2018/4/1 ウルシガ谷沢右俣遡行左俣下降・キットウ谷沢遡行
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
ウルシガ谷沢右俣遡行左俣下降・キットウ谷沢遡行計画書 ver. 1.0
作成者:丸山
■日程 4/1(日)(荒天の場合中止、前日までに判断)
■山域 奥多摩
■在京本部設置要請日時 2018/4/1 20:00
■捜索要請日時 2018/4/2 10:00
■メンバー(計4名)
CL丸山 SL迫野 久光 吉田
■集合・交通
ココス南町田店駐車場に6:10(迫野)
北野駅北西の隆文堂前に6:45(久光、吉田)
丸山車で小坂志林道へ(60分程度)
■行程(予定時間)
8:00 駐車スペース発
8:10 入渓
8:30 二俣
10:30 右俣遡行終了
11:40 左俣下降終了
12:10 ウルシガ谷沢出合
12:40 キットウ谷沢出合
13:40 二俣
15:10 林道
16:00 駐車スペース着
(計8:00)
(https://www.yamareco.com/modules/yr_plan/detail-518316.html)
※時間や体力に余裕がない場合はキットウ谷沢遡行をせずに帰る。
■エスケープルート
右俣2条12m滝まで:引き返す
林道まで:林道で下山
左俣:そのまま下るか、引き返して林道で下る
キットウ谷沢:引き返すか、左岸の林道に詰める
■地図・遡行図
2万5千分1地形図「五日市」
山と高原地図「奥多摩」
ウルシガ谷沢:東京起点沢登りルート120 p.25
キットウ谷沢:奥多摩大菩薩高尾の谷123ルート p.181
■共同装備
ツェルト(チャーリー)
救急箱(苺)
8.6mm×30mロープ
お助け紐
ハーケン
ハンマー(ロカ)
ハンマー(チコ)
アッセンダー
■遭難対策費
100円×4人
計400円
■備考
日の入(4/1)18:05
五日市警察署 042-595-0110
ウルシガ谷沢右俣遡行左俣下降・キットウ谷沢遡行記録
作成者:丸山
■日程 2018/4/1(日)
■山域 奥多摩
■天候 晴れ
■メンバー・オーダー(計4人、敬称略)
CL丸山 吉田 久光 SL迫野
■総評
沢初めとして水量の少ない沢を選んだのにシャワークライミングを強いられるという誤算があったものの、適度に滝のある沢を1日で3本楽しむことができ、十分な内容であった。
■ヤマレコ記録
(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1418353.html)
■時間
7:36 小坂志林道駐車スペース着
8:00 出発
8:11 ウルシガ谷沢入渓
8:19 二俣
9:16 右俣出合の滝群終了
9:52 右俣遡行終了
10:02 左俣下降開始
11:07 二俣
11:27-11:38 駐車スペースで休憩
11:41 小坂志川本流入渓
12:18 キットウ谷沢遡行開始
13:03 二俣
13:50 遡行終了
14:05 下山開始
14:35 駐車スペース帰着
■行動記録(敬称略)
※遡行図は東京起点120と奥多摩大菩薩高尾123を使用、滝の落差は同資料に基づく。
・駐車スペースまで
小坂志林道はダートだが概ねフラットで、普通車でも問題ない。丹沢の戸川林道よりやや走りやすい程度。ウルシガ谷沢出合を少し通り過ぎたところにあった林道脇のスペースに駐車。
・ウルシガ谷沢入渓まで
小坂志林道からウルシガ谷沢沿いに伸びる林道に入り、やや急な坂を上っていくが、その脇を流れるはずのウルシガ谷沢は伏流となり、「もう遡行終了した~」などと冗談を言いながら進む。この林道は左岸から枝沢が入るところで本流を離れるので、この辺りで入渓。水は多くはないがちゃんと流れている。
・二俣まで
東京起点120の遡行図によれば、小ゴルジュの中に小滝の連続とのことだが、見方によっては何もない沢。適当に歩いてすぐに二俣に着く。
・右俣出合の滝群(2条12m、8m、4m)
ここは先例に倣ってロープを出す。リード丸山、ビレイ吉田。最初の2段12mは左から取り付き、途中カムで支点を取って登った(Ⅲ)。次の8mにそのまま進み、残置ハーケン1つで支点を取り、水を浴びる核心部(Ⅲ+)をクリア。30mロープでは長さがぎりぎりだったため、すぐ上にある立木で終了点とした。セカンドの久光がアッセンダーの使用に不安がありフリクションヒッチで登るなどしたため、時間はかかったが全員問題なく登った。しかし濡れてじっとしていたので寒い。最後の4m滝は特に問題なく中央を登った。なお、8m滝を登ってすぐの岩の裏に残置終了点があったので、これを使った方がスムーズであったが、岩の裏にあったため当初気付かなかった。
・右俣遡行終了まで
出合の滝群を越えるとあとはⅢ級以下の小滝が4つほどあるのみで、サクサク進む。水がなくなると谷筋は深い落ち葉に埋まって歩きにくくなったため、右岸斜面を登って詰める。落石が発生しにくく比較的やりやすい詰めで、一登りで林道に出た。
・左俣下降
林道を少し歩いていくと、近くの稜線をトレイルランナーが連続で走っている。大会でもやっているのかもしれない。沢下降を開始する場所はいつも悩むが、今回も例外ではなく、右岸側から下るか左岸側から下るかで意見が割れたので別々に下る。丸山は右岸側から下ったが、急斜面ではあるものの、特に問題なし。左岸側から下ってきたメンバーと合流して谷を下っていくと、途中で林道に合流。3:2二俣までに沢中へ入ってくる林道が3本程度あり、非常に多くの林道が張り巡らされた流域だと感嘆する。3:2二俣を過ぎると水も増えてきて、沢らしくなる。途中10m滝は懸垂下降、5m滝は右岸巻き、3m滝も右岸巻き、2×3mは右岸クライムダウン。次の「3m」滝は実際は6mほどあったが、これは懸垂下降。下降後、この滝右岸の特徴的な岩角を登ってみたが、クライムダウンはしたくない感じであった。これ以降は特に何もなく、ウルシガ谷沢は終了。
・小坂志川本流
小坂志林道を歩いて上流へ進み、林道が沢を離れる付近で入渓。ウルシガ谷沢よりは水量が多く、水も綺麗で、晴れていて太陽光も良く入るため、明るく雰囲気が良い。ここではヤマメを確認。途中大きな釜を備えた3m滝があり、なかなか見栄えがする。この滝は右岸から巻いたが(残置ロープあり)、久光と迫野は大きく巻きすぎてやや時間がかかった。やがてトウノキ沢(白岩沢)出合を経て、キットウ谷沢出合。
・キットウ谷沢遡行
キットウ谷沢へ入ると、急に傾斜が増し、小滝がいくつか出てくるが、序盤の滝はどれも容易。倒木はやや多いが、ナメはウルシガ谷沢より多く、景観はこちらの方が良い。どんどん進んでいくと右俣が伏流とされる二俣に着いたが、約20年前とは状況が異なり、伏流ではなく2:1程度だったので、現在地を間違えそうになった。ここで左に入るとすぐにこの沢で一番難しいとされるF4(6m)。まだ4月初めなのに完全にシャワークライミングとなって中央を直登(Ⅲ+)して、後続にはお助け紐を出した。続くF5(5m)もシャワークライミング(Ⅲ)で、同じくお助け紐使用。この2滝でだいぶ寒くなったので、温めるためにどんどん進む。奥の二俣までくると上部には林道が見え、ここを左に入って小滝を直登すると、すぐに林道に出た。
・林道下山
靴の履き替えなどをしてから、この新しい林道をひたすら下っていくと、30分くらいで車に戻った。
・橘峡下見
南秋川本流には吉祥寺滝があり、その下流には橘峡というゴルジュがあるらしいということで、夏に大水量の沢の遡行の練習ができるのではないかと考え、見に行ってみたところ、実際良さそうであった。この夏に行ってみたい。
・払沢支流の下見、払沢の滝観瀑
払沢の滝の下流で南から払沢に流れ込む支流は名称不明だが、地形図で見る限り等高線が混んでおり、遡行価値があってもおかしくない。今回はとりあえず出合だけ見てみたが、水量は少なくなく、期待は持てるのでそのうち遡行してみたい。ついでに払沢の滝を見に行ったところ、包接しているアズマヒキガエルが観察され、迫野は喜んでいた。
■備考・感想
・水量が少ない沢でも、シャワークライミングを強いられることはあるので、濡れたくなければそこまで調べた方が良かった。
・ヤマビルなし。まだ相模川の北には進出していないはず。
・沢中で人との遭遇なし。
・本記録でキットウ谷沢とした沢の沢名については、古い本では「ハンメウ沢」や「ハンメイ沢」となっていて、「キットヤ」はもっと上流にある沢名だったようだが、いつの頃からか変わったようである。最初は誤記だったのだろうが、もはやこちらの方が定着してしまっているので、それに従った。
■雑感
・途中で車に戻ってくる山行なんて、39年間で初めてではないだろうか、どうでもいいけれど。