2018/5/4-5 三嶺・剣山

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
三嶺・剣山山行計画書計画書 第2.1版
作成者:平岩

■日程 2018/5/4-5(金・土)
■山域 剣山地
■在京本部設置要請日時 2018/5/5 18:00
■捜索要請日時 2018/5/6 09:00
■メンバー 計4名
CL 平岩 SL 児玉 ・小暮 ・花井

■集合
 3日夜発に「行き」のバスに間に合うように新宿駅か横浜駅に来てください。
■交通
□行き 13980円
 3日
  バスタ新宿21:15 平岩、児玉、小暮
  横浜駅YCAT22:15 花井
 4日
  (琴平バス 東京・千葉⇒香川・徳島・愛媛・高知 705便)-06:36徳島駅前 9120円
  06:47徳島-(JR特急剣山1号・阿波池田行)-07:33穴吹 850+520円
  08:20穴吹駅-(美馬市営バス穴吹・木屋平線)-9:34滝の宮 1440円
  09:50滝の宮-(美馬市営バス滝の宮・剣山線線)-10:45見の越 1020円
  見の越-西島はリフト使用[片道1030円]だと15分。皆の体力が有り余っていたら歩く[0:50]。

□帰り 丸亀までは2970円
 5日
  菅生15:47-(三好市営バス)-16:00久保 230円
  久保16:44-(四国交通祖谷線・阿波池田バスターミナル行)-18:40池田BT 1790円
  阿波池田18:55-(JR土讃線・琴平行)-19:35琴平
  琴平19:37-(JR土讃線・高松行)-19:56丸亀 950円

 *上記バスに間に合わない場合 
 菅生17:15-17:43京上 500円
 京上-阿波池田駅 大歩危タクシー 46km 1時間15分程 12000円/1台
 ※京上から最短の駅は大歩危駅ですが、この時間帯は特急でしか香川県方面へ出られないため、4人で割った場合はタクシーの方が安いです。
 5日夜に丸亀に宿泊(3900円/人)し、6日香川観光。
 以下の帰路は参考まで。
  6日
   丸亀駅BT20:05-(四国高速バス)-07:45バスタ新宿 9600円 2名

■行程
 [1日目]
  西島-0:45-剣山頂上ヒュッテ-0:05-剣山-0:30-次郎笈峠-0:25-次郎笈-0:10-次郎笈水-0:40-スーパー林道分岐-0:40-丸石避難小屋 計:3時間15分
 [2日目]
  丸石避難小屋-01:00-高ノ瀬-0:25-中東山分岐-1:30-白髪避難小屋-0:55-カヤハゲ(東熊山)-1:10-三嶺-1:25-旧造林小屋-1:00-いやしの温泉郷(菅生) 計7時間25分

■エスケープルート
 剣山まで:引き返して見の越へ
 丸石避難小屋まで:二重かずら橋バス停へ[1:25][10:40剣山方面,11:18京上方面バス]
 白髪避難小屋まで:避難小屋登山口へ[0:40][大栃までタクシー1時間]
 カヤハゲ(東熊山)周辺:さおりがはらへ[1:40][大栃までタクシー40分]
 それ以降:そのまま進む

■共同装備
 救急箱(アゲハ)
 Alminium(竹・小竹)
 ヘッド(緑7,8)
 調理器具セット(ガジャ・マダ)

■地図
 2.5万分の1 「剣山」「京上」
 山と高原地図「56石鎚・四国剣山」

■遭難対策費
 メンバー 200円×4人×2日=800円

■備考 
 4日日の入 18:50
 5日日の出  5:12(共に三嶺)
 *山小屋について
  ・剣山頂上ヒュッテ:定員150名 水場・トイレあり 豪華な小屋 088-622-0633
  ・丸石避難小屋:定員15人 水場・トイレなし 普通の小屋
  ・白髪避難小屋:定員15~20人 水場あり、トイレなし  普通の小屋
  ・三嶺ヒュッテ:定員30人以上  水場・トイレあり 綺麗な小屋
 *各種連絡先
  徳島県警美馬警察署 0883-52-0110
  つるぎ庁舎 0883-62-3110
  三好警察署 0883-72-0110
  那賀警察署 0884-62-0110
  高知県警南国警察署 088-863-0110
  美馬市営バス 0883-68-2112
  ぐるっと剣山登山バス 0883-62-3114
  剣山リフト 0833-62-2772 9:00~16:45
  三好市営バス東祖谷地区 0883-88-2212
  四国交通 0883-72-2171
  大歩危タクシー 0883-84-1225
 (*荒天時山行中止:3日12時に判断)
 *温泉:いやしの温泉郷 0833-88-2975/10:00~20:30/500円

三嶺・剣山山行記録
作成者:平岩

■日程 2018/5/4-5
■山域 剣山地
■メンバー(オーダーは適宜変更)
 SL児玉 CL平岩 花井 小暮

■タイムスタンプ
 [1日目]
  1105 剣神社発
  1147 西島駅
  1200 発
  1211 刀掛の松
  1230 山頂
  1356 発
  1440 次郎岌
  1455 次郎岌巻き道との合流地点
  1506 発
  1526 林道分岐
  1545 丸石
  1609 丸石避難小屋
 [2日目]
  0443 丸石避難小屋発
  0525 一本
  0538 発
  0601 中東山分岐
  0646 一本
  0727 白髪避難小屋通過
  0740 白髪山分岐
  0752 発
  0823 カヤハゲ通過
  0838 カヤハゲ後の第一ピークにて一本
  0845 発
  0930 三嶺山頂
  0945 発
  0952 三嶺ヒュッテ
  1040 発
  1122 1425m地点通過 
  1126 一本
  1135 発
  1148 1300m地点通過
  1151 旧造林小屋通過
  1210 ※登山道を逸れる
  1250 登山道へ復帰
  1300 発

■総括
 笹尾根を歩く時間が長く、終始展望が良いので、遠征した甲斐があった。
 剣山から三嶺へ抜けることで冬の終わり〜新緑まで山の季節の移り変わりを一気に見られるので、面白い時期だと思う。

■記録
 [1日目]
  ○~見ノ越まで
   無事に全員夜行バスに乗れた。4人同時に同じバスに申し込んだものの、横浜駅から乗車する花井くんだけ違うバス車両となった。「705便」が3台あるという謎事態。さすがGW。
   徳島駅へ着いたら快晴。夜行バスが予定より早く駅に着いたため、本当は6:35発の各駅停車に間に合ったが、既に特急券を買っていたため特急剣山に乗った。
   穴吹はのどかな雰囲気。バスが来るまで暇なので、吉野川を眺めに橋へ向かったが風が強すぎ、渡りきらずに引き返した。駅前の「日乃出本店」という和菓子処が、開店時間前にも関わらず開いていたので、阿波名物だというぶどう饅頭などを買い占める。
   8:20穴吹発のバスは、20人乗りぐらいだったが登山客で満員。爆睡していたら滝の宮に着いており、より小さいバスに乗り換えた。乗客は18人いたようで席が足らず、補助席を使った。
   その後は関西から来ている社会人登山サークルの人と話したが、本日5/4から「マチアソビ」をやっているから、夜行バスが混んでいたのでは?と言われた。さすがufotable。
  ○見ノ越~剣山山頂
   当初の計画では西島までリフトに乗る予定だったが、皆のザックが大きく重くて、1人用のリフトで抱えて乗るのはちょっと危なそうだったので、乗るのは断念。西島までの道を歩いた。思っていたよりはるかに眺めが良く、後半はずっと最高の展望だったので、歩いても問題なかった。
   西島付近では急に人が増えるが、山頂まで何本かコースがあるので、登山客は分散。私達は最短コースを取って尾根を直登したが、階段が多い。しかし眺めが良いので階段など気にならない。
   剣山山頂ヒュッテは、賑わっていた。隣りに神社もあったが、山頂限定販売の御守が千円とお高めなので購入は遠慮した。ヒュッテ前のベンチでお湯を沸かし、小暮くんが持ってきたカップヌードルを食べる。山頂で食べるのに憧れていたらしい。私も憧れてました。皆で美味しい美味しいと頬張りつつ、ぶどう饅頭も食べていたらだいぶ長居していた。
   山頂のトイレは噂に聞いていたように、最高ランクに美しいトイレだった。下界のリフト乗り場のトイレよりはるかに綺麗。
  ○剣山山頂~次郎岌
   剣山の山頂脇からは次郎岌が見える。
   笹尾根の中、細かいアップダウンが続く。下りは少しガレ気味だが、特筆するほど危ない場所はない。登りもあるが、視界の全方位の眺めが良いので、頑張れる。申し訳程度に一ヶ所ロープがついていたが、ロープは使わずに登れる程度。
   山頂ヒュッテに向かうパーティーとは3,4組すれ違った。
   次郎岌はエアリアに書いてあるように展望は良いものの、ここまでもずっと展望が良いので、感動は薄め。快晴だが風は強く、長時間止まると寒くてしょうがないので、さっさと下りた。
  ○次郎岌~丸石避難小屋
   次郎岌をまく道と合流すると、道の脇にぽつぽつと木が生える。しかし枯れているので眺めはよい。
   丸石までは下りて→登るが2回あるので、ちょっと心にくるが、とにかく眺めが良いので気にならない。丸石までの最後の登りは、水を大量に持ってきた人々にはちょっときつかったかもしれない。
   丸石からは、林の隙間から展望がある。ガレている所もあって慎重に下りたからか、小屋に着くのにコースタイムより時間がかかった。
  ○丸石避難小屋
   中に入ると既に7人おり、私達4人が入るために詰めてもらった。定員10-15人とのことだが、11,12人ぐらいで満員感がある。
   夕飯は、小暮くんが下準備してきてくれたハヤシ(ライス)。ライスではなくフランスパンで優雅に頂いた。昼にラーメンを食べていたので、ご飯無しで十分。日乃出本店のわらび餅もごちそうさまでした。
   反省や行程確認を終え、皆18:00ぐらいに寝ようとしていたが、寝れたのだろうか。私は眠くないので19:00頃まで本記録を記入していた。
 [2日目]
  ○丸石避難小屋
   03:30起床。小屋の他の宿泊者が起きておらず、肩身の狭い思いをしながら朝食を作る。花井くんのトマトペンネ、シンプルで美味しかったです。トイレは皆、環境や人間に配慮しつつ何とかした模様。
  ○丸石避難小屋~白髪避難小屋
   うすら明るい中、避難小屋を出た。高ノ瀬までの道は、エアリアに「年々コースは良くなっている」とあったので多少警戒していたが、踏み跡はしっかりついていた。両脇の木はまばらにしか生えていないが、意外と風がない。尾根の北側斜面ではうなるような風の音、反対に南側斜面は静か。不思議だ。
   高ノ瀬だと強風の可能性があったのと、御来光とタイミングを合わせたかったのとで、 高ノ瀬手前で一本。
   中東山分岐までは、よく整備された笹尾根。オオヤマレンゲの群落があり、食害対策ネットが張り巡らされていた。オオヤマレンゲはまだ葉すらついていないが、 ツルギミツバツツギが咲く姿は何度か見かけた。
   中東山へ向かう道は、微かに踏み跡がつく。たしかに「熟達者コース」。ここ以降三嶺までの登山道は、徳島-高知県境である。好展望の笹尾根がひたすらに続く。北の塔丸方面も南の石立山方面も、かなり遠くまで見える。
   「展望が良い」と書かれた1732m地点で休憩しようと思っていたが、風が吹き抜ける地点だったため、少し下った地点で一本。
   白髪避難小屋までの道も、この時期は登山道脇の木々が葉を落としたままなので、好展望。
  ○白髪避難小屋
   白髪避難小屋の回りに、2-3人用のテントが2組残っていた。ここまですれ違ったパーティーの話によると、
    ・昨晩は、先着したパーティー(7人いた)でも、テントを持っている場合は、小屋から出て、後から来たパーティーのために小屋を譲った。
    ・白髪避難小屋の定員がmax15名なのを考慮すると、小屋付近に泊まろうとした人は25人超いたのでは。
   「普段ならありえない」と、小屋を追い出されたパーティーは言っていたが、GWは公共交通だけで来られるため、しょうがないだろう。
   この小屋は位置が絶妙なので、後発だと小屋内に泊まれない可能性が高いと認識していたが、本当にそうだったようで内心ひやりとした。
  ○白髪避難小屋~三嶺山頂
   白髪山分岐にて、一本。風は強いが比較的まし。花井くんが日乃出本店で買った菖蒲という練り切りを頂く。今日は端午の節句のため、男子二人の今後の健やかな成長(?)を願っておく。
   ここから一気に100m程下る。道は所々ぬかるみ、滑りやすい。
   韮生越の堂床への下山路は、ぱっと見道標の裏の針金ネットを突き抜けた先に道があるように見える(ネットを回り込めば進める)。
   カヤハゲでは、真っ正面に三嶺の南方斜面が見え、モチベーションが上がると同時に、こらからの登り直しの辛さを感じさせられる。次第に、道の両脇が切られた感じの尾根になると、前方に巨大な岩がそびえる。この辺りから鎖がつき始めるが、鎖無しでも上がれ、横に巻き道がついてる場合もある。三人とも上手く登っていた。
   三嶺に着いた頃は、曇りではあるが、景色は遠方までよく見えた。
  ○三嶺山頂~1425m地点
   お手洗いに行きたい人がおり、早々に三嶺ヒュッテ(三嶺小屋)へ移動した。三嶺ヒュッテは、2階建の立派な小屋。35人ぐらいは入るか。ぴかぴか。しかし、隣のトイレは普通の汲み取り式。ヒュッテの前でお湯を沸かし、スープを飲むなどして体を休めた。
   ここからは一気に下り。ヒュッテまでですれ違ったパーティーは、ほぼ皆名頃におりるといっており、我々が菅生という地名をだすと怪訝な顔をしてる人もいた。やはり今は、菅生へ下りる道はマイナーのようだ。ヤマレコでもあまり記録がなかった。
   はじめは、足元一面笹原で、一筋の踏み固められた道を進んだ。児玉さんは結構サクサク下りる。後ろの男子陣はおしゃべりに勤しんでおり、ちょっと距離があきがちになった。
   予定では1578m地点で休憩する予定だったが、思いの外とばしており通過してしまったので、1425m地点で一本。ここには徳島県設置の真新しい看板が立っていた。
  ○1425m地点〜1150m地点
   この後は、新緑の樹林の中を進んだ。光がやわらかで、歩いていてとても心地よい道。足元には青っぽい石(角閃岩?)が落ちており、「海のよう」だとは児玉さん談。コース中にある、造林小屋はエアリアの記載通り、崩壊しかかっており、廃屋マニアとかが好きそうな感じだった。
  ○登山道から逸れている際
   1150mの尾根で東に曲がらずに登山道からそれる。道が柔らかい、鹿の糞があるといったことから、自分達が登山道からそれているという自覚はあったので、一度止まって話し合いをした。
   ※ここで何故引き返さなかったのか?
    今冷静になるとすぐに引き返せば確実だったのが、その当時は、
     ・視界にモノレールがある状態だったので、モノレールと並走すれば下りられる
     ・モノレールを横目にだいぶ下りてきてしまっていた
     ・森林管理でたまに利用されているからか、登山道ほどの安定感は無いものの、地面がまぁまぁ歩ける状態だった
    という三点が大きく、そのまま下りる選択を取った。
    互いが見える範囲で東(平岩)と西(小暮)に確認へ行き、すぐに登山道へ復帰できないか探索。平岩は東に行き過ぎて、地形図上で描かれている沢にあたっため、小暮が確認した、西のモノレール脇に戻ることにした。その後、ピンクテープのフェイク(登山道を示していない)があることが確認されたため、1100m地点からモノレールの脇を歩く。
    しばらくモノレール脇の道(急だが、若干踏み跡がある)を進む。一度、東側40m程先にピンクテープが巻かれた木が見えたが、そのピンクテープが本当に登山道を示すか不明だったので、CL判断でモノレール脇の並走を決定する。
    モノレール脇の1050m地点を示す看板を見て、残り50m並走を決めた。
    1000m地点からは地形図通りの登山道へ復帰した。登山道からそれている時間は計40分だった。
  ○1000m地点~いやしの温泉郷
   一安心して、新緑のブナ林の中を進む。これ以降も、ぱっと見は登山道とそれ以外の地面との違いは分かりづらいが、道の固さや地籍調査のピンクテープを参考に下りきった。
   850m地点から少し下ると、地形図に描かれた建物があった。母屋だけでなく蔵などもあり、かつては立派なお屋敷だったのだろうが、今や住む人はおらず崩れかけている。家の前にある真新しいお墓があったので、家主が亡くなったことが推察される。
   その後は、屋敷の周りをぐるっとまわって(地形図には記載されていない林道?)西側の車道に出て、少し進むといやしの温泉郷に到着した。
   その後は長い時間をかけ、丸亀まで向かい、翌日は香川を観光して帰京した。

□反省
 ・「遠征」というイメージが強すぎて皆、水や食料を持ってきすぎた点。適宜流したので、結果的に良い感じのトレーニングになったが…。
 ・献立上、鍋が1つで済むのに、2個持ってきた点。
 ・時期的に避難小屋が混雑すると認識していたにも関わらず、テントを共装に入れなかったこと。保険として持っていけば、安心感があったはず。
 ・起床用のアラームは、だれがかけたか確認すべき。
 ・朝食用のパスタは具がトマトだけでも、男子2人女子2人だと、375gでは多かった。今回のメンバーでは250gぐらいでよかったかも。
 ※登山道をそれた点についての大反省
  ・問題の尾根へ至る前から、「道が分かりにくい」と会話していた以上、怪しいと思ったらすぐに道を引き返すべきだった。
  ・道上に鹿の糞がある時点でもっと警戒すべきだった。
  ・ピンクテープはやはり信用ならない。東祖谷地区では、地籍調査を済ませた地に、矢鱈めったらピンクテープが貼られており、登山道の目印になるとは言い難かった。

□雑感
 ・昨年GWに西日本へ遠征したら満足したので、今年も行きたくなって立てた。西の山は、やっぱり東の山と雰囲気が違うように思う。
 ・SLが初秋に石鎚山やりたい!と言っていたので、行きたい人はかけてみましょう。