2017/10/7-8 妙高・火打山

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
妙高・火打山山行
作成者 山本
■日程 10/7(土)、10/8(日) 前夜発一泊二日予備日一日
■山域 妙高・火打山
■在京本部設置要請日時 2017/10/8(日) 18:00
■捜索要請日時 2017/10/9(月) 9:00
■メンバー(計4人)
CL 山本 SL 谷口 吉田 川瀬
■集合
10/6(金) バスタ新宿24:00

■交通
□行き
・WILLER EXPRESS H5524便
バスタ新宿24:35-長野駅東口5:50 3,900円
・しなの鉄道北しなの線
長野5:14/6:24-妙高高原6:01/7:07 830円
・頸南バス笹ヶ峰直行バス
妙高高原駅7:20/9:35/13:55-笹ヶ峰8:10/10:25/14:45 1,000円
※妙高高原駅9:35発のバスに乗り遅れた場合、タクシーを利用(6,000円弱)

□帰り
・妙高市営バス関・燕温泉線
燕温泉11:46/14:30/16:2018:03-関山駅12:15/15:01/16:51/18:34
※14:30発のバスに乗る予定
・えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン
関山-9分-妙高高原 毎時一本(毎時20分前後発) 200円
・しなの鉄道北しなの線
妙高高原14:56/15:51/16:39/17:29/18:00-長野15:38/16:39/17:22/18:12/18:45 830円
・京王バス長野-新宿線6028便
長野駅18:00-バスタ新宿21:47 3,900円
※長野駅16:00/17:10/18:00/19:30-バスタ新宿19:47/20:57/21:47/23:17 約4,000円
※バスに間に合わなかった/席を取れなかった場合、長野から新幹線の利用も検討

■行程
□1日目
笹ヶ峰-0:20-笹ヶ峰歩道分岐-0:45-黒沢-1:40-富士見平-0:50-高谷池ヒュッテ-0:15-天狗ノ池-1:15-火打山-0:50-天狗ノ池-0:15-高谷池ヒュッテ
合計6時間10分
※高谷池ヒュッテに到着次第、火打山に上る前に幕営
※高谷池ヒュッテに幕営できない場合、黒沢池ヒュッテに幕営(片道50分)
※新潟焼山の火口半径1km内は噴火警戒レベル1で立入規制中
※黒沢、高谷池ヒュッテ、黒沢池ヒュッテに水場あり(各ヒュッテの水場は要煮沸)

□2日目
高谷池ヒュッテ-0:50-黒沢池ヒュッテ-0:30-大倉乗越-0:30-長助池分岐-1:30-妙高山-1:20-天狗堂-0:50-北地獄谷麻平分岐-0:50-麻平-0:30-燕温泉
合計7時間50分
※時間が許す限り、燕温泉近くの河原の湯、黄金の湯に立ち寄る。

■エスケープルート
・大倉乗越まで 笹ヶ峰に下りる
・大倉乗越から妙高山まで 燕新道経由で燕温泉に下りる
・妙高山から北地獄谷麻平分岐まで 赤倉登山道方面に下りる
・北地獄谷麻平分岐から そのまま進む
※増水時は天狗堂から赤倉登山道経由で妙高高原スカイケーブルの山頂駅へ下りる。

■地図
二万五千分の一地形図 「妙高山」「赤倉」「湯川内」
山と高原地図 「18 妙高・戸隠・雨飾」

■遭難対策費
200円×4人 計800円

■備考
□日没日出
日没10/8(日) 17:21(妙高)
日出 10/9(月) 5:49(妙高)

□雨天時 10/6(金)19:00までに判断・連絡

□警察署電話番号
妙高警察署 0255-72-0110

□山小屋
・高谷池ヒュッテ
…テント場30張、幕営料410円/人、小屋泊は要予約(10/7は満員)、水場あり(要煮沸)
※改装中のため、自炊室は使用不可
・黒沢池ヒュッテ
…テント場10張、幕営料1,000円/張、素泊6,000円、水場あり(要煮沸)
・大谷ヒュッテ(避難小屋)
…布団・水場・トイレあり、電気なし

□過去記録
2012年 妙高・火打山山行
2003年 妙高・火打山山行

妙高・火打山山行記録
■作成: 山本
■日程: 2017/10/7(土)、10/8(日)
■山域: 妙高・火打山
■天候: 1日目: 曇り時々雨 2日目: 晴れのち曇り
■メンバー: CL山本 SL谷口 吉田 川瀬
■行動記録
1日目
8:40 笹ヶ峰
8:55 笹ヶ峰歩道分岐
9:25-9:35 黒沢
10:50 富士見平
11:35-13:10 高谷池ヒュッテ
14:25-14:45 火打山
15:55 高谷池ヒュッテ

2日目
5:45 高谷池ヒュッテ
6:55-7:05 黒沢池ヒュッテ
8:00-8:10 長助池分岐
9:10-9:45 妙高山
10:55-11:05 天狗堂
11:45 北地獄谷麻平分岐
12:25 麻平
12:55 燕温泉

■記録
□0日目
新宿から長野までの夜行バスではあまり眠れない。ムーンライト等の夜行列車よりもバスの方が眠れない。といっても、山行前日はいつも寝坊を恐れて半徹夜の自分にとってみると、いつも通りのことである。他のメンバーもあまり眠れなかったようだ。

□1日目
・~笹ヶ峰
新宿から同乗した8人の大学生パーティとは、笹ヶ峰までの電車・バスも同じだった。結局この駒沢大学のワンダーフォーゲル部とは火打山まで一緒だった。

・笹ヶ峰~黒沢
笹ヶ峰にはトイレと自販機がある。トイレの水道は飲料水ではないが、谷口は気にせず飲み水を汲んでいた。懸念していた土曜日の天気を確認すると、雨は降らないようで安心した。初日は行動時間に余裕があるので、笹ヶ峰到着時点で雨が降っている場合は雨が止むまで待機する予定だったが、雨は降っていないのでそのまま出発した。
麓はまだ紅葉していないが、赤や黄色に色変わりした葉も散見されて気持ちが良い。黒沢までは傾斜も緩くそれほど疲れない。先を行かれた大学生パーティを抜かすべく、歩を急いだ。

・黒沢~富士見平
黒沢から先は急登だった。「十二曲がり」はこの急登で十二回曲がることに由来する地名だそうだ。この辺りで先の集団を抜かした。前日からの雨で足場は相当ぬかるんでおり、滑らないよう慎重に歩くことを余儀なくされたため、この区間では時間を食ってしまった。富士見平について、山と高原地図には「黒姫山の上に富士山が見える」という記述があるが、曇りで富士山どころか隣の尾根すら見えない。

・富士見平~高谷池ヒュッテ
高木が減って笹が増えてきた。そのため、足元では落ち葉が減ってぬかるみがさらに醜くなる。元々火打山は人の出入りが少なく落ち葉の深い山域だったようだが、今はもう騒がしい山になってしまっているのかも知れない。道中の岩にアルプス展望台があったので試しに近づいてみたが、当然ながら何も見えなかった。高谷池に到着して真っ先に気になったのが池を取り囲む紅葉だったが、今日は残念ながら何も見えないようで、明日に期待。
高谷池ヒュッテは豪雪地帯に特有の二等辺三角形型の小屋で、積雪時は2階まで埋もれるらしい。火打山に登る前に、高谷池ヒュッテでテントを張ることにした。紅葉の季節はとても人気の高い小屋で、テントの場合もいい場所をとるためには午前中に到着した方がいいだろう。到着時は小雨だったので、天気の回復を待ってから火打山に向かうことにした。テントの中で夕食の準備などをして時間をつぶしていた。

・高谷池ヒュッテ~火打山
高谷池から天狗ノ庭にかけては木道が敷かれている。晴れていれば日本屈指の紅葉が見られる人気の池で、カメラと三脚を持ち込んでいる人も多かった。登りでは曇りで何も見えないので、景色を楽しむことはほどほどにして歩を進めた。天狗ノ庭周辺は池や岩の雰囲気がトムラウシ山周辺に似ていると思う。雷鳥平から火打山山頂にかけては雷鳥の目撃情報が何件かある。曇りで距離感覚がつかめなかったこともあり、山頂までは思っていたよりも時間がかかってしまった。火打山山頂からは日本海を隔てて佐渡島が見えるそうだが、佐渡島どころか隣の影火打山も焼山も何も見えない。翌日妙高山から眺めた火打山の稜線はかなり美しかったので、何も見えなかったのは残念な限りである。

・火打山~高谷池ヒュッテ
下りは霞が晴れて若干の展望があるタイミングが何度かあった。雲を南北に分かつ新建尾根や紅葉に彩られた天狗ノ庭・高谷池を目にすることができて、不幸中の幸いだった。時間の余裕があった日ではあったものの、テントに戻ると意外と日没まで時間がなかった。夕食は川瀬さんの担当で、彩り豊かなミックスベジタブルがありがたい。小屋のトイレは清潔な水洗トイレで、何とウォシュレットまで付いていて驚いた。散々夜の寒さを警告していたものの、意外と夜は全く寒くなかった。

□2日目
・高谷池ヒュッテ~黒沢池ヒュッテ
19時に就寝し、3時半に起床。朝食は吉田くんのマカロニだった。こちらも肉・野菜が豊富でありがたい。テントの撤収も含めて1時間半ほどで出発できそうだったが、日の出後の明るい高谷池を見たかったので、テント内でしばらく時間をつぶしていた。雨で濡れているので、テントの撤収は手が冷えてつらかった。
日の出を待ち、火打山側の木道に移動して高谷池とヒュッテを眺めた。幸いこの日の朝は晴天で霞がかっていなかったので、火打山から焼山や雨飾山まで見通すことができた。肝心の高谷池の紅葉は若干ピークを過ぎていたが、それでもやはり来た甲斐があると思わされる紅葉だった。
その後は気を取り直して黒沢池ヒュッテに向かった。茶臼山を経由するこの道はぬかるみがあまりにもひどかった。何度も滑ってしまい、服を汚してしまうメンバーもいた。晴れ空が広がっていたので、雨飾山方面には清々しい雲海を望むことができた。黒沢池を視界に捉えてからの下りは最も滑りやすい箇所だった。道がぬかるんでいる際の下り道は急げないので、コースタイム以上に時間がかかってしまうこともあると学んだ。黒沢池は釧路湿原にも似た湿地帯で、高谷池に負けず劣らずの美しさだった。朝日の逆光で上手く写真に残せなかったのが心残りである。黒沢池ヒュッテでは外国人登山客が宿泊していたのを覚えている。ヒュッテを囲む紅葉もまた見事だった。

・黒沢池ヒュッテ~長助池分岐
ここからは妙高山までひたすら登りが続く。団体客もいて混雑していたため、通過に時間がかかってしまった。急登はつらいが、振り返ると見える火打山から焼山までの稜線が目に入るとここまで来た甲斐があるものだ。

・長助池分岐~妙高山
さらに傾斜が急になる。登山道の削れ方から推測するに、長助池分岐の前後は明らかに雪渓があったであろう。雪渓は7月上旬までのこり、初夏は雪渓のトラバースを要するようだ。長助池や妙高山の山体が視界に入る登山道だが、落石や崩壊が多いため注意が必要。ロープが付いた坂やすれ違いの難しい岩場も何ヶ所か見られた。小さな神社らしき何かが見えると、もうすぐに山頂である。山頂は天候に恵まれ、むしろ暑いくらいだった。展望は最高で、白馬から御嶽までの北アルプスや苗場山、さらには柏崎刈羽原発まで見ることができた。白馬岳から朝日岳を通って0mの日本海・親不知まで一気に下りる栂海新道も視界に入る。こんな疲れる新道に誰が行くんだろうと思っていたが、実際に目にすると行きたくなるものだ。妙高山頂には適度にスリルのある岩場があり、写真撮影しながら楽しんでいた。妙高山北峰から南峰までは歩いてすぐで、南峰には日本岩を始めとして巨岩が多い。

・妙高山~天狗堂
南峰からの下りはちょっとした岩場である。ロープが付いている箇所もあるが、難所ではないだろう。岩場からすぐの開けた場所で外国人がテントを張っているのを目撃した。確かに闇テンかもしれないが、この山域に外国語の案内が皆無であることの方が問題であるように感じた。

・天狗堂~北地獄谷麻平分岐
天狗堂の分岐で意図的に道を間違えてみたが、一瞬で気付かれてしまった。曲がる方向を事前に口頭で確認していたのが敗因。ここからの下りは取り立てて見るものもなく、雲も濃くなってきたので、ただただ歩を進めた。妙高山からの下りを任せていた谷口はずっと考え事をしていたそうだ。1,300mほど下る道であり、いつも以上に膝に疲れが来ていた。

・北地獄谷麻平分岐~燕温泉
地図上は北地獄谷麻平分岐の直前に沢の渡渉がある。渡渉箇所の前方には確かに分岐があるが、案内板等は特にないので注意が必要だと感じた。地獄谷という名前に相応しい硫黄性の沢で、釜は青色をしていた。温泉かと思いきや、残念ながら水は冷たかった。分岐から進むと、沢の巻き道かと思うような細く際どい箇所があるので滑落に注意しないといけない。麻平から先は低山らしい下山道で、燕温泉の建物が目に入るとすぐに燕温泉に到着する。名瀑百選の惣滝もこの辺りにあるが、今は近寄れないようだ。滝の片鱗を眺め、温泉街へと下りていった。

□燕温泉~
燕温泉では、岩戸屋という温泉宿で汗を流した。名物の草餅もおすそ分けしていただいた。この温泉街には足湯もある。屋外の黄金の湯や河原の湯も時間があればぜひ訪れたい。
バスと電車を乗り継いで長野駅に戻り、駅ビルで夕食として信州そばを食べた。蕎麦湯はおいしい。

■感想
・火打山の紅葉は素晴らしい。高谷池の紅葉を見に行く場合、10月第一週の晴れる日を狙っていくのがいいと思う。
・想定していたほど寒くはなかったので助かった。ただし、10月上旬でも氷点下まで下がる可能性は十分にあるので、防寒は徹底するべきでしょう。