2018/5/12-13 大菩薩嶺

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
大菩薩嶺合宿計画書 第三版 (2018/5/11時点)
作成者:杉山

■日程 2018/5/12-13 (土, 日)
■山域 大菩薩嶺
■在京本部設置要請日時 2018/5/13 18:00
■捜索要請日時 2018/5/14 9:00
■メンバー 23=(9+14)名
 CL杉山 SL石賀 平岩 菅沼 吉田 饗場 木口 牛 小暮 在田 岩瀬 河原 猶木 橋本 池部 宇野 卜部 梶原 加藤 川幡 佐藤 武田 東山
 隊分け(暫定、敬称略)
  1隊(8名):石賀 猶木 橋本 池部 宇野 川幡 木口 吉田
  2隊(7名):小暮 在田 佐藤 武田 東山 牛 平岩
  3隊(8名):杉山 岩瀬 河原井 卜部 梶原 加藤 饗場 菅沼

■集合
 京王線特急・高尾山口行 新宿駅6:57発(3番線) 先頭車両
 ※途中合流する方は事前にCLまでお伝えください。

■交通
□行き
 京王線特急・高尾山口行 新宿6:57➝高尾7:40 (360円)
 JR中央本線・甲府行 高尾8:10➝塩山9:15 (1144円)
 甲州市民バス 塩山駅南口9:30➝大菩薩峠登山口9:57 (300円)
 ※バスは次の便が約2時間後になってしまうので、混雑の場合はタクシーを使うかもしれません(1台あたり約2600円)。
 ※市民バスは基本的に臨時便を出すことはないそうです。

 《遅れた場合》
 京王線特急・京王八王子行 新宿7:08➝北野7:43/7:46高尾7:56 (360円)
 ※これ以降ですとバスに間に合いません。タクシーを使うことになります。

□帰り
 山梨交通 大菩薩の湯(10:03/10:36/12:00/15:03/16:06/18:33(終バス))
 ➝塩山駅南口(10:27/11:00/12:24/15:27/16:30/18:57(終バス))
 (300円)
 塩山(…/22:28(終電))➝新宿(…/00:37(終電)) 2時間強 1944円

■行程
 〈1日目〉
  大菩薩峠登山口 -25- 分岐 -1:45- ロッヂ長兵衛 -25- 福ちゃん荘
  計2:35
 〈2日目〉
  福ちゃん荘 -1:00- 雷岩 -10- 大菩薩嶺山頂 -10- 雷岩 -40- 大菩薩峠 -30- 天狗棚 -45- 小屋平 -30- ロッヂ長兵衛 -1:20- 分岐 -20- 大菩薩峠登山口 -10- 大菩薩の湯
  計5:35

■エスケープルート
 大菩薩嶺まで:引き返す
 大菩薩嶺から大菩薩峠まで:富士見山荘経由で福ちゃん荘へ
 それ以降:そのまま進む
 ※大菩薩峠登山口~分岐間は沢沿いなので、悪天時は上日川峠or石丸峠入口からバスで帰るかもしれません。福ちゃん荘まではタクシーを呼ぶこともできます。
 ※栄和交通バス 上日川峠(9:00/13:00/14:00/15:00/15:45)
 ➝石丸峠入口(9:05/13:05/14:05/15:05/15:50)
 ➝甲斐大和駅(9:45/13:45/14:45/15:45/16:30) (1000円)
 ※福ちゃん荘~塩山駅 タクシー約40分 約5800円

■地図
 2.5万分の1:「大菩薩峠」
 山と高原地図:「25 大菩薩嶺」

■共同装備
 --テント類--
 Dunlop V6 No.1
  本体+フライ+ポール+ペグ
 Dunlop V6 No.2
  本体+フライ
  ポール+ペグ
 ステラリッジ
  本体+フライ+ポール+ペグ
 エスパース
  本体+フライ+ポール+ペグ
 エアライズ
  本体+フライ+ポール+ペグ
 ゴアライト
  本体+フライ+ポール+ペグ

 --それ以外--
 救急箱(エーデルワイス)
 救急箱(アゲハ)
 救急箱(有紗)
 鍋(松)
 鍋(竹)
 鍋(小竹)
 鍋(雪、月)
 ヘッド(緑4)
 ヘッド(緑7)
 ヘッド(緑9)
 カート*3
 カート*3
 調理器具セット(ディド)
 調理器具セット(ガジャ・マダ)

■遭難対策費
 200円/人×23人 計4600円

■悪天時
 2日目午後が若干怪しいですが、決行します。

■備考
□日の出日の入(全て大菩薩嶺にて)
 5/12 日の入:18:49
 5/13日の出:4:33
 5/13日の入:18:50

□警察署電話番号
 〇日下部警察署 0553-22-0110

□施設情報
 〇ロッヂ長兵衛
  幕営400円/人 素泊まり5000円/人
  山梨県甲州市塩山上萩原2367 雨宮方 0553-33-4641
  URL: (http://www.choubei.info/)

 〇福ちゃん荘
  幕営400円/人 (100名前後分のスペース有) 素泊まり4400円/人 水場あり
  090-3147-9215
  URL: (http://www.kcnet.ne.jp/~fukuchan/)

□タクシー会社情報
 塩山タクシー 0553-32-3200
 甲州タクシー 0553-33-3120

□温泉
 〇大菩薩の湯
  610円(3時間以内)
  URL: (http://www.s-seiun.co.jp/shisetsu/daibosatsu/)

□過去記録
 2016年 大菩薩嶺新歓合宿

大菩薩嶺新歓合宿記録
作成者:石賀、小暮、杉山

■2018/5/12-13(土, 日)
■山域 大菩薩嶺
■天候 1日目:晴 2日目:晴れのち雨
■メンバー 21(=9+12)名
 CL杉山 SL石賀 平岩 菅沼 吉田 饗場 木口 牛 小暮 在田 岩瀬 河原井 猶木 橋本 池部 宇野 卜部 梶原 加藤 川幡 佐藤
 1隊(7名):石賀 猶木 橋本 宇野 川幡 木口 吉田
 2隊(7名):小暮 在田 池部 梶原 佐藤 牛 平岩
 3隊(7名):杉山 岩瀬 河原井 卜部 加藤 饗場 菅沼

■行程・記録(1隊) 文責:石賀
〈1日目〉
 10:33 大菩薩峠登山口発
 11:00 山道に入る
 11:13-11:23 一本(千石茶屋)
 11:57-12:09 一本
 12:32-12:37 半本
 13:02-13:22 ロッジ長兵衛
 13:45 福ちゃん荘着
 19:00 就寝
〈2日目〉
  3:00 起床
  4:50 福ちゃん荘発
  5:24-5:34 一本
  6:00 雷岩着
  6:11 大菩薩嶺山頂
  6:35 雷岩発
  7:00-7:10 一本(大菩薩峠)
  7:35-7:40 半本(石丸峠)
  8:28-8:38 一本(小屋平)
  9:08-9:50 ロッジ長兵衛
 10:40-10:45 半本(千石茶屋)
 11:15 大菩薩の湯

今回はSL兼先頭としての参加でした
21人という大所帯でテン泊の合宿をするのは始めてだったので何か起こらないか心配でしたが大きな問題もなく終わったのでよかったのではないでしょうか。

やはり塩山の方まで来ると登り始めが遅くなりましたね。バスも他団体と乗合になり大変混雑していたので登山口時点でかなり気分は萎えてました。序盤が車道続きだったのもあり何度も「福ちゃん荘までタクシーにしようや」とボヤいてました。
そんなこんなで登り始めたわけですが、今回は先頭として参加したわけで、そうすると最大の課題であるのがペースですね。気を取られ過ぎて吉田さんに「木の枝とかカバンが引っかかりそうなものがあったら頭上注意等と言ってくれ」と言われました。反省です。
ペースに話を戻しますと自分はエアリアタイム通りに進みたいときは登りは「君が代」に合わせて、平地は「アンパンマンのマーチ」に合わせて歩幅を小さくして進んでいきます。bpmにすると70と100くらいです。試されるときはお好みの曲でどうぞ。一応「君が代」で試される方が飽きないように二番の歌詞を置いておきます。

君が代は 千ひろの底の さざれ石の
うの居(ゐ)る磯と 現はるるまで
(JASRAC未許諾)

休憩のとり方も難しいですね。泊まりの山行のときは30~40分に一本入れることにしてますが当然全区間のエアリアタイムが30分の倍数ではないので急登とかの後に半本入れたりして調整しています。というようなことを山行記録に書こうかなどと考えていたらロッジ長兵衛に着きました。ここまでくればテン場のある福ちゃん荘はもう目と鼻の先です。その縮尺で言えばバス停はつむじあたりですね。かなり登ってます。

予定では一本だったのですが結構しっかり休憩所があった上に急ぐこともないしでアイス食べたいなどと言いながら二本程度の休憩になりました。結局何も買わずに出ていきましたが。
真面目な話をするとこれは賛否両論ありますね。状況を見て臨機応変に休憩時間を変えたといえば聞こえはいいですが、メリハリはつけるべきという意見もあるでしょうし、そこまで締め付けては楽しくないしサークルの雰囲気にそぐわないという意見もあるかもしれません。
「休憩時に全員が到着するまで荷物を下ろさないべきか」や「山行記録は真面目に書くべきか」と似たような問題だと思います。
個人的には人の数だけ山行があるということでいいんじゃないかと思います。もちろん山行記録も。
ちなみにかのマロリーはパーティが萎縮して休憩時になかなか荷物を下ろそうとしないのを見て
"Let us rest.
It is tiring always to make the backpack a backrest.
Even to me a challenger of The Highest."
(休憩しましょう、ザックを背もたれにし(ザックを背負うこと)続けるのは、エベレストに挑戦する私ですら疲れることだ)
という見事な韻文を残したそうです。本当に言ったかどうかは文頭一文字をつなげればわかるかと。

そんなことより大事なのはテン場でのマナーですよね。賛否両論とかなくわかりやすく他団体に迷惑をかけてはいけないという明確なルールがあります。
福ちゃん荘に着いたら経営者らしきおばあさまにかなり冷たい態度を取られてしまいました。かつてマナーの悪い大学生グループでも来たのでしょうか、嘆かわしいものです。
これを読む方々は新入生含めて皆さんご存知の通り、就寝時間は極力声をたてない、ヘッドランプを他のテントに向けないなどは徹底したいですね。今回の合宿では杉山くんなどの教育の甲斐あってかとてもマナーが良かったかと思います。

無事テントを張り終え夕食を待つ段になりました。ここでの時間の過ごし方は永遠の課題ですね。僕は専ら銀マを地面に敷いて日光浴兼睡眠です。コミュニケーションは放り捨てました。すると何やら周りに人だかりができ始めまして、記念撮影をされました。曰く「眠り姫のようだ」とのことです。目覚めるための王子のキスを待っていたところ、ワード人狼の声が聞こえて来たので起きました。どうやら私は眠り姫ではなく赤ずきんちゃんのおばあさんだったようです。
ワード人狼とは何かは良ければ調べてみてください。これもまたテン場での時間の有効な過ごし方です。

そうして夕食の時間になりました。カレーライスだそうです。3つもの鍋を使って米を炊いていました。まとめ買いしたからと無洗米をわけてくれた小暮くんに感謝。
カレーの方はカレーの方で食当の木口さんが大量の具材を下処理して持ってきてくれたので2つの鍋で底が見えないくらいの具たちを煮ていました。言われてみればカレーはそもそも濁っているので底が見えないですね。察してください。
そういえば調理中に菅沼さんに「君は筑駒出身っぽさがないよね」という筑駒界隈では最上級の褒め言葉をいただきました。現在オタクが早口で喋ってそうなこの山行記録でせっかくのお言葉を台無しにしている最中です。
17:00くらいだったでしょうか、夕飯が完成してみんなで食べ始めました。とても美味しかったです。山でこんなに具だくさんで美味しいカレーが食べられるとは思いませんでした。高校時代に米炊きも微妙でハヤシではなくシチューのルーを持っていって後輩になんでカレーにしなかったんですか?とキレられた経験を持つ私からすれば羨ましい料理スキルです。マジでありがとうございました。

ご飯を食べ終えた頃、他団体の代表の方に話しかけられ、こちらの代表と話がしたいというので杉山を差し出し僕は遠巻きに会話を眺めてました。この件もそうなのですが、CLというのはとても責任の重い任で、その負担を軽減するのがSLの役目であるはずなのですが、今回の山行では判断を杉山に委ねることが多く、頼りきりになってしまっていたように感じます。ごめんなさい。
その会話ではどうやら就寝時間や翌日の起床時間、行程について話し合っていたらしく、杉山から19:00までに就寝することと翌日は3:00起床であることが告知されました。これにて一日目は終了です。

…お隣の団体さんは2:30起床だったようですね。声がして目が覚めたら2:30でした。割と普通のトーンで雑談などもされていて朝から元気よろしおすなあという感じでしたが、向こうも大所帯ですしこちらも活動を始めたら他の団体にそのように思われるかもしれません。寛容と自省が山では大切です。
3:00になり朝食を作り始めました。朝食はペンネ入りトマトスープとのことで、ペンネを茹でたりスープを作ったりしていました。こちらも素晴らしいクオリティでした。次回以降の食当のハードルが段々と上がっていきます。本来の食当だった鈴木さんが体調不良で来れなくなった代走を引き受けてくれたうえ、ここまで仕上げてくれた饗場さんにもとても感謝しています。

腹ごしらえが済んだところで出発です。雷岩までの道のりの途中、丁度両サイドが谷から山に変わるあたりで急登があることがわかったので、その前後でうまいこと一本とることにして進んで行きました。最初は山と谷、急か緩やかかくらいでいいので読めるようになるといいですよね。読図講習会に出ましょう。
雷岩に無事着きました。道中でも見えていましたが、雷岩からは一際きれいに富士山が見えました。天気予報では怪しかっただけに良かったです。
大菩薩嶺の山頂は見るものもないしそう広くもないので、写真撮影は主に雷岩ですることを出発前に話し合って決めていたのですが、私が少し勘違いをしていてごたつきました。隊分けをしたときの隊間の認識のすり合わせはもう少し綿密に行わなくてはならないと思いました。
そのごたつきもあって下り始めは一隊と三隊の間が結構あきました。最終的にはロッジ長兵衛で三隊が来るまで待機していたのですが、三隊は先に行っているものだと思ったらしく、そういった取り決めも出発前にしておくべきだと思いました。
なんか内容が薄くなってきましたね。これは私の山に対する感情に起因していて、山頂を過ぎるとなんというか面白みがなくなったように感じて心を無にして一気に下りてしまうんですよね。
途中の山小屋にかかっていた百名山暖簾が欲しいと話したり、深い沢があって何人か足をハメてしまったり、ロッジ長兵衛で休憩していたところスタッフさんにSNSに上げるための写真を取られたり色々ありましたが、詳しくは感情を失ってなさそうな杉山くんの記録をご覧ください。
感情が戻ったのは温泉の休憩所です。心地よい疲れとともに周囲を見ていると、38期東大代表と39期東大代表が牛乳を飲んでいることに気づきました。これを読んでいる東大の新入生は代表になりたかったら温泉上がりには牛乳を飲むといいのかもしれません。コーヒー牛乳などは飲まないのか聞いたところ、「コーヒー牛乳は外道」「コーヒー牛乳は牛乳ではなくて、僕は温泉のあとは牛乳派」とのことでした。口の悪い方がどちらかはご想像におまかせします。

やっぱり山での宿泊は楽しいですね。次回以降も無事に楽しく遂行できればな、と思います。

■行程・記録(2隊) 文責:小暮
〈1日目〉
 10:35 バス停出発
 11:25-35 千石茶屋
 12:10-20 一本
 12:45-50 車道(半本)
 13:07 ロッヂ長兵
 13:26 出発
 13:50 福ちゃん荘到着
〈2日目〉
  4:50 福ちゃん荘出発
  5:30-37小休止
  6:05 雷岩
  6:46 出発
  7:22-27 大菩薩峠
  8:16-28 一本目の車道
  9:13-55 上日川峠
 10:39-50千石茶屋

〈1日目〉
 先頭を務めるのは4/7の陣馬山以来なので少し緊張。バス停からはしばらく車道が続く。ずっと登りだったので、帰りは疲れた足でこの道を下るのかと考えると嫌な気分になった。仙石茶屋まで途中、車道から離れ登山道に入ったがずっと平坦な道が続き本格的に登りはじめたのは千石茶屋をすぎたあたりであった。登山道の両脇が土壁に囲まれて降り、雨が降った日にはおそらく足元が相当ぬかるむことが容易に想像できる。ときおり、廃止され閉鎖された登山道を目にしつつも、道は非常にわかりやすくロッヂ長兵につく。ロッヂ長兵では本当ならば10分の休憩をと考えていたのだが前後の隊の調整もあって出発が少しばかり遅くなってしまった。長兵から福ちゃん荘までは脇に車道を見ながらの道で、福ちゃん荘まで本当に車で来れることを痛感していた。

〈2日目〉
 2日目、いつもの泊まりの山行のように03:00に起床して、04:50に福ちゃん荘を出発。雷岩まで2度きつめの坂があったものの、途中で雲海ととても美しい富士山が見られて疲れなどほとんど感じなかった。雷岩に到着。雷岩付近にはほとんど木が生えていないため、風が異常に強くとても寒かった。各隊で記念撮影をすませたのち、百名山である大菩薩の山頂を踏みに行く。聞いていだ通りの木に囲まれた残念な景観であった。それから,下山まではとても早かった。ほとんど下りしかないためペースが少しばかり早まってしまい度々前の隊に追いつく場面があった。下山に向けて気持ちが高まってしまい、前後のペースに合わせることができなかったのは反省すべき点である。隊のメンバーの元気も比較的あったぽくみんな会話が弾んでいるようであった。途中、隊のメンバーの一人である、牛くんが突然走り出すという事件が発生したが、無事前の方で待っていてくれたため一安心。以降、このような自分勝手な行動は控えていただきたい。千石茶屋をすぎ一般道に戻ったあたりから、流石にメンバーの疲れがで始める。途中、雲峰神社の本殿へ向かう階段を往復してきたら温泉代を奢ってもらえるという平岩さんのチャレンジに挑戦したがあまりのもきつさに挫折。失敗してしまう。その後車道歩きが続いたもののメンバー全員温泉に到着。お疲れ様でした。

■行程・記録(3隊) 文責:杉山
〈1日目〉
 10:01 登山口
 10:38 出発
 10:58 分岐
 11:00-11:04 千石平
 11:14-11:31 千石茶屋
 12:05-12:23 一本
 13:11-13:35 ロッヂ長兵衛
 13:59 福ちゃん荘
〈2日目〉
  5:00 出発
  5:36-5:42 一本
  6:10 雷岩
  6:32 大菩薩嶺山頂
  6:41-6:52 雷岩
  7:25-7:38 介山荘
  8:03 石丸峠
  8:19-8:26 休止(腹痛)
  8:41-8:58 車道合流、一本
  9:10 バス停
  9:36-10:00 ロッヂ長兵衛
 10:43-10:55 千石茶屋
 11:25 大菩薩の湯

〈1日目〉
 発車時刻の20分ほど前にはほとんどのメンバーが新宿駅に集合していた。東山さんは寝坊、武田さんは体調不良で欠席とのこと。まあ、まだまだ行く機会はあります。2時間半ののち、塩山駅に到着。南口バス停で大宮高校山岳部の集団と鉢合わせた。同じ埼玉県の山岳部卒ゆえ親近感がわき、二言三言交わす。僕ら山岳部が高校の文化祭で販売した部誌が今でも彼らの部室に置かれているらしい。山に関する記述はほとんどなく、部員の趣味をむき出しにするだけの冊子だった。恥ずかしい。
 ここの市民バスは臨時便を出さない。一般登山客と雷鳥だけで相当の数が列に並んでおり、しかもそれぞれが大きなザックを抱えているもんだから、申し訳ないけれど後ろの大宮高校はタクシーを使うことになるだろうと踏んでいた。ところがどっこい、ザックを積み上げひしめき合い、見事全員で乗車に成功した。さすが山屋、パッキングがうまい。ほどなくして大菩薩嶺登山口へ到着。お手洗いは坂を少し上がったところにある。存外人も少ないので、隊間隔を短めにして出発した。どの新入生もパッキングがきれいだ。ザックの調節もほぼ問題なさそうだが、ショルダースタビライザーは見落としている子が多かった。
 千石茶屋の価格設定は良心的だったが、さすがにまだ課金するほどは飢えていない。さらに90分ほど歩けばロッヂ長兵衛だが、新入生はまだまだ元気そうだ。とはいえ橋本くんが靴擦れを訴えてきて、そういえば靴擦れの話を何もしていなかったなあと後悔した。大抵は何度か履きこむうちに何とかなるんですが、どんなに工夫してもしちゃう人っているんですよね。インソール、紐の締め方、靴下の厚み、果ては靴自体を変えてもダメな人はダメです。騙しだましやっていくしかないのです。皮膚保護クリームとキネシオロジーテープで耐え抜きましょう。
 福ちゃん荘に着き、先に手続きを済ませるか…と用紙にペンを走らせ始めたところ、吉田さんが走り寄ってきて「もう済ませたらしい」と。これは隊間の意思疎通に失敗した。「ごめんなさい、もう他の隊が手続きを済ませていたようです、少し記入してしまったのですが…」と用紙を返すと、山荘の方にものすご~く嫌そうな顔をされた。こちらが悪いのだが、そこまで露骨に顔に出さなくても…
 福ちゃん荘のテン場はそれなりに広く、既に先の大宮高校を含む2団体がテントを張っていたが、スペースに困窮することはなかった。V6を2つにエスパース、エアライズ、ステラリッジにゴアライト、と計6つのテントを動員したにも関わらず、である。水場もすぐそばにあるため利便性が高い。ただ、下地は落ち葉にうずもれ水はけに難がありそうなので、雨の日は苦しいかもしれない。トイレは水洗かつ洋式なうえ紙も用意されており、最上クラス。
 テントの張り方を教え、米を水につけ、テント割も決め(2人欠席者が出たのでゴアライトは荷物置き場となった)、あとは各々が好きに過ごした。ワードウルフをやったり、夕食に先んだってアルファ米やスープを食したり、小屋でおしゃれなお水(?)を買って飲んだり、と様々。夕食は木口さん作成のカレーで、山とは思えぬ豪勢な具材の数々にみな感心していた。シェフ自身は「おいしくなくない?」と不満げな様子だったが…おいしかったですよ。まったく、最近は食当のハードルが上がって上がって大変ですね。グラノーラ渡してお終い、じゃダメですか?ダメか。
 食事中、卜部さんの体調が芳しくないと聞いたので状況を尋ねたところ、軽い片頭痛がするとのこと。福ちゃん荘の標高はちょうど1700mほどで、今日一日で700m前後は登っている。寝不足、疲労、脱水、貧血など様々な要因が考えられるし、人によっては軽い高度障害が起きても決しておかしくはない。無理はしないこと、温かくして水分をとること、夜は眠れなくても目をつぶって静かにしておくこと、あたりの指示を出し、予備の水を上級生が持つことにした。このとき、救急箱の存在を改めて説明しておけば、もっと安心させてあげられたかもしれない。幸い、翌朝には回復してくれたようで、一安心。
 食事後、隣でテントを張っていた大宮高校の顧問と、就寝時刻や翌日の行程についてお話しする。ハマイバ丸の方へ下りていくというから大したものだ。「7時には静かにさせますよ」と言うと、「酒盛りとかは…ないですよね?」と。なるほど、大学生の集団ということで警戒されていたらしい。未成年ばかりですから、と笑って話を終えた。
 19時ころ就寝。この夜は暖かく、ペラペラのテントマット1枚で寝ても特に寒さは感じなかった。

〈2日目〉
 3時に起床。曇天に星は見えないが、朝にしては暖かく風雨もない。テントにほとんど結露がなく背負う身としてはありがたかった。朝食は饗場さん作成のトマトスープペンネで、初食当ながら手際も良く素晴らしかった。鈴木さんの代打を受け持っていただいたこともあり、感謝しています。食事は1時間程度で済み、テントをぱっぱとたたんで出発の準備に取り掛かる。丁寧にたたみ方を教えることはできなかったが、まあ回数を重ねればすぐ慣れるでしょう。
 パッキングが済むころになると、だんだんと空が白んで、ヘッドランプの電源を切る人が増えてくる。新入生が多いゆえ行動開始は5:30ころになると予想していたが、片付けがスムーズに済んだおかげで5時には3隊が出発できた。優秀優秀。雷岩手前がそれなりに急登であるようなので、手前の峠で適当に短く1本、雷岩でもう1本、ということで話をまとめた。道は一本で迷う要素はなく、木々の背後にちらと映る雲海に新入生たちの声が弾む。朝方に厚い雲に埋もれた空を見たとき、展望はあきらめる他ないと思ったのだが、いざ夜が明けてみれば雪を湛えた富士山と南アルプスの山々が雲上にその雄姿をさらしていた。ほんの数十分でこれが見られるのだから、まったくコスパのいい山だ。
 雷岩に着くと、2隊が写真撮影にはしゃいでいるのが見えた。直前の坂もいざ登ってみればさして急ではなく、登りやすい道であった。1隊の姿が見えないのに戸惑ったが、どうも荷物をデポして山頂へ向かったらしい。1隊-3隊間を10分と短くして、ちょうど1隊が出るころに3隊が追いついて写真撮影をするつもりだったのだが、1隊がやや早く着いたか、強風による寒さを嫌がったのか、あるいはそもそも事前の打ち合わせに失敗したか、ともかく先に行ってしまったようである。別段困るようなことでもないので(あの山頂に長居するとも思えないし)、1隊が戻ってきてから全体で記念撮影をした。1隊には先に出発してもらい、2,
 3隊は空身で山頂へ(荷物がなければ往復10分で済むので、大きく隊間が開くことはないと判断した)。さすが百名山!雷岩とは比べ物にならない“絶景”であった。
 富士山を後目に歩き続け、大菩薩峠で一本。介山荘にかかる百名山手拭いを見て、登った山を指折り数えた。とはいえ百名山踏破に憧れたのは昔の話で、今はあまり魅力を感じなくなってしまった。好きな山域に100回行く方が楽しそうに思える。それから、ここのお手洗いはどうもお金を入れるところがないように見えた。無料で利用できるのだろうか?きちんとあらためたわけではないが、もし事実ならすごい話だ。
 更に歩みを進め、石丸峠を過ぎたあたりで饗場さんが軽い腹痛を訴えてきた。初めての泊登山ゆえ、疲労と緊張で胃腸が弱っていたのかもしれない。菅沼さんの提案に従って正露丸を渡そうかと思ったのだが、どうもエーデルワイスには入っていないらしい。幸い、本人が鎮痛剤を所持していたため、それを飲んでもらうことにした。荷物を分配して再度出発する。
 石丸峠入口から上日川へ行く途中は3回ほど沢を渡る必要がある。2,
 3本目は地形図に載らない程度の幅でしかないが、1本目はそこそこの水量であった。直前に豪雨があるとやや面倒なことになるかもしれない。
 ロッヂ長兵衛で1, 2隊と合流。3隊は休憩の本数が多かったので、1隊とは30分近く開いてしまったようだ。隊の合流地点を事前に決めておかなかったため、てっきり1隊はもう出発してしまっているかと思っていた。結果的にここで目標とするバスの時刻などを話し合えたので、待機してくれていて助かった。
 後は前日に通った道を逆向きになぞり、大菩薩の湯へ到着。ちょうど3隊が着いたあたりで雨がぱらつき始めた。行動中に雨具を出さずに済んだのは、きっと日ごろの行いがよいからでしょうね。メンバーの皆さん、お疲れさまでした。

■反省
・帰りのバスの時刻表に不足があった。書き入れたつもりだったのだが…見直しせず通してしまったのはまずかった。
・体調不良者がいることを上級生全体に告知しておくべきだった。自分の隊だから、と思い怠ってしまったが、そういう問題ではない。
・救急箱の中身は改めて確認しなおす必要があると感じた。
・不慣れなためか、隊間の意思疎通に失敗することが多かった。もっと綿密に打ち合わせるべきであった。

■雑感
・石賀も指摘していることだが、2本以上の大休憩をとることが多かった。今回は行程にかなり余裕があり、新入生も多いことからとりわけ気にしてはいなかったが、山行の内容次第ではもっとメリハリのある休憩のとり方をすべきだろう。
・体調不良を早めに口に出して言い合える、というのはとてもいい関係ですね。
・中山製靴の重たい靴を履いている人がやけに多かった。下手な冬靴より重いというのに…ちなみに僕も高校時代は同じ靴を使っていたけれど、手入れを怠りすぎてカビを生やしました。今ではいい思い出です。
・1年生の皆さん、合宿お疲れさまでした(といってももう1か月前ですが…)。初めての泊まりは思った以上に疲れたことでしょう。大菩薩嶺に関して言えば、軽い荷物で一気に日帰りで行ってしまう方が楽だったりするかもしれません。大きいザックはそれだけで2キロ以上の重りになりますし、シュラフ、水、食料、着替え…と諸々入れれば、総重量はあっという間に10キロ近くまで達してしまいます。辛く感じたかもしれませんが、楽に歩く一番の近道は「慣れ」です。
 私事ですが、僕が高校山岳部に入って初めて向かったのは奥多摩の御岳山~大岳山~鋸山のプチ縦走でした。日帰りなのに辛くてつらくて、何が楽しいのかさっぱりわからず、部に入ったことを心底後悔しました。しかも後に顧問の先生が「あの程度は山じゃない」などとおっしゃるものだから、これはもう辞めてやろうと本気で思いました。ところが、何度も山に(いやいや)行くうちに、不思議と足取りが軽くなっていくのです。別段激しいトレーニングを積んだわけでもないのに。そうして、どこで道を間違えたのか、大学でも山を続けてしまいました。
 上級生がべらべら喋りながら登っていく様を見て、なぜこんなに元気なんだろうと思った新入生もいるかと思います。それは偏に「慣れ」です。何度も山に入れば力の抜きどころもわかりますし、体の緊張もほぐれてきます。遠回りに見えて一番の近道ですから、ぜひたくさん山へ行きましょう。