2017/7/16 安谷川本流遡行

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
安谷川本流遡行計画書
作成者:丸山
■日程 7/16(日)(荒天の場合中止)
■山域 秩父
■在京本部設置要請日時 7/16 20:00
■捜索要請日時 7/17 10:00
■メンバー(計3名)
CL丸山 SL木口 萬木
■アプローチ
丸山車で移動し、入渓点付近で前泊

■行程
駐車スペース-60-第1ゴルジュ-60-第2ゴルジュ-60-遡行終了-60-駐車スペース
(計4時間程度)
https://yahoo.jp/6yVlGy
※時間と体力に余裕があれば,支流鞍掛の滝沢を遡下降する。2時間程度か。

■エスケープルート
引き返すか、林道に詰める

■地図・遡行図
2万5千分1地形図「秩父」
山と高原地図「奥武蔵・秩父」
遡行図:奥秩父の谷100ルート P.236

■遭難対策費
100円×2人
計200円

■備考
日の出(7/16)4:39
日の入(7/16)19:01
秩父警察署 0494-24-0110

安谷川本流遡行記録
作成者:丸山
■日程 2017/07/16(日)
■山域 秩父
■天候 晴れ
■メンバー・オーダー(計3人、敬称略)
SL木口 萬木 CL丸山

■総評
安谷川本流はあまり遡行者の多くない沢だが、鉄道駅から歩いて入渓できるアクセスの良さ、綺麗な水、美しい渓相を兼ね備えた素晴らしいところだった。少しマンネリ化し、体も冷えてきたきた頃に支流の鞍掛ノ滝沢で遊んだ点や、林道から駐車スペースまで斜面を下ってショートカットに成功した点もよく、大満足の山行であった。

■GPSログ
https://yahoo.jp/1fPgvM

■時間
6:56駐車スペース発
7:00 たまご水
8:36-9:04 第1ゴルジュ(通らず)
9:40-11:25 鞍掛ノ滝沢へ寄り道
11:40-53 2条3m滝
13:18-34 遡行終了点
13:44 林道に上がる
14:19 林道を離れる
14:38 安谷川本流に降り立つ
14:46 駐車スペース着

■行動記録(敬称略)
※遡行図は奥秩父の谷100ルートを使用、滝の落差は同資料に基づく
・出発まで
前夜、西武秩父駅で木口と合流し、ヤオコー上野町店とベルク影森店で食事を買ったり、イートインで寛いだりしてから、入渓点へと移動を開始する。途中、安谷川右岸の林道を通ったが、未舗装ではあるものの、路面状況はそれほど悪くない。林道の奥は私有地のため入るなとのことなので、その手前に停めてテント泊。未明にトラブルがあり、目を覚まされてしまったが、その後も寝て5時半起床。ゆっくり準備して出発。
・たまご水
林道を奥へと進んでから川へと降りたところに、たまご水なる湧水がある。飲んでみると、本当にゆで卵みたいな匂いがしてまずい。が、飲用の水を持っていなかった木口はこの水をボトルに汲んでいた。また、たまご水の近くには明ヶ指のカツラをいう名木があったらしいが、見逃してしまい残念。
・通らずまで
安谷川の水は綺麗で水量も多く、好ましい印象。10分ほど進んだあたりから、小滝や釜が出てきて、面白くなってくる。脇を通れば簡単なところも、釜を泳いでからの水線登攀に拘れば、適度に難しく楽しい。一部に深いところもあるが、泳ぎが必須になるところはない。
・通らず
ここはまず、泳がないと越えられない。萬木は金槌なので、丸山がお助け紐を引いて泳いで左岸に上がり、後から引っ張った。その先は少し登ってから残置スリング・ロープに頼って一段降り、水流を横断。丸山と木口は滑り台として楽しんでから再び登った。その先もゴルジュだが、際どいところはない。迫力があって美しいゴルジュであった。
・鞍掛の滝沢出合まで
ゴーロだが、ルートを選べば楽しい渓相が続く。一か所岩潜りして進むのが楽しいところもあった。
・鞍掛ノ滝沢(ガラッ滝)
F1(8m)はまず木口がトップで登ろうとしたが、途中で詰まり、丸山が脇を登ってお助け紐で確保。萬木もお助け紐で確保し登攀終了。続いて現れるF2(15m)は、登れそうにないので、他の記録で読んだ通り左岸から巻こうとする。ドロドロの斜面を、適宜お助け紐を出しながら登っていくと、F2を越える高さになるが、沢筋へは出られず、まとめてF3(30m)も巻くことに。そのうちに、岩壁になってきたので、30mロープを出すことにする。木口ビレイで丸山が登り、途中立ち木で支点を取ってから、急に難しくなる。まずは岩の凹角(上に残置スリングが見える)を登ろうとしたが、難しいのでやめ、次に滝身に出て水線の直登を試みたが、もの凄い高度感にビビるうえ難しいのでやめ、最後に凹角の右の岩壁を登ろうとしたが、ホールドが少ないので諦めた。結局、敗退。ビレイ点まで戻り、鞍掛ノ滝沢は終わりとして、45mロープで懸垂下降することに。最初が空中懸垂だったが、ちょうどの長さでF2の下まで降りられた。ATCの分配忘れが判明して丸山が登り返すというトラブルがあったが、無事に終えて、F1は右岸から容易に巻き下って
、本流に戻る。
F2とF3の巻きルートは下記のページと同じものであり、どうやら正しかったようだが、Ⅳ級A0のところが登れなかった。登攀力を磨く必要があるかもしれない。
ひろた氏(故人)
http://sonosoranoshitade.web.fc2.com/sonosoranoshitade2/page245.html
moto.p氏(故人)
http://kemotop.web.fc2.com/Report/2005/20050903/20050903.htm
なお、moto.p氏の記録に添付されているルート図では鞍掛ノ滝沢の位置が間違っているので注意が必要である(丸山もこれに引っ張られて間違えた)。
・第2ゴルジュ
鞍掛ノ滝沢出合の上流は、見るからに面白そうなゴルジュになっている。難しそうな見た目とは裏腹に浅かったようで、先頭の木口があっさりと越え、続いて丸山が越えて、萬木にお助け紐を出したが、どうやら萬木には難しかったようで、テンションがかかった。
・2条3m滝
どう見ても楽しそうな滝で、泳いで右の水流の右に取り付き、Ⅲ−程度で登れる。泳ぎを避ける萬木は右岸巻き。登った後、木口と丸山は滑り台や飛込を楽しんだ。右岸側の水流は滑り心地が良いが、左岸側の水流は狭くてつっかえそうになる。それはそれで面白いが。
・5m滝
遡行図では2条3m滝の先はゴーロが続くように書かれているが、実際はそんなことはなく、まだまだ楽しい渓相。大釜を持つ5m滝が現れ、木口と丸山は釜を泳いでから右壁を直登、萬木は右岸巻き。丸山はここでも滑り台をやってみたが、なかなか良い。
・遡行終了点まで
大岩潜りの楽しめる滝があったが、この滝はテイクオフが難しくて登れず、諦めて左岸を巻いた。残置スリングがあるが、使わなくても登れる。その後は適宜読図をしながら脱渓点を探し、目的とする枝沢を見つけたところに、面白そうな釜と小滝があるので、ここで遊んでから脱渓することに。ここでは2つの大岩によって水流が二分されており、そのどちらも面白い。右の水流は、落差はないものの強烈な水流を突っ切らなければならず、パワー勝負。丸山は成功したが、木口は登れず。左の水流はやや高さがあるが、突っ張りで登れる(Ⅲ+)。萬木は遡行には挑戦せずに釜でスノーケリングしていたが、魚が結構いたらしい。
・詰め
左岸の枝沢を登って詰めるが、クモの巣が少々うざい。すぐに水流は消えるが、林道も見えてくる。手を使わずに登れるような斜面を軽く登っていくと、楽しい沢の余韻も冷めやらぬうちに詰めが終わり、素晴らしい。
・林道
林道に上がったところで3人組の釣師に遭遇。少し話してから分かれ、行動食をとりながら下る。一般車通行止めだが、歩きやすい林道。林道から離れる地点を木口に十分考えてもらいながら歩いてもらった。
・駐車スペースまで
急斜面のな植林地を下っていくと、特に問題もなく安谷川に出る。車は支流持小屋沢の近くにあるので、持小屋沢に入ると、難所もなくすぐに車が見えてきた。

■備考・感想
・メジャーな沢ではないが大当たりだった。綺麗で楽しく、辛くもなく大満足。
・ヤマビルなし。
・鞍掛ノ滝沢は難しかったが、いい練習になったと思う。

■コメント
・滝登攀のビレイでは、登攀時も下降時も、ロープの適度な張りを常に保つようにしましょう。

■反省
・ATCの分配忘れは良くなかった。

■沢の評価
【秩父】
荒川系安谷川本流 170716たまご水から465m地点まで遡行
2級、水量大、綺麗2+、登攀2、珍奇2、辛苦0、推奨3
鉄道駅から歩いて入渓できるアクセスの良さ、綺麗な水、美しい渓相を兼ね備えた素晴らしい沢。水量が多く、泳ぎが必須なので夏におすすめ。平水ならそれほど難しいところはないが、増水すると高難度化しそうである。登るルートによって難易度が選べる点も良い。詰めは殆どなく、林道で下山できる。

荒川系安谷川・鞍掛ノ滝沢 170716 F3の巻きで撤退
水量小
F1は容易(Ⅲ)。F2とF3(ガラッ滝)をまとめて巻こうとしたところ、行き詰って敗退した。