2017/7/2 鬼石沢遡行・ステタロー沢下降
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
鬼石沢遡行・ステタロー沢下降計画書
作成者:丸山
■日程 7/2(日)(荒天の場合中止)
■山域 西丹沢
■在京本部設置要請日時 2017/7/2 20:00
■捜索要請日時 2017/7/3 10:00
■メンバー(計5名)
CL丸山 SL久光 薩摩 酒井 木口
■交通
伊勢原駅周辺(詳細はLINE連絡)に6:45に集合し,丸山車で大滝沢林道駐車スペース
へ(65分程度)
■行程
大滝沢林道駐車スペース-50?-一軒家避難小屋-15-15m滝-105- 巨岩帯-70-1230mコル
-35?-ステタロー沢下降開始点-60?-一軒家避難小屋-20?-地獄棚沢出合-10?-雨棚下
-10?-地獄棚沢出合-50?-大滝沢林道駐車スペース
(計3:10+3:55?)
http://www.yamareco.com/modules/yr_plan/detail-392507.html
※時間と体力に余裕があれば,雨棚のトップロープ登攀を試みる
■エスケープルート
鬼石沢:引き返す
それ以降:登山道で下山
■地図・遡行図
2万5千分1地形図「中川」
山と高原地図「丹沢」
遡行図:丹沢の谷200ルート P.243
ステタロー沢は遡行図なしだが大部分は登山道と並行
■遭難対策費
100円×5人
計500円
■備考
日の入(7/2)19:04
松田警察署 0465-82-0110
鬼石沢遡行・ステタロー(捨太郎)沢下降記録
作成者:丸山
■日程 2017/07/02(日)
■山域 西丹沢
■天候 曇り
■メンバー(計5人、敬称略)
CL丸山 SL久光 薩摩 木口 酒井
※オーダーは、丸山・久光がトップかラスト、他3人が中間を維持しつつ、流動的だった。
■総評
鬼石沢・ステタロー沢ともに水量の少なすぎる沢であり、単調な区間も長く、物足りなさを感じたが、最後の地獄棚・雨棚見物ではそこそこ水量もあり、滝も見栄えをするためなかなか良かった。また、女子3人を含む5人の山行は賑やかであり、結構楽しかった。
■GPSログ
https://yahoo.jp/SEoaP7
■時間
8:11 大滝沢林道駐車スペース発
8:51-9:14 一軒家避難小屋(入渓準備)
9:29-10:00 F2
10:01-10:41 F3
11:47-12:18 支流へ寄り道
13:04 遡行終了
13:19-13:25 登山道へ出て休憩
13:48 登山道を離れる
14:03 ステタロー沢下降開始
15:12 登山道に出る
15:30-15:37 一軒家避難小屋
16:11 地獄棚下
16:28-32 雨棚下
16:53 地獄棚下
17:57大滝沢林道駐車スペース着
■行動記録(敬称略)
※遡行図は丹沢の谷200ルートを使用、滝の落差は同資料に基づく
・大滝沢林道駐車スペースまで
5人もいると大体1人くらい遅れそうなものだが今回は問題なし。車の流れもよく順調に大滝沢林道へ入ったが、この林道が荒れている。歩くのと大差ないのではないかと思えるようなスピードで慎重に運転し、駐車スペースに入る。先行車3台程度。出発準備をしていると、近くに人にマスキ嵐沢かと聞かれたので、鬼石沢だと答える。
・一軒家避難小屋まで
40分単調な登山道を歩くが、暑くて不快。ついペースを速めにしたくなるが薩摩が律速する。避難小屋に着いてアプローチシューズをデポし、入渓準備するが、初めての人も多いので随分時間がかかった。
・F2まで
西丹沢らしく、沢床が白くてきれいだが、水は少なく、変化に乏しい。堰堤が1つあり、右岸から巻くが、この辺りは作業道が通っているので、沢通しではなく作業道を歩いてもいいかもしれない。少しナメが出てくると、程なくしてF2。
・F2
遡行図では15mとあるが、実際は10mあるか怪しい。木口のビレイで久光がリード、水量も少ないので流心近くを登ったが、中間支点は無し。とはいえⅢ-程度の簡単な滝なので問題ない。他の全員もスムーズに登った。
・F3
遡行図では20mとあるが、15m程度か。木口ビレイで丸山がリード、流心右側を登った(Ⅲ+)。途中、残置ハーケン2か所で支点を取った。上段はつるつるの滑り台状で直登できず、右から小さく巻く。この滝は落ち口が狭く、靴で堰き止めて水量を調節できるのが面白かった。全員問題なく登攀。
・巨岩帯まで
F3の先は単調。水量も減り寂しい。堰堤を越えると伏流してさらにテンション低下。飽きてくるので読図レクチャーでもする。暫くして現れる5m滝は、久光が登ってから女子3人にお助け紐を出した。その先は、遡行図通り綺麗なナメだが、いかんせん水量が足りない。
・巨岩帯
この沢のシンボルである巨岩。記念撮影しつつ、丸山は左を登ってみたところ、Ⅳ程度。その間に他の4人は胎内潜りをして登った。丸山も左岸を巻き降りてから胎内潜り。見た目より難しくⅢ+程度。
・寄り道
980m二俣で右から合流する支流に滝が見えるので、少し探索してみた。水量は少ないが4m、8mと滝が連続し、その上には堰堤、炭焼き窯と続いていた。さらに上は見渡す限り単調そうだったので引き返す。
・登山道まで
いくつか小滝を越えると、この沢のもう1つのシンボルである大岩の乗った堰堤。久光のみ右岸、他は左岸を巻く。この辺りから水は殆どなくなる。途中コクワガタを見つけ、撮影していたら挟まれて痛かった。最後の難所、4mCS(Ⅳ-)は丸山が登ってからお助け紐を出したが、薩摩は苦戦。無理やり引き上げて登ってもらう。最後のCS4mが見えてきたあたりで、登りたい人はこれを登ってから、右岸の尾根を目指して詰め始める。踏み跡はないが、比高が小さいので詰めは楽。
・登山道
詰め終わってから少し休憩、補給。その後下り始めるが、酒井が靴擦れで痛いそうなのでとりあえずテーピングする。それでマシになったようで良かった。
・沢下降
西丹沢はザレやすい地質で、沢下降をしようとした地点もザレていた。仕方ないので右の小尾根に乗って下降し始めたが、最後はやはり急だったのでお助け紐を出すなどして下った。沢下降の始めとしては面倒な方。水も何もない沢を少し下っていくと涸れ棚(10m)が現れる。巻き下れそうだったが練習のために懸垂下降。薮っぽくて爽快感なし。その後4m程度の涸れ棚を3つくらいクライムダウンすると、少し水が出始めたが、しばらくしてまた伏流。その後も何もないままに登山道に合流した。
・一軒家避難小屋まで
ステタロー沢は相変わらずつまらなそうなので、登山道を歩いてどんどん下っていくと、ようやく沢にも水が出てきて、綺麗なナメも部分的にあったので、そのような部分は拾い歩きした。小屋にデポしておいた靴は回収。
・地獄棚下まで
登山道から外れてバリエーションルートに入ると、狭い尾根の急下降。慎重に下った。所々に残置ロープあり。地獄棚下に着いて地獄棚を見上げると、これまで各地で巨瀑を見てきたせいか、3年前に見た時よりも心なしか小さく感じ、また、登れそうな気もする。
・雨棚往復
酒井は雨棚へ往復するほどの元気は残っていないそうだったので、見たことのある久光とともに地獄棚下に残し、3人で雨棚を目指す。途中の4m崖棚でお助け紐を出して、順調に雨棚下に着。やはり3年前の記憶よりも心なしか小さく感じるが、この滝の登攀は、上部が厳しそうである。記念撮影してから戻るが、木口と薩摩は派手に水に浸かっていた。
・大滝沢林道駐車スペースまで
あとは下山するだけであるが、しばらくはバリエーションルート。大滝沢を少し歩き、単調になってからは並行する踏み跡を歩いたが、途中、薩摩が浮き石で転んで膝を強か打ち、意識が遠のくほどだった模様。しばらく休んで歩けるようになったが、それでも痛みは残るようだったので、薩摩の荷物は久光が持ったうえで、ゆっくりと下山した。
・下山連絡
帰りの大滝沢林道も慎重にゆっくり走る。林道ではなぜかSoftbankのみ電波が入っていたため、Softbankの携帯電話を持つ酒井から下山連絡することになったが、第一声「もしもし、まり子」と名乗ったので、在京の谷口は戸惑ったようだった。一同大笑い。
■備考
・薩摩、酒井の初沢。水の少なく寂しい沢だったが、とりあえずまた沢登りもしたいと思ってもらえたようで良かった。
・ヤマビルなし。鹿は多いようなので、侵入は時間の問題であろう。
・5人もいてうち2人も初心者だとさすがに時間がかかる。十分余裕を持った行動計画としておいて良かった。
・鬼石沢や隣のマスキ嵐沢は普段水量が少ないので、大雨の後にでも行くのがいいだろうと思う。
・そのうち地獄棚や雨棚も登攀してみたいと思う。但しトップロープで。
・前回の四町四反ノ沢に続き、2回連続で浮石で痛い思いをした者がいる。細心の注意を払うべき。
■コメント
・計画書に記載する氏名は戸籍上の氏名にしましょう。
・少なくともCLと在京責任者は遭対マニュアルをしっかり読んでおく必要がある。
■反省
・初心者同行時に未知沢の下降をするのは良くない。大抵の場合外れなので沢下降に悪印象を与えることになる。
■沢の評価
【西丹沢】
酒匂川系中川川大滝沢・鬼石沢 170702遡行 [raicho 12375]
1級上(F2,F3直登で)、水量極小、綺麗1+、登攀1+、珍奇1+、辛苦1+、推奨1+
本資料では、ステタロー沢合流点より上流を鬼石沢とする。岩は白くて水も綺麗で、F2,F3の登攀や巨岩の胎内潜りなどは面白いが、全体的に水量の少ない沢で寂しい。隣のマスキ嵐沢のほうが、小滝が続き楽しめる。詰めは楽だが、アプローチの登山道歩きがやや長いのが欠点。
酒匂川系中川川大滝沢・ステタロー沢 170702下降 [raicho 12375]
1級、水量極小、綺麗0+、登攀0、珍奇0、辛苦1+、推奨0
下部は登山道と並行するが、一部にナメがあり、まあ綺麗である。登山道から離れた上流には水は殆どなく、簡単な涸れ棚がいくつかあるだけ。登山道と並行する下部のナメを拾い歩きする程度にしか楽しめない沢で、遡行・下降価値はない。
酒匂川系中川川・大滝沢 140904,170702歩行 [raicho 11014][raicho 12375]
1級(雨棚直登含まず)、水量中、綺麗2、登攀0+、珍奇2、辛苦1+、推奨2
本資料では、ステタロー沢合流点より下流を大滝沢とする。F1とされる雨棚は丹沢有数の名瀑で,かたちも樋状で面白く,一見の価値がある.ついでに見ることになる地獄棚も良い滝.雨棚上流は美しい連瀑帯となっているが、雨棚を直登しない限り、往復になる。雨棚の直登は人工登攀らしく、隣の尾根から大高巻きすることになるが、急傾斜で大変。見所は雨棚周辺のみにあり、他の沢のついでに見て回るのが良い。