2017/6/24-25 八ヶ岳

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
八ヶ岳山行計画書
作成 吉田
■日程 2017/6/24-25(土-日)予備日なし
■在京本部設置要請日時 2017/6/25 19:00
■捜索活動要請日時   2017/6/26 9:00
■山域 八ヶ岳
■メンバー(計10名)
CL吉田 SL小沢 岩崎 石田 児玉 小倉 川瀬 林 牛 杉山

■集合
高尾駅7:06発JR中央本線甲府行き先頭車両

■交通
行き
○高尾7:06-[JR中央本線甲府行き]-8:38甲府8:53-[JR中央本線松本行]-10:12茅野
2592円
学割使用可
茅野駅4番のりば10:25-[アルピコ交通]-11:02美濃戸口 往復で1550円(往復券割引)

遅れた場合
○高尾7:26-[JR中央本線小淵沢行き]-8:44塩山8:49-[JR特急あずさ51号松本行き
]-9:47茅野 3772円

○高尾7:47-[JR中央本線河口湖行き]-8:28大月8:31-[JR特急あずさ3号南小谷行き
]-9:51茅野  4442円

帰り
○美濃戸口(11:20/13:20/14:45/16:20(最終))-[アルピコ交通
]-(11:57/13:57/15:22/16:57)茅野駅
往復で1550円(往復券割引)
     最終バスに乗り遅れた場合はタクシー 美濃戸口-茅野駅 約30分 約5700円

鈍行で帰る場合 3348円
茅野(16:42/17:36/18:15/19:20/20:24(最終))-新宿
(20:30/21:33/22:21/23:08/24:09(最終))

特急を使う場合(自由席) 3348円+2160円=5508円
茅野(15:50/16:20/17:04/17:28/17:50/19:05/19:51/20:31(最終))-新宿(1
8:06/18:34/19:21/19:36/20:07/21:06/22:07/22:37(最終))


■行程
  ○1日目
美濃戸口ー(1:00)ー美濃戸山荘ゲートー(0:50)ー堰堤広場ー(1:10)ー赤岳鉱泉
計 3:00

  ○2日目
赤岳鉱泉ー(0:45)ー行者小屋ー(1:50)ー赤岳ー(0:25)ー地蔵仏ー(0:45)ー三叉峰ー
(0:10)ー奥の院ー
(0:50)ー硫黄岳ー(0:15)ー赤岩の頭ー(1:20)ー赤岳鉱泉ー(1:00)ー堰堤広場ー
(0:30)ー美濃戸山荘ゲートー(0:50)ー美濃戸口
計8:40
※赤岳鉱泉からサブザック行動

■エスケープルート
赤岳まで;引き返す
赤岳から三叉峰まで;地蔵尾根を通って引き返す
三叉峰から;そのまま進む

■地図
2.5万分の1;「八ヶ岳西部」 エアリア;八ヶ岳

■遭難対策費
200円/人
200×10=2000円

■参考情報
6/26日の出;4:20
6/25日の入り;19:18
○赤岳鉱泉0266-62-8100 テン場代1000円/人 素泊まり6000円
http://userweb.alles.or.jp/akadake/
○赤岳展望荘0266-58-7220 素泊まり6500円
○硫黄岳山荘0266-73-6673
○八ヶ岳山荘0266-74-2728  素泊まり6000円 入浴料500円
http://www.yatsugatake.gr.jp/yatugatake.html
○アルピコタクシー茅野営業所tel.0266-71-1181
○アルピコ交通茅野駅前案内所 0266-72-2151
https://www.alpico.co.jp/access/suwa/
○山梨県北杜警察署0551-32-0111
○長野県茅野警察署0266-82-0110

八ヶ岳山行記録
作成:吉田
▪️日程:2017/6/24-25
▪️山域:八ヶ岳
▪️天候
   1日目;晴れのち曇り
   2日目;雨のち曇り
▪️メンバー (オーダー順)
CL吉田、児玉、小倉、牛、杉山、林、川瀬、石田、SL小沢、岩崎

▪️行程
1日目
11:05 美濃戸口着
11:24 発
11:54 一本
12:03 発
12:25 美濃戸山荘通過
12:50 一本
13:00 発
13:30 一本
13:40 発
14:00 赤岳鉱泉

2日目
3:00起床
5:15 テン場発
5:45 行者小屋着
5:55 発
6:23 一本
6:30 発
7:47 赤岳頂上着
8:15 発
9:42 行者小屋着
9:56 発
10:15 赤岳鉱泉着
10:56 発
11:34 堰堤広場
11:40 発
12:45 美濃戸口

▪️記録
1日目
 高尾から鈍行列車で茅野駅に向かう。定刻通りに全員集まれたことにまずほっとした。電車内ではおしゃべりしたり、寝たり、本を読んだりと皆思い思いに時間を過ごしていた。茅野駅からはバスで美濃戸口に向かった。他にも登山客がたくさんいたので増便していただけたことはとてもありがたがった。
 美濃戸口で各自準備を済ませ林道に入っていく。林道には石が転がっており、車も何台か行き来していた。よく晴れていたが木々のおかげで日差しが遮られて、暑さが和らいだ。30分ほど進んだところで休憩。熱中症にならないためにこまめに水分をとる。休憩もほどほどにして出発。すぐに美濃戸山荘に到着するが休憩したばかりなので数人が水を汲んだだけでそのまま通過した。一般車が入れるのはここまでのようで、多くの車が駐車してあった。また、赤岳鉱泉に向かう北沢と行者小屋に向かう南沢との分岐があるが道標があるため間違えることはない。
 一般車が入れるのは美濃戸山荘までだが、その先も車が通れるくらいの林道が続いている。中途半端な大きさの石が転がっている点では歩きにくいが、登りが緩やかな点では歩きやすい。橋を渡ったところにちょうど良い広さの場所があったので休憩をとった。ポツポツと雨粒が落ちてきたので、先が思いやられたが幸いこの後雨は降らなかった。
 出発ししばらく歩くと車が何台か停まっている林道の終点に着く。そこからは登山道となるが最初に分岐があり、山の中に入っていく道と沢沿いの道に分かれている。エアリアによると沢が増水している時に山の中に行く道を使うと良いらしい。今回は増水していることはなさそうだったので沢沿いの道を進んだ。道がところどころぬかるんでいたり、登山道がちょっとした小川になっていたりしていた場所もあったが全体的に問題はなかった。橋や階段等も整備されており登山者への優しさを感じる。沢の中にある岩が赤みがかっており、これが赤岳の名前の由来になっているのかなと思った。
 30分ほど歩いたので少し休憩。みんな元気そうで安心した。林君が自前のカメラで写真を撮ってくれた。そこから20分程度で赤岳鉱泉に到着した。思ったより早い到着であった。少し歩くのが速かったかもしれない。
 赤岳鉱泉の小屋の横には雪が残っていたが、おそらく冬に除雪したものをまとめておいたのだと思われる。テントを張ってからはゆっくりとした時間を過ごした。女性陣は赤岳鉱泉でお揃いの手ぬぐいを買っていた。赤岳鉱泉には飲み物や食べ物が山にしては低価格で売っていたり、泊まった人が読めるように漫画や本が置いてあったり、水洗トイレやお風呂があったりと豪華な施設であった。その日の夜の食当は児玉さんで、カレーピラフを作っていた。炊き込みご飯は作るのが難しく一度は失敗したものの、その後の適切な処置によって美味しく出来上がった。粉末スープも持ってきてくれて、そちらも美味しくいただいた。明日のサブザックの準備をしてその日は6:30ごろに就寝した。

2日目
 3:00に起床。朝から雨が降っていた。朝の食当は石田でマルちゃん製麺醤油味と味噌味を作ってくれた。スープが飲み切れないと大変だという理由から水を少なくしたところ、麺が水に浸かりきらず茹で時間が長くなってしまい、結果的に麺が水を吸いすぎてパスタ状になったが、美味しく食べられた。小沢と小倉さんがおかわりをしなかったのは意外だったが、それは雨が降っている中、テントから出るのが面倒だったからだそうだ。
 4:30に出発するつもりだったがなかなか雨が弱くならない。赤岳鉱泉の人に今日の登山計画に対する助言をいただこうと思ったが、朝ごはんの支度で忙しいので6:15まで待ってくれと言われてしまった。もちろんそんな時間まで待てるはずはないのでメンバーと話し合って、横岳・硫黄岳は諦めて出発時間を遅らせることにした。雨が少し弱まったタイミングで出ようということにしていたが、弱まる気配がまるでない。仕方がないのでとりあえず行者小屋まで進むことにした。行者小屋までの道のりで特別危険なところはなさそうだったのでそのような決断をした。
 5:15にテン場を出発した。5分ほど歩くと緊急時用のヘリポートがあり、その後は林内を歩くことになる。林の中は雨が直接当たらないのであまり不快ではない。むしろ、雨が降っている方が森の匂いをより強く感じられて心地よい。ただ、湿度が高いので暑く感じる。30分ほどで行者小屋に着いた。
 行者小屋では小屋の人と話すことが出来た。小屋の人によると、道は整備されているのでその日の雨の強さなら赤岳まで登ることは可能で実際に今日登っている他のパーティーもいるが、ただスリップに注意せよ、とのこと。SLの小沢と行けるだろうと判断し進むことにする。
 ここからSLを先頭にして進む。阿弥陀岳に向かう分岐の前後にはウラジロモミやサクラが自生していて、先ほどより樹高の低い木が多くなった印象があった。しばらく歩くと鉄製の階段が増え、登っていると息が切れる。ふと後ろを振り返ると行者小屋より幾分高いところに来ており、周りに生えている植生もハイマツ林帯になっていた。ハイマツの根元にはコイワカガミが可憐に咲いていて、何枚も写真に収めた。登り始めてからまだあまり時間は経ってなかったが、先頭を歩く小沢から休憩を取ると言われたので少し休む。この時にはもうほとんど雨が止んでいた。
 休憩後、下山してくるパーティーがいたので写真を撮ってもらった。メンバー全員がそろって写っている写真が結果的にこれ一枚となってしまったことは少し心残りである。ゆっくり登っていると阿弥陀岳の横から雪がまだ残っている美しい峰々がひょっこりと顔を出す。先ほどまで雨が降っていたため眺望にはあまり期待できないだろうと思っていたが、その悪い予想を見事に打ち消してくれた。地図を見た結果中央アルプスだろうという結論に至った。
 もう少しで赤岳と阿弥陀岳をつなぐ稜線に出るなと思っていると突然、メンバーの複数のスマートフォンから緊急地震速報を伝える警報が鳴った。とても驚いた。逃げ込む場所もないので1分ほどそこで待機したが、揺れを感じなかったので誤放送だろうと判断しまた進み始めた。今思えば、緊急地震速報が鳴った瞬間に山側に寄ってしゃがみ、落石に注意せよといった声かけをするべきだったと思う。のちに山頂で小屋の人に話を聞くと、最大震度が5強で山頂でも震度2程度の揺れを感じたそうなので、おそらく皆が揺れに気づかなかっただけであろう。何しろ自分たちのいたところが大きく揺れなかったことは幸運であった。
 気を取り直して歩き始める。稜線に出ると一気に視界が開け、南アルプスが一望できた。しばらく土の道を進むと途中から岩場が多くなっていった。クサリがたくさん整備されていたが、クサリがないと登れないあるいは降りられないところは一箇所もない。皆岩場に怖がることなくスイスイ登っていたので良かった。やはりサブザックにして正解だった。最後にハシゴを二つ登って赤岳山頂に到着。
 無事に山頂に到達してとりあえず一安心。思ったより寒くはなかった。写真撮影しようと思い他の登山者にお願いしたところ、指が不自由なので難しいと言われてしまった。仕方がないので交代で撮影することになった。山頂で全員揃って撮影できないのは少し寂しい。あまり山頂に長居すると邪魔になるので赤岳頂上山荘に向かった。そこではバッジや手ぬぐいなどが売っていてスタンプも置いていた。名前に山荘とあるだけあって泊まることも可能なようだ。昼食をとるなどしばし休憩した後、名残惜しいが出発した。
 下りは登りよりも気をつけて進んだ。行きよりも多くのパーティーとすれ違ったので多少時間がかかった。途中降りるのが難しいところが一箇所あったが、特に問題もなく行者小屋に到着。少し休憩したのち赤岳鉱泉に向かう。20分で赤岳鉱泉に到着。テントを撤収させてメインザックに切り替え、出発。意外と撤収に時間がかかってしまった。今朝雨が降ったので、念のため沢沿いの道ではない道を行こうとしたが分岐が見つからない。仕方がないので行きと同じ道を帰ることにする。幸い川が増水していて進めないといったことはなかった。登山道を終えたところで一本休憩を取り、その後は早足で美濃戸口に向かった。硬い地面を早足で歩いたので途中から足の裏が痛くなってきた。12:45にようやく美濃戸口に到着。無事に下山できて本当によかった。
 ここで一旦解散し、小沢と石田は八ヶ岳山荘のお風呂へ。他のメンバーはお風呂を諦め、13:20発のバスに乗ることにする。少し時間があったので近くのお店で売っていたソフトクリームを食べた。下山後のソフトクリームは格別に美味しい。バスに乗車し、発車を待っているとさっきお風呂に行った二人がさっぱりした顔付きでバスに乗り込んできた。二人とも急いでお風呂に入ったらしい。羨ましかったが洗い場が三つ程度しかなかったそうなので全員は入れなかっただろう。そのため全員が同じバスで茅野駅に行くことができた。駅に着いた後、杉山くんは課題があるそうなので一足先に特急でご帰宅。他の人は近くのレストランでお昼ご飯を食べ、ホリデー快速ビューやまなしに乗ってお安く帰った。

■総括
泊り山行のCLは初めてだったがメンバーに助けられ無事に山行を終えることができた。皆さんに楽しんで頂けたようなのでよかった。岩場を怖がる新入生がいなければこの時期にやっても問題ないと思う。

■反省
・緊急地震速報が来た時に揺れのあるなしに関わらず、山側に寄ってしゃがみ、落石に注意せよといった声かけをするべきだった。また、山で地震や噴火等にあった時の対処法を教える、あるいは皆で考える講習会を部会でやった方が良いと思った。
・エスケープした時のために電車やバスの時間は計画書の段階で全て調べて載せておいたほうがよかった。

■雑感
・赤岳鉱泉と行者小屋では赤岳鉱泉の方が設備が良い。例えば、赤岳鉱泉は水洗トイレだが行者小屋は水洗ではない。
・炊き込みご飯を作るのは難しい。白米であれば焦げた匂いがしたら火からあげて蒸らし始めるが、炊き込みご飯の場合は早い段階から焦げた匂いがし始めるのでそのタイミングで火からあげても全然炊けていない。焦げた匂いがしても、火からあげるのをぐっと我慢して弱火から中火で10分以上待つ必要がある。
・インスタントラーメンは水を減らしすぎると失敗する。
・横岳、硫黄岳のリベンジも兼ねていつかまた行きたい。
・雨天時の判断の難しさを身を以て知る良い機会となった。