03 駐車場発
7:18 入渓
8:46 白ハゲ谷出合
8:54-9:20 10m滝
9:46-10:20 12mスラブ状滝
10:44-11:00 15m飛瀑
12:19 稜線着
12:24-40 白ハゲ
13:26-37 沢下降開始点で休憩
14:29 ウソ谷本流着
16:44 雲母谷出合
16:58 駐車場着
■行動記録(敬称略)
※使用した遡行図は下記
http://anshade.zone.ne.jp/sawanavi/2009/kazuratani/kazuratani01m.gif
宮妻峡駐車場にてテント泊し,起きると快晴だが,気温は低い。ゆっくり準備して沢
へと向かうが,長い林道歩きを強いられた前日とは異なり,すぐに登山道へ入り,ま
たすぐに入渓地点である間ノ谷出合へ着く。
入渓して間もなくは何もなく,堰堤が現れて左岸から越す。そこから暫くで少しゴル
ジュっぽい渓相になり,小釜を持つ小滝が5つほど現れるが,元越谷ほどではないが
そこそこ美しく,どれも簡単に直登でき,快適。そこからまた少し平凡になるが,多
少ナメもあり,悪くはない。
続いて現れる10m滝は,傾斜が緩くいかにも易しそうである。ここは練習のため谷口
にリードしてもらい,丸山がフリーで登って支点構築を教え,萬木がラストで登っ
た。そのすぐ先の5m滝は,水流沿いはやや厄介で,3級+。丸山がフリーで登り,谷
口をお助け紐で確保。萬木は右岸から巻いた。
さらに小滝を1つ超えると,砂坂谷と白ハゲ谷が連続して左岸から合流する。白ハゲ
谷は奥に滝がありそうな雰囲気だったので少し入って見ると,実際10m以上の滝が
あった。本流に戻って遡行を続け,すぐにある2段8m滝は簡単に越える。続いて現れ
る10m滝は少し厄介そうである。丸山がリードで水流右から取りついてみると,残置
ハーケンが丁度いいところに1つあり,これに支点をとって登った(3級+)。セカン
ド谷口,ラスト萬木で登ると,この先は容易な小滝が連続しなかなか楽しい。
やがて,この谷で最難とも言われるスラブ状12m滝に行き当たる。ここも丸山リード
で取りつくと,確かにバランスを要する部分はあるがそれほど難しくは感じず,その
まま直登(3級+)。立ち木に支点をとって谷口,萬木の順に登ってもらったが,2人
はやや苦労していた。
その先もなかなか快適な小滝が続き,やがて三俣に出る。遡行図通りに中俣に入り,
15m飛瀑を直登するが,萬木が登るのに苦労していたのにお助け紐をもっている谷口
が先に行っていて,ここは反省点。水量は減ってくるが,まだまだ小滝が続き,良い
沢である。適宜お助け紐を出しながら小滝を越えていくと,流石に水がなくなり,詰
めの様相。最後まで本流を取り続けたところ,水が涸れてからすぐに急な白ザレとな
り,登るのは大変だが蟻地獄状に滑るのは面白い。白くて綺麗だし,沢の詰めが楽し
いと思ったのは初めてかもしれない。
稜線に出て少し東に進むと,白ハゲなる場所に出て,前日のキノコ岩同様か,それを
凌ぐほどに景色が良い。御在所岳やら伊勢湾やら四日市市街やらが見え,変化に富ん
で素晴らしい。またしても谷口は大峰超えとのこと。
そこから先もところどころ景色が開けるところがあり,下りなのもあって快調に進ん
でいくと,分岐があって,P791を登るか巻くか選べるらしい。当然無駄な登りはした
くないので,巻き道を選択するが,崩壊気味でありちょっと悪かった。巻き道と登り
道が再度合流する地点から沢下降を開始することにしたが,その前に小休止。
ウソ谷の無名支流の沢下降に入るが,傾斜は急であるものの石が少なく,落石が起き
にくいのは良かった。沢筋に入っても暫く水はないが,なかなか大きい滝が現れ,
30mロープで丁度くらいの懸垂下降。その先は特に何もなく,ウソ谷本流に入った
が,本流の上流側は倒木がひどかった。ウソ谷の上流部は平凡であり,サクサク下
る。途中,右岸にあった湧水地で萬木がゼニゴケを生で食べていて,それを見た谷口
が目を点にしていたのは面白かった。萬木によると,ゼニゴケは青臭いが,食感はシ
ダよりもマシらしい。
このまま平凡なまま終わるかと思われたウソ谷であったが,徐々に両岸が切り立って
きて,小滝が現れ始め,巻き下ったりクライムダウンしたりして楽しめる。クライ
マックスは,この沢の大滝ともいえる10m+4m程度の2段滝。30mロープでは下まで届く
か不安があったが,とりあえず丸山が登り返せるところまで懸垂下降していくと,下
までは届かないものの安全にクライムダウンできるところまではロープが届いてい
た。胸を撫で下ろしてロープを外し,クライムダウンし,後続を待つ。2人も苦労し
ていたが,何とか下りきった。さらにロープが屈曲していたためその回収にも手間が
かかり,この滝がこの日の核心となった。
その後もまた小滝が続き,多くはクライムダウンしたり巻いたりして下れたが,1つ
は切り立っており,懸垂下降することにした。練習のため,谷口にロープのセットか
ら1番手での下降までやってもらったが,特に問題はなかった。そうこうしてお腹
いっぱいになった頃,ゴルジュは終わり,しばらくして左岸から雲母谷が合流してき
た。このあたりからは導水管が通っていて人臭くなり,踏跡もあるため,主にそちら
を歩いていくと,10分ほどで車道に出た。車道に出てからは一瞬で駐車場に着き,車
道歩きの少なさという点でも極めて良いルートであった。
■備考
・萬木は前日に続きまたヤマビルに1箇所かまれた。
・元越谷同様倒木が目立ったが,元越谷ほどには気にならなかった。
・ウソ谷の,雲母谷合流点より上流は五郎谷ともいう。
■コメント・感想
・萬木もだいぶ沢登りに慣れてきたようで良かった。
・ウソ谷の小滝についてはだいぶ忘れてしまったので,今後は遡行図の書き方につい
ても勉強して,書いてみたいと思った。
■沢の評価
【鈴鹿】
鈴鹿川系内部川カズラ谷 170507遡行 [raicho 12278]
2級下(全滝直登で)、綺麗2、登攀2、珍奇2、辛苦0+、推奨2+
コンパクトにまとまった沢で,多少登り応えのある滝も含めて全滝が直登でき,平凡
な区間も短いのが良い。本流を取り続けた場合は詰めの白ザレも面白い。岩質は花崗
岩主体で,ナメは割と美しい。
鈴鹿川系内部川ウソ谷 170507下降 [raicho 12278]
1級上(難しい滝は巻いて)、綺麗1+、登攀1+、珍奇0+、辛苦1、推奨1+
見所は雲母谷合流点上流のゴルジュにまとまっており,その区間以外は平凡なのが欠
点であるが,ゴルジュには易しい小滝から難しい滝まであり,遡行者の力量に応じた
楽しみ方が出来そうである。ゴルジュはそれほど険しくないので,巻きは容易そうで
ある。岩質は隣のカズラ谷とは大きく異なり,黒い。