2017/5/27-28 美ヶ原・霧ヶ峰

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
美ヶ原・霧ヶ峰山行計画書
作成者 山本

■日程 5/27(土)、5/28(日) 金曜日前夜発一泊二日予備日なし
■山域 八ヶ岳
■在京本部設置要請日時 2017/05/28(日) 19:00
■捜索要請日時 2016/05/29(月) 9:00
■メンバー(計4人)
CL 山本 SL 谷口 菅沼 川瀬

■集合
5/26(金)18:00 オリックスレンタカー本駒込店

■交通
□行き
レンタカーを利用します。
中央自動車道、長野自動車道経由で三城いこいの広場まで約3時間半
(ETC利用で4000円前後、通常料金6000円強)
三城いこいの広場のテント場でテントを張ります。

□帰り
レンタカー利用で、車山肩からオリックスレンタカー明治通り王子店まで約3時間半
諏訪湖や甲府などに寄り道するかもしれません。
※レンタカーの返却は22時まで

■行程
[1日目] 美ヶ原
いこいの広場-2:00-王ケ頭-0:20-王ケ鼻-0:20-王ケ頭-1:15-美しの塔-1:00-茶臼山-1:30-いこいの広場
合計6時間25分
※メンバーと時間次第では、美しの塔から美ヶ原高原美術館(屋外に美術作品を展示)までピストンします(片道45分)。
※荷物は車に置いておけますし、高低差もさほど大きくないので、コースタイムの割に楽だと思います。

[2日目] 霧ヶ峰
朝、ビーナスライン(なかなか美しい道路であるとのこと)経由でいこいの広場から車山肩までレンタカーで移動(約1時間)
車山肩-0:45-車山-0:15-車山乗越-1:10-ゼブラ山-0:40-奥霧小屋-1:15-諏訪神社-1:45-霧鐘塔-1:15-車山肩
合計7時間05分
※メンバーと時間次第では、北の耳から大笹峰までピストンします(片道15分)。点線の登山道なので、初心者がいればやめます。
※前日同様、車に荷物を置いておけるので、比較的楽だと思います。

■エスケープルート
[1日目]
いこいの広場に戻る

[2日目]
北ノ耳まで 車山肩に戻る
北の耳から諏訪神社まで 八島山荘に戻る
諏訪神社以降 車山肩まで進む

■地図
二万五千分の一地形図 「霧ヶ峰」「和田」「山辺」
山と高原地図 「33 八ヶ岳」(2017年度版)

■遭難対策費
200円×4人 計800円

■備考
□日没日出
日没 5/28(日) 19:05(霧ヶ峰)
日出 5/29(月) 04:24(霧ヶ峰)
□雨天時 前日19:00までに判断・連絡
□警察署電話番号
 長野県警 塩尻警察署 0263-54-0110
      諏訪警察署 0266-57-0110
      松本警察署 0263-25-0110

□小屋等
【美ヶ原】
・三城いこいの広場 0263-31-2229
長野自動車道松本ICより約50分
駐車場40台
フリーキャンプ場 テント数56
幕営費 金曜一人540円、土曜日一人900円(予定)
トイレ、炊事場、水道、シャワー(有料)あり
※予約済み
※テント場番号1~14を使うこと。
・桜清水コテージオートキャンプ場 0263-31-2314
【霧ヶ峰】
・車山肩駐車場 160台程度、無料、トイレあり
・ころぼっくるひゅって 0266-58-0573
・八島山荘 0266-58-5357

美ヶ原・霧ヶ峰山行記録
■作成: 山本
■日程: 2017/5/27(土)、5/28(日)
■山域: 南アルプス
■天候: 快晴
■メンバー: CL山本 SL谷口 菅沼 川瀬

■行動記録
一日目(美ヶ原)
7:40 三城いこいの広場
8:00 広小場
8:40-8:50 百曲り下降地点
9:57-10:27 王ケ鼻
10:50-11:55 王ケ頭
12:16 塩くれ場
12:20-12:30 美しの塔
12:52 百曲り下降地点
13:38-13:55 茶臼山
14:40 広小場
14:53 三城いこいの広場

二日目(霧ヶ峰)
5:55 車山肩
6:36-6:55 車山
7:15 車山乗越
7:50-8:00 南の耳
8:09-8:22 北の耳
8:42-8:53 ゼブラ山
9:20 奥霧小屋
9:56 諏訪神社
10:44 車山肩

■記録
□0日目
東京から美ヶ原までは高速道路を利用するとノンストップで約4時間。松本市内から美ヶ原までの山道(アザレアライン)は、暗い中走ったため緊張を要した。
三城いこいの広場に着くと、管理棟で受付を済ませ、オートキャンプ場でテントを張った。テント場の真横に車を置けるので大変便利だが、雨が降っていたのが残念だった。

□一日目(美ヶ原)
・三城いこいの広場~百曲り下降地点
いつもより時間にゆとりがあるので、6時半に起床した。
沢沿いの登山道を登ると開けた広小場に出る。百曲の道はその名の通り曲道が続き、若干急なガレ場まで出ると展望が開ける。百曲り下降地点で地元の高校の山岳部さんとすれ違った。

・百曲り下降地点~王ケ頭
王ケ鼻までの登山道はアルプス展望コースと銘打たれており、西に北ア南部から中央アルプス全山、東に八ヶ岳と南ア北部を望むことができる。駐車場から1時間でこの展望を得られるのはとてもお得である。夏前に美ヶ原に来ると、夏に北アに遠征するモチベーションが沸いてとてもいいと思う。新歓合宿でも来られると山を好きになってもらえると思うが、遠い上に、タクシー又はレンタカーを使わないとアクセスが厳しいのが難点。
王ケ頭まで来ると鉄塔とホテルを右手にいったん車道に出る。王ケ鼻はこの山行一の絶景ポイントで、北は白馬や剱岳から日本アルプスのほぼ全山を見渡すことが出来る。案内のプレートによると、百名山の3分の1が見えるらしい。あいにく北に雲がかかっていたが、鷲羽岳あたりから南は全て見渡すことが出来た。今シーズン初めて槍の穂先を眺めることが出来て気分もよい。八ヶ岳にも中央アルプスにも行ったことはないが、やはり北アは別格だと感じた。
王ケ頭まで戻るとホテルで小休止となった。3人は山菜そばや山菜うどん、山本は甘酒をいただいた。

・王ケ頭~百曲り下降地点
王ケ頭から美しの塔までは、「美ヶ原」の名にふさわしい高原である。深田久弥は日本一の高原と称えるが、そもそも高原という概念は西洋趣味が起源であるようだ。頑固な「山ヤ」「沢ヤ」が訪れると物足りないかもしれないが、美ヶ原が観光地化した現在では無用の心配であろう。
牛が放牧されていて心が穏やかになる。「塩くれ場」の名は牛に塩を与えていた明治の時代に遡るそうだ。ランドマークでもある美しの塔には鐘とレリーフがある。レリーフに刻まれた歌は『日本百名山』に引用されているので一読をすすめたい。
時間等を考えて美ヶ原高原美術館は断念した。片道45分、館内30分は結構長い。

・百曲り下降地点~三城いこいの広場
茶臼山方面への分岐は間違えやすいので注意。塩くれ場と百曲り下降地点の間のトイレを過ぎると分岐があるのだが、この道は鹿用の策で囲われた牛の放牧エリア内にある。踏み跡が不明瞭で分かりにくい上に、分岐の扉が策で封鎖されているようにしか見えず、騙されてしまった。道を見失ってしまうと柵の南側からトラバースを考えるだろうが、急な岩場が多く危険である。
茶臼山からは八ヶ岳と南アルプスが目の前に見える。急げば1日目に寄ることも出来た蓼科山の均整な山容が目立っている。雲の奥に富士山も霞んでみることが出来た。
茶臼山のピークからは単調な樹林帯を降りて無事1日目が終了した。

・下山後
いこいの広場内のアスレチックで遊んだ。幼心に戻って滑り台を滑るのもいいでしょう。
食等は川瀬さんにリゾットを作っていただいた。炊事場があるので食当もいつもより楽である。テントは昨晩から建てたままで、荷物も隣の車から出し入れできるので快適だった。翌日早めに出発したかったので7時に就寝。

□二日目(霧ヶ峰)
・車山肩まで
3時に起床。朝は菅沼くんの醤油ラーメンをいただいた。思っていたよりも片付けが早く終わり、4時台に出発することが出来た。
車山肩まではアザレアラインからビーナスラインに入る。霧ヶ峰という高原があるだけあって朝の霧は非常に濃く、ビーナスラインの途中まではまたもや注意を要する運転だった。霧ヶ峰近くになると霧も晴れてきて、今日も日本アルプスを眺められた。

・車山肩~車山
富士山を思い起こさせるような平坦な登り道が続く。富士山と違って展望はいいので苦しい登りではない。車山山頂には大きな球状の気象レーダーと神社があった。昨日よりも北アにかかる雲が少なく、雲海の上に浮かぶ山々を楽しめた。特に乗鞍から御嶽までは山のしわや残雪の状況まではっきり確認できた。

・車山~ゼブラ山
スキーリフトに沿ってまずまず急な斜面を降りると湿原の裾である。なだらかな起伏が続く地形で、昨日の霧ヶ峰よりも高原らしい高原である。成因は異なるが、ケスタは確かこのような見た目の地形だった気がする。個人的には、コジオスコ山に似た印象を受けた。登山に来たという気持ちを忘れてゆっくり歩くといいのかもしれない。山彦尾根の東斜面には青々としたスキー場が広がり、少し時期を遅らせて新緑の時期に来るのもいいなと感じた。ここではピークハントにこだわる気にはならず、姫木平方面の大笹峰は積極的に回避した。

・ゼブラ山~諏訪神社
緩やかな下りが続き、平原に出るとモグラの塚らしき土の盛り上がりがやたらと多い。調べてみると実際に霧ヶ峰はモグラが多いそうだ。八島ケ原湿原は霧ヶ峰一の景勝地で、明らかに人の数と格好が変わった。山の湿原と言えば尾瀬だと決めつけると満足できないかもしれないが、水量は少なく沼も静かである。カエルやカッコ、カモの鳴き声が沼に心地よく響いていた。

・諏訪神社~車山肩
沢渡までは車道を歩き、そこからは登りの登山道である。単調な登りが続き、今日の中では一番しんどい箇所だった。昨日よりはゆっくり歩いたつもりだったが、何故か早めに到着してしまった。帰宅後確認してみると霧ヶ峰IC方面の霧鐘塔まで歩いていなかったのが原因だが、ここは車で近くを通ったのでスキップして正解だったように思う。

■総括
登山というよりは山歩き、ハイキングといった趣向の強い山行だったが、山歩きそれ自体よりも北アルプスの展望が最高だった。アルプスの景色(もちろんそれ以外も)を楽しみたい人は一度訪れてみるといいのではないでしょうか。

■感想
・5月でも森林限界の上は日差しが強いので日焼け止めは必須。
・三城いこいの広場の管理棟とオートキャンプ場は徒歩10分ほどの距離なので注意。
・車山肩の駐車場は事前に調べていたよりも駐車可能台数がかなり少なかった。特に夏のハイシーズンは朝一で行った方がいいと思う。
・最近は関東の低山歩きにほとんど行っていないが、個人的に、その土地に縁や思い入れがない限りは展望もない単調な低山に行くのは気分が乗らない。かといって小屋や土産屋で百名山グッズばかりが売られているのには違和感を感じてしまうところもあり、自分がミーハーなのかよく分からない。